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2014年11月26日水曜日

ダイヤモンド事情⁉

 人生は四季のごとく巡りめくわけですが、ダイヤモンドの市場も同じことが言えます。1940年代から1990年代にかけてはシンジケートが価格の調整やコントロールを行ってきましたが、1990年代の半ばより色々なサプライヤーが現れ(実際にはその前から存在はしますが)ダイヤモンドの供給を始めました。

 現在ではシンジケートの若干の影響はあるとはいえ大方がそれぞれの市場原理により価格が変動をしております。単純に言えば需要の多いところは値上がりをし、そうでもないところの価格は弱含みとなります。これは健康な経済現象だといえるでしょう。

 ただ、現象でけを言えばという事で、実際にはダイヤモンド其々に特徴もあり、個性もありますので4Cのグレードで括った時のデーターであり、現実には4Cの中身だけではない事は賢明なダイヤモンドマンであれば皆が知っている事です。

 近年、ずーっとダイヤモンドの値上がりについて書く機会が多かったのですが、最近では価格の低迷について述べることが続いています。これが現象であり、今後も形を変えながら繰り返すという事だと思います。

 今年に入って全体的に価格は弱含みであり、特に1ctのサイズに関してはその現象が顕著です。しかし、そのサイズの中でも低品質のところ(SI3等)は若干強めなわけですが、それぞれのサイズによっても品質ごとにその強弱は変わっています。ただ全体的に言えることは3ct以下に関しては取引所の取引価格を見る限り弱含みです。

 勿論、これは長い目で見ると1現象にすぎず、冒頭に書いた人生が如くで、今までの歴史の中でも様々なことを繰り返し、特に我が国は為替の影響もあり、他国とはちょっと違った現象も生まれていますが、ある一定の期間を過ぎる事により価格の上昇は生まれるとは思います。

 現実に現在も価格が弱含みと言ってもこちらが望むような内容のものが手に入るかと言えば、なかなか探すことも難しい状況です。特にファンシーカット、ファンシーカラーに関してはもともと手に入る可能性が低いとはいえなかなか入手は困難です。

 現在では中国においてファンシーカラーの価格に大きな動きがあり、ダイヤモンドそのものを見るというより、レポートを見てグレーディングの結果がどうかという事で中国独特の値動きをしているようです。

 現状マーケットが弱い状況で、動くことが良いのかどうかはそれぞれの判断によるとは思います。多くのまともなダイヤモンドビジネスを行っている人々は必ずしもグレードだけでは手を出しません。言葉で表現をすることは難しいのですが印象の良いダイヤモンドを望みます。

 多くの国の小売店を見ていると消費者の話をよく聞き、その人に見合ったダイヤモンドをお勧めしますので、やみくもにグレードだけではお勧めしません。人によって好みが違うし、考え方も違いますので、ある人には若干色のついたものを進め、ある人には大きさを重視しお勧めをしているようです。

 当店のお客様でもこちらがお勧めをするまでもなく若干イエロー系のダイヤモンドをあえて選ばれるお客様もいます。ダイヤモンドの市場や価格と言っても実際には千差万別でそれぞれの物により、状況が変わるといったことが現状のダイヤモンド事情なのです。

 四季が様々な彩を装い、春には芽吹き、夏には葉が生い茂り、秋には果実が実り、そして冬を迎え、同じ事の繰り返しのように見えるが決して同じ営みが行われることはありません。それはまるで我々の人生のように感じ、そしてダイヤモンドの歴史のようでもあります。

 ただ言える事は、ダイヤモンドは不変であるという事です。

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