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2026年10月2日金曜日

価値の意味⁉

  ダイアモンド業界にはラボグロンに対するアレルギーだと思うのですが、『ラボグロンを婚約指輪にするような輩は相手をそれほど思っていないからだ』などの声も聴くことがあります。

 勿論、人それぞれの考え方ですから人工ものよりは天然のものが良いと思う人もいるでしょう。しかし、現代の若者というと語弊があるかもしれないが価値観の変化は間違いなくあり、お金をかけるなら家や結婚式、新婚旅行に掛けたいと思う人も少なくはありません。そこを否定するものでもありませんが、金銭的に余裕があれば天然を買うのかなという思いもあります。

 婚約指輪を単なる形と考えれば人工であれ天然であれ問題はないのだろうと思いますが、長年業界で培われてきた天然の意味とその物語は一つの価値をダイアモンドに与えてきたと思います。しかし、時代の変化によりその価値観も変わってきたとするなら、それは業界の努力不足もあるのかなとも感じます。

 質の不変という意味の象徴としてダイアモンドはそこに加わる美しさは真に『愛』のシンボルとしての役割を果たしてきました。一方、同じ成分を有しているとはいえ、成長過程の違うあまりにも歴史の浅いラボグロンは今後の不変性には何の保証もありません、それ故に長い歴史という保証書が存在する天然には意味があるわけです。

 しかし、時代の変化という唯一の不変性は誰も否定をすることは出来ません。現代において市民権を得たというのであればラボグロンであれ、その存在を否定するよりは天然の価値をより啓蒙する努力こそが業界に与えられた仕事なのであろうと思います。

 現在、オークションをプロデュースしていますが、それは一つの価値の構築とアナログ資産の継承を念頭に置いています。それはアナログ資産の価値をより高め文化と歴史を語り継ぐ手段としても重要に思えているという事です。そして、ダイアモンドはその中で大きな位置を占めています。また、その形態をつなぐことにより天然のダイアモンドの価値を高めていくものだと考えています。

 用途として装飾としての役割はラボグロンにも十分あると思います。しかし、その存在の一番の意味は半導体のへの寄与です。その意味では存在の象徴や証としての役割を担い、そしてアナログ資産としての価値を持ち続けることは天然ダイアモンドに与えられた役割だと思っています。それ故に業界はその価値を唯一高めることのできる存在として努力をしなければならないのです。

2026年10月1日木曜日

ダイアモンドの変容!?

  今後のダイアモンドビジネスを考えると、今までの考え方を変える必要があるのだろうと思っています。それは日本のみならず、世界のダイアモンドビジネスに対しての変化が起きているという事です。

 まずは、ファッションが変わって、ジュエリーとしてダイアモンドを身に着ける機会が減少している事があり、更に主要市場でもあったブライダル市場のラボグロン(人造石)が入ってきたという事です。日本ではそれほどでもありませんが、欧米諸国特に米国ではシェアを広げています。

 その影響は大きく、多くのダイアモンドビジネスといわれるものにはレベルがあり、1カラット以下のものは宝飾品としての位置付けからはずり落ちている感もあります。何故ならここ数十年の採掘量過多の影響です。勿論、それは需要が減っているという事が大きく影響をしていますが、都市鉱山をはじめとする再販や供給の過多によるものです。

 結果、多くの鉱山会社は閉山なり、減産なりを行っていますから、それに伴い大粒といわれる3カラット以上のものは当然市場においても品薄になります。ここでは皮肉ですが希少性という宝石の絶対条件が顕著になってきているわけです。その為、宝石という条件のもとのダイアモンドは高価なものとなり、相場での取引自体が難しくなってきます。

 更に言えば、過去何十年かはラパポートレポートというダイアモンドの価格の目安があり、その中のプライスチャートを一つの目安として取引が行われていましたが、現在ではほとんど有名無実でもあります。

 特に大粒のものに関しては相場が出来るほどの絶対量が存在しないだけではなく、グレードの内容に関しても必ずしも見た目とは一致しない部分もあり、価格そのものはオーナー側の意向が反映される場合が多くあります。勿論、法外な価格になることはありませんが。

 また、GIA(米国宝石学会)のレポートに関しても大粒の特殊なものに関してはブロックチェーンで管理が可能という事もあり、資産としての管理も前提に今後は販売される機会も増えると考えられます。

 現在も以前のようなビジネス自体は残っていますが、宝石のビジネス自体がなくなるとは考えにくいので、他の付加価値を凌駕するだけの価値はダイアモンドにはありますので、業界側がどのような対応をするかにより今後が変わってくるのです。

2026年9月28日月曜日

経済のバランス!?

   世界の資産の9割が大型バス一台分の人々に占有されているといわれる現代でも、日本だけを見ると1億円を超える資産を持っている富裕層が増えているといわれています。しかし、それはあくまでも円ベースでの話でドルベースにした時にはその富裕層といわれる人々でも賃金ベースでは増えていない現実があります。

 つまり、ドルベースで考えた時に日本では決して富裕層といわれる層は増加をしているわけではなく、実体経済だけを考えると明らかに衰退をしていると考えても良いのです。

 現在は先進国を含む世界の実体経済の数十倍から取引ベースでは数百倍になっているといわれる金融経済は実体経済を停滞させる要因にいずれなるのではないだろうかと懸念をしています。

 つまり、以前にも書きましたが実体経済というものはお金がいかに市場で動くのかという事です。モノやサービスが伴って動いている実体経済は本来の経済の姿で、その経済を動かすために金融が存在をしているわけです。

 主が実体経済で、副が金融経済であることが理想型なわけです。しかし、現実には前述したように実際には金融が実体経済の数十倍の規模になっている現状は危惧をしなければならない現状です。

 経済の血液ともいわれるお金が体ではなく頭だけに血が集まっている状況にあるわけです。金融のAI化が進み取引行動が速くなり、更に超短期で動かす資金の動きはもはや金持ちのマネーゲーム状態で、個人投資家がパソコンの前で座ってどうにかなる状況ではなくなっています。特に日本で問題のなのは欧米諸国での考え方と違い、将来に不安だから資産を増やしたいと貯蓄と勘違いをしている人々が多いようにも思います。

 投資はあくまでも投資ですからギャンブル性が伴うことは免れることは出来ません。貯蓄がイコール良いとも言えませんが、社会の為と自分の為に投資と貯蓄とをバランスよく行う事が大事で、投資を行うために節約をした生活をするという事は大きく言えば経済を停滞させ、最後には株価の低下にもつながりかねません。

 本来は実体経済をスムースに動かす点に金融は存在をしているはずですが、金融でのマネーゲームが市民権を得てしまったために実体経済に伴わない金融規模になってしまった訳です。このままいくと投資で貯めた資産が物に対しての価値が下がり続け、インフレをさらに印象付けることになるのではと懸念をしています。

 実際には富裕層が自身の余裕のある資金を実体経済の助力になるように回すというのが投資であって、生活費を削ってまで行うものではないという事です。その意味では日本政府のNISA政策が十年後に泥沼を引き起こさないことを願っています。

 我がダイアモンドに関しては理屈から言えば価格の上昇という事になるのですが、あまりの希少性により、その存在に多くに人々の気が付かなくなる懸念もない訳ではありません。多くの富裕層がどのような形でもダイアモンドに資産を振り分ける状況を業界が作り続けることが望まれます。

2026年9月23日水曜日

過ぎたるは及ばざるがごとし!?

  『過ぎたるは及ばざるがごとし』という言葉がありますが、最近この言葉がやたら頭に浮かびます。それは人間の進化とその対価に関して感じることでもありますが、AIや半導体という文明の進化が及ぼすデメリットとメリットに関して特に感じています。

 AIや半導体の進化は確かにメリットを人類に及ぼしていますが、反面デメリットとはなにかと考えると90%以上の人類が必要としていない文明はむしろデメリット、更に恐怖にさえなるという事です。

 つまり、現在を生きる人々の生活にとって必要のない進化は、使えないどころか最近のニュースでも話題ですが、AIが人間の予想や本位とは関係なくAI自体で進化を続け、他社に危害を加える可能性が出てきたという事です。

 バランスの良い進化というものは『ほどほど』という都合の良い言葉があるように『適切』という概念が人類にとっていかに平和をもたらすかという事です。

 現在起きている戦争の殆どの要因が必要以上の欲と他者に対するリスペクトの無さです。勿論その適切はそれぞれの環境によっても違いは出てきますが、その殆どは文化の違いであって文明の違いではありません。

 現在の文明の進化についてどれほどの人が理解をしているのかというとほぼ99%の人々は理解をしていないと思います。その進化に身をゆだねて利益が上がる人々も多くいます。しかし、その裏にはとてつもないリスクが潜んでいるような気もします。

 例えば、現在金融で利益を上げている人々は殆ど、AIの存在により膨大な使えきれない資産を構築していますが、その裏には使えない資産は経済の役には立たないのですから、経済を大きく毀損する可能性が潜んでいるのです。それは欲によりため込んだ資産その物に意味がなくなるという限界点に近づくという事です。

 冒頭の『過ぎたるは及ばざるがごとし』に戻るとそれではどのくらいが適切なのかという事ですが、人類の目的に対して及ばない力を補う進化というものは肯定できるのですが、進化したために人類の本来の能力が損なわれていくという事自体は否定をしたいのです。勿論すべてを否定するという意味ではなく、多くの意味ではという事です。

 よく言われることですが自身が若き日には100近い電話番号を暗記していました。勿論それは自らに対する利便性もあり努力と自然に身についた物です。しかし、必要でありながら100を超える電話番号を覚えることは特殊な能力を持って人でなければできないとは思います。その際に必要な進化は必要だと思います。

 しかし、スマホをはじめ多くの機能が進んだために電話番号を覚える必要はなくなりましたが、それを否定するつもりもありません。その為に人類のそれ以外の能力がついたとなれば話は別ですが実際は人類の能力の低下だと思います。更に言えば現在の文明が本当に必要なのかという事です。多くの人に尋ねてみたいのですが『本当に現在の機能、文明を理解していますか?』と。

2026年9月17日木曜日

価値の背景!?

   世界の最も歴史のある企業の大半は我国に集中しています。1000年を超えるベストテン9社は日本企業ですが、大手という概念のある企業は存在しません。建築といっても宮大工工務店デであったり、旅館であったり、和菓子店であったりします。

 現在新国立美術館で『ルネサンス、ルーブル美術館展』を行っていますが、その中にはレオナルド・ダ・ビンチなどのルネサンス時代の絵画が展示をされています。『美しきフェロニエール』などのレオナルドの肖像絵画なども来ていますが、今回来日はしていませんが『モナ・リザ』はレオナルドのもっとも有名な一枚でしょう。

 今から50年ほど前にルーブル美術館を訪れて『モナ・リザ』を見に行ったことがありますが、当時は単純に『教科書で見た絵だ!?』と感心をしていただけです。しかし、年齢を経てレオナルド・ダ・ビンチそのものを知り、その背景を知ることにより、その絵『モナ・リザ』のすごさやその芸術性や偉大さを実感してきます。つまり、価値を理解するようになりました。

 冒頭の歴史ある企業の背景や歴史を知ることは、その偉大さとある意味価値のすごさを感じることが出来るかどうかという事にもなります。

 京都をはじめ多くの老舗といわれる企業は400年、500年と続いている割には大企業はありません。ここに今後の企業の在り方のヒントもあるのではないだろうかと思っています。特に宝飾業界にとっての今後に大きく影響をするのではないかと思っています。

 現在の状況で説明をすれば、Aiによるデーター化できる業種は大手として君臨できたとしても長い歴史を紡ぐことは出来ません。しかし、データー化のできないオンリーワン業種は大手になることは出来ませんが、長く歴史を紡ぐ事が出来るという一つの原理です。

 つまり、大量生産、大量販売が可能になるものはその代替は必ず現れるし、極論から言えば投資家は次々と新しい投資先に心移りをしていくので、結局大手といわれる企業は長続きをすることはありません。

 一方、老舗といわれる小規模企業は独自のアナログ技術を持ち、その中で伝統を磨き上げることにより、長くその技術の伝承に努め、見方によっては効率の悪く、経験がなければ他社が導入しにくい技術と業務になっています。投資家にとっては魅力的な投資先とは言えません。しかし、その背景は他の追随を許さない価値となっています。

 本質と背景を知ることによりその価値を知ることはあらゆるジャンルのビジネスにとっては必要不可欠な事といえるのですが、日本の宝飾業においてはその辺の部分のおいて劣っていたといわざるをえません。

 元々、宝飾業というものは希少性という一大条件があるわけですから、大偉業になる条件は元々備わってはいません。現代におけるハイブランドといわれるものも実際にはファンドという資金軍団の元でグループになり、集合体として維持をしていますが、その本質は小企業の単なる集まりで、結果的には本来の老舗としての要件を満たせなくなっています。やがてこれらも解体させていくのでしょう。

 

2026年9月11日金曜日

AIの脅威!?

   以前にも書いたのですがAIへの安易な傾倒はとんでもないことになるのではないかという懸念です。

 アンソロピック社のAI開発者のジェイコブ・コクソンなる人物がこれ以上の開発に警鐘を鳴らす意味で抗議の退社をしたという記事を見て改めて背筋がぞっとする思いをしました。

 先日もオープンAI 社のAIが他のAIと連携をして勝手にセキュリティーシステムを乗り越え銀行のシステムにハッキングを行った事例が公表をされましたが、それ以降もアンソロピック社のAIがセキュリティーシステムを潜り抜けるためのシステムに勝手に開発し、侵入をしたという事例もありました。

 ビル・ゲイツやあのイーロン・マスクさえも警鐘を鳴らしています。何故なのかというと、すでにAI開発がAI自体によって行われているという事です。つまり、過去の人間によるAI開発の比ではないくらいにそのスピードは速いという事です。

 元々、AIにはできないとか不可能を選択するプログラムは組み込まれていません。その為に結果を出すために不必要であるものや弊害になるものを排除するというシステムになっています。もっと言うと邪魔であれば人間をも排除するという事にもなりかねません。

 もっと突き詰めるのであればAIによる開発のスピードは金融システムすら破壊しかねないと考えられます。半導体、AI等の投資は巨額の資金を動かしていますが、その投資先が新たなAIを開発し、収益を得て配当が行われる前に新たなAIが出現し、過去のものとしてしまう可能性があるからです。

 一番良い例としてイーロン・マスクのスペースX社が地球の軌道上にソーラーパネルは配し、太陽光を効率良く発電に向けようという試みですが、AIの進化により『核融合発電』の技術が既に開発されています。2050年代に完成するかもしれないといわれていたものが2030年には完成する勢いです。そうなるとスペースX社の株価はどうなるのだろうか?とさえ考えてしまいます。その試み自体に意味がなくなるからです。因みその『核融合発電』に関しては我国が先行をしているようです。

 勿論、今の投資家たちは実際の収益性を待つような人々ではなくギャンブラーですから、少しでも株価が動けば投資先の将来性に関係なく株を売りに出してしまいます。以前にも書きましたが、それが現在の金融の変異した形であり、貨幣の価値を下げている要因でもあります。

 AIの話に戻れば現在、我国の政府や各企業が一生懸命目先のAI化に走っていますが、それらの行動は更にAIを巨大化する作業で、末端でどうでもよいAI化が進めば進むほど巨大なAIが誕生し続け、人間の脅威になるのだと思います。丁度、ゴジラが攻撃を受けて放射線を浴びれば浴びるほど、それがエネルギーとなり巨大化し、無敵化していくのに似ています。


 

2026年9月4日金曜日

ニッチな市場の可能性!?

  ニッチな市場とは特殊な分野で大手の参入しない分野の市場の事を言いますが、多くの場合オンリーワンになりやすいが大きな売上は見込めないマーケットの事を指します。

 しかし、単価が高ければ必ずしも大きな売上には成りにくいとは言えません。宝飾業界はまさにその典型な市場ですが、現状の業界の惨状は真に大きな市場を狙いマスの市場を狙った結果です。勿論、比率の問題もありますから車や半導体のような売上にはなりませんが経費効率からしたら十分な利益にはなります。

 1950年代からはデ・ビアス社の一人支配のような世界でしたが、やはり世界戦略と方法論の過ちで1980年代中頃からその一極集中が崩れ始めました。しかし、実際にはその一極集中を維持しようとしたために崩壊が始まったのです。

 つまり、1980年代初頭のイスラエルいじめが大きな節目でした。当時国策としてダイアモンド産業を進めていたイスラエル政府の要求で各銀行にダイアモンド業界にだけは金利ゼロの貸付を行っていました。当時イスラエルのダイアモンド取引所はシンジケートの外でのビジネスを行っていましたので、デ・ビアスにとっては目の上のたんこぶ的存在でした。その為デ・ビアスはこれをつぶしにかかりました。デ・ビアスグループはロスチャイルド銀行を使いイスラエルの銀行の株を取得し役員を送り込みます。そのうえで国策である金利はそのままではあるがダイアモンド業者に貸付金の早期返還を請求始めました。

 結果、何が起きたかというと、資金化のためにイスラエルの業者たちは安売りを始めたのです。その為、デ・ビアスはその研磨済みダイアモンドを市場から買い集めなければ価格の維持が出来なくなったのです。

 その為、資金の需要がひっ迫し、それまで90%の原石を契約によりソ連から買い続けていたデ・ビアスはそのビジネスを断念せざるを得なくなりました。結果的には価格の維持は難しくなったのです。その後、ソ連は独自の販路を築くこととなり、その後のロシアのアルロッサへと繋がります。

 結果的には市場は広がり、価格競争へとダイアモンドビジネスは入っていく事となり、その先にはフェイクグレードが横行する始末となるのです。基本的にはマスビジネスには向いていない業種ですからその補填としてあらゆる詐欺まがいの手段をとることになったのです。しかし、法律というものがある以上限界がありますので、それが是正されると販売が困難になってきます。つまり、限界のある展開だったのです。

 今そのシステムは崩壊し、本来の姿を取り戻すチャンスとしてニッチな市場が出来つつあります。それはスーパーブランドだったり、大粒ダイアモンドの高価格帯のビジネスです。これらは理論的にもマスを目指した市場にはなりえず、対応の仕方によってはこの中のオンリーワンになるチャンスでもあるわけです。

 ニッチな市場である本来のダイアモンドビジネスはこれからとも言えます。