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2010年12月17日金曜日

贅沢と質素

心得その2

贅沢とは下品と隣り合わせ、お金を使うことではない。

質素とは上品と背中合わせ、お金を使わないことではない、教養を裏付けるものである。

 贅沢とはお金の浪費ではなく”真”の物を身につけることでしょう。

お金を使った贅沢は必ずしも他人から羨望の眼差しを向けられるとは限らない。

最近、TV番組でセレブといわれる人々の生活が紹介されることがありますが、必ずしも羨ましいとは思いません。むしろ、下品にすら見える事があります。
一寸、やっかみもあるかもしれませんが・・・・。

 私自身、仕事柄多くの本人たちはセレブと言わない人々と接してきました。多くの場合身についた
生活をしている場合はそれに対して嫌味を感じません。

 一つの例ですが35年ほど前にアメリカで生活をしていた頃、あるビバリーヒルズの不動産ビジネスを行っている方と知り合いになりました。ビバリーヒルズで一番大きなビジネスをしておりましたが
すごく優しく、その頃の年齢で70歳くらいだったと記憶しています。

ある日、その紳士が
『カズ、ちょと一緒に見てもらいたいものがあるんだけど、時間はあるかね?』
『はい、何でしょうか?Mr ヘンケン』

『実はタミに誕生日プレゼントを贈りたいんだけど見てほしいと思ってね。』

 タミさんというのは若き日に米国に渡り、起業されブティック、免税店等を経営され
成功をおさめた日本人女性でした。

 ある日、車が故障をしてボー然としていたMrヘンケン。通りすがりの女性に助けを
求め、
『エクスキューミー、マム。車が変な動きをして壊れてしまったんだけど何とかなりませんか?』

通りすがりの女性はジーッと車を見ていると
『あら、タイヤのパンクですわ』

『そんなことがすぐわかるんですか?』

『だって、タイヤがつぶれていますもの、誰にだって解りますよ』

自分で簡単な修理もした事のないMrヘンケンはその女性を羨望の眼差しで
『すみません、直してもらえませんか?』

『エッ、私がですか?』
と云いつつ、にこにこしながら車のトランクを開け始めた。

30分後、難なくパンクの修理を終えた女性は
『はい、終了です』
と言いつつ、立ち去ろうとしたところ

『お礼をしたいのですが…。』
とMrヘンケン

その時の女性が奥様のタミさんだったそうです。

『カズ、これだよ』
と見せられたのはロサンゼルスを御存知の方なら皆が知っているウィルシャーブルバード。
日本で言うなら東京の青山通りでしょう。

『これって、このビルですか?』

『そうだよ』

『でも、ちょっと色気がないですね』

『どういう風にすれば良いと思う?』

『ビルと言われても建物ですから気持ちが伝わりにくいんじゃ・・・。』

数日後
『カズ、一緒に来てくれないかな?』

『いいですよ』

また先日の場所につくと
『今度はどうだい?』

私は思わず目を見張るとともに笑ってしまいました。

『これですか?いいかもしれません』

私の目前には大きなリボンで丸ごとくくられた30階建てビルがありました。

この話をどう捉えられるかわかりませんが・・・。

ビバリーヒルズの不動産ビジネスは基本的に当時は仲介業はあまりありませんでしたので
Mrヘンケンビバリーヒルズで一番の土地持ちということでした。また、彼は真剣に奥様を愛し
御自身の年齢を考えて年の離れた奥様に合法的に相続を考えていたのでしょう。

何時もタミさんのお店の従業員に気を使い時間があると来店をし、従業員に声をかけていました。
しかし、一度もタミさんの事業には口もお金も出したことはないそうですが、私にはヘンケンさんが
少しでも手助けをしたそうに見えていましたが奥様はそれを望まなかったそうです。

何時もチャーミングであったヘンケンさんの行った事は決して嫌みのある贅沢でも下品でもなく
むしろ微笑ましく、心温まる様子に見えたのはその行動が彼の身についたものだったのでしょう。

この続きはまた・・・。

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