ダイアモンド業界にはラボグロンに対するアレルギーだと思うのですが、『ラボグロンを婚約指輪にするような輩は相手をそれほど思っていないからだ』などの声も聴くことがあります。
勿論、人それぞれの考え方ですから人工ものよりは天然のものが良いと思う人もいるでしょう。しかし、現代の若者というと語弊があるかもしれないが価値観の変化は間違いなくあり、お金をかけるなら家や結婚式、新婚旅行に掛けたいと思う人も少なくはありません。そこを否定するものでもありませんが、金銭的に余裕があれば天然を買うのかなという思いもあります。
婚約指輪を単なる形と考えれば人工であれ天然であれ問題はないのだろうと思いますが、長年業界で培われてきた天然の意味とその物語は一つの価値をダイアモンドに与えてきたと思います。しかし、時代の変化によりその価値観も変わってきたとするなら、それは業界の努力不足もあるのかなとも感じます。
質の不変という意味の象徴としてダイアモンドはそこに加わる美しさは真に『愛』のシンボルとしての役割を果たしてきました。一方、同じ成分を有しているとはいえ、成長過程の違うあまりにも歴史の浅いラボグロンは今後の不変性には何の保証もありません、それ故に長い歴史という保証書が存在する天然には意味があるわけです。
しかし、時代の変化という唯一の不変性は誰も否定をすることは出来ません。現代において市民権を得たというのであればラボグロンであれ、その存在を否定するよりは天然の価値をより啓蒙する努力こそが業界に与えられた仕事なのであろうと思います。
現在、オークションをプロデュースしていますが、それは一つの価値の構築とアナログ資産の継承を念頭に置いています。それはアナログ資産の価値をより高め文化と歴史を語り継ぐ手段としても重要に思えているという事です。そして、ダイアモンドはその中で大きな位置を占めています。また、その形態をつなぐことにより天然のダイアモンドの価値を高めていくものだと考えています。
用途として装飾としての役割はラボグロンにも十分あると思います。しかし、その存在の一番の意味は半導体のへの寄与です。その意味では存在の象徴や証としての役割を担い、そしてアナログ資産としての価値を持ち続けることは天然ダイアモンドに与えられた役割だと思っています。それ故に業界はその価値を唯一高めることのできる存在として努力をしなければならないのです。