ダイアモンドというものは長年変遷を重ね、現在のグレードというものに行き着き、未だに変化をしようとしています。しかし、難しいことは業界そのものが都度それを正しいと認識し、販売に繋げてきた事実があります。
私は半世紀ダイアモンドのビジネスに携わってきましたが、経験上都度のグレーディングは間違ってはいないが、正確ではないとしてきました。しかし、完成形ではないが何の指針もなく販売をする事への懸念もあったことは事実です。
勿論、都度一定の役割をしてきましたが、多くの場合は100%このグレードのシステムに頼っての販売が問題だったわけです。つまり、4Cが確立をして私のキャリアとほぼ同じ半世紀ほどが経ちますが、その都度カットに対しての数値のその使用方法が削られたり、変えられたりと変更が重ねられてきました。
時代や正確性を追う度に変化をしたり、継ぎ足したり削ったりは良いと思いますが、都度100%如何にも正確かのような販売ツールとして使用されてきたことが問題だと考えています。
グレーディングリポートに但し書きでも『経年のシステム変化があります』くらいの注意書きがあればグレードというものは絶対ではないという推察が消費者にも販売員にもできたと思います。つまり、前提というものがなかったためにいろいろな場面でのトラブルを巻き起こしたわけです。
4Cそのもので価格が決まっているわけではないという事は長年言い続けてきましたが、言い方を変えると、決まっている価格の違いを説明するためにグレードいうものが存在をしていると言い続けてきました。つまり、取扱説明書だと。
単純なことで初期は蛍光の有無や強さを価格に影響させることはありませんでした。今は単純にストロングブルーだから価値が下がるとか言いますが、これも本来は正確ではありません。何故ならその基準を言い出したのは他ならぬ私自身だと認識をしているからです。
当初は取引所で取引の価格の交渉手段として使っていましたが、本来は若干蛍光があったほうが綺麗に見えるダイアモンドも多々存在する訳で、それを売りにしていたメーカーもありました。また、以前はクラウンの高さも減点基準でしたが今はそれもありません。
更に言えば当初はダイアモンドのタイプを評価の基準とすることは前提にありませんでした。そして、そのこと自体は以前から知られていましたが、業界の大半が情報不足で知らなかっただけです。それは多くの場合色への影響がありました。Dカラーを超えるC,Bカラーになるであろう色も実際には存在しています。それは原石の時点で価格が対応していましたが、グレードがつけられるとその辺は全てがDカラーになっていたわけです。多分それらの多くがタイプⅡであったのだろうと推察されるわけです。
これらをダイアモンドのグレーディングシステムの歪みとしてきました。