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2026年2月24日火曜日

現状を見る!?

  コロナ禍が過ぎ、1兆円の大台を回復した宝飾業界の売上ですが、23年、24年、25年と微増ではありますが、確か現在は微増、微増で1兆2千億円市場とはなりました。しかし、バブル期の3兆5千億円という数字を知っている身としては何とも寂しい思いもあります。

 何故なら、昨今の地金をはじめ材料費の値上がりを考えたら、販売数はざっと3割から4割減という事になるのかもしれません。

 つまり、金額の数字的には微増しているといっても販売数の激減という内容となると単価が上がり、数字が伸びていると取りがちですが、問題は原価高のための単価アップなのか、本当の意味での付加価値としての単価アップなんかの問題です。

 昨今はハイブランドジュエリーの躍進が伝えられますが、それでは一般の宝飾品の販売はどうなんだという事になります。つまり、セグメントすると業界として数字的には表面上ハイブランドの数字に引っ張られていますが、実際宝飾業界は危機に面しているといってもいい訳です。

 私が以前から書いている宝飾業界はニッチな市場だという意味が裏付けされたこととなりますが、その事の自慢をしたいわけではなく、如何な対処が必要なのかという事です。

 前回にも書いていますが、ニッチな市場へのアプローチは色々ありますが、ニッチ市場では大規模成長を期待することはできず、利益拡充という観点を大事にする必要があります。

 ではニッチな市場とはどんなものか?

 食品市場の中でビーガンとなるとかなりのニッチな市場ですが、この中でビーガンの食種類を持つことでビーガン市場の中での占有率は小規模企業でも大きくなります。何故ならここには大規模企業が参入しにくいからです。

 現在ピックルボールという卓球とテニスの間のような競技が流行り始めていますが、アメリカではプロも存在する競技です。日本ではまだまだニッチな状況にあります。ここへは大きなスポーツメーカーが参入するには小規模すぎるが、このスポーツのラケット等の道具に参入できるのは小回りの利く小規模企業なわけです。このスポーツの将来をどう見るかにより成長の幅も変わってきます。

 冬季オリンピックは終了しましたが、目についたスポーツのスノーボードの裏面のサインの多くが『YONEX』とあったことを気に留めた視聴者も多いと思います。まだ殆どのスポーツメーカーが目に留めない頃にヨネックスでは参入し、北京オリンピック以降の4年間でも2.7倍の売上をしているそうです。

 新しいニッチな市場とは将来を見据えた戦略が低投資で実現可能であるという事になりますが、一方、旧態依然としたニッチな市場というものが存在し、それが宝飾業界をはじめ、伝統工芸や着物業界などの、一見廃れ行く業界という事になります。

 しかし、市場というものはマスであれ、ニッチであれ、シェアをとることを前提とした戦略が必要なわけです。ただ、アプローチが違うという事です。特にニッチ市場に関してはさらにアプローチ方法の多様さがややこしいのです。

 ニッチ市場に関して言えば、先の先見性か、付加価値というよう私は分けています。特に宝飾業界で言えば付加価値という事になるのです。

 

2026年2月21日土曜日

ニッチな市場へのアプローチ!?

  依然、宝飾業界がニッチな市場であるという内容で書きましたが、その対策は?といったお話をいただきました。

 以前であれば婚約指輪をはじめ、ある意味の成功体験や記念にといった時の対象として、宝飾品は当たり前のように取り上げられていました。

 その以前というのもすでに数十年前の話となりますが、高度成長時代バブル時代と右肩上がりの時の象徴的な存在でもあったわけです。つまり、大規模を前提としたプロモーションも打てたし、その見返りも十分にありました。

 現在はフィンテックの時代になり、金融市場が異常に膨らみ、資産家といわれる人々は増えたのですが、現金や使えるお金を持っている人々は少なく、さらなる市場の縮小化が進んでいます。つまり、宝飾市場のニッチ化が成立しているわけです。

 しかし、それでも富裕層は少なくなったとしても存在する訳です。今お金を使える人々、宝飾品に興味のある人々は間違いなくおりますが、そこへ向ける商品が宝飾業界には少なく、またそれを販売できる能力のある人々も少ないことも事実です。

 ハイブランドは販売能力のある人がいなくても広告宣伝力が与える満足感は突き抜けているので販売は可能なわけで、何より富裕層が必要と感じているものがそこにはあります。それは商品だけではなく、ブランド所有欲というものを満たしているからです。

 そこでニッチな市場へのアプローチですが、宝飾品に興味がある人は幸い多くいます、しかし、多くの人々は購入することはできません。しかし、現状は買えない人へもアプローチをかけているわけです。これは経費の無駄使いなわけです。

 現状の展示会が、どれくらい集客ができるかということに終始していますが、これは意味がありません。購入できる人が何を望んでいるかということをリサーチしていないからです。それは来場者の買い上げ率を見ればわかります。お金を持っていても必要のないものは買いません。

 つまり、宝飾品を必要としている人々に出会っていないわけです。であれば、どこでその出会いがあるかということになりますが、それは簡単ではありません。

 それではということですが、富裕層が宝飾品を必要とする場所を創出する事が出来れば、おのずから宝飾品の購入につながるわけです。また、その対象の人々も前述したように少ない訳ですから、その人々を対象にしている分には経費の使い方は少なくなるわけです。

 しかし、一人当たりに使う経費はおのずから大きくすることができるということになりますから、単純に言うと何千万円も買わない人に経費をかけるより、販売者側にとっても購入できる人に掛けたほうが効率的なわけで、かける総額も少なくて済むわけです。

 購入者も買わない人々と同じ扱いをされるより、より良質な扱いを受けたほうがより購入意欲が湧くわけです。宝飾品を必要とする場所を創出するという事は実は経費の削減にもつながり、その経費というものは本来、宝飾品では原価となるものでもあるわけです。

 但し、これを行うには知識と経験やそのアイディアが必要となるわけで、それは本来の宝飾業といわれる人々の土台でもあるのです。

 

2026年2月19日木曜日

健全なダイアモンド市場⁉

  以前にも書きましたが、デ・ビアスというマンモス企業がダイアモンドの価格をコントロールしていたのが1970年代までで、その後は徐々に他の鉱山会社の台頭や世界の経済環境の変化により自由市場へと進んできました。

 当初、若気の至りもあり、デ・ビアスという怪物にに反発をしていたこともアンチ・デ・ビアスであったイスラエルでのダイアモンドビジネスに携わってきた一つの要因でもありました。

 1970年代後半、私自身米国に在住しており、本格的には米国のユダヤ人との関わりからダイアモンドディーラーの道を歩き始めました。当時のダイアモンドの約85%のシェアを占め、ダイアモンドの価格のコントロールをしていたデ・ビアスのシステムに対しては他の日本の宝飾業者のほとんどが疑問を持っていなかったように私自身の何の疑問もなく、そうゆうもんなんだと思っておりました。

 ある時、ロサンゼルスの大手のダイアモンドのサイトホルダーのオーナーから大粒のダイアモンドを見せられたことがありました。最初はレプリカかと思うような大きさのその石は紛れもなくダイアモンドでした。

 『このダイアモンドの価格はいくらだと思う?』と聞かれて、私は『想像もつかない』と答えました。

 『分からなくて当然だよ。このサイズ、この品質は出身の南アフリカの鉱山で見つかったものを買い付けたものだからね。いくらの値段でも付くよ。』といわれ、単純に私は

 『じゃあ、デ・ビアスから買ったの?』と尋ねると『彼らはこんなダイアモンドを我々には売らないよ。これは友人の鉱山会社から直接譲ってもらったものだよ』

 私は(エッツ、デ・ビアスを通さないダイアモンドってあるんだ)単純に驚き、それが私のダイアモンドのビジネスの原点になりました。因みにそのダイアモンドをその後、自身がディールすることになるとは、その時はみじんも思ってはいませんでした。

 そこからダイアモンドは自由市場で価格は市場原理で決まることが健全だと考えるようになり、ロサンゼルスの知人の勧めでイスラエルへの関わりが出てきました。

 現在の日本の市場においては多くのダイアモンドはインドで研磨されたものが市場を占め、価格の不安定さも、現状の厳しさに拍車をかけています。(金融市の存在も要因の一つ)

 現状は言われるようなダイアモンドの価格の下落という風評があり、その一部は間違いがありません。ラボグロンの台頭をはじめ、市場でのだぶつき、需要の低迷、リサイクル市場での在庫、色々要因はあります。-

 但し、という言葉を使えば全てのダイアモンドではないということは以前にも書きました。

大粒、カラー、一部のファンシーシェイプがそれですが、実際には市場原理が生きていて、顧客が欲するもの、グレードの枠にとらわれない美しいもの(例えば同じSIクラスでも内包物がセンターではなく、見えにくいサイドにあるもの)は、やはり価格が下落をしているとはいえず需要のあるものは決して安くはありません。

 以前から価格はグレードで決まるわけではないと述べていますが、グレードが目安であることは間違いではありません。しかし、同グレードが同じ価格かと言ったらそうではないということです。まさに市場原理です。


2026年2月18日水曜日

唯一不変なものとは、変化のみ!?

  仕事柄イスラエルに行くようになって半世紀近く経ちます。

 現在は大使館の勧めもあってワインの輸入も行っていますが、一貫して彼らとの仕事はやりやすいと感じています。何故なら昔から言われているようにビジネスにおいて人間関係は大きな要因ではないということです。

 勿論、その中での人間関係の構築というものは出来上がってくるので、家族のようになったパートナーもおります。昔よく聞いた『握手をしながら殴り合う』といったスタイルで、互いの利益になるのであれば、討論もするし喧嘩もするといった経験を何度もしています。

 彼らは自分の利益にも還元されるのであれば誰であっても『扉を開けて』迎えてくれます。

 日本の会社であれば、名前の聞いたことのない会社であれば無視をしたり、ぞんざいな扱いをしたりしますが、彼らの中にあまりそのような姿を見たことがありません。

 特に当初はアンチ『デ・ビアス』であったイスラエルのダイアモンド業者と取引をすること自体が色々と非難をされる状態ではあったので、あえて新地を求めてといった心情でした。

 その頃のデ・ビアスはイスラエルのダイアモンド業者潰しに必死な状況で、色々な圧力をロスチャイルド銀行などから受けておりました。結果的にはその行動が自らの足元を揺るがし、現在の身売り同然のデ・ビアスとなっていくのです。

 当時イスラエルのダイアモンド業者は国策で無利子で銀行からの融資を受けておりましたが、その一部の銀行がロスチャイルド銀行の傘下に入ることにより、ダイアモンド業者への融資を絞り、有利子とすることによりダイアモンド業者への圧力としていったのです。

 返済期限に迫られた業者は研磨済みダイアモンドの安売りをすることにより、その窮地を乗り越えようとしました。結果的にデ・ビアスはそれらのダイアモンドを市場から買い集める事に終始することになり経営状況を悪化させ、旧ソビエトからの原石買取を諦めざるを得なくなり、それまでコントロールをしていた市場を開放せざるを得ない状況になり、その後のロシアの台頭ということになります。

 イスラエルの業者は一貫してダイアモンドを自由市場での扱いという事を続けてきました。それは市場をコントロールする事よりも自由市場の方が汎用性が高く、また多くの変化を受け入れやすくし、多くの人が参加をできるといった市場開放といった彼らの概念に近いのかなとも思います。

 前述した彼らの考え方はワインビジネスであれ、ダイアモンドビジネスであれスタイルが同じという事が、私にとって新たな事業であるワインビジネスの導入がスムースであった要因と捉えています。

 新たなものを受け入れることに臆病になる必要はなく、最悪なのは現状を展望することなく惰性で続けることの大罪です。扱っているものが恒常的なものであればあるほど、取扱者の変化が必要なのです。『不変のものとは、変化のみ』なのです。


金相場の行方⁉

 現在は利益確定売りと思われる状況で金相場が若干の下落をしていますが、今後の展開を考えると中期的にはまだまだ価格は緩やかではあるが上昇をするような気がします。

 金相場というのは以前は有事や経済の悪化が続くと上昇をする傾向がありましたが、現状は必ずしもそうではありません。勿論、ウクライナをはじめ中東情勢はありますが、多くの要因は米ドル、もっと言うなら貨幣価値の低下が、背景にあり、各国の(特に中国の)地金買い漁りがあり、更には行き過ぎたバブル状態の証券市場への懸念が金相場を上げていると考えています。

 現状は半導体株を含めAI関連等の影響により株式市場を持ち上げていますが、ここにきて、投資先行型の株に対しての不信感というより、不安が金相場を上げる要素になっているのです。

 つまり、投資というのは結果ではなく、収益が出て結果が出ます。現状の半導体やAI株に関しては投資の結果株価を押し上げていますが、いまだ投資に見合った収益が出ているとは言えません。現代の技術の進化は著しく、開発途中で間もなく市場化とされる頃には新たな技術が開発をされます。

 開発をされ進化することは良い事なのですが、市場が追い付いてはいません。顕著な例として『スマホ』があります。沢山お機能が搭載され、それなりの価格で販売をされていますが、この機能を使いこなしている人々は何パーセントいるのでしょうか?0.数パーセントだろうと思われます。

 市場で機能をしない、もしくは利用者の少ない先進技術は収益には繋がりません。つまり、より良い未来型の先進技術に関しては否定をしませんが、現状で収益を上げるかどうかは別の話です。

 それらの内容が株式市場への懸念として広がっている現状をあります。その技術に人々が追い付けば勿論収益につながります。多くの国で少子化が進み、高齢化が進んでいます。それは現状では高齢化の人々のための技術ではなく、先進国の少子化の未来に役立つ技術ではあります。しかし、地球全体で考えたときに人口が増えていることも事実です。

 どちらへ転がるのかという遠因も地金相場を押し上げている現象につながっていると考えています。この状況がしばらく続くことを考えると金相場が上昇をする現象が続くと考えています。しかし、長期的にみるとどこで利食い売りや暴落につながるかを考えることは意味がないのです。

 人々はその感覚で投資を行い、AIは過去のデータの産物ですから行き先を示唆することはないのです。

2026年2月16日月曜日

ニッチな市場⁉

  宝飾業界自体がニッチな業種として認識はないのかもしれませんが、以前からするとニッチな業界といってもよいかもしれません。つまり、宝飾品をつける場所もなければ機会もないということであれば、目的として宝飾品を買う必要がない訳です。

 舞踏会とは言いませんが、宝飾品を身に着け出かける場所は高度成長期後半からバブルにかけて、各種パーティーを含め各レストランなどもドレスコードを設け、あらゆる場所で身に着ける機会がありました。

 1977年夏頃、米国に在住し、ビバリーヒルズの宝飾店にいたころの話ですが、場所柄、富裕層といわれる人々が毎日のように出入りをしておりました。勿論、顧客もいれば、初めてのお客様がご来店することも珍しくなく、そのお店ではそれなりの宝飾品の販売が毎日のように行われていました。勿論、基本はご予約ということになるのですが。

 特に週末のお客様に関しては難しい方が多く、もっと言えば初ご来店のお客様が多かったように思います。何故なら宝飾品なのに緊急購入の方が多かったからです。他店では取り揃わずに当該店にやってくる人々でした。

 ある日『店頭の飾っているルビーのネックレスは購入できる?』といったシンプルな質問を入店するなり、問いかけてきました。『勿論、購入は可能ですが、どのようなご要望でしょうか?」スタッフが質問をすると『明日の土曜日にパーティーがあり、新しいドレスに合うネックレスがないの』。『ネックレスの事はすっかり忘れていたの。今持っているネックレスではどれも合わないと・・・。気持ちがブルーだったのよ』といきなり話しまくった後にお話しを伺うとなじみのお店には気に入ったものがなくて、諦めかけた帰宅時にこのお店の前を通り、店頭にあったルビーのネックレスが目に入ったとのことでした。

 私はいくら大事なパーティーと言えどそこまで拘るのかとも思い対応をしていましたが、ご主人の大切な取引先のオーナーの自宅に招かれたということで一か月も前から服装の準備をしていたということでした。

 結論を述べると当時5千万ドル(現在のレートで約7700万円)程のルビーのネックレスをその場で小切手(当時のアメリカは個人小切手が主流)を切り、お持ち帰りになりました。

 いわゆる、欧米諸国では一般的な場所や機会とは言えませんが日常的に宝飾品をつける場所があり、そのコーディネイトが習慣的に行われ、自分の好みの組み合わせができないとパーティーそのものに出掛けないという人もいるくらいにその環境は身近なものです。

 過去の日本の場合もイコールとは言えませんが、日常的に着替えることやTPOといったものを意識する環境もあり、宝飾業もこぞってそのような機会を創造しておりました。

 現在はTPOそのものに拘りもなく、また、販売する側もそこまでの努力をせずに売るのではなく、売れるものを探し、販売に繋げるという状況です。 つまり、販売する環境を創造する事もなく、ニッチな環境そのものを作り出したのも業界そのものといえるかもしれません。

 ただし、ニッチな業界であればニッチな業種に特化をしたビジネスモデルも考えられます。それは今後の課題となるのです。

2026年2月14日土曜日

宝飾業界の危機⁉

  現代の宝飾業の難しさは素材の高騰もありますが、従事者の低レベル化も大きな要因になっているのだと考えます。

 これは能力というより、現代の風潮や社会背景といった、ベースとして宝飾業が必ずしも向かない時代であるということです。高度成長時代からバブルにかけては一般庶民も背伸びをし、上の生活レベルを目指していた時代です。

 つまり、ステイタスというものをある意味、物やライフスタイルに求めており、少しでも良質のものを身に着け、それが高額であってもそこに生活の目標を置いていた時代です。

 その一番のターゲットになったものが欧米の富裕層であり、その生活スタイルでした。多くの人々はその生活スタイルやファッションに魅了され、そこを目指していたと思います。それは昨今の中国の成長の中にも見られました。ブランド品を買い漁り、海外旅行に憧れ、宝飾品を身に着け、それを買うために背伸びをしたり仕事を頑張ったりしていたように思います。

 現代においてはカジュアル化が進み、服装もどちらかというとラフになり、ビジネスにおいても服装のカジュアル化が進み、OLなども服装のTPOをそこまで意識することが無くなりました。

 それは、ブランド品においてもセカンドハンドで良いという風習もあり、ステータスの意味合いも大きく変わってきたといえるのではないかと考えます。以前であれば他人が使用したものを身に着けるということは考えられず、むしろ羞恥なこととしてとらえていました。

 服装が変わると当然、宝飾品もカジュアルな小さ目なものとなりますが、現状小さな宝飾品が地金の高騰や素材の高騰もあり、決して小さな宝飾品に見合った価格ではなくなったということを感じます。それを販売しようと思うとそれなりの技術と知識が必要とされるのです。さらに前述をしたように宝飾業界の従事者自身がカジュアル化し、決して本来の宝飾品を販売するような風情をしていないということです。

 展示会等においてもデザイナーと称して意味不明な服装をしている者もいれば、ネクタイをだらしなく、しない方がマシなような服装をしていたりと、現状でもお買い上げになるのは富裕層ですから、それらの顧客を迎えるに相応しい格好というものがあると考えます。

 しかし、これは現代社会の現象というより、この業界の現象といえるのではないかと考えます。つまり、他の業種であれば、高級レストランであったり、高級ホテルであれば決して前述のような風情で仕事に赴くことはないと思います。身なりもですが所作においてもそれなりの対応をしていると思います。

 冒頭に書いた宝飾品の仕事に携わる人々の低レベル化というものはある程度は仕方ないと思いますが、経営者たちの教育に対する思考がマヒしているとも言えます。

 宝飾品を販売する為の本来の姿に戻らなければ、欧米と違って文化としての宝飾品がない日本においては業界自体の消滅につながることは避けられないかもしれません。勿論、宝飾品が無くなるわけではなりませんからそこに見合った土台が必要だということです。