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2017年3月31日金曜日

買い手責任⁉

 ダイヤモンドの世界では富に最近多くの投資家が参入をしていることは述べてきていますが、最近アメリカの大手メディアである『ブルームバーグ』が特集を組むことが多いように見えます。

 先日、ブルームバーグは『ワニの口』なるグラフを用いて今後のダイヤモンドの価格の予想を行っていました。それはグラフの線が下降する線と上昇する線がある時点を境にその差が広がっていくというものです。その線の形がワニが口を開けているように見えるところからこの表現になっています。

 この線の意味は価格が上昇線で供給量が下降線となっています。過去10年間で平均で69%の価格上昇を『ブルーグバーグ』は指摘をしており、今後もこの両線の差は広がっていくと予想をしています。

 投資というと大げさに聞こえますが、他の投資と比べダイヤモンドの投資は面白くはないけれど安全性の高いことは以前から書いておりますが、果たしてこの考えは日本に通用するのかどうかはわかりません。ただ私自身の顧客を考えると以前より増えている様な気がします。

 前回にも書きましたが、日本人の多くの人は価値という考え方をそれほど重視しないように感じます。それ故に価格という数字にすぐに飛びつくような気がします。勿論消費者心理というものは解りますが、そこに価値判断というものがあって初めて用をなすという事だと思います。

 最近は旅行会社等の事件も報じられ大きく取りあげられていますが、実は今に始まったことではないと思っています。私に友人等も被害にあっているうちの一人です。実際にはネット上のトラブルや通販での問題も多く指摘されています。

 日本も『買い手責任』というものをもっと理解してもよい時代に入っているのではないでしょうか。
つまり、価値というものにもっと真摯に向かい合い己の判断でその責任を自覚する必要があるのではないかと思います。自分で判断したにもかかわらず何かあると他人の責任にするという考え方でいる限りは日本人はダイヤモンドの投資や自由市場という中で生きていくことは難しいのかなとも思います。

 『買い手責任』とは自分で価値を判断し、価格を出した以上は法律以上の判断で誰も責任は取ってくれませんから自分の責任において結論を出したという自覚が必要です。
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2017年3月29日水曜日

安物のコスト!?(2)

 宝飾品というものの価値観をどこに感じるかという事が大きな要因としてありますが、一つにはジュエリーとしてという事になりますがこれは単純であります。また、資産としての面があり、さらには見栄というと語弊がありますが、プライドの表現という面もあるのでしょう。

 ジュエリーとして考えれば自分の価値観ですからその価格がどうであれ自分がその対価で良しとするわけですから後の問題はありません。つまり、自己責任です。ただし判断材料としてのアドバイスなり価格決定の経過がどうであったかが問題になります。

 またブランド品のように自分のプライドの表現となってくると思えるようなものは宝飾品としての価値として買ってはいないので高価であっても問題がありません。

 ただ、宝飾品には一番大事な資産性としての側面があります。資産性といった深層心理的なものがなければ皆の中になければ安い高いといった論議も起きませんし、売るときには何分の一になったといった不満も生まれません。ひとえに販売方法の問題でしょう。

 宝飾品と大きな括りでいわれる中にはその資産性とは程遠いものといかにも資産性といえるものとがあります。つまり、宝飾品の場合には安売りや大幅値引きが行われるものには資産性というものは皆無ですからその辺の誤解をすることが結果的には高い買い物をしそのリスクコストを消費者が出すことになる訳です。本当はこれらのものを宝飾品といってはいけないような気もします。

 多くの場合資産性という概念から換金性だけではなく購入時との格差を考えるわけですが、それを考えただけでも原価との差があまりない利益の場合には安く売れないことは誰しもがわかるわけです。原価と売価の差が大きいから安売りや大幅値引きができるわけで、そのことがイメージできなければ結果的にはそのリスクは買い手である消費者が負うことになる訳です。

 今回の某旅行社の破産の件は明らかに価格原価どころかそれ割っているわけですから当然の結果ともいえるでしょう。タイトルの『安物のコスト』とはここでいう原価ではなく消費者結果的に払う事となるリスクという意味でのコストです。

 それではどういう宝飾店や販売店を選ぶかというとまず話を聞いてその説明に矛盾がないかどうか。また、そこの販売員が本当に理解をして説明をしているかどうか、後は理由なき値引きで購入動機を促していないかどうか等々の買い手の責任を果たすことがネットショッピングや値引き販売が主流になってくる時代には必要なこととなるのでしょう。

只より高い物はない。
安いものには訳がある。

先人は賢いものですね。
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2017年3月28日火曜日

安物のコスト⁉(1)

 ネット旅行者が倒産をして現状で9万人が対象者として困っているという事がニュースで流れています。これは必然なのだろうと思い、さらには心当たりがあるといえばあることです。

 以前アメブロの方で貧乏になる人とお金持ちになる人の事を書いたことがあります。価格で追う人は結果的には貧乏になる確率が高く、価値で買う人はお金を持つことになるという統計が出ているという内容です。

 安売りは量をこなさなければならないので結果的には経費が掛かり、その限界点を迎えると破滅となり、その利用者は結果的にはそのコストを払う事となるという事です。以前、スーパーマーケットとして初めて日本を席巻した『ダイエー』は今はありません。安売りをするために極力セルフサービスにしてコストカットをすることを手段としたのですが、お客はそれでも商品の説明を求め、さらには案内を求めセルフで買い物をすることはなかったのです。

 結果的には従業員が膨れ上がり、更にはサービスの向上を求められコストオーバーになり終わりです。消費者は安く買う代わりに供給側の経費を一部負担をすること条件とされます。しかし、多くの消費者はそれを理解しません。

 今回の旅行会社のように宣伝広告費の負担が結果的には大きくなりすぎての倒産という事ですが、結果的には消費者がそのコストを負担したことになります。安売りにはリスクが伴いますので消費者もそのことを念頭に置いておかなければかなければいけません。

 勿論高ければよいというものでいうものでもありません。他と比べて妥当な価格なのかどうかという事も考えなければいけません。他と比べて極端に安ければやはり何かあります。価格ではなく内容で選ぶという当たり前のことをしなければいっけません。

 宝石業界においても同じことが言えます。理由なき値引きはやはり裏があります。多くの場合は決まった価格が妥当な価格であり、結果的には宝飾品として適したものではないという事が多くあります。そのリスクは消費者が持つ事となります。

 先日、ネットを見ていますと『信用の出来るお店はダイヤモンドに鑑定書が付いているお店です』と自分がプロと勘違いをしている説明内容のものがありました。鑑定書とは責任を他社に委ねようとする手段です。まずはメンテナンスも含めて信頼できるお店かどうか、説明がきちっとできるかどうかといったことが重要です。

 続きは・・・・。
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2017年3月27日月曜日

忖度(そんたく)⁉

 昨今のニュースで忖度をするという言葉が流行語大賞にノミネートされるのではないと思うほどよく使われています。実際には日常的に使う言葉ではないのでメディアもここぞとばかりに使用しているような気がします。

 『忖度』という言葉は政治家が良く口に合う言葉のような気がしますがそれは日本独特の文化の言葉でしょう。相手の心を推し量るという意味ではありますが政治の場合には相手の腹を探る、特に目上なり立場上上の相手に対してという事が多いように思えます。

 『損得』そのものは悪い言葉ではないと思っています。私が最初にこの言葉に出会ったのは社会に出て間もないころだったように思います。仕事の上での心構えの話をしていた時に上司から出た言葉がこの言葉でした。

 『ビジネスというものは相手を忖度するところから始まり、特にお客様商売というものはそれができるかできないがほとんどだ。』
 私は若かったという言い訳をすればその言葉の意味が理解できずに質問をしたことがあります。
その時に上司は
 『内容の質問ではなく、言葉の質問かよ⁉』
と少しあきれ顔で言葉の意味を説明してくれました。
 そして、付け加えられた言葉が
 『それが出来なければ人の心をつかむこともこちらの思いを伝えることも出来ない。』
とも教えていただきました。

 この上司の口癖で会った『失念』をするという言葉は今では私の都合の良い口癖ともなっています。

 あるTV番組で官僚出身の評論家が
『今回の件、忖度がなかったという事はあり得ません。政治家付きの公務員は忖度のみで動いているといっても過言ではないので、今回の件も総理夫人の普段の行動を見ていたうえでの忖度だと考えるのが普通でしょう。』といっておりましたが同感です。

 『忖度』という言葉は悪い言葉ではありません。我々も普段お客様の気持ちを忖度することにより仕事をさせて頂いているわけであり、現状の苦しさはそのことをおろそかにしているからに他ならないような気がします。
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2017年3月25日土曜日

ダイヤモンドの形⁉

 ダイヤモンドというものは条件が同じような物であれば大きければ大きいほどその価値は高まることはいつも述べています。

 基本的には原石が正八面体として原石大きくなることが望ましいのですが、それはその限りではないのです。

 原石が正八面体として成長をしてくれればオーソドックスなラウンドとして形が取れるからです。そのために基本的には少しでもラウンドしてとれるように必ずしも理想的な形にならなくても行われるのですが、それが研磨後にグレードでエクセレントやヴェリーグッド、グッドなどとして分けられるわけです。

 ダイヤモンドの原石が正八面体として正しく成長をすればよいのですが多くの場合人間と同じように途中で形が崩れたり、内包物がふくまれたりします。それ故に大粒になるほどラウンドが少なくなり、又内包物を避けるために他の形にせざるを得なくなります。

 基本的には原石からより多くの重さが取れるように原石の形に合わせたカットを選択することになるので大きめのものはファンシーシェイプが多くなります。

 結果ラウンドブリリアントが一番評価を受ける存在となる訳です。勿論ダイヤモンドの価値は大きさ一番、美しさ二番、形が三番といってもよい価値基準になるといわれていますが、現実的にもそのような価格構成になるようになっています。

 その上で対称性、研磨具合、全体の形が美しいかどうかを評価するのですが、最後の形に関しては特にファンシーシェイプの場合は若干の嗜好も入るのでどれという事はないのですが基本的にはダイヤモンドの光を理想的には輝かせるものが望ましいといえます。

 ただ、ダイヤモンドは評価のされにくいダイヤモンドそのものの照りというものがありますのでファンシーカットの場合は特にどれとは言いにくい部分があります。

 形のトレンドというのも確かにありますが、基本的には原石に合わせた研磨がされることになりますので、ラウンドではなくてもハート形などは特に綺麗なものになればそれなりの評価は受けることとなります。
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2017年3月24日金曜日

ダイヤモンドの瑕⁉

 証人喚問で話題も騒然ですが総論としてみておかしいことは各論がどんなに問題なくてもやはり問題があるものだと考えられますよね。

 総理大臣夫人が一民間団体の長と2カ月間で30回余りのメールなり電話のやり取りをしていて、事の発端が国有地の格安払い下げ疑惑があるわけですから、そこにいかなる理由が存在し嘘があろうと事実だけを大枠で考えるとやはりおかしいという事になりますね。

 お隣の国では大統領の罷免なる結果になるほど国民が立ち上がったわけですが、わが国ではただ傍観というのもやはり違和感は感じますね。勿論国民性の違いといってはそれまででしょうが。

 さて、ダイヤモンドですがここでも総論というのは良い意味で美しく大きいという総論の価値が前提にあるわけですが、グレードなる物が存在するようになりいかに欠点を浮き出させるかという事に終始をしているように感じます。

 グレードというものは本来目安であり、ダイヤモンドの取扱説明書でもあります。とりあえずの目安として文字を表記をしていますが現物はそれぞれが感じる観点があります。つまり車を買うときに取扱説明書だけで車を買う人はいないのであって試乗をしてみてフィーリングを感じ、そのうえで決めるものであってダイヤモンドもその例外ではありません。

 ダイヤモンドの内包物をここでは瑕と表現をしますがそれは欠点という意味の瑕ではなくて特徴という意味です。クラリティーという表現をしますがこれは決してマイナスな意味ではなく、清澄度合いであり、明快さを表しているわけでプラスからの修正でもあるわけです。

 日本が0点に加点していくのに対し欧米では100点からの減点方式なわけです。つまり、日本ではそれ程の物ではないけど良いとこも少し探してやろうという事に対して欧米は素晴らしいことを前提にでもちょっとだけ直した方が良いとこもあるよねといった考え方の違いでしょう。

 ダイヤモンドの瑕に関しても色と同じである一定のスケールがありフローレス(F)から始まりIF『Fに準ずる)、VVS、VS、SI、Iとそれぞれに1,2があり、Iに関しては1,2,3とその中でも分かれているのですがこれも幅が下に行くほどそれぞれのスケールの幅が広くなっていきます。

 勿論これもそれぞれの鑑定会社のグレーダーの主観見解でありますから絶対的な物ではありません。つまり、各論的な内容は主観によるわけですからそれぞれの見解次第です。

 しかし、ダイヤモンドはその物の存在が価値の前提であり、大きさと美しさという総論は誰もが感じるものであり、それ故にそこに意味があるわけです。

 冒頭の話にもなりますが総論としておかしいのであればその中の各論でそれぞれの主張や正当性をいくら述べてみてもあまり意味のないことではないかと思うのです。ただこれは日本人の特徴でもあるのでしょう。いわゆる島国根性というのですかね。

 総論に意味があれば各論は補足の意味しかないというのがダイヤモンドの瑕を含めたグレードの意味なのです。
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2017年3月23日木曜日

ダイヤモンドの色⁉(2)

 最近オークション等で話題になるのがファンシーカラーダイヤモンドですが、ブルーやピンク等の色はもちろんの事オレンジやグリーンなども最近の話題に出てきます。

 何億どころか何十億という高額なものが話題ですが、そもそもファンシーカラーダイヤモンドって何ぞやという事ですがこれはDカラーからZカラーにいたるカテゴリーに入らない色のダイヤモンドという事になるのです。

 本来GIA(米国宝石学会)で確立をされたカラーグレードなる物は窒素の含有の多少により日本でいう『黄土色』系の色の濃淡を分けるものですが、ほとんど含まれないDカラーから始まり多く含まれるZカラーに分けられます。しかし、窒素が含まれるという事は仕分けによるタイプⅠのダイヤモンドなわけですがタイプⅡには窒素が含まれないわけですが、そのほとんどのホワイトダイヤモンドはDカラーに仕分けをされます。勿論基本的にはという事でそれ以外の例外はもちろん含まれます。

 日本の鑑定会社でいうライトイエロー等の表記はこれらの中の黄色味を帯びたものであり、日本独自の表現です。本来はレモンイエローのような茶系の色を含有しないファンシー系の色に使われるものですが、M、Nカラー以下の表記をしたくないばかりに思い付いた姑息な手段ともいえるでしょう。

 ファンシーカラーダイヤモンドとはこれ以外のという事になりますがそれらの色は他の含有物等でそれぞれの色があらわれるわけです。ブルーが何故に希少性の上に高額かというと前述のダイヤモンドのタイプが理由に挙げられます。つまり、ダイヤモンドはタイプⅠのA型B型、タイプⅡのA型B型に分かれるわけですがタイプⅡはダイヤモンド全体の2%未満、そしてブルーの存在をするタイプⅡのB型となるとそのタイプⅡ全体の1.8%未満の存在といわれるくらい微小なものです。

 誤解があってはならないのはタイプⅡの中にはブラウンも存在をしており、そのブラウンが必ずし高額取引をされるかというとそれは違います。

 本題のそのファンシーカラーのジャッジですが、必ずしも科学的根拠を伴っているわけではなく複数のグレーダーの協議による主観だということです。それ故に時代を超えて同じジャッジが保証をされているかというとそういうわけではありません。

 ただし、その結果によっては価格の落差は激しいことも事実ですから危ういものです。

 つまり、大きさと美しさは誰においても共通で時代を超えるものですからファンシーカラーにおいてもしっかりとした主観を持つことが大事でしょう。
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2017年3月22日水曜日

ダイヤモンドの色⁉(1)

 最近はダイヤモンドの話題から少し離れていたのですが、先日の展示会の時にあるお客様からダイヤモンドの色についてのご質問が面白かったのでご紹介をします。

 『ダイヤモンド色はなぜにDカラーが一番上なんですか?』
この方は色がついているダイヤモンドが高いという認識だったようです。まずはホワイトダイヤモンドの説明から・・・。

 素朴な質問ですが以前にも説明をしたことがありますが、諸説あるわけですがダイヤモンドのDとかダイヤモンドのシンジケートのDとかいう人もいます。実際にはこれらのことも考慮しているかと思いますがAを一番上にするとその基準より上の色が表れたときのことも考慮しているという風に理解をしています。

 実際にマスターストーンも時代により変わることもあります。見ているダイヤモンドがその時代のDカラーより明らかに上の色であることも多々経験上ありました。我々が価格を決める時に以前であればソーティングはされていないものを扱っていました。自分が判断をした色自体で価格のオファーをするわけですが、その時代のDカラーより明らかに良いものであれば結果Dカラーになろうがその上の価格でオファーすることがあります。しかし、グレーディングが付くとDカラーより上はないのでDカラーという事になります。つまり、Cカラーなり、Bカラーの存在があるという事です。

 簡単に言うとDカラーが2センチメートルであればEカラーは1cm、Fカラーは2cmでGカラーは3cm、Hカラーは5cmでIカラーは8cmという風に感覚的には色が付くほどその幅は広くなるのですが一番上のDカラーに関してはEカラーより幅があるという事です。

 ただし、その基準も時代とともに変化をし、考え方の違っては来るものだと考えたほうが良いでしょう。これはGIA(米国宝石学会)であれ日本の鑑定会社であれ同じことが言えます。なぜならいち王各鑑定会社はGIA基準に合わせているといわれていますが、ビジネスですからその場その場で変わるものです。鑑定機関同士で2ランク色違う事の多々あります。特に色の濃いところでは起きがちです。

 また以前はブラウンがかんでいたものはブラウンの扱いだったのですが薄いブラウンに関してはやはりD~Zカラーの範疇に収めるようになり、色があるという判断でブラウンという分け方はしていません。

 しかし、ファンシーカラージャンルではいまだにちゃんとブラウン表記が残っているというわけの解らない部分もあります。次回はファンシーカラーについて述べます。
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2017年3月21日火曜日

豊洲市場と森友学園問題⁉

 百条委員会なる物と証人喚問なる物が毎日のように話題になっていますが、これらを見ていて感じることは行政の怖さです。喚問を行おうがどうしようが結論は出てこないという事です。

 石原元東京都知事の喚問にしても彼の言っていることは本当でしょう。実際に記憶からなくなっていることもあるでしょうし、老いは見ていてわかります。しかし、その前の役人たちの発言にしてもすべてを言っているわけではないでしょうが嘘は言っていないのでしょう。

 問題は、だれも責任を取らなくてもよい行政の仕組みです。有識者会議や専門家会議等々を立ち上げその中の結論をまとめたものを上に挙げ、上はうえで専門家たちが決めたものだからという事で決済することになり、後で問題が起きたときには今回の石原さんの証言ではないけれど、『専門家たちの決めたことだから見識のない私が口を出すことではない』という事になり専門家会議において意見をまとめた役人も皆で決めたことでだれが責任者という事ではないという事になります。

 つまり、決済の判は誰が押しても良いし、責任の所在は明らかにすべき問題ではないという事が彼ら役人の立場だろうと考えれるし、その上の政治家でもある知事は彼らが決めたことだから私は知らない、ましてや議会で採決をされたことだからという事になるのでしょう。

 橋下元大阪府知事にいたってもTV番組で『私自身は知事時代に自分で判をついたことは一度もない』と公言しています。この発言も驚きですが現実はそう言う事なのでしょう。案件すべてに目を通す事が出来ないという事は理解が出来ます。しかし、レベルを分けて重要事項と思われるもの、例えば大きな予算が絡むものとか法律上の問題のあるものとかを分け自分が目を通すことを最低限行わなければならないという事です。

 今回の森友学園問題は課長レベルの決裁事項かもしれません。しかし、豊洲にいたっては東京都の予算を含めた需要事項です。それに自分は関わってはいなかったという今回の石原さんの証言なりは果たして通用するものなのかどうか。

 これらの延長線上にあるものが消えた年金問題だったり、不透明な予算編成といった無責任な政治家とあわよくばという思惑のある役人体質ではなかろうかと考えます。

 石原さんにしても橋下さんにしても改革知事だったはずです。改革をするなら根本的な体質を改善できるような行政改革が最も大事なのではないでしょうか。

 今回の一連の騒動を見ていて問題の根幹が責任や仕事の流れというものが出来上がっていない行政の恐ろしさを改めて感じました。
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2017年3月20日月曜日

時の流れに⁉

 時間の長さは一定ではないというアインシュタインの言葉ではないけれど、ダイヤモンドを見ていると時間の経過を感じることがありません。勿論日々の中では時間は人々の環境や精神状態、年齢の違いによっては時間の長さの実感は違います。

 もちろんアインシュタインは感覚的な物を言っているわけではなく物理的に違いが起きるという事を相対性理論の中でいっているわけですが、日々私たちが感じるのは情緒的な時間の長さに違いです。

 忙しい日々は時間が短く感じ、年齢の経過により時間が短く感じ、好きなことをしていると時間が短く感じます。またその逆の状況だと時間が長く感じます。幼き頃には時間の過ぎることはものすごく長く感じ、待ち焦れた日がなかなか来ないことを指折り数えたものです。

 ダイヤモンドを仕事としてではなく純粋にみていると時間を忘れ、あっという間に時間が経つことがあります。一方で仕事で見ている時もあっという間に時間が経つことに焦りを感じることもありますがこれは別の精神状態です。

 時々この見ているダイヤモンドは研磨こそ人間の手により施されてはいるけれど何万年も変わらず今後も変わることなく同じ状態で時間を経ていくのかなと考えたときにこれから千年後このダイヤモンドは誰の手に渡り、どの様な状況になっているのかなと考えることがあります。

 いずれにせよ時間が自由に流れていくことをそれぞれの立場で感じることはある意味大事なことではないかと感じます。

 私の家に20数年前にとある商社の創業記念にという事でクオーツの掛け時計が贈られました。この時計は以前住んでいた家から持ち込み、現在の住居もほぼ20年になりますが、相も変わらず我が家の壁に掛けられております。

 当初から時間が合わず特には当てにしたこともなく、単なるインテリアとして飾られているので普段も気にすることはなかったのですが、最近それがいまだに動いていることに気が行きました。何年かに一度『あ~まだ動いているんだ』位の気持ちで眺めていたのですが、さすがに20数年時間を自分本位で刻み続けていると気になります。

 本当にこんなことがあるのだろうかと考えるのですが、何らかの影響によりバッテリーに電気が流れているかと考えることもあるのですが、ダイヤモンドも時間を超越し、この時計もある意味時間を
超越しているのかなと考え、難しく考えずにそれぞれの空間にそれぞれの時間の長さがあるとアインシュタインもどきの事を考えています。

いずれにしても相変わらず自分のペースで時間を刻んでいます。
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2017年3月17日金曜日

ダイヤモンドと色石の違い⁉

 ダイヤモンドと色石の末端市場を論ずることは非常に難しい問題があります。それはあまりにも複雑な形態の販売方法がとられており、さらにはそれぞれの事情により説明をする方法や内容が違うからです。

 ダイヤモンドと色石の一番の違いは採掘における規模や社会的影響力の違いでしょう。色石等の採掘はいまだに小規模というにはあまりにも小さすぎる規模のものだし、あまりにもみじめすぎる問題が多くあります。一方ダイヤモンドはどうかというと世界の名だたる国営や上場規模の鉱山会社が大規模な最新式の採掘方法をとり、ある部分では価格の透明性や維持を心がけています。

 世界のマーケットではデ・ビアスをはじめアルロッサ、リオ・ティント、BHPビリトン、ぺトラ等大規模な鉱山会社をはじめ小規模といっても色石に比べるととんでもない規模の鉱山会社等々で構成をされております。

 小規模といっても数百億円規模のものであり、鉱脈によっては大粒のダイヤモンド原石を採掘しあっという間に上場という事もありうるわけです。ましてやそこには沢山のファンドや金融機関が絡み金融の一角を成立させているわけです。

 一方色石はというと日雇いの鉱夫を数人規模から数百人規模というところもありますが、一定の公益性を持った会社の存在はほとんどありません。ましてやそこには処理石の存在もあり価値そのものが怪しくなっている現在では大規模な投資が行われようもありせん。場合によっては色石の方が宝石としての価値観という意味では天然を守りさえすればダイヤモンドにも勝るかもしれません。

 しかし、残念ながら冒頭にも書きましたがあまりにも末端市場の事情で動く流通や末転倒したような販売方法では色石の将来を危うくしているしているだけにも見えます。これらの具体的な内容はそれに携わっている人々の中には理解をしている人も多くいるでしょう。

 現状の内容ではダイヤモンドビジネスと宝飾業の乖離はさらに激しくもなっていくでしょうし、ますます、宝飾品としてダイヤモンドを販売していくのか資産として販売していくのかという境目が明確になるにつれて業界そのものが混迷をしていくような気がします。

 以前は理解せず実態もわからないままに『宝石は財産になります、ダイヤモンドは資産になります。』といった常套文句で販売をされていましたが、実態は全く伴っておりませんでした。勿論販売をしている人々もそんな実感などなかったのだと思います。

 それらのなんちゃって宝石販売から徐々に本来の宝石として販売をしなければならない時代がすでにやってきている現状を認識しなければならないのです。

 色石はできる限り天然のものをダイヤモンドはできる限り、情報と適正は価格での販売を心がけることが今後の課題でしょう。
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2017年3月11日土曜日

ダイヤモンドの買取⁉

 現在当店ではダイヤモンドの無料査定をしていますが、時として困惑をすることがあります。勿論業界の人たちは十分に理解をしているとも思いますが、多くの買取屋さんが街中にいるわけですがお客様たちに話を聞くととてつもない価格を提示されるようにお聞きします。それであれば適正な価格のアドバイスをサービスとして行おうという事で実施をしているわけです。

 なぜに買取屋さんお価格が低いかというとすぐに転売を利益を乗せてさらに現金でできるようにという価格をさらに無難に価格を踏もうとするので安く見積もられるわけです。

 販売を行っている宝石店がいかにも高額で販売をしているような思いになることは致し方がないのかなとも思います。勿論ブランドであったり場所柄で高額になる例もあるでしょう。しかし、流通コストをはじめ工賃だったりデザイン料等々も含まれるわけですから販売金額がある程度になることは至極当然のことです。


 車や他の品物と比べれば買取はそれでも高額かなとも思いますが、実際には一粒ダイヤモンドならまだしも小粒のデザイン物はそれこそ買った価格の10分の一になったとしても理解が出来ます。それはダイヤモンドの小粒が沢山付いていると工賃が高くつくのですから。
 勿論材料費だけの価格であり、さらには利益を乗せてすぐに転売できる価格で査定をするのですから消費者から見て低価格になるのもやむを得ません。

 しかし、それではダイヤモンド業界をはじめ宝飾業界そのものの信用がなくなります。宝石の専門店がそれなりの査定をしてそれなりの価格で購入をすることによりもっと真実味が出るのではないかと考えます。

 実際には当方でも輸入価格での査定を行い、それをベースに買取屋さんにお見せになり、その上で買い取りをしてもらう店を探されたらどうですかというアドバイスをしております。

 当店でも買取を行いますが前提として再購入を前提としていない場合はやはり輸入価格プラス10%の手数料をいただいております。しかし、あまり積極的には行っておりません。お店においての再販を行っておりませんので、卸の方での販売になります。多くの場合前述の買い取り現金価格を前提に価格だけが先行をして輸入価格の下の価格での流通になりますのでビジネスとしても採算のとりにくいものです。

 流通の仕組みが再販を含めてもう少しスムーズになるともっとダイヤモンドそのものの信用が高まるのでしょうけれど催事が中心の現在ではそれも難しいことなのでしょうか。
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2017年3月9日木曜日

投資用ダイヤモンドの条件⁉

 先日、とあるお客様から自身が今手掛けている3桁カラットのダイヤモンドの問い合わせがあり、そのうえで次のような質問がありました。
『投資用ダイヤモンドの留意する点を教えてくれませんか?』
という内容でありましたが、これは難しい問い合わせでした。

 投資として考えるのは利益を考えて事業に投資をすることをはじめ比喩的に将来を見込んで金銭を投入する事とか、元本の保全とそれに対する一定の利回りを想定して証券化するものとかありますが、ダイヤモンドに関してはもっと単純で経済学でいう一定期間における実物資本の増加分を想定するものです。

 つまりは現在の金融における少し変形をした投資というものではなく、ある一定の資本の増加分は歴史的に保全をされる可能性があるもので、ギャンブル的な現代の金融投資とは少し異なります。

 常に口にする宝石の条件は美観性、耐久性、携帯性、希少性、そして換金性というものがありますが、この宝石の条件を満たすものはそう多くはありません。例えば美観というものは大多数の人が認める視覚的美しさを条件としますが、携帯性というのは世界中どこでも通用する前提がありますから持ち運びや移動することが簡単でなければいけません。

 耐久性に関しては世代を超えその資産として受け継がれる事を前提としています。つまり、ある時代に価値があったが時代とともに価値がなくなるものではないので必要な条件なわけです。
希少性に関しては言うまでもなく皆が持てるものであればその価値はなくなるわけですから価値としてだれもが手に入らないものという事になります。

 換金性は言うまでもなく、世界中どこでも共通を価値を有し、そのうえでその時代の価値で換金ができるという事です。

 これらの条件に当てはまる現物投資物件は多々あります。例えば日本であれば土地、絵画、またはスーパーカー等があります。しかし、これらのものは一定の嗜好者の間でのことです。さらにはそれぞれ全ての条件を満たしているかというとそうではありません。土地は運べません。絵画は趣味の世界であり、所蔵に手間暇がかかり、さらには値下がりもあり得ます。製造の出来る車は希少性という意味では人為的であり、さらには海を越えるには難しすぎます。携帯性というのはあくまでも移動ができるという意味ではなく人目に付かずという事でもあります。

 もちろん現物資産としては金などもありますが、これは億の単位の物を運ぶのは簡単ではないし、200万円以上の購入は届け出も必要になります。又時代によっては値下がりもします。

 これらの条件を踏まえ考えると宝石ということになりますがすべての宝石というわけにはいきません。現代では処理をしている色石が席巻をしています。つまり色石でいえば一部の高額品であるわけですが色石に関しては好みもあります。

 これらすべての条件をクリヤし一定の利益を含め、その保全を満たしてくれるのがダイヤモンドなわけです。現在多くの人工ダイヤモンドの研究や製造がおこなわれていますが現在においてはすでにその看破方法も研究されておりその心配もありません。

 これらの大雑把に言える投資ダイヤモンドの内容なのですが、これにはさらに希少性の括りもあります。幾らダイヤモンドでもそこいらじゅうで販売をされているようなものがその条件に当てはまるかというとそうではありません。

 そのほかに購入方法をはじめいくつかの条件をクリヤして初めてそこへたどり着く事が出来ます。幾らお金があるからといっても単純に手に入るわけではありません。購入者もそれなりの条件をクリアしなければなりません。

この先はまたいずれという事で…。
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2017年3月8日水曜日

WBC とイスラエル⁉

 昨日、知人のご招待でWBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)の日本の初戦である対キューバ戦を観戦してきました。

 久しぶり(20年くらい)の東京ドームだったのですが以前より広く感じたような気がします。試合は既報の通りだったのですが、途中で山田のホームラン性の打球を少年がグラブで身を乗り出しとってしまうハプニングがあり、結果的には二塁打という判定になりました。

 その時点での点差は二対一でしたから、もし負けるようなことでもあればその一球が敗因となる可能性もあったのでそのボールを取った少年は気が気ではなかったのではと思うとかわいそうに感じました。結果的には日本が勝利をしたので問題はなかったのです。

 ところで多く人が怪訝に思っていることがあると思います。WBC予選はA~D組に分かれていますが日本はB組ですが、問題はA組です。日本のライバルと思われていた韓国が初戦イスラエルに惜敗をしています。

 『エッツ、イスラエルで野球?』
と思った方も多くいると思いますがイスラエルは意外とスポーツ大国でサッカーやバスケットなどもプロリーグがあり盛んでサッカーなどはかの欧州リーグの所属です。ただ、イスラエルの場合は特殊で多くのユダヤ人たちはイスラエル国外に住んでいますが、何らかの形で家族なり親戚がイスラエルに住んでいます。

 今回のWBCも確か両親のどちらかが参加国の国籍を所有していればよいはずで、イスラエルの場合参加選手の殆どがアメリカ国籍のものが多いのです。つまり、ほとんどの選手がメージャーなりマイナーで活躍をしている選手でバリバリのメジャーリーガーも複数いますのでイスラエルそのものが強くても当然の事なのです。

 ただ今までのWBC にはほとんどその存在感はなく、何故に今回という事に関してはそれなりのバックボーンがあるとは思います。勿論、米国籍ではあってもユダヤ人のイスラエルに対する思いはかなり強いものがあり、今回の選手選考にあたっても今の国際情勢が背景にあるのかもしれません。

 いずれにしても今回のWBCはイスラエルが台風の目になるような気がしてなりません。又決勝ラウンドで日本とイスラエルが対戦をすることを心から願っております。イスラエルの多くの人々が日本の目が少しでもイスラエルに向いてくれればと願っているからです。
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2017年3月7日火曜日

婚約指輪⁉

 婚約指輪のいわれは以前に何度か書いていますが、昨今婚約指輪を渡さない男性が多くいるという事で宝飾業界においてもその手の売り上げは低調です。

 その理由として『そんなものは形だけで意味がない』とか、女性に対して『そんなことに拘る女性は中身がない』とか『そんなことにお金をかけるのなら旅行にかけたほうが良い』等々送らない男性の意見は色々です。

 何故にこんなことを書くかというと小売りに接するようになったり長年知人やお客様たちを見ていて思うことがあります。つまり、婚約指輪を貰った人と貰っていない人の行く末を見てきてのことになります。

 先日の香港ショーでの事、ある香港の業者が見せてきたデザインはいかにもブライダルといった感じのデザインでしたが、私は現在に日本ではなかなかブライダルに苦労をしているし、市場も小さくなった来ていると説明をすると彼は
『日本では結婚をする人が減ってきているのか?』
と尋ねたのです。

 もちろん人口の減少や習慣や慣習が変わってきたこともおおきな要因ではあるのかもしれない。しかし、本当に女性は婚約指輪など貰っても貰わなくてもどちらでもよいと考えているのかというとそうでもないような気がします。

 以前、ある若い女性と話していた時に
『婚約指輪の事ばかり言っていると、それじゃあ結婚しないといわれてしまいます。』
と言っていたことをよく思い出します。

 結論から言うと婚約指輪も買えないような男とは結婚をやめることをお勧めします。つまり、前述の内容をなぞると
1.形もきちっとできないような男は今後何につけてもきちっとした事が出来ない。
2.そんなことにも拘れないような男が本当に女性のことを思っているのか。
3.旅行にかけるお金と婚約指輪にかけるお金は別問題だという事くらい理解ができないのか。
という事です。

 要するに婚約指輪というものはある意味では男性として所帯を持つだけの甲斐性ができたかどうかを測る意味合いもあるし、何よりも二人にとって残していくものを用意できるかどうかという事もあります。それなのに多くの場合お金はないけど結婚した方が経済的だからという男性の答えが多くあることに驚きます。

 長年の知人たちの結末を見ていると多くの場合離婚や生活がうまくいっていない人々から話を聞くとやはり婚約指輪を貰っていない人が圧倒的に多く、奥様が今見る米粒みたいと思っても当時に一生懸命婚約指輪を用意してくれた人は成功を収めている人が多いのも事実です。

 なぜなら数十年たって若い時にはあまり大きなものを買ってあげられなかったからという理由で当店や当社のダイヤモンドをお求めになる方も多くいるからです。

 お金も無いのに後先考えずに結婚をと考えたり経済的なことを考えて結婚をなんて考えるようでは行く末が知れるような気もします。

 あくまでも私見ですが経験から言うと近からずとも遠からずだと思います。
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2017年3月6日月曜日

時代の変化⁉

 先週末土曜日香港に入り昨日帰国をするという一泊2日の出張だったのですが、ASIA EXPOでの大粒ダイヤモンドの査定を行いその後Convention centerに移り所用のみを行うという短い滞在だったのですが、その際に会場でいきなり声をかけられその方向を見ると旧知の知人がこちらを向いておりました。

 香港と甲府に事務所を持つ出展社としてそこに在籍をしているとのことで最初は8年ぶり位という事で戸惑いもありましたが
『高木さん、久しぶりですね。お元気ですか?』
『ご無沙汰しています。』
と会話をしていくうちのその方のお顔もそのころのものに変わっていくことを感じながらお話をさせていただきました。

 間もなく70歳を迎えようとしている先輩ですが、いまだに数社からお声がかかる人材という事で驚きです。現在の会社もお荷物に感じたらすぐに言ってくれ明日にでも退社をするからという約束の元で、すでに8年間過ごしているとのことで香港をはじめアラブやIJTなどへの参加で忙しくしておられるようでした。

 印象深かったのは
『本当はもうやめたいのだけれどなかなか変わりがいないという事でやめさせてもらえない』
という事でした。
 話というのはもともと色石畑の方でしたが、現状では会社の中に後継者がいないというものでした。その理由として現在は日本の催事屋さんや卸やさんに納品が多いために企画商品や価格が誤魔化せそうな何ちゃってジュエリーの注文が多くなかなか本筋物の扱いをする機会がなくなっているという事でした。

 海外も対象にするとどうしても本筋物も必要であり、それを覚える機会も若者たちにはないので後継候補すらいないという事でした。それはダイヤモンドも同じことで、やがて日本から本格的なジェムジュエリーが消えていくのだろうと二人で話しておりました。

 しかし、実際には市場の要求に合わせていかなければいけないことも事実です。これは否定できないことで日々の数字を考えることは当たり前のことという事も理解をしているうえで、時代の変化を感じるとともに変えていかなければならない時期なのでしょう。

 ただベースとなる物をおろそかにするとビジネスそのものがなくなっていくことになります。刈り取りも大事ですが畑を耕すことも忘れてはいけないのです。以前であれば多くの人々が憧れた職業で、それは畑を耕していく姿そのものに憧れ、その高尚さが宝飾品そのものの価値を上げていく面もありました。しかし、現在では人材だけではなく従事する人そのものがいないという状況です。

 せめて怪しげな業界と思われないように基本となる物を何とか残していければ良いのだがという内容で締めくくりました。互いの時間がない中での会話で今度は是非に日本で会いましょうという事でその場を去りました。

 国際宝飾展の内容的には様々な反応はありましたが全般的にはよくない内容でしたがお金をかけているところはそれなりの結果を残しているようでした。
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2017年3月2日木曜日

ラ・ラ・ランド⁉

 今年のアカデミー賞受賞作品の『ラ・ラ・ランド』を鑑賞してきましたが、結論から言うと古き良き時代に戻ったような気がしました。

 舞台はハリウッド・ロサンジェルスであり、多くのスターを夢見る若者たちが歩むであろう道や苦難をミュージカル仕立てにしている内容でもありますが何よりも盛り沢山で映画好きの若者が創ったんだろうなという内容でした。

 監督はデミアン・チャゼル、確か30歳ほどの若さだったと思いますが、映画好きのプロが最近のCG中心のヴァーチャンル感満載のものではなく、いかにも映画の手法を満載し、過去の様々な映画のオマージュを満載し仕上げたものであることが感じてとても映画として面白かったと思います。

 特に私自身が住んでいたあたりで、よく訪れた公園や天文台が舞台となっていたことも私の琴線に触れたのかもしれません。映画を技術ではなく内容とエンターテイメント重視の価値創りはある意味プロの監督が出てきたなという感じがしました。

 映画のすごさを感じたのは1970年代にアメリカに渡り、ハリウッドで世界の封切館でもあるグロマンズシアター(チャイニーズシアター)での初鑑賞の時でした。当時スターウォーズの封切でその音響効果は日本の劇場では得たことのないことでした。

 また。映画の内容にも様々なところに過去の映画のオマージュがあったりと映画の魅力が満載でした。勿論映画には字幕がありませんでしたから渡って間もない私にはヒアリングが難しく、回数券があったこともあり、同じ映画を何回も見て気が付くことが多々あり、ハリウッド映画のすごさを感じたものです。

 また、当時私が住んでいた南カリフォルニア大学の寮に隣接をしてシアターがあり、これは大學の映画学科の教室であり、200人ほどの収容できる客席が常備されており、週末には学生に$1か$2くらいで干渉をさせており映画を売り物にしている大学だけのことはあったような気がします。卒業生にはスピルバーグをはじめハリウッドの名だたるメンバーが学んでおりました。

 私が多い時には年間50本ほどの映画を鑑賞しておりましたが、映画評論家的にみるというよりも単純にその時を楽しみ、ストレスの発散という事が多いのですが、今回の『ラ・ラ・ランド』は単純に楽しく映画の原点を見たような内容でした。

 アカデミー賞授賞式の間違いの時には作品賞は『ラ・ラ・ランド』でいいんじゃあないかと思っていたほどです。現代のハリウッド映画を見慣れた人々には物足りなく感じるかもしれませんが本当に面白い作品でした。
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2017年3月1日水曜日

大粒ダイヤモンド⁉

 現在、香港で国際宝飾展なる物が開催をされていますが3月の展示会に関しては香港の貿易発展局の主催で民間ではないので趣向も若干違っていることはありますが、例外なく言えることは香港という中国をはじめ発展途上のアジア諸国の中心にあるということで、多くの大粒ダイヤモンドが集結をします。

 今回も空港近くの会場には大粒のダイヤモンドが多く出品をされているようです。私自身も今週末には香港に入るつもりです。空港近くの会場はすでに閉場しておりますが、大粒ダイヤモンドの査定の為にワインチャイの方のコンベンションセンターに入るつもりです。

 コンベンションセンターの会場の方はどちらかというと製品が中心であり、ある程度一般客も想定しておりますので単価の低いものも多く出品をされています。空港サイドの方は裸石が中心ですからプロが中心となるのでしょう。

 それにしてもなぜに今大粒ダイヤモンドなのかといいますと、仮想通貨、電子マネーの時代に入り多くの富裕層のお金の動きが明るみに出やすい状況にあることも多く関係をしております。

 以前にも書きましたが昨年末来のインドの金融政策(現金の給料支払いの禁止等)などもあり、現金でのやり取りをできるだけ電子マネー方向に誘導をする各国の政策はますます拍車がかかってきています。フィンランドなどでは90%以上が電子マネー化されており現金自体が不便になってきていますが国としてはお金の動きが解りやすく監視できるようになります。

 もちろん富裕層の多くの人々はそれを望むわけもありません。特に中東アジア諸国のそれらの人々にとっては関心事でもあります。そこでお金に変わり財産の保全という意味で有効なのがダイヤモンドと考えることは日本人以外では当たり前のことです。

 最近の業界不景気の割にはここ数年のオークションにおける大粒ダイヤモンドの高額落札はその顕著な例でもあるでしょう。多くの場合代理人を通すので実際の保有者は解りませんが、中には公に娘にと落札者自らが公表をすることもあります。それは公に娘の所有物であることを印象付けるためでもあるのでしょう。相続対策かどうかはわかりませんが・・・。

 もちろんそれに代わる高額品は時計をはじめ多く存在しますがほとんどの場合存在が明らかになります。金なども一定の額を超えた場合には届け出義務がありますので、この辺がダイヤモンドとの違いでしょう。

 大粒のダイヤモンドはお金があるから買えるというものではありません。その環境に出会えるかどうかです。実際には展示会そのものに大粒は飾られることはありませんので実際に目にするのは20cts程度のものまででしょう。

 昨今はダイヤモンドの原石等のオークションシステムも変わり、さらには小規模鉱山会社も増えたためになかなか存在を確認することが難しくなっています。今後さらにこのマーケットがお祭りになるような予感がします。
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