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2014年12月22日月曜日

リフォーム⁉

 昨日、ショーケースを覘きながら店内をうかがっているようなご婦人がおり、声をかけると
『こちらに2カラットくらいのエメラルドカットのダイヤモンドはありますか?』
と答えてきました。

 ショーケースに並んでいるダイヤモンドの裸石をご覧になって立ち止っていたようです。
『実は宝石の展示会に行ってリフォームをお願いしたのですがそこに出ていた宝石やさんがいなくなったという事なんです。』

 お話しを伺うと展示会に行ったのだが欲しいものがなかったので、勧められて身に付けていたダイヤモンドのペンダントを指輪にリフォームする事になり、お願いをしたとの事です。
『しかし、ちゃんと警察なりに届けるか、主催をしていたところにクレームをすれば良いのではありませんか?』と私が訊ねました。

 ご主人に内緒だったので引き換えの券を目立たないところにと思っていてなくしてしまったようだという事でした。つまり、ご主人に気が付かれる前に同じようなものを用意をしなければならないという事でした。

 にわかには信じがたい話ではありましたが、リフォームでのトラブルはよく耳にすることではありますが、大方はオーダーしたものとは感じが違うけど、『しばらくの間してみてください』と言われたとか、『いやオーダー通りですよ』と言いくるめられたといった類のことでほとんど消費者が泣きを見ているという事が多いようです。勿論そのあとは消費者は二度とそのお店には戻らないのでしょうけど。

 当店も90%がオーダーという事もあり、お客様が思ったより良く出来たといって頂く機会が多いのですが、たまにちょっと違うような気がするという事もあります。その為に作成途中をご覧になるようにお勧めしたり、一度仮合わせをするようにしています。

 しかし、多くの宝石店さんや百貨店の宝石サロンではその場で制作をしたり、造りの解る担当者がいませんので、クレームを怖がり、リフォームそのものを受けないとか、積極的ではないところが多いようです。

 宝石そのものは耐久性が強い物で劣化や破損がしにくい(処理をしていない物)という前提にありますから、経年劣化をする周りの造りがある以上はリフォームは避けて通れないことなのです。

 リフォームに関してはお預かりするときの確認や出来上がりの時に無理に押し付けないという事は勿論の事、過程の納得や結果の納得が何より必要な事です。これ以上とうんざりされるくらいでも過度ではないと思っています。それが信用に繋がり評判になっていく基本の基であると思います。

 ましてや、持っていなくなるなんてとんでもない話ですが、お客様にご用意をしますと言ってお見せしたものはご予算が合わなかったようで、改めて無くなったダイヤモンドに思いが強くなったようでした。

 リフォームは宝石店の必須事項ですが、取り扱いをするのは販売をする以上に気を使います。しかし、業界の活性化には是非というものでもあり、それぞれの宝石店さんが真剣に取り組む必要のあることだと改めて考えます。
 

 

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