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2026年3月3日火曜日

金相場との兼ね合い!?

  金相場が、ここ数日の有事により値を上げています。有事の金、さらに言えば有事のドルという事で日本にとってはダブルショックの追い打ちです。

 石油にしても、今回のホルムズ海峡閉鎖により値を上げていますが、金も石油も決済がドルですから、ダブルで値が上がるという日本にとっては近い将来の物価上昇の予兆といってもよい状況が続いているわけです。

 特に我々宝飾業に携わる者としてはのっぴきならないことなわけです。一般商品に至るまで高額品というジャンルに入り、多少の値上げでは追いつきませんのである意味良いチャンスかもしれません。

 つまり、以前書いたように宝飾業界というニッチな市場でどう生き抜くかという事を真剣に考えなければなりません。安易な特価や値引きで物を売ろうとしたら、最終的には自分の首を絞めることになりかねません。しかし、現実には過去数十年の悪しき慣習というものは残っていますので、現実に無理をしなくてはならない状況があります。

 勿論、それを踏まえた上で、という前提で高額品を売るという事がどの様なことなのかを真剣にとらえ考える必要があるのです。

 まずは、高額品の購入する人々は何を望んでいるのかという事を考え、更に言えばそれに対して自分達が出来る事は何なのか?という事を考えなければなりません。つまり、自分達がそのことを理解しているのかという事を考える良い機会でもあると思っています。

 高額購入者の生活や嗜好が解っていなければ、そこをくすぐることは出来ません。つまり野球をしたことがない人が野球道具を売る事が出来ないように、贅沢や栄光思考のない人には高額品をを理解することは出来ないし、販売することもできません。

 本人が必ずしも贅沢や栄光思考がある必要はないと思っています。しかし、その思考を理解していないと自己中心的な自分のレベルでの売り方をするしかないのです。それは一番悪い状況なわけです。

 冒頭にあるように金の価格の上昇傾向はこの有事が落ち着くまでは続くのでしょう。しかし、その後も金価格の下落自体は大きくは期待が出来ません。つまり、既存の宝飾業に関しては氷河期に入る可能性があるわけです。

 本来の高額品を販売する方法論を見つけたところが、この状況に関係なく推移していくのだろうと思います。いずれにしても安売りとは縁のない業種に既になっていることを感じなければなりません。

イスラエルの立場!?

  米国とイスラエルのイラン攻撃が、もっぱらのニュースとなっているいますが、現在はイスラエルのベン・グリオン空港も閉鎖しており、日本人旅行者も足止めされています。

 今朝のニュースで5人の日本人が大使館の用意をした車で隣国のヨルダン・アンマン空港まで送り届けられたようですが、経験からするとあまり意味がないと思います。

 つまり、内容を聞くとアンマンからのフライトの予約ができている人だけという事とそのあとは自分でやってくれという事です。イスラエル国内にはまだ数十人の日本人旅行者が空港で足止めをされているニュースは流れていません。

 前回のイラクの時もそうですが日本政府の対応には疑問符が付きます。当該国から出たらあとは自分でやってくれといった対応は先進他国ではあまり考えにくい対応です。海外日本人を守り、帰国させるのも国防ではないかと考えるからです。

 今回もイスラエルの対応は何としてもイスラエル国民をイスラエㇽに帰国をさせるという対応をとっています。当初6日までの空港閉鎖をアナウンスしていましたが、海外のイスラエル人への帰国への対応に今夜(3日)から帰国便への対応をとっています。

 私自身40年以上もイスラエルに行っていますので、同じような経験があります。しかし、当時は今よりも深刻な状況で(現状深刻ではあります)アイアンビームのようなシールドもありませんでしたし、スカッドミサイルが迎撃用にあった程度でした。その頃はイランというより、PLO(パレスチナ解放機構)が発射したミサイルでしたが、幸いダイアモンド取引所の中にもシェルターがありますので、意外と安心していました。

 しかし、本当のところ、多くのイスラエル国民は戦闘することは望んでいないし、立場の違いですが、中には『これでイランからの核の恐怖を排除できる』と彼らからの立場で今回の攻撃を喜んでいる人々がいることも事実です。

 別にイスラエルの側に立つつもりも今回の攻撃を肯定するつもりもありませんが、何事もどちらのサイドで物を見るかで正義が変わります。例えば、ロシアのウクライナ攻撃は明らかに市民対象ですから国連の定義から言えばテロ攻撃です。しかし、ロシア語圏の人間を守るためといえばロシア国民の大半はプーチンを支持しています。

 どうであれ民間人、特に子供が犠牲になることは許しがたいし、それぞれの国のトップを

排除するためにゴルゴ13にでも依頼して熊じゃあないけど駆除してもらいたい気持ちです。

2026年2月25日水曜日

付加価値型!?

   前回、ニッチな市場への参加の仕方として先見性型と付加価値型という考え方があると書きました。敢えて言うと、スタートアップ企業と老舗企業といった違いなのです。

 宝飾業界という付加価値型のニッチな市場の対処の仕方として、まずは顧客が望む付加価値というものを理解する必要があるのです。

 市場を以前にも書きましたが、400人乗りの旅客機と考えるとわかりやすいかもしれません。旅客機すべてがエコノミークラスであった場合は実質運航は赤字になります。

 運賃を東京~ニューヨーク間の運航原価は全て(燃料費、駐機代、人件費、リース代等)含めて約50,000,000円といわれています。エコノミー運賃120,000円とすると400人で48,000,000円となり、実質赤字という事になります。

 ここで航空会社はファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスに分けることにより、その採算性を上げます。

 ファーストクラス10席、ビジネスクラス50席、プレミアムエコノミークラス80席、エコノミークラス150席合計290席となります。

 エコノミークラス120,000円、プレミアムエコノミークラス360,000円、ビジネスクラス800,000円、ファーストクラス1,500,000円と設定すると

Fクラス 10 X 1,000,000=10,000,000

Bクラス 50 X       500,000=25,000,000

Pクラス 80 X   240,000=19,200,000

Eクラス 150 X    120,000=18,000,000

合計 72,200,000円となります。

 当然利益の確保はでき、更に乗務員が少なく済み、さらに言えば燃料費も少なくて済みます。

 問題はファーストクラスの人々が何ゆえにエコノミーの8.5倍にもなる金額を出すのかという事は移動が楽だからという理由だけではないのです。全てにおいて相応のプライオリティ―の扱いを受けるという事です。単純に言うならエコノミーの8.5倍の扱いを受ける訳です。

 現在、展示会等で高額購入者がどれほどの扱いを受けているかという事を考えてほしいのです。過去の展示会等では高額購入予定者と一般来場者では商談席から飲物に至るまで明らかに違いがありました。

 ニッチなマーケットでは何をどうすればよいかというヒントになれば幸いです。


2026年2月24日火曜日

現状を見る!?

  コロナ禍が過ぎ、1兆円の大台を回復した宝飾業界の売上ですが、23年、24年、25年と微増ではありますが、確か現在は微増、微増で1兆2千億円市場とはなりました。しかし、バブル期の3兆5千億円という数字を知っている身としては何とも寂しい思いもあります。

 何故なら、昨今の地金をはじめ材料費の値上がりを考えたら、販売数はざっと3割から4割減という事になるのかもしれません。

 つまり、金額の数字的には微増しているといっても販売数の激減という内容となると単価が上がり、数字が伸びていると取りがちですが、問題は原価高のための単価アップなのか、本当の意味での付加価値としての単価アップなんかの問題です。

 昨今はハイブランドジュエリーの躍進が伝えられますが、それでは一般の宝飾品の販売はどうなんだという事になります。つまり、セグメントすると業界として数字的には表面上ハイブランドの数字に引っ張られていますが、実際宝飾業界は危機に面しているといってもいい訳です。

 私が以前から書いている宝飾業界はニッチな市場だという意味が裏付けされたこととなりますが、その事の自慢をしたいわけではなく、如何な対処が必要なのかという事です。

 前回にも書いていますが、ニッチな市場へのアプローチは色々ありますが、ニッチ市場では大規模成長を期待することはできず、利益拡充という観点を大事にする必要があります。

 ではニッチな市場とはどんなものか?

 食品市場の中でビーガンとなるとかなりのニッチな市場ですが、この中でビーガンの食種類を持つことでビーガン市場の中での占有率は小規模企業でも大きくなります。何故ならここには大規模企業が参入しにくいからです。

 現在ピックルボールという卓球とテニスの間のような競技が流行り始めていますが、アメリカではプロも存在する競技です。日本ではまだまだニッチな状況にあります。ここへは大きなスポーツメーカーが参入するには小規模すぎるが、このスポーツのラケット等の道具に参入できるのは小回りの利く小規模企業なわけです。このスポーツの将来をどう見るかにより成長の幅も変わってきます。

 冬季オリンピックは終了しましたが、目についたスポーツのスノーボードの裏面のサインの多くが『YONEX』とあったことを気に留めた視聴者も多いと思います。まだ殆どのスポーツメーカーが目に留めない頃にヨネックスでは参入し、北京オリンピック以降の4年間でも2.7倍の売上をしているそうです。

 新しいニッチな市場とは将来を見据えた戦略が低投資で実現可能であるという事になりますが、一方、旧態依然としたニッチな市場というものが存在し、それが宝飾業界をはじめ、伝統工芸や着物業界などの、一見廃れ行く業界という事になります。

 しかし、市場というものはマスであれ、ニッチであれ、シェアをとることを前提とした戦略が必要なわけです。ただ、アプローチが違うという事です。特にニッチ市場に関してはさらにアプローチ方法の多様さがややこしいのです。

 ニッチ市場に関して言えば、先の先見性か、付加価値というよう私は分けています。特に宝飾業界で言えば付加価値という事になるのです。

 

2026年2月21日土曜日

ニッチな市場へのアプローチ!?

  依然、宝飾業界がニッチな市場であるという内容で書きましたが、その対策は?といったお話をいただきました。

 以前であれば婚約指輪をはじめ、ある意味の成功体験や記念にといった時の対象として、宝飾品は当たり前のように取り上げられていました。

 その以前というのもすでに数十年前の話となりますが、高度成長時代バブル時代と右肩上がりの時の象徴的な存在でもあったわけです。つまり、大規模を前提としたプロモーションも打てたし、その見返りも十分にありました。

 現在はフィンテックの時代になり、金融市場が異常に膨らみ、資産家といわれる人々は増えたのですが、現金や使えるお金を持っている人々は少なく、さらなる市場の縮小化が進んでいます。つまり、宝飾市場のニッチ化が成立しているわけです。

 しかし、それでも富裕層は少なくなったとしても存在する訳です。今お金を使える人々、宝飾品に興味のある人々は間違いなくおりますが、そこへ向ける商品が宝飾業界には少なく、またそれを販売できる能力のある人々も少ないことも事実です。

 ハイブランドは販売能力のある人がいなくても広告宣伝力が与える満足感は突き抜けているので販売は可能なわけで、何より富裕層が必要と感じているものがそこにはあります。それは商品だけではなく、ブランド所有欲というものを満たしているからです。

 そこでニッチな市場へのアプローチですが、宝飾品に興味がある人は幸い多くいます、しかし、多くの人々は購入することはできません。しかし、現状は買えない人へもアプローチをかけているわけです。これは経費の無駄使いなわけです。

 現状の展示会が、どれくらい集客ができるかということに終始していますが、これは意味がありません。購入できる人が何を望んでいるかということをリサーチしていないからです。それは来場者の買い上げ率を見ればわかります。お金を持っていても必要のないものは買いません。

 つまり、宝飾品を必要としている人々に出会っていないわけです。であれば、どこでその出会いがあるかということになりますが、それは簡単ではありません。

 それではということですが、富裕層が宝飾品を必要とする場所を創出する事が出来れば、おのずから宝飾品の購入につながるわけです。また、その対象の人々も前述したように少ない訳ですから、その人々を対象にしている分には経費の使い方は少なくなるわけです。

 しかし、一人当たりに使う経費はおのずから大きくすることができるということになりますから、単純に言うと何千万円も買わない人に経費をかけるより、販売者側にとっても購入できる人に掛けたほうが効率的なわけで、かける総額も少なくて済むわけです。

 購入者も買わない人々と同じ扱いをされるより、より良質な扱いを受けたほうがより購入意欲が湧くわけです。宝飾品を必要とする場所を創出するという事は実は経費の削減にもつながり、その経費というものは本来、宝飾品では原価となるものでもあるわけです。

 但し、これを行うには知識と経験やそのアイディアが必要となるわけで、それは本来の宝飾業といわれる人々の土台でもあるのです。

 

2026年2月19日木曜日

健全なダイアモンド市場⁉

  以前にも書きましたが、デ・ビアスというマンモス企業がダイアモンドの価格をコントロールしていたのが1970年代までで、その後は徐々に他の鉱山会社の台頭や世界の経済環境の変化により自由市場へと進んできました。

 当初、若気の至りもあり、デ・ビアスという怪物にに反発をしていたこともアンチ・デ・ビアスであったイスラエルでのダイアモンドビジネスに携わってきた一つの要因でもありました。

 1970年代後半、私自身米国に在住しており、本格的には米国のユダヤ人との関わりからダイアモンドディーラーの道を歩き始めました。当時のダイアモンドの約85%のシェアを占め、ダイアモンドの価格のコントロールをしていたデ・ビアスのシステムに対しては他の日本の宝飾業者のほとんどが疑問を持っていなかったように私自身の何の疑問もなく、そうゆうもんなんだと思っておりました。

 ある時、ロサンゼルスの大手のダイアモンドのサイトホルダーのオーナーから大粒のダイアモンドを見せられたことがありました。最初はレプリカかと思うような大きさのその石は紛れもなくダイアモンドでした。

 『このダイアモンドの価格はいくらだと思う?』と聞かれて、私は『想像もつかない』と答えました。

 『分からなくて当然だよ。このサイズ、この品質は出身の南アフリカの鉱山で見つかったものを買い付けたものだからね。いくらの値段でも付くよ。』といわれ、単純に私は

 『じゃあ、デ・ビアスから買ったの?』と尋ねると『彼らはこんなダイアモンドを我々には売らないよ。これは友人の鉱山会社から直接譲ってもらったものだよ』

 私は(エッツ、デ・ビアスを通さないダイアモンドってあるんだ)単純に驚き、それが私のダイアモンドのビジネスの原点になりました。因みにそのダイアモンドをその後、自身がディールすることになるとは、その時はみじんも思ってはいませんでした。

 そこからダイアモンドは自由市場で価格は市場原理で決まることが健全だと考えるようになり、ロサンゼルスの知人の勧めでイスラエルへの関わりが出てきました。

 現在の日本の市場においては多くのダイアモンドはインドで研磨されたものが市場を占め、価格の不安定さも、現状の厳しさに拍車をかけています。(金融市の存在も要因の一つ)

 現状は言われるようなダイアモンドの価格の下落という風評があり、その一部は間違いがありません。ラボグロンの台頭をはじめ、市場でのだぶつき、需要の低迷、リサイクル市場での在庫、色々要因はあります。-

 但し、という言葉を使えば全てのダイアモンドではないということは以前にも書きました。

大粒、カラー、一部のファンシーシェイプがそれですが、実際には市場原理が生きていて、顧客が欲するもの、グレードの枠にとらわれない美しいもの(例えば同じSIクラスでも内包物がセンターではなく、見えにくいサイドにあるもの)は、やはり価格が下落をしているとはいえず需要のあるものは決して安くはありません。

 以前から価格はグレードで決まるわけではないと述べていますが、グレードが目安であることは間違いではありません。しかし、同グレードが同じ価格かと言ったらそうではないということです。まさに市場原理です。


2026年2月18日水曜日

唯一不変なものとは、変化のみ!?

  仕事柄イスラエルに行くようになって半世紀近く経ちます。

 現在は大使館の勧めもあってワインの輸入も行っていますが、一貫して彼らとの仕事はやりやすいと感じています。何故なら昔から言われているようにビジネスにおいて人間関係は大きな要因ではないということです。

 勿論、その中での人間関係の構築というものは出来上がってくるので、家族のようになったパートナーもおります。昔よく聞いた『握手をしながら殴り合う』といったスタイルで、互いの利益になるのであれば、討論もするし喧嘩もするといった経験を何度もしています。

 彼らは自分の利益にも還元されるのであれば誰であっても『扉を開けて』迎えてくれます。

 日本の会社であれば、名前の聞いたことのない会社であれば無視をしたり、ぞんざいな扱いをしたりしますが、彼らの中にあまりそのような姿を見たことがありません。

 特に当初はアンチ『デ・ビアス』であったイスラエルのダイアモンド業者と取引をすること自体が色々と非難をされる状態ではあったので、あえて新地を求めてといった心情でした。

 その頃のデ・ビアスはイスラエルのダイアモンド業者潰しに必死な状況で、色々な圧力をロスチャイルド銀行などから受けておりました。結果的にはその行動が自らの足元を揺るがし、現在の身売り同然のデ・ビアスとなっていくのです。

 当時イスラエルのダイアモンド業者は国策で無利子で銀行からの融資を受けておりましたが、その一部の銀行がロスチャイルド銀行の傘下に入ることにより、ダイアモンド業者への融資を絞り、有利子とすることによりダイアモンド業者への圧力としていったのです。

 返済期限に迫られた業者は研磨済みダイアモンドの安売りをすることにより、その窮地を乗り越えようとしました。結果的にデ・ビアスはそれらのダイアモンドを市場から買い集める事に終始することになり経営状況を悪化させ、旧ソビエトからの原石買取を諦めざるを得なくなり、それまでコントロールをしていた市場を開放せざるを得ない状況になり、その後のロシアの台頭ということになります。

 イスラエルの業者は一貫してダイアモンドを自由市場での扱いという事を続けてきました。それは市場をコントロールする事よりも自由市場の方が汎用性が高く、また多くの変化を受け入れやすくし、多くの人が参加をできるといった市場開放といった彼らの概念に近いのかなとも思います。

 前述した彼らの考え方はワインビジネスであれ、ダイアモンドビジネスであれスタイルが同じという事が、私にとって新たな事業であるワインビジネスの導入がスムースであった要因と捉えています。

 新たなものを受け入れることに臆病になる必要はなく、最悪なのは現状を展望することなく惰性で続けることの大罪です。扱っているものが恒常的なものであればあるほど、取扱者の変化が必要なのです。『不変のものとは、変化のみ』なのです。