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2010年12月16日木曜日

目安

私の心得の中の一つに
『義務は出来ることの最低限、努力は出来ることの最大限である。そして、無理は出来ないことの最低限、無茶は出来ないことの無限大。しかし、出来ることは人それぞれである。』
 というものがある。

 人それぞれ出来る事や能力は違いますが、自分の力に目安を持つことは大事な気がします。自分を把握するのも能力だろうし、人の力や物の価値を把握するのも能力でしょう。
 
 先日、旧知のお客様がいらして
『今日は友人を連れてきたの』

傍らには白髪の品の良い御婦人が
『はじめまして、この方からダイアモンドを買うならこのお店よって
 連れてこられたんですよ』

『それはありがとうございます』
と当方

『ブランドみたいに人の作った価値を買うより、自分の価値で
 ジュエリーを造った方が贅沢よ』とそのお客様が言うと

『でもダイアモンドの事なんか私にはわからないじゃあない』
と御友人

『ゆっくりダイアモンドの裸石を見せて頂いて勉強するのよ。
 そうすればその魅力を解るし、その上で造るのよ』

『でもそんな機会は普通にはないでしょ』

『だからこちらのお店で説明をしてもらいながら自分にあった、自分の為の
 ダイアモンドを選ぶのよ。予算も含めてね・・。』
 と当方に顔を向けながら二ヤリ
 
『本来は宝飾品はそのようにしてお造りなることが一番良いのですよ。
 それはダイアモンドを通して御自分の好みとか、似合う物とかを時間を
 かけて理解することになりますからね』
 と私が話すと
  
『そんな事を考えてジュエリーを見たことはありませんでした』
と御友人

『そうなのよ、私もこちらで作ってもらうまでは考えたこともなかったわ』
『でも、私の性格も含めて好みと似合うものが違うことはこちらに来て初めて
 解ったの。』

『そこまで言われるから私も作ってみようかしらと思って伺いましたの』

『そうですか、ありがとうございます。』

・・・・・・・・・・・・・・・

色々とダイアモンドを見て頂いた結果

『本当に色々違うんですね。こんなにダイアモンドに違いがあるなんて
 知りませんでした。』と御友人

『そうですね。よく4Cのグレードの事は皆さんご存知ですが4Cは単なる
 目安に過ぎないんですよ。本当の価値はお求めになるお客様とダイアモンド
 の組合せによる結果によるんです』

『結婚相手を学歴と職業だけで決めるようなものよ』
 と傍らのお客様

『そうです。結婚相手も相性もあれば性格、家庭環境と色々ありますね。
 だからこそ相手を決める前に自分の事を解り、どんな相手なら自分に合うか
 といった目安を持つことが大事ですよね』

『そうですよね。そう言われるとよくわかります』
『ダイアモンドもそうだということですね』

『そうです。単純にブランドとか4Cだけでお求めになると着けなくなりますし
 いやになってきますからね。その辺も結婚と・・・。』
言葉を濁しながら当方

『そう、何でも一緒よ。仕事でも友人関係でも見かけだけで手掛けるとロクなことは
 ないわ』
と女性建築士であり、売れっ子のお客様が納得顔で御友人を見つめていた。

 目安に関して今回この話が見合うのかどうか分かりませんが私の中では目安を持つことが自分の行動や衝動を明確にし、後で後悔をすることがないようにする指針でもあると
思います。

そして、義務を果たし、努力をしすることにより目安を持ち、無理や無茶をしないようになり、自分に見合った価値と見返りを得るのだと考えます。

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