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2014年10月5日日曜日

美しく!?

  昨日、20年来の知人から連絡があり、彼も同業ということで、普段のビジネスの話しになりました。
 
  
 彼自身も私のブログを読んでいて、
『高木さんの言われることも解るんですけれど、如何せん回りの売り方が売り方ですからね。』
という言い回し・・・。

 彼自身も経験が30年を超えるものがあり、過去の業界のことも良く知っているわけです。しかし、小売の経験が殆どですから言わんとしていることもわかります。

 同意をしていることは以前より業界の信用が間違いなく落ちていることと、消費者にとってジュエリーが身近なものになっていないということです。悪い意味では身近になっているともいえます。つまり、憧れという意味ではなくアクセサリーとしてですが。

 『良い品を安く』という幻のような言葉が出て久しいのですが、それはこの言葉を実践しようと努力をした時代は正義に聞こえたものです。しかし、現実はその言葉で粗製乱造し、ファストファッションのような消費文化を助長してしまいました。結果から言えば『良いものはそれなりの価格』ということが、反面として証明されています。

 悩ましい問題もあることは理解をしているつもりです。目の前の結果を求めるあまりということがあることも事実でしょうけれど、長い目で見ればそれがその後を難しくすることは皆が知っていることです。つまり、目先は所詮目先でしかありません。

 彼が
『髙木さんは今後どういう風にしていくつもりですか?』
と訊ねたので

『過去、日本や米国、欧州の有力宝石店を回っての経験から学んだことを実践したいと思っていますよ』と答えました。

 過去色々と有力宝石店を回って感じたことは
1.宝石店としての立ち姿が凛々しい
2.販売方法が美しい
3.専門知識の豊富さ
4.顧客に対する正直さ
5.仕入れ努力とその所作のスマートさ

 特に当方は卸していた立場でしたから、その姿は感心をさせられたものです。決して価格だけを追求せず、検品とその製造法への関心を示し、その事への敬意を払う姿はまことにスマートで、ここへの納品をすべてにおいて優先しようという気持ちを持たされたものです。

 結論から言いますと、扱っているものを考えると、仕入れ、企画、販売、知識、すべてにおいて美しく、綺麗な所作になるように心がけるということです。

 努力をし、自信を持った商品は間単には値引き販売をできません。それは素人である消費者にも理解ができることだと思っています。バーゲン会場や今はやりのディスカウントショップ。乱雑に陳列された商品を見て美しいと思えるでしょうか。スーパーマーケットにはそんな時代もありました。しかし、消えていったところはいくらでもあります。

 少なくても宝飾品に似合う形態だとは思っていません。

 
久しぶりに宝石店談義をした後に彼が
『積み重ねですね。どの高級ブランドもそれが重ねられてきたんですね。』

 品物に努力をすることは当たり前ですが、姿勢を守ることは顧客に対する最低限のアフターケアで、それが顧客がその宝石店の宝飾品を持つプライドにもなってくれることだと信じています。

 出来ないかもしれませんが『総てにおいて美しく』、これを目指す努力が宝飾業界には必要なことなのだと思います。



 

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