世界の最も歴史のある企業の大半は我国に集中しています。1000年を超えるベストテン9社は日本企業ですが、大手という概念のある企業は存在しません。建築といっても宮大工工務店デであったり、旅館であったり、和菓子店であったりします。
現在新国立美術館で『ルネサンス、ルーブル美術館展』を行っていますが、その中にはレオナルド・ダ・ビンチなどのルネサンス時代の絵画が展示をされています。『美しきフェロニエール』などのレオナルドの肖像絵画なども来ていますが、今回来日はしていませんが『モナ・リザ』はレオナルドのもっとも有名な一枚でしょう。
今から50年ほど前にルーブル美術館を訪れて『モナ・リザ』を見に行ったことがありますが、当時は単純に『教科書で見た絵だ!?』と感心をしていただけです。しかし、年齢を経てレオナルド・ダ・ビンチそのものを知り、その背景を知ることにより、その絵『モナ・リザ』のすごさやその芸術性や偉大さを実感してきます。つまり、価値を理解するようになりました。
冒頭の歴史ある企業の背景や歴史を知ることは、その偉大さとある意味価値のすごさを感じることが出来るかどうかという事にもなります。
京都をはじめ多くの老舗といわれる企業は400年、500年と続いている割には大企業はありません。ここに今後の企業の在り方のヒントもあるのではないだろうかと思っています。特に宝飾業界にとっての今後に大きく影響をするのではないかと思っています。
現在の状況で説明をすれば、Aiによるデーター化できる業種は大手として君臨できたとしても長い歴史を紡ぐことは出来ません。しかし、データー化のできないオンリーワン業種は大手になることは出来ませんが、長く歴史を紡ぐ事が出来るという一つの原理です。
つまり、大量生産、大量販売が可能になるものはその代替は必ず現れるし、極論から言えば投資家は次々と新しい投資先に心移りをしていくので、結局大手といわれる企業は長続きをすることはありません。
一方、老舗といわれる小規模企業は独自のアナログ技術を持ち、その中で伝統を磨き上げることにより、長くその技術の伝承に努め、見方によっては効率の悪く、経験がなければ他社が導入しにくい技術と業務になっています。投資家にとっては魅力的な投資先とは言えません。しかし、その背景は他の追随を許さない価値となっています。
本質と背景を知ることによりその価値を知ることはあらゆるジャンルのビジネスにとっては必要不可欠な事といえるのですが、日本の宝飾業においてはその辺の部分のおいて劣っていたといわざるをえません。
元々、宝飾業というものは希少性という一大条件があるわけですから、大偉業になる条件は元々備わってはいません。現代におけるハイブランドといわれるものも実際にはファンドという資金軍団の元でグループになり、集合体として維持をしていますが、その本質は小企業の単なる集まりで、結果的には本来の老舗としての要件を満たせなくなっています。やがてこれらも解体させていくのでしょう。