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2014年11月1日土曜日

金融緩和とダイヤモンド⁉

 今回の黒田日銀総裁による金融緩和のタイミングは絶妙であったとの見解もありますが、果たしてそうだろうか? といった疑問があります。

 確かに一時的に株価が上昇し、円安にも向かい一時的には市場にとって良いように見えますが、実際のマーケットはどうであろうか。実質小売価格を押し上げ、実体経済という意味では危うさを感じます。

 米国の株市場も反応し、史上最高値を付けたように、単純に日本の実質経済市場に照らしてみてはたして良いのだろうか?

 つまり、現在の金融経済はバーチャルな部分が多く、利益を上げた人間のお金が市場に出回るかどうかが心配です。なぜなら、ここ数年実質的利益を上げている企業や投資家のお金はほとんど市場に還流されていないといって良いでしょう。

 それらの多くの人はマネーゲームだったり、必要以上の蓄財にあて、市場に還元をすることはほとんどないと言っても過言ではありません。ここ数年多くの利益を上げている金融機関の資金のほとんどは金融市場に回り、本来の役割である一般市場に資金を回すという役割はなされていません。

 低金利でお金を預かり、高金利で市場に資金を回し、実質的には金融緩和という内容では市場に反映はされていません。その証拠に10年定期を組んだとしても1%前後の金利ですが、ここ10年だけでもデフレとはいっても4%前後の物価上昇があります。つまり、現金のままに銀行に預けておくと3%の目減りを起こすわけです。

 金融機関は黙っていてもその分の利益が還元されるわけです。さらにグループ子会社化からキャッシングなどの高金利で融資をしておりますので、実質的に一般市場に金融緩和は効果が及んではいません。むしろバーチャル経済の後押し状態になっています。

 ダイヤモンド業界においても同じことが言えます。地金やダイヤモンドは現物資産として、保全に使われ、それ以外の資金を株や債券市場での投資に回しておりますので、地金やダイヤモンドは早々に価格が下がりません。もちろんダイヤモンドに関してはある程度の大きさと品質が条件にはなりますが・・。

 現状でも3cts以下のところに関しては大きな価格上昇を招いておりませんが、一定の大きさと付加価値を前提とした物は価格が下がりません。それではよかったではないかと思いますが、実質的にはジュエリーの範囲を超え資本家達の資金の逃げ場所になっていますので、経済状況が影響する小さなサイズは低価格に、そして大きなサイズは現実離れした価格になっています。

 これらの現象は格差が生んでいるものですが、金融緩和自体は資金の豊富なところにとっては確かに有効かもしれませんが一般市場に関してはいかがなものかと懸念をしています。

 今回の金融緩和が実体経済ではなくバーチャル経済に有効なだけで終わらないように祈るばかりです。実体経済より大きすぎる金融市場はいずれ大きなを痛手を我々に充てるような気がします。

 数年前のリーマンショックはそのためとは言いませんが金融至上主義が生んだ波乱であったことは否めません。少なくても実体経済であるダイヤモンド業界がバーチャル金融に巻き込まれることだけは避けたいものです。

 実体経済である地金のマーケットが動くときには必ずと言っていいほど過去のダイヤモンドの市場は動いています。注視したいものです。今はまだ高値安定ですが今後はどうなるのでしょうか?

 ただダイヤモンドに関しては1980年のようなバブルのような高騰とイコールではないと考えています。暴落に関しては考えにくい状況であることは確かだと思います。

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