先週よりイスラエルに出張し、本日戻りということとなり、新鮮なうちにということでデスクに向き合っています。
何が新鮮かということですが、買い付けに当たり価格の変動というより硬化です。つまり、以前と比べて、価格での交渉の余地の小ささです。
ラフ(原石)の取引所の人出の少なさもさることながら、研磨済み取引所の人々の少なさもあり、結果的には旧知の事務所を渡り歩くこととなりました。
結論をいうと絶対的流通量の少なさと、カラーダイアモンドへの偏りがちな取引所となってきたといってもよいのでしょう。30~40年ほど前という古すぎて恐縮な例ではありますが、コマーシャルなアイテムもそうですが、大粒もふんだんに取り扱われていた印象があり、実際にもそうでした。
そして、カラーダイアモンドという小さな市場に目を向けている業者は非常に少なく決してメインのアイテムとはいいがたい状況で価格もむしろこちらのほうが誘導しているような状況でもありました。
つまり、鉱山などの閉山や採掘業者の減産といった中で、ラボグロン(ここにダイアモンドをつけることは業者間では認めません)の市場の拡大といった中で1ct以下のサイズの物の値下がりも後押しし、更にイスラエルで言えば研磨の大半がインドへ移行をしているということもあり、取引所での絶対量が減ったといえるのです。それ故の余地のなさとも言えます。
そんな中、大粒とファンシーカラーで商いを行う業者が増えてくることは必然と解釈しますが、そんな中鉱山の減産、閉山ということが重なり、一般的なものと同時に大粒やカラーダイアモンドも採掘量が減るわけですから、もともと希少性の高い分野のものはより一層希少性を増すわけです。
多くのイスラエルの業者が工夫を模索する中、自らジュエリーの生産に向かうものや販売のスタイルを変化させるものが多くなってきた印象もあります。
それ故に、彼らも交渉を受けたくても受けにくい状況にあるわけです。といっても当方も事情がありますから見合った価格への交渉が必要になるわけです。
今回の買付の難しさはそんなところにありました。この状況の反映は早ければ半年後、一年後、2年後には日本の宝飾業界にも表れてくるのでしょう。
しかし、その後の工夫がなければ業界そのものから退場を余儀なくされるのです。
一般的なメディアではダイアモンドの値下がりが報道されており、その大きな要因にラボグロンなども取り上げられています。確かにその部分は事実です。しかし、いつものように深堀が出来ていません。それは過去何百年と採掘をされているものですから、市場の大量在庫ということもあり、そこにラボグロンの件があることも事実です。
しかし本来の宝石質で資産性の高いものということになれば、別のストーリーが出来上がってくるのです。今後もしばらくの間は混とんとするのでしょう。