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2015年1月27日火曜日

ムード(空気感)⁉

 月に一回から二回のペースでシネマに足を運ぶことが生活の一部になっているのですが、一番の楽しみはポップコーンと発泡性ソフトドリンクです。そして、自然にそうしているのですが、時々、何故、ポップコーンとドリンクはこんなに高いのかなぁ・・と思いつつも、シネマの中のあの甘~い香りと雰囲気でついつい買ってしまいます。プチ贅沢でもあります。

 私の中では映画を見る事はポップコーンと一体化しており、マストアイテムとなっています。中にはわざわざ高い飲み物を飲むことはないという合理派もいるでしょうが、多くの消費をする人々はムード派なのではと思っています。

 社会状況が悪ければ物を買う気持ちが落ち、状況が良くなるような気がすれば多少高くても購買に走ります。真に『景気』そのものです。経済というものは生き物だという言葉はよく聞きますが、本当にそれを構成する人々の気持ちというものが大きく作用しています。

 多くの人々が、たまには贅沢をしなければという気持ちのなるだけで、経済は動き出します。そこまで大きな話ではなくても身近のビジネスで考えても、ムード造りは重要で雰囲気があるかないかでその気持ちは決まります。

 知り合いでイタリアワインを輸入している人間がいます。彼曰く
『ワインというものは、一般的には運送途中で劣化をします。私のところはそのリスクを避けるためのシステムを採用しているので、他さんより同じ銘柄が高くなります。』

 彼のところでは都内の一流イタリアンレストランのみに販売を行っていて、一流イタリア人シェフは本場の味と変わることを望まないので、彼のところのワインを高いという事は解っていても取り扱っているそうです。一般的にも市販のワインの2.5倍~3倍がレストランのワイン価格の設定になっていますが、場所代だから雰囲気だからと納得をするのが一般的です。

 勿論、彼の納入しているレストランは一般よりさらに高額ですが、一流シェフが選んだ味、香りは顧客を十分に唸らせるだけの料理と雰囲気を持っているのです。

 『おいしい食事とワインがおいしいから惜しくないよ。』と多くの消費者は考えます。しかし、中には『わざわざ、安く飲めるワインを高い値段を出して、飲みに行く人間の気持ちはわからないね。』という人もいます。

 しかし、多くの消費は特に付加価値商品はムード(空気感)で行われることが多いのも事実です。我々の仕事もそうですが、お客様は必ずしも誠意をもって一生懸命やってくれるから買うという人はあまりいません。それプラス高級品を扱っているムードを持っているかどうかが重要です。

 お祭り騒ぎのような展示会では高額品が出る確率は低くなります。むしろ高級感のある、会場づくりや、ジュエリーを身に付けるべき雰囲気造りが高額品の購買率を上げます。

 以前にも書きましたが、私が米国滞在中にビバリーヒルズの一流宝石店の社長に
『宝石店のビジネスを考えるのなら、お客様と同じかそれ以上のお金を持つかパーソナリティーを磨きなさい。』と言われたことを思い出します。

 この人から買いたい、この人の真似をしてみたいと思わせる事とそのムードを持つことが大事であるという事で、本当にそうであるかどうかは別にしてそのような空気感を出すことが必要だと考えます。自分が買えない物を人に販売するのですから購入する人が買って良かったと思うようなムードを作り上げていくことは重要なのでしょう。

 レストランのワインはなぜ高くても売れるのか?
シネマのポップコーンとドリンクは何故高くても売れるのか?

 雰囲気は勿論ですが納得ではなくて、欲求を呼び起こしているのです。多くの消費者は納得することは無論ですが、お金を使いたいのです。無意識ですが、使う喜びを感じたいのです。

 単なる等価交換ではないことを販売側は理解することが重要です。

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