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2014年12月12日金曜日

市場開拓⁉

 1940年代に始まったシンジケートによるキャンペーンは1960年代に入り、日本にも広まり定着をしました。それは米国では給料一ヶ月分、日本では給料3ヶ月分という相場でした。これは当時の為替差による換算です。

 お解りだと思いますが、ダイヤモンドの婚約指輪の相場でした。このキャンペーンでもわかる通り、ダイヤモンドの価格は常にUSドルベースで考えられていた事を示しています。これらのキャンペーンは高度成長とも重なり、日本の文化ともなりました。

 この事がダイヤモンドの市場を押し上げ定着させていきましたので、当時の宝石商の名誉職というものは国会議員どころか大臣まで誕生をさせました。結果的にはそれなりの地位なりレベルの人々との交流も多くなり、市場の多くは富裕層に集約をされていました。

 現在よりも格差は大きかったのかもしれませんが、憧れのダイヤモンドには一般の人々も興味を持ち、さらに、成功をしたらとかボーナスを手にしたらとか一つの証としてダイヤモンドや宝飾品を見ていたことが宝飾業界の発展の要因でした。

 昨今では婚約指輪をダイヤモンドでと考える人も少なくなり、下手をすると婚約指輪さえも考えないという若い人が多く現れてきたという事を耳にします。

 本当でしょうか?

 実は結婚をしたくてもお金がないとか、他に使いたいとか、それこそ別れるかもしれないのに・・といったネガティブな気持ちが男性の中にあることが大きな要因だと考える人もいます。私自身もその事に関しては同感です。

 それでは今後という事になりますが、実際には多くの女性が宝飾品を持つことに対しては憧れを持っています。ただ現在の宝飾品そのものにはそのレベルの物が少ないように思われます。最初から高年齢を狙ったもの造りとかTPOを考えずにデザインをされたものとか、言ってみれば畑を作らずに種をまき、蒔いた種以外の実を収穫しようとしているように見えます。

 つまり、市場に文化を造り、使用場所を造り、そしてTPOにあったデザインを起こし、提案をするといった工程はやはり必要なのです。しかし、以前のシンジケートほど圧倒的な力を持った組織は存在をしませんので、これも難しいとなる訳です。

 現在格差があるといっても実際には勝ち組に所属をしている人々は大なり小なり存在をしています。例えば多くの金融機関や輸出産業のOL、そして何よりも公務員と定期収入と高所得が安定をしている人々も宝飾業界を活気付けるだけに十分な人々もいます。

 実際にこれらの人々へのアプローチは出来ているのかというと必ずしも出来ているとは言えません。まずはこの人々の習慣なり、関心事なりを分析するなりして、そこに対する企画なりがもっと必要なのではと思います。

 数十年前であれば今と環境の違うお医者さんや資産家はかっこうのターゲットでしたから、常にそちらを向いた企画が行われていました。例えば海外にご招待をしたりとか東京で普段では出入りの出来ないような迎賓館的な建物でのお食事会にご招待をしたりとか、宝飾業界も力を持っていましたのでそれなりのことが出来たわけです。

 その頃のようなパーティーや晩さん会的な事とは言いませんが、現在の時節にあったような企画はまだまだ沢山あります。まずは手を抜かずに市場造りをすることが大事なのではと考えます。多くの業者さんや催事屋さん達は市場を創造した経験がありません。過去の遺産にぶら下がったような事を続けていてはと危惧をしています。

 
 

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