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2014年10月11日土曜日

ダイヤモンドの変遷⁉(中流)

 前回の一部が解りにくかったという事でしたので解説がてら流通の中流について触れてみます。

 シンジケートがヨハネスブルグ(南ア)の株式市場から上場廃止にしようと思ったのは、自らの株価が正当に評価をされていないと考えたからですが、その背景は勿論他の鉱山からの原石買付資金が足りなくなったこともあります。シンジケートの試算では少なくとも市場株価の倍以上の価値があっても当然と考えていたのです。

 しかし、投資家たちの考えでは、在庫であるダイヤモンドの原石の評価は自分たちで行っている評価であって市場の評価額ではないという思惑がありましたので、当時の株価は正当なものと思っておりました。

 そこで、シンジケートは市場が評価をした価格が必要だった訳です。その市場が評価した価格とは小売価格の実態から追いかけたものですから、その状況を作り出す必要がありました。その為にはいったん上場を廃止し、小売り環境を作りその上で再度上場をすることを考えたわけです。

 それがLVMHとのジョイントでした。それは小売そのものですから、そこで販売実績を付けることは市場価格を立証することになる訳です。しかし、シンジケートのシステムを構成をしているのは株主でもあり、当時のサイトホルダーであるカッターたちです。当然、立場を飛び越えての小売りへの進出ですから反対が出ることは解っておりましたから内密に進められました。

 しかし、それらを実行するためには株をすべて買い戻す必要があったのです。大株主のL,G社や
S,N社等にはミレニアムダイヤモンドの規格の優先権やダイヤモンドのアワーグラスの販売権と低価格にて原石を供給し、株式を買い戻す条件ともしました。

 結果2000年を迎える前の数年はミレニアムダイヤモンドやダイヤモンドのアワーグラスが日本をはじめ各国で販売が行われたわけです。しかし、多くの部分は日本での販売でしたから、我が国はいい面の皮なわけでした。シンジケートの思惑はその後結果的には実ることはありませんでした。

 多くの海外取引所からダイヤモンドが買い付けられるのですが、現状は殆どがグレーディングレポートが付いておりますので素人でも買い付けが可能になってきました。嘆かわしい事ですが、多くの場合は日本の悪しき販売習慣が発端になっており、それが悪い意味で影響を与えております。

 以前はプロのバイヤーたちが自らの判断でジャッジをし、価格のオファーを行ってきたのですが国内事情であるグレードが優先されるようになると日本の鑑定会社の支店が取引所にできたりもし、日本に輸入前であるにも拘らず日本のグレードが付いていますからバイヤーは計算機があれば買い付けが出来る訳です。

 当然売り手である人々は少しでも良いグレードにしてもらおうと鑑定会社に働きがけをします。多少グレードが甘くてもグレードが出ているからOKという事になる訳です。

 また国内においてもグレーディングがビジネスの鑑定会社からすると大量にダイヤモンドのグレーディング依頼が来る会社には俗に甘くなりますから当然後日取り直した時には違う結果も出る訳です。これはグレードというのは同条件での差異ですから一社からの依頼の中で行う分には問題がないという建前はありますが・・。

 このようにグレーディングはあくまでも目安なので、卸屋さんたちは鑑定会社によってグレードの結果が変わることは知っていますので、そこら中の鑑定会社を巡り、自らが欲しい結果を探して歩くわけです。ひどいときには同じ鑑定会社でも支店によって結果が変わりますのでわざわざ地方の支店の方にグレーディング依頼をする輩も多く出てくるわけです。

 結果的にはスキャンダルに紛れた鑑定会社が現れ、まじめにやっている人々を貶めるという事を繰り返してきたのです。しかし、このことは卸屋さんたちの常識であり、現在でも行われているわけです。

 勿論、鑑定会社にも良識はありますのでそれらをフェアな方向にもっていこうとの努力はありますが、根本であるグレードは単なる目安であって、時と場合によっては結果が違う事があるということを消費者に示さなければ何も解決をしないのだと思います。

 これらが実体と言っても良いのですが、下流である小売店さんや販売員の方達がこの現実を知らない人が多いのも事実でしょう。

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