ページビューの合計

2014年11月22日土曜日

付加価値⁉

 一般的に付加価値とは本来、物が持っている価値に対して何らかの手を加えて出来上がった価値との差を表すものです。例えば木材を机や椅子に加工をし、木材が本来持っている価値ではなく違う価値になった時との差という事になります。

 その付加価値の優劣により付加価値の差が出る訳ですが、手作りと大量生産にはおのずから差がでてきますが、手造りが必ずしも大量生産に勝る訳ではありません。手作りの熟練度だったり、そのオリジナル性があるかないかが重要であり、またそれを認めることが出来るか否かにもよります。

 技術とはそんな中にあって、付加価値の差を非常に解りやすくするものであり、単に使い我勝手だけではなく、独自性やアイディアが詰まっている事によりその価値の差も出てきます。

 場合によってはアイディアであったり、形に関してはデザイナーの存在があり、技術者との融合によるものもありますが、一番大切なことはそれらを消費者にいかに伝えるかというマーケティングだという事です。

 宝飾業界の場合、宝石という素材そのものに既に希少性という価値があり、その上で研磨という技術が加わり、付加価値が生まれているのですが、それを打ち消すような枠づくりも存在している事も事実です。またその付加価値の伝え方が未熟である販売側の技術もまた、宝石の輝きを曇らせている部分があります。

 ブランドというのは付加価値の典型みたいに思えますが、実際には広告やメディアの露出技術の上に成り立っている場合も多くあり、現代ではそれのみみたいなブランドも多くあります。勿論その位置に来るには良質な品物であったり、独自性を持ち、なおかつ消費者に支持を受け続けた結果なのです。

 つまり、付加価値を作り上げる事はある意味、そのジャンルでの成功というゴールに向かうには欠かせない要素であり、付加価値を唯一貶めるものが、品物に対する扱いです。例えば大幅な値引きだったり、誇張や虚偽の多い販売方法です。

 販売方法を見ていると日本で1,2位を争う職人が手掛けたものですと言いながら値引きを行うといった矛盾の典型のような販売方法だったり、作った職人を愚弄するような販売方法が宝飾業界には目につくことが多いように思います。

 付加価値というものは実質的な実用品に仕上がった付加価値と感性として支持を受ける付加価値とがありますが、これら両方の付加価値を持った品物を取り扱うにはある種の経験や知識が要求されます。

 一方、ダイヤモンドのように人々が何の前提条件がなくても美しいと感じる物もあります。それらは何の説明もいらないのですが、現代のようにグレード等の少し間違った概念から入ると本物を見失う事も多いように思われます。

 概念とはある意味恐ろしいもので先入観として入り込んだ知識はある意味目隠しをするようなものですから、それを解き、まっすぐに対象物を見る事に誘う事が現代の販売員に求められることかもしれません。

 販売員が消費者が望むからとして安易にその場限りの値引き等の販売を試みる事により、更に販売を難しくすることとなり、付加価値という絶対的な品物の武器を失う事になるでしょう。

 価格は付加価値によって高低が付いている事を忘れてはいけません。価格を減じるという事はイコールその商品の価値を減じるという事になりますので、以降における販売がもっと難しくなることに例外はありません。

 付加価値というものをもう一度考えるには良い時代かもしれません。実用品以外の価格競争は決して新しい文化を創りません。文化を葬り去るのはそろそろやめにしなければならないでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿