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2014年12月26日金曜日

御用納め⁉

 本日、27日は多くの官公庁や事務方や工場関係の会社は御用納めです。無論、小売業や一部の特殊な業種のところは明日だったり、30日までというところもあるでしょう。大晦日もあるかもしれません。

 40年ほど前、まだ土曜日も半ドンの頃の話ですが、土曜のその日が丁度御用納めにあたり、私が勤務をしていた会社もその日が御用納めという事で仕事後御餅つきをやろうという話で盛り上がりました。

 当日、先輩の一人が千葉の大農家の息子という事もあり、臼と杵ともち米を蒸かすための鍋などをトラックで持ち込み、私自身も先輩から四斗の樽酒を用意しておくように言われ手配をしておりました。

 問題が起きたのは其れからです。実は届けが総務部にも上司にも行われておらず。その日は初売り商品の発送のために仕事が終わらない状況にありました。そこへ樽酒が届き、私自身が見つかってはまずいと思い、応接間に取りあえず、おいておきました。

 また、もち米の方も蒸す準備もあり、宝石部がいち早く仕事が終わったという事もあり、裏側の駐車場で準備にかかっておりました。しかし、間が悪い事に年末の挨拶に来た取引先を専務が応接室に案内をし、ドアを開けてビックリした専務は『なんだこれは誰の仕業だ?』というになって持ち込んでいた姿を目撃した人間が私が持ち込んでいた事を報告したわけです。

 私を探すようにと言われた、総務部の人間が餅つきの準備をしていた私を見つけて、
『専務が探しているよ。何をやっているのここで?』

『餅つきの準備です。』

『それはまずいんじゃあない?』

傍らで聞いていた宝石部の先輩が『とりあえず専務のところに行って納めて来い』という事で、何とか理由を言って、怒られはしましたが無事コモ樽をを奪還し、餅つき現場に持ち込みました。

 しかし、総務部の人間から話を聞いた総務部長が来て
『宝石部の皆さんこれは社長に見つかったらまずいので早々に片付けてください。』
と言いに来たのですが、一人の宝石部の主任が
『直ぐにやめますから、部長も樽酒を一杯いかがですか?』
と勧めると、決して嫌いではなかったその部長が
『そうですか。それでは形だけと・・。』
といってマス酒を受け取り飲み干してしまったのです。呆気にとられる私の横をそそくさと引上げ、しばらくすると先程来た総務部のスタッフが現れました。
『早めに止めてもらうように部長から言われてきました』とやってきたのです。
しかし、宝石部の餌食になったこのスタッフは諸先輩から勧められるままにやはりマス酒を飲み干してしまったのです。

 ここからがさらに悲劇です。1時間半ほどすると総務部長が慌ててやてきて
『皆さん直ぐに撤去をしてください』と真っ赤な顔をして怒っています。
話しを聞くと先程のスタッフが酔ったままそのまま帰宅の途につき、その途中の品川駅で泥酔の上失禁をして保護をされているという事でした。まして会社の名札を付けていたためにすぐに品川駅から連絡があったそうです。

 しかし、その頃には全社に知られる状況にあり、その後宝石部員が始末書を提出したことは想像がつくと思います。勿論、ここでは書けないことも同時に起きていたこの年の御用納めの日の事は生涯忘れる事はないでしょう。

 平和な日本であった高度成長期のとある会社の一場面ですが、この会社の宝石部は勢いがあったことは事実ですが特殊であったことは否めません。

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