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2014年10月13日月曜日

ダイヤモンドの変遷⁉(下流編)

 ノーベル平和賞を受賞した17歳の少女マララ・ユスフザイさんのスピーチは衝撃的でメッセージ性の高いものであったなあと感心をしました。世界中の多くの子供が教育を受けることが出来ていない。その事が暴力を生み、戦いにもなっていくという内容でしたが、まさにその通りで内容が違いはすれど教育の不十分さが偽りを生み、そして互いの信用を失っていくという事でもあるでしょう。

 ここでは多くの述べることが出来ませんが、結果的には利害を前提とした洗脳や真理を理解しない知識が広がっていったりもするのでしょう。

 ダイヤモンドそのものが変化をしなくても扱っている人々の情報だったり知識により市場は変化をしていきます。特に消費者と接している販売員たちはある種の被害者でもあるのかもしれませんが販売員の説明により消費者はダイヤモンド理解し、また迷走へと向かうのです。

 過去にはダイヤモンドを扱う多くのメーカーが独自のグレーディングレポートを発行し、無印のダイヤモンドに関してはと特にグレードが付くこともなく、単純にいえば大きさだけで売っていた部分もありましたが、小売店自体が信用をされていた時代だったので何の問題もなく商売は行われていました。

 しかし、メーカーブランドのダイヤモンドがシェアを占め始めるとグレードが付いていないという事が売りにくさをともない、そこで登場してきたのが鑑定会社です。当初は圧倒的にメーカーオリジナル(GIAベース)のグレーディングが強かったのです。メーカー各社は自社グレードを他からの批判を避けるために多少厳しく判定をしておりました。

 
 日本の国民性のせいでしょうか、第三者鑑定が中立で市場はそうあるべき、という空気が広がってくるとともにオリジナルグレードを行ってきていたメーカーも第3者に委託をするようになってきたのです。どちらかというとその方がメリットがあったのです。つまり、無理に厳しくジャッジをする必要がなくなり更に社内的な事務量を削減が出来るということになったのです。

 つまり、グレードは目安ですから、大体を見てくれればよい訳ですし、何かあっても鑑定会社に責任を押し付けようという魂胆もあったのでしょう。しかし、鑑定会社は鑑定会社でグレードは絶対的なものではないのですから責任も保証も何ら必要のある物ではないので、シェアを取る意味でもある程度は依頼者の意向に沿ったグレーディングをするようになってきたのです。

 知らない間に誰も責任を取らないような体質が業界には蔓延ってきたのでしょうが、下流である小売等の販売員にはそのような情報や知識は流れませんからグレードは絶対的なものと信じ、消費者に告げていたわけです。今ではそのように考える人は少なくなってきているといえ、まだまだセミナーを行っているとそれを前提とした質問も多くあります。

 
 過去の経験から多くの色石が希少石と言われ、その数年後に多量に出回るという事を繰り返す歴史であったことを知っています。シトリン(黄水晶)をトパーズと呼び、本当のインぺリアトパーズが出てくると間違って販売をしていましたと百貨店が新聞を使って謝罪をし、ブルートーパーズは希少石であるという事で5CTS位のものがダイヤを取り巻いて40年ほど前には100万円を超える価格で販売をされておりましたが今では・・・。

 アクアマリンの自然の青は限りなく美しいと謳っていたものが10年後には色が薄れ、黄ばんできたとか処理石であれば仕方のない事ですが、小売りの販売員の方達は上流からの情報を信じるしかありませんからそんなことはつい知らずという事で、やむを得ないと言えばやむを得ないのですが・・・・。

 以前このブログでの紹介をしたことがありますが、宝飾品のハイブランドは決して処理石を扱いませんでした。それは歴史のあるブランドとして歴史の浅い処理技術で変色をしたり、劣化することになると顧客に対する背信行為になるからです。しかし、ファンドが背景につくようになると信用より売り上げという事になりますから、さすがに貴石は取り扱ってはいないでしょうが、半貴石はかなり取り扱っているようです。

 前述のマララさんが言ったように教育がないと一方的な情報や知識に支配をされてしまいます。それは戦争や人を殺すことに疑問を抱かなくなったり、人を意図的にではないにしろだます結果になったりもします。

 処理石等では決して価格が上がるとか品物が無くなってくるといったような根拠のないことは言ってはいけないというのが業界の常識でもあったのですが現在では、小売りでよく用いられているようです。確かに、消費者を不安がらせて販売をする方法もあります。

 実験で何千匹のダニが捕れましたと言って布団専用の掃除機を売る方法もあります。しかし、これには根拠なりもありますが、不安がらせて売る壺は根拠がありません。不安がらせる占いや宗教には必ず物販が伴います。この場合ほとんどが根拠がありませんが、根拠ないという証明もありませんからお好きなようにという事になります。

 しかし、正しい情報や知識を持つと、宝石に関しては言ってはいけない事もあります。ダイヤモンドですら100%の確率で価格が上がりますとは言えません。それでも、一定の条件を根拠としての確率は70~80%近くはあるでしょう。しかし、処理石である半貴石が長期的に価格が上がる確率は10%あるかないかではないでしょうか。また、宝石にそのような販売が向いているかどうかという事もありますが、それを口に出せるのはほんの一握りのプロだけです。

 今人気のパライバトルマリンもそうです。

 処理加工のできるものは生産が出来るという事ですから過去とは違う事を理解し、言葉を選ぶことの大切さを学んでほしいと思います。知識と情報という教育はトラブルを回避する意味でも必要なことではないでしょうか。

 何度も言いますが現在は過去とは違います。1社や2社の会社をつぶすだけの破壊力は言葉の真偽の中にあります。エビ業界の二の舞になった場合、実用品ではないジュエリー業界はひとたまりもありません。だからこそ教育が必要なのです。
 

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