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2014年10月31日金曜日

ダイヤモンドに変化⁉

 さる大手の鑑定会社とのやり取りで不思議に思ったやり取りがありました。

 5年前ほどにお客さんが購入(他店から)していたダイヤモンドをリフォームのために再鑑定に出したところクラリティーがワンランク下がり、事情を説明したのだが現段階でこのグレードですという事でした。勿論、変わることがあること想像がつくわけです。

 そこでの会話なのですが『グレードの有効期限が2年となっています。』という返答です。これは不思議な事を言うなと思ったのは、もし2年ごとの基準なり、見直しを行っているのなら毎日基準が変わらなとおかしい訳です。

 なぜなら、毎日たくさんのグレーディングが行われているわけですから、それぞれのダイヤモンドに2年ごとの見直しという事になるのならとても不可能だし、何より何の根拠もないことになります。

 また、2年ごとに基準を見直しているというなら、その見直し時期の1ヶ月前のグレーディングは1ヶ月しか有効ではないという事になります。つまり、ダイヤモンドが外的要因があってグレードの変化を想定しているのなら、グレーディング時のみに有効なものであることを前提にしなければなりません。

 グレーディングレポートに時と場所と人によってはグレーディングの誤差があることは周知の事実ですが、グレーダー側の理屈はそうであっても販売員や消費者はグレードが絶対的なものだと思っている人も多い訳ですから、注釈としてと『時と人と場所によってはグレードの誤差があります』と表記をしておかなければいけません。

 注釈を書くと自らの存在意義に意味がなくなると思っているのであれば、それは違います。なぜなら、研究機関として中立な立場で学術的な解明をしたうえでより付加価値が高まるような鑑別書の作成を心がければよいし、そこに存在意義もあると思っています。
 

 基本的に目星でしかないグレードは変化もあり、範囲もある訳ですが、ダイヤモンドが変化をするわけではないので、何事も人間の感性で行うものには絶対という事はありえません。しかし、市場がその様な勘違いをしているのであれば、そのために注釈を書き足すことが本来の中立という立場になるのではないかと思います。

 いかがでしょうか?


 

2014年10月30日木曜日

過去の栄光⁉

 『過去の栄光』という言葉がありますが、言葉通りにとると通り過ぎた幻想のようなニュアンスがあります。勿論、時代は動いていますからその時代時代に合った行動なり、考え方があると思います。

 この言葉通りであれば、過去のデーターそのものも幻想の一部という事になります。しかし、多くの場合はデーターを使いながら分析をすることも多いのですが、データーは未来の目的のために積み上げていくものであって、今起きている事やその場のしのぎに使用するものではありません。

 つまり、過去の状況を繰り返すことは結果の疲弊を繰り返すだけで良い結果が出ることはあまり考えられません。つまり、変化を起こそうとしたり結果を出そうとするには同じことを繰り返してはいけないわけです。

 繰り返さない為には新たな形への準備が必要であり、準備なくして結果はありません。多くの失敗を繰り返す人々は過去の良かった結果に頼ろうと(二匹目のドジョウ)を狙おうとします。

 しかし、以前であればそれで得られる結果もあるかもしれませんが、現代は二匹目を追う時には既に誰かが捕っていますので、時間の流れが同じことを繰り返させない速さがあります。

 なにごとも結果を求めようとするなら、文化を作る必要があります。
『文化はオリジナリティーにより創られ、オリジナリティーのない者によって葬り去られる。』
言葉が差すように結果は新しい文化により創造されます。

 結果を求めるにはデーターを踏まえたオリジナルな創造と準備が必要です。データーは単なる
『過去の栄光』にしてしまっては意味がありません。

 しかし、『過去の栄光』から得ることも多くあります。それはポジティブな心理の『成功体験』を植え付けることです。勿論、語っている方は気持ちが良いだけかもしれませんが、聞く方は初めての事ですから真摯に受け、どのように活用するかを考えればよいだけです。

 結論を言えば年長者の話は決して無駄にはならないし、それを使いこなせる者だけが文化と成功体験が出来るという事です。悲劇は周りに『過去の栄光』を持っている人がいない場合です。
もしいるのなら大いに活用することです。

 『過去の栄光』が良いのか悪いのか解りにくい話になりましたが、それはどう捉えるかその人次第だという事になりますが、その場だけの場当たり的仕事は結論が出ないという事だけはお解りいただきたいですね。

2014年10月29日水曜日

どちらが重要!?

 『有能な上司は部下の仕事を疑い、無能な上司は部下の人間性を疑う。』

 先日、友人より部下の評価方法について相談があり、私が以前とある会社の顧問をしていた時の言葉を引用し述べた言葉ですが、これは仕事というのは誰もがミスをするもので有り、そのミスに対してどのような対処を取るかがその部下の能力であるので、その事は自身の問題でもあるのではないかという意味を述べたものです。

 本来、上司は部下の仕事を信頼するという言葉を吐いたとしても、その仕事に対しては常に注視をしたいなければならないものです。それが上司の仕事であり、もし人間性を疑うのであればそれ自体が仕事という事にならないのだから辞めてもらうべきです。

 しかし、そんなことをしていたら仕事にはなりません。仕事というのはミスをどれ位に止めるかという事もありますが、その後の対処やそれが起きたことを前提とした仕事をしているかどうかで評価をするべきであり、決して人間性で評価をしてはいけないという事だと思います。

 どんなに人が良くても、仕事を出来ない人はできないし、その部下に情をかけるなら上司自身の能力を疑うべきだと考えます。情をかけることにより満足をしているとしたら、その上司自身が自らの仕事を省みる力がないという事であり、その部下も悲劇ではないでしょうか。

 なにより
『上司による部下の評価より、部下の上司に対する評価の方が会社にとってはより重要だと思うよ。』
と付け加えておきました。

 上司の能力は自らの指導者としてのを評価できるかどうかですが、私が知っている限り、数が少ないと感じています。なぜなら、業績そのものが指導者としての結果ですが、結果が思わしくない事を部下のせいにする傾向があるように思います。

 それはオーナーという意味ではなくそれぞれの部署の長という意味ですが、多くの場合は部下たちが上司に不安や不信感を持っている事が多いように思います。その結果が思わしくないように思います。

 つまり、部下の評価をするという事は上司自身が自らの評価をするようなもので、指導者としての自らを加味したうえで部下の評価をするべきだと思います。

 彼自身は熱意のあるタイプで、部下たちにも情熱をもって接するタイプですが
『熱意は時として人の気持ちを冷まさせる。熱意はほどほどが丁度良いが、無関心は時としてあらぬ方向で、人を熱くする。』
 

 部下と上司の関係は永遠のテーマですが、優秀な上司のところには優秀な部下が出来、もし部下を評価できないなら、自分を見つめなおす必要があるのかもしれません。部下の行動は自分の鏡なのですから・・。

 何事においても給料に合わせて責任があるという事になるのでしょうか。それらを踏まえて評価をするべきでしょう。

2014年10月27日月曜日

神の存在⁉

 ユダヤ人はよく
『神の存在は我々の存在があって意味がある』
 という事を口にする人間が多いのですが、他の宗教が唯一無二の存在を主張することから考えると多少の違和感があります。勿論我が国固有の宗教である神道は八百萬の神を真としているので少し違いますが・・。

 確かに我々がいなければ神という存在は意味がないような気がします。しかし、こう考えてみたらどうでしょうか。

 『自らの存在を先に意識するより、他の存在を認めることが自らの存在意義である』
というふうに。

 何に付けても他の価値を認めるだけの度量があって、もしくはその存在にあって自分の価値があるという事だと考えます。

 絵画を認めるにはその心を持たなければなりません。その価値を認めることが出来なければどんな名画も何の価値もありません。認める人がいるから価値があるし、その対象物を認めることが出来るのが己の存在価値だと考えます。

 ダイヤモンドに関しても我々がいなければただの宇宙の石ですが、我々にそれを評価できるだけの文化や進化が出来たからこそそこに価値がもたらされているわけです。人類になる前の類人猿でさえ光る物に興味を持ちある種の価値を持っていました。勿論それ以前となるとそれはただの石なわけですが・・・。

 つまり、ダイヤモンドを評価できない人はほとんどいません。ただその価値を危うくしたり、評価する方法を目くらましたりしているだけのような気がします。

 普通に色眼鏡が掛からないように見ている人の評価に沿って説明をすればダイヤモンドは正しく価値を感じてもらえるものだと思っています。

 ダイヤモンドに関してだけではなく、あらゆるもの価値はそれを評価する能力を持っている存在があって価値があります。人間関係においても誰かを無視したり、誰かを恨んだり、誰かを避けたりすることは簡単ですが、それは自分の存在価値を減らしめるように感じます。

 逆に言うと対象物(人)の存在価値を認めることが出来るのなら、それが自分の度量としての価値であり、能力でもあると思います。

 消費者という存在をもっと強く意識することが出来れば業界はもっと存在意義があるのではと考えます。消費者を軽んじるとそのような評価の自分しかそこには存在しないのではないでしょうか。

結果と準備⁉

 ここに三つの言葉があります。
1.目的という結果が明確であれば準備が合出来る。つまり、準備がなければ結果は出ない。

2.準備とは情報という学習と経験がなければ出来ない。それは情報がなければ準備が出来ない       
  という事である。

3.体験と学習は与えられるより臨む方が中身も濃く、楽である。

 これらの言葉はそれぞれの場面で使われた言葉ですが、ロスチャイルドをはじめ多くの著名はユダヤ人が『情報は利益である』と言っています。

 ロスチャイルド家の創設者と言っても良いマイヤー・ロスチャイルドは5人の息子をロンドン、フランス・ドイツをはじめ世界各国に配置し、情報を誰よりも早く手にし、それらを使い財を手にしたことは有名です。

 情報は誰かの手により公開された時点で風化を始めるものです。情報は自らが学び、経験したことが一番強いし、間違いがない訳です。そして、それを使えるのは本人のみです。

 これらの言葉を聞くと特殊な事と思われがちですが、普段の仕事の中にも沢山の自らが手に入れることのできる情報があります。例えば小売業であれば消費者の情報は観察と分析により得ることが出来ますが、何げなく過ごしていては何ら情報は得ることが出来ません。

 つまり、売り上げという結果を求めるのであれば、準備が必要でその準備をするのであれば、消費者を学び、分析をすることが大事で消費者から得られる何気ない情報を無視していては結果には結びつかないという事です。


 回りくどい言い方をしておりますが、消費者は以前から宝飾業界に対してある種の信憑性を持っていなかった事は多くの業界関係者は知っていたはずだし、働いている人間も業界から出たらほとんど戻らないということを考えれば明確です。

 今、業界の一部のアカデミックな方たちの間で、色石鑑別に原産地証明を付けようという動きがあるようです。そして、すでにダイヤモンドでは少しづつですが、グレードの共有をはじめ正確さを合わせようという動きもあります。これらの事は関係者は皆色々な意味で懸念をしていたことを形にしていこうという事だと思います。つまり、宝石の信頼をより戻そうという事です。

 今までは消費者の懸念を払拭しようという動きが少なく、結果業界の業績の低迷というところが続いてきました。しかし、今後は消費者に正しい情報を開示するという業界からすれば準備の部分をきちっと行い、さらなる進化と結果に向かってい進むようになれば良いなと考えています。

 自らが行動を起こし、自らしか持たない情報をフルに生かし、それを結果に生かしたいものです。

2014年10月23日木曜日

法則⁉

 先日のセミナーを受けた方からの質問があり、
『売れない展示会というのは何か原因がありますか?』
という質問がありました。

 売れない展示会というよりも、宝飾品の展示会の創設期に、叩き込まれた基本として、

1.展示会の全貌を入口で見せないようにする。
2.展示会の動線は会場の左回りにする(時計の逆回り)
3.動線を長くする。
4、動線の途中に障害を作る。
5.スタッフはスーツの着用。
6.女性販売スタッフはパンツスーツおよびビジネススタイルは避ける。

といったようなことを指導されました。これらをどれくらい踏まえているかという事になるのかもしれません。また、前回書きましたが其れについてどれくらいの準備ができているかという事だと思います。

 一つ一つの理由として人間は日常から離れたときに装飾品等の購買意欲を掻き立てるといったものが 1.の理由の一つになるのですが、外の日常から見えない処にアプローチをする期待感と驚きの高まりにより日常と違う世界に入る演出をし、会場に入った瞬間に非日常を感じるのです。また、感じてもらわなければなりません。

 次に 2.に関しては人間は心理的に心臓側から回るようになっているそうで、確かに左周りは違和感を感じてしまいます。その為に動きが鈍く滞留時間が長くなるわけです。勿論、販売確率は高くなります。

 3.に関しても2、と同じ理由で滞留時間を稼ぐといった意味ですが 4に関してはそこに興味深いものがあるかどうかを凝視する時間を創出するといったことになります。

 5.は信頼性を高めるといった狙いがありますが、車のこない交差点で赤信号の際にスーツで渡るとカジュアルな服装で渡る人の3倍以上の人が誘導されるというデーターがあるそうです。つまり、人間は心理的にカジュアルな服装よりもスーツ姿に権威を感じ、信用と信頼をするという事です。

 6.に関しては多くのお客様は女性なので販売をするスタッフに着用をイメージするという事です。つまり、アパレル等ではよく行われている事ですが、そこのブランド品や販売品を身に付けることにより商品をイメージしやすくするという事ですので、その演出が出来る服装という事になります。

 そのほかにも売れない展示会の多くは結果としてトレーの上に多数の商品を乗せたり、関連性のない商品が乗っていたりしますが、これは商品の価値を下げるだけではなく、商品を傷め結果的にはお客様の迷いを誘うのですからもっともやってはいけない販売方法でしょう。

 つまり、多くの場合は販売員の経歴のなさや知識の浅さからくるものなのですが、販売を大きく妨げている事は間違いがないでしょう。

 また、以前から述べてもいることですがグレードの問題です。多くの顧客は女性である訳ですが、
女性脳と男性脳というのがあることはご存知方も多いのですが、男性脳はデーターやスペックに反応し、女性脳はイメージに反応をします。

 つまり、以前は男性が婚約指輪を中心にダイヤモンドは男性が購入することが多かったので、
スペックであるグレードや地金の金商の説明をするというものが販売ツールとしては向いていたのですが、現在は女性が決定をする機会が多くなっているために混乱を招くことになったとしても有効にはなりません。

 現実に現代の女性はブランドやイメージで購入をしているケースが多いと思います。つまり、グレードというのは、ただ販売員が説明義務として満足するための手法でしかありません。

 また男性はプライス価格よりもプレミヤがついて高くなるものを欲します。女性はついている価格より安く買う事を望む傾向がありますが、それは日本中が同じ価格であることが前提にはなります。逆に販売側から安い価格を提示されるとさらに要求をする傾向もあります。

 現在の傾向である、高級時計や高級車が売れている現実は男性脳の典型でデーター、スペックが満載で限定というプレミアが付きその上で、オプションを付け実売価格より高くなることをステイタスとして感じる男性にはもってこいの商品ということになります。

 まさにデーター通りの心理という事になる訳ですから。これらから外れてくると販売確率が低くなってくるわけです。

2014年10月22日水曜日

準備⁉

 昨日、以前私のところ一緒に働いていた人間から連絡があり、今までやっていた買取が不調で廃業をするという旨の話でした。彼は米国に渡りGIAの資格を取り、帰国をしたときに当時私が兼務をしていた会社に入社をしてきました。その後、転職をしており、時折々に連絡を取り合っておりました。

 彼は
『人生をやり直す意味で、一から他の仕事をしようと思っています』
と言っておりました。

 しかし、私は
『人生はリセットがきかないんだよ』
と答えました。

 これは意地悪でいっているのではなく、人間の思考は同じことを繰り返すようになっているので、やり直すのではなく、自分の考え方を知り、その対策を考えることが必要で、過去の経歴や行動を誤っていても、正かったとしても受け入れて準備をしなければという意味合いで話ました。

 前回のも述べましたが準備のないところで成果を出すことはできません。訓練をしてない兵士がいくら良い武器を持って戦場へ行っても、よほど運が良くなければ勝利することはできません。

 『世の中なるようになるさ』といった思考の人でなんとなく世の中を上手く渡り、成功をしている人もいます。この人たちの多くはもともと備わった準備が出来る思考を持っています。逆にいくら努力をしていても結果が出ない人もいます。この差は意識してなくても準備が出来る人と、準備の方向が間違っている人の差です。

 それでは準備をどのようにすれば良いかという事になりが、それこそが過去の自分の経験や行動を踏まえるという事になります。

 思考というのはそんなに簡単に変わるものではありませんから、必ず同じことを繰り返します。
つまり、うまくいっている人はうまくいっている思考を繰り返し、過ちを犯した人はどんなに慎重にやっても過ちを犯す可能性が高いのです。

 準備の質を変えることを意識する事は需要です。例えば自らの判断だけではなく他人のアドバイスを考慮するとか、データーを考慮してみるとか、普段自分が行わない行動をとってみるなどの変化を付けてみることです。

 準備というのは決まりきったことを行う事ではなく、想定をする作業がまずあり、対策を練ることから始まる訳ですが、何より大事なことは情報の収集でしょう。多くの人は同じことを繰り返す作業を準備だと考えている事が多いようでです。

 私が知る限りでも、お客様から不平や不満があっても、少数意見として見過ごすことが多いように思います。もしくは見過ごしたほうが余計な仕事を増やしたくないと考えるか、最悪はそんな客は来なくても良いと考えるような横暴さを見せるところさえあります。

 つまり、準備というのは何事にも必要なことであることは間違いがないのですが、其れを実行する者の性格や思考が大きく作用するので、準備というのは多数の意見を吸い上げ、検証する事が同じ過ちをくり返さない一番重要な行動だという事になります。

 一人の思考は同じことは必ず繰り返します。


 
 

2014年10月21日火曜日

結果⁉

 自分にとって大事な言葉として以前にも書いたことがありますが、

今日は昨日の明日、今日は明日の昨日

という言葉があります。

 多くの現在起きている事は過去に何が行われ、何が行われなかったかによって決まっています。また、将来何が起きるかは現在どう過ごすかによって多くの事が決まってきます。

 現在に不満や不安があるという事は必ず繰り返します。将来それを変えようと考えるのであれば、現在をどう過ごすかという事が大事になります。

 多くのプロスポーツ選手は練習方法により試合での結果が変わります。それは練習時間なのか場所なのかはたまたコーチなのか、選択が上手くいくことにより結果が出てくるわけです。

 全米オープンテニスで活躍した錦織選手がコーチをマイケル・チャンに変えることにより、より良い結果を残すことが出来たことは既に有名です。勿論、才能があってのことですが・・・。

 これは日々の過ごし方に関しても言えることですし、ビジネスの上でも言えることです。

 売上や集客という事も含めて今の結果は過去の行動の結果であることを、素直に感じなくてはならないし、同じことを繰り返さないためにも今、何をやらなくてはならないかという事を考えなければいけません。勿論現実も踏まえなければなりませんから並行してという事になりますが。

 電車に乗るには切符を買うように、そして家に入るにはドアを開けるように、普段の生活のごとく準備というのは常に行わなければ結果は出ません。

 以前のダイヤモンド業界には売る為にプロモーションが存在し、その結果ダイヤモンドが普及をしたという、実績があります。今結果が出ていないのはシンジケートも日本への興味も薄れたと同時にそれなりの力もなくなったという事になるでしょう。

 ましてやプロモーションを行ったとしても、シンジケート以外から出てきているダイヤモンドも市場には多くあり、前ほどの意味がないという事もあるでしょう。

 しかし、個別の企業にとっては独自の販売方法もあり、囲い込みのプロモーションも出き、まだまだやれることも多くあるでしょう。今出ている結果はその方法の良し悪しの結果なわけですからその辺も踏まえて将来を考えるべきでしょう。

 今出ていない結果は過去の手立てが十分ではなかったという事ですから、同じことを繰り返さない為にも手立ては十分に必要でしょう。誰のせいでもない訳ですから自らの検証が必要なのかもしれません。(自戒の念を込めて)

打つ手が同じであれば、同じ結果しか出てきません。

理屈ではないのです。

行動なのです。

それが結果です。

行動を起こさずに結果に不満、不安を抱くことはキリギリス(童話)みたいなものです。



 

2014年10月18日土曜日

財産の保全⁉

 昨日、ご来店いただいたお客様から財産の保全のご相談を頂いて、ダイヤモンドの話になり
『換金する際にはどの様にすればよいのですか?』
という質問になりました。

 『基本的にはちゃんとしたダイヤモンドビジネスを行っているところに相談するか、販売の依頼をすることになるでしょうね。』と答えると

 『それはどのように見つけるとよいのですか?』
との質問。

 基本的にはもしダイヤモンドで財産保全を考えるのであれば購入するときが大事です。つまり、購入先にいざ売りたいとなった時に購入保証か販売依頼の契約をすることです。

 しかし、それだけでは十分ではありません。取り次ぐ際の手数料や購入方法もしくは入金方法を証書にしておく必要があります。

 また取り次ぐ方も経験のある人間である必要があります。つまり、価格が上がってもグレードが変わってしまっては元も子もありません。ダイヤモンドの事を知り、その後のグレードの変化の起きにくいものを選ぶ必要があります。

 ダイヤモンドのグレードというものは時と場合によっては変わることがあることは常に述べておりますが、その確率が極めて低い状態にしておかなければなりません。それは基本的にはDカラー、インターナリフローレス、もしくはフローレスでトリプルエクセレントである必要があります。

 つまり、グレードとして変動比の低いものという事になります(あくまでG.I.Aという事になりますが)。VVSなりVS,もしくはそれ以下となるとグレードのぶれる率が高くなります。無疵もしくはそれに準ずるとなるとかなり狭い範囲になります。但し、Dカラーとなると、下がる可能性もありますので、例えばTYPEⅡaを基本にかなりDからでも上の物を選ぶ必要があります。

 カットに関してもエクセレントとなっていてもプロポーションマシンがどの部分を計ったかによって1%未満であっても違いが出て、ベリーグッドになる物もありますので、その辺の変化が起きないものを選ぶ必要があります。カット基準のど真ん中かどうかという事のチェックが必要となる訳です。

 仮にグレードの対応が出来たとしてもサイズの問題が出てきます。10ctsオーバーの物であれば問題はないと考えますが、3ctsなり5ctsレベルの価格の変化はどのようなものであるか。これに関しては過去のデーターに頼るしかありませんから値下がりの起きていないサイズもしくは値下がりの起きにくいサイズを取り扱う必要があります。

 サイズに関しては1ctsに関しては現状価格が不安定という事を考えると選択をすべきではないでしょう。また、3ctsに関しても十年レベルで考えると値上がりをしていますが、ここ一年を考えると若干価格は弱めです。

 しかし、5ctsオーバーでD,IF、3EXとなるとやはり半端な価格ではなくなりますから、どの辺のグレードをお勧めするかもちょっと厄介な元だと考えますが、サイズが大きくなればなるほど財産保全としての確率は高くなることは確実ですが、品質のどの辺を取り扱うかは大きな問題でしょう。

 特に日本の場合は為替の問題が絡んできますので、あくまでもUSドルを前提とした話になりますでのその辺も考慮が必要になります。

 ゆえに経験が必要となるのですが、そのようなビジネスをしている方も国内には数名おりますがなかなか出会う機会はないとは考えます。彼らをつかまえている人々はここ数年で大きな利益を上げた事は言うまでもありません。但し、ここ数年のという事でもあります。

 そのような人々はあまり大きな声をあげてビジネスを行ってはおりませんので、本当に財産の保全という事をお考えであれば、お声をおかけください。ご紹介をしますとお客様にお答えすると、
『ぜひ、考えたいと思っていますのでその時はよろしくお願いします。』
と述べられて、お店を後にしました。

 ファンシーカラーについては延べはしませんでしたが、ギャンブル性を伴うものであるので特には述べることはしませんでしたが、投資としては面白いとは考えてります。
 

2014年10月16日木曜日

不信、不安⁉

 昨日、セミナーが終わり一部アンケートを拝見をし、感じたことは多くの販売員さんが何らかの不安なりを感じ、何らかの不信を抱いていたような気がします。

 
 グレードに頼らないダイヤモンドの販売方法という事をベースにお話をさせて頂いたのですが、流れから言うとダイヤモンドの歴史と時代背景を説明するとともに、何故ダイヤモンドが価値を持つようになったのかという事を中心にお話をさせて頂きました。

 日本のダイヤモンドビジネスには前提となるこのダイヤモンドの背景がないので、いきなりグレードの説明をすることになります。しかし、グレードの説明はダイヤモンドの説明ではなく評価の手順の説明ですからお客様はなんとなくわかったような気がして、実は理解をしていないという事が多くあります。

 先日も書きましたが、小売り部分には正確な情報や知識はよほど興味があって知る以外は手に入りません。多くの販売員さんは何を知らないのかを知らないわけです。

 参加された方達も催事関係からブランド、ブライダル関係の方と分野も分かれているわけですが、多くの場合正確な情報をお待ちではないという事が実感として感じたわけです。

 リクルートの調査によるとジュエリー関係に販売に携わった人たちが離職後再度ジュエリー業界にもどることはほとんどないというデーターがあるそうです。その内容的にはやはり業界への不信感という事だそうですが極度な値引きや天然と処理石の線引き等色々と疑問い思う事も多々あるようです。

 勿論以前にも書きましたが、販売員の方たちが思っているのですから、当然消費者も同じような疑問を持っているわけです。多くの場合催事関係の無茶な売り方が要因であると感じる訳ですが其れだけではなく、異業種、特に呉服の催事関係から参入した業者による販売方法には体質上移動をして歩くのでその場で売れれば良いというようなものがあるのでしょう。

 しかし、宝石店の場合はその土地で商売を続けているわけですから無責任な販売方法をとる訳にはいきませんが、催事屋さんたちは確かに真偽は別にして、お客慣れをしていますからその方法に頼ることにもなりますから結果的には消費者を失っていく販売方法に巻き込まれていくことになります。


 宝石の接客というものは宝石なりジュエリーの説明をし、その上で消費者が判断をして購入という事にある訳ですから、どれだけの価値の説明と内容をディスクローズ(開示)をしていくかという事が重要になります。決して値引き等で追い込んでいくものとは合致するものではありません。

 現代の消費者は情報を沢山持っています。一般社会では有り得ない販売方法を理解してくれることはありません。しかし、消費者は沈黙という武器を持っています。それが火を噴いた時にはすでに遅いのだと思います。

 私も、展示会場にいて消費者の方達からそのような話を耳にします。消費者が耳打ちをしてきている間はまだ良いのかもしれませんが、来場しなくなるようになったら、すでに手遅れだと考えるべきでしょう。やはり殆どの会場で来場率が減ってきています。

 それを景気や増税だけのせいにするにはあまりにも顕著な現象が宝石業界には出ているような気がします。自らが購入者側になってみてください。信用できますか?

2014年10月14日火曜日

ダイヤモンドの背景の違い⁉

 前回までに日本での流通の問題点や実体的なものを書いておりましたが、基本的に日本においては海外とのダイヤモンドを販売するうえで、また購入する上での違いを感じる場面が多くあります。

 ダイヤモンドが実質発見をされたのは紀元前600年頃のインドであるとなっていますが、ビジネスとして利用されていたといっても、実質カットをされるようになったのは14世紀頃です、日本でいえば鎌倉時代くらいでしょうか。

 16世紀頃にはポルトガルとスペインがインドとの貿易の主導権争いをしていたのですが、この頃貿易の拠点として、ダイヤモンドのカット技術の拠点としてアントワープが国際ダイヤモンド都市へと変貌をしていきます。この頃ローマカトリック教会の迫害を受けていたユダヤ人たちは自由のあるアントワープやアムステルダムに向かいます。

 それ以前からギルド(商工業者、手工業者の団体で11世紀頃から)に入れなかったユダヤ人たちは高利貸し等の当時卑しい商売として見られていた職業に従事していたのですが、同じくギルドに参加が出来なかったダイヤモンドの研磨工の仕事に従事をする人々が出てきたのが丁度この頃で16世紀から17世紀にかけての事です。つまり、この頃からユダヤ人たちは好むと好まざるに関わらず、金融とダイヤモンドに接していたのです。日本の鎖国時代くらいだと思います。

 当時ポルトガル領であったブラジルでダイヤモンドが発見されたのは17世紀後半から18世紀前半の頃で、その後財政難でポルトガルが資金の調達をしたはロンドンで金融業を営んでいたユダヤ人ロスチャイルドからで、この時の担保がダイヤモンドであったあのです。その後このロスチャイルド子孫の後ろ盾によりダイヤのンドのシンジケートは形作られていきます。

 この頃にはダイヤモンドも現在の58面体の原型がベネチアで開発がされ、金融担保としても重要なものとされ始めたのです。そのころの日本はまだ江戸時代でダイヤモンドの『ダ』の字も知らない頃でわずかに実態は別にしても『金剛石』として一部の商人が知っている程度でした。

 日本では日清戦争後の明治期を描いた尾崎紅葉の『金色夜叉』の中で金持ちの象徴としてやっとダイヤモンドという固有名詞が出てきたくらいで、単なる金持ちの比喩にすぎませんでした。

 その後外交官を中心にダイヤモンドの需要が増えるのですが、その頃の庶民は見たことも聞いたこともないものですから、その後ダイヤモンドというものが知られるようになっても、ジュエリーについた贅沢品としてだったり、シンジケートのプロマーションにのった婚約指輪として重用されるようになった程度です。

 つまり、海外とわが国ではダイヤモンドへの考え方が基本的に違うという事もありますが、日本のバブルの時代を経て主流ダイヤモンド消費国になった我が国のダイヤモンドの取り扱い方が一部世界のダイヤモンドに影響を与えてしまった事(グレード商売)は事実ですが、大きな意味ではダイヤモンドに対する考え方が違うという事になります。

 しかし、現状は世界が繋がっています。ダイヤモンドに関してもグローバルな見方をするとともにダイヤモンドの扱いを考える時期に来ているとも思っています。そうなると世界のようにお金が関わってきますので慎重にならざるを得ません。その一部を垣間見たのが現在のダイヤモンド買取業でしょう。

2014年10月13日月曜日

ダイヤモンドの変遷⁉(下流編)

 ノーベル平和賞を受賞した17歳の少女マララ・ユスフザイさんのスピーチは衝撃的でメッセージ性の高いものであったなあと感心をしました。世界中の多くの子供が教育を受けることが出来ていない。その事が暴力を生み、戦いにもなっていくという内容でしたが、まさにその通りで内容が違いはすれど教育の不十分さが偽りを生み、そして互いの信用を失っていくという事でもあるでしょう。

 ここでは多くの述べることが出来ませんが、結果的には利害を前提とした洗脳や真理を理解しない知識が広がっていったりもするのでしょう。

 ダイヤモンドそのものが変化をしなくても扱っている人々の情報だったり知識により市場は変化をしていきます。特に消費者と接している販売員たちはある種の被害者でもあるのかもしれませんが販売員の説明により消費者はダイヤモンド理解し、また迷走へと向かうのです。

 過去にはダイヤモンドを扱う多くのメーカーが独自のグレーディングレポートを発行し、無印のダイヤモンドに関してはと特にグレードが付くこともなく、単純にいえば大きさだけで売っていた部分もありましたが、小売店自体が信用をされていた時代だったので何の問題もなく商売は行われていました。

 しかし、メーカーブランドのダイヤモンドがシェアを占め始めるとグレードが付いていないという事が売りにくさをともない、そこで登場してきたのが鑑定会社です。当初は圧倒的にメーカーオリジナル(GIAベース)のグレーディングが強かったのです。メーカー各社は自社グレードを他からの批判を避けるために多少厳しく判定をしておりました。

 
 日本の国民性のせいでしょうか、第三者鑑定が中立で市場はそうあるべき、という空気が広がってくるとともにオリジナルグレードを行ってきていたメーカーも第3者に委託をするようになってきたのです。どちらかというとその方がメリットがあったのです。つまり、無理に厳しくジャッジをする必要がなくなり更に社内的な事務量を削減が出来るということになったのです。

 つまり、グレードは目安ですから、大体を見てくれればよい訳ですし、何かあっても鑑定会社に責任を押し付けようという魂胆もあったのでしょう。しかし、鑑定会社は鑑定会社でグレードは絶対的なものではないのですから責任も保証も何ら必要のある物ではないので、シェアを取る意味でもある程度は依頼者の意向に沿ったグレーディングをするようになってきたのです。

 知らない間に誰も責任を取らないような体質が業界には蔓延ってきたのでしょうが、下流である小売等の販売員にはそのような情報や知識は流れませんからグレードは絶対的なものと信じ、消費者に告げていたわけです。今ではそのように考える人は少なくなってきているといえ、まだまだセミナーを行っているとそれを前提とした質問も多くあります。

 
 過去の経験から多くの色石が希少石と言われ、その数年後に多量に出回るという事を繰り返す歴史であったことを知っています。シトリン(黄水晶)をトパーズと呼び、本当のインぺリアトパーズが出てくると間違って販売をしていましたと百貨店が新聞を使って謝罪をし、ブルートーパーズは希少石であるという事で5CTS位のものがダイヤを取り巻いて40年ほど前には100万円を超える価格で販売をされておりましたが今では・・・。

 アクアマリンの自然の青は限りなく美しいと謳っていたものが10年後には色が薄れ、黄ばんできたとか処理石であれば仕方のない事ですが、小売りの販売員の方達は上流からの情報を信じるしかありませんからそんなことはつい知らずという事で、やむを得ないと言えばやむを得ないのですが・・・・。

 以前このブログでの紹介をしたことがありますが、宝飾品のハイブランドは決して処理石を扱いませんでした。それは歴史のあるブランドとして歴史の浅い処理技術で変色をしたり、劣化することになると顧客に対する背信行為になるからです。しかし、ファンドが背景につくようになると信用より売り上げという事になりますから、さすがに貴石は取り扱ってはいないでしょうが、半貴石はかなり取り扱っているようです。

 前述のマララさんが言ったように教育がないと一方的な情報や知識に支配をされてしまいます。それは戦争や人を殺すことに疑問を抱かなくなったり、人を意図的にではないにしろだます結果になったりもします。

 処理石等では決して価格が上がるとか品物が無くなってくるといったような根拠のないことは言ってはいけないというのが業界の常識でもあったのですが現在では、小売りでよく用いられているようです。確かに、消費者を不安がらせて販売をする方法もあります。

 実験で何千匹のダニが捕れましたと言って布団専用の掃除機を売る方法もあります。しかし、これには根拠なりもありますが、不安がらせて売る壺は根拠がありません。不安がらせる占いや宗教には必ず物販が伴います。この場合ほとんどが根拠がありませんが、根拠ないという証明もありませんからお好きなようにという事になります。

 しかし、正しい情報や知識を持つと、宝石に関しては言ってはいけない事もあります。ダイヤモンドですら100%の確率で価格が上がりますとは言えません。それでも、一定の条件を根拠としての確率は70~80%近くはあるでしょう。しかし、処理石である半貴石が長期的に価格が上がる確率は10%あるかないかではないでしょうか。また、宝石にそのような販売が向いているかどうかという事もありますが、それを口に出せるのはほんの一握りのプロだけです。

 今人気のパライバトルマリンもそうです。

 処理加工のできるものは生産が出来るという事ですから過去とは違う事を理解し、言葉を選ぶことの大切さを学んでほしいと思います。知識と情報という教育はトラブルを回避する意味でも必要なことではないでしょうか。

 何度も言いますが現在は過去とは違います。1社や2社の会社をつぶすだけの破壊力は言葉の真偽の中にあります。エビ業界の二の舞になった場合、実用品ではないジュエリー業界はひとたまりもありません。だからこそ教育が必要なのです。
 

2014年10月11日土曜日

ダイヤモンドの変遷⁉(中流)

 前回の一部が解りにくかったという事でしたので解説がてら流通の中流について触れてみます。

 シンジケートがヨハネスブルグ(南ア)の株式市場から上場廃止にしようと思ったのは、自らの株価が正当に評価をされていないと考えたからですが、その背景は勿論他の鉱山からの原石買付資金が足りなくなったこともあります。シンジケートの試算では少なくとも市場株価の倍以上の価値があっても当然と考えていたのです。

 しかし、投資家たちの考えでは、在庫であるダイヤモンドの原石の評価は自分たちで行っている評価であって市場の評価額ではないという思惑がありましたので、当時の株価は正当なものと思っておりました。

 そこで、シンジケートは市場が評価をした価格が必要だった訳です。その市場が評価した価格とは小売価格の実態から追いかけたものですから、その状況を作り出す必要がありました。その為にはいったん上場を廃止し、小売り環境を作りその上で再度上場をすることを考えたわけです。

 それがLVMHとのジョイントでした。それは小売そのものですから、そこで販売実績を付けることは市場価格を立証することになる訳です。しかし、シンジケートのシステムを構成をしているのは株主でもあり、当時のサイトホルダーであるカッターたちです。当然、立場を飛び越えての小売りへの進出ですから反対が出ることは解っておりましたから内密に進められました。

 しかし、それらを実行するためには株をすべて買い戻す必要があったのです。大株主のL,G社や
S,N社等にはミレニアムダイヤモンドの規格の優先権やダイヤモンドのアワーグラスの販売権と低価格にて原石を供給し、株式を買い戻す条件ともしました。

 結果2000年を迎える前の数年はミレニアムダイヤモンドやダイヤモンドのアワーグラスが日本をはじめ各国で販売が行われたわけです。しかし、多くの部分は日本での販売でしたから、我が国はいい面の皮なわけでした。シンジケートの思惑はその後結果的には実ることはありませんでした。

 多くの海外取引所からダイヤモンドが買い付けられるのですが、現状は殆どがグレーディングレポートが付いておりますので素人でも買い付けが可能になってきました。嘆かわしい事ですが、多くの場合は日本の悪しき販売習慣が発端になっており、それが悪い意味で影響を与えております。

 以前はプロのバイヤーたちが自らの判断でジャッジをし、価格のオファーを行ってきたのですが国内事情であるグレードが優先されるようになると日本の鑑定会社の支店が取引所にできたりもし、日本に輸入前であるにも拘らず日本のグレードが付いていますからバイヤーは計算機があれば買い付けが出来る訳です。

 当然売り手である人々は少しでも良いグレードにしてもらおうと鑑定会社に働きがけをします。多少グレードが甘くてもグレードが出ているからOKという事になる訳です。

 また国内においてもグレーディングがビジネスの鑑定会社からすると大量にダイヤモンドのグレーディング依頼が来る会社には俗に甘くなりますから当然後日取り直した時には違う結果も出る訳です。これはグレードというのは同条件での差異ですから一社からの依頼の中で行う分には問題がないという建前はありますが・・。

 このようにグレーディングはあくまでも目安なので、卸屋さんたちは鑑定会社によってグレードの結果が変わることは知っていますので、そこら中の鑑定会社を巡り、自らが欲しい結果を探して歩くわけです。ひどいときには同じ鑑定会社でも支店によって結果が変わりますのでわざわざ地方の支店の方にグレーディング依頼をする輩も多く出てくるわけです。

 結果的にはスキャンダルに紛れた鑑定会社が現れ、まじめにやっている人々を貶めるという事を繰り返してきたのです。しかし、このことは卸屋さんたちの常識であり、現在でも行われているわけです。

 勿論、鑑定会社にも良識はありますのでそれらをフェアな方向にもっていこうとの努力はありますが、根本であるグレードは単なる目安であって、時と場合によっては結果が違う事があるということを消費者に示さなければ何も解決をしないのだと思います。

 これらが実体と言っても良いのですが、下流である小売店さんや販売員の方達がこの現実を知らない人が多いのも事実でしょう。

2014年10月10日金曜日

ダイヤモンドの変遷(上流)

 ダイヤモンドが金融商品として登場してからも300年余りになります。その間にシンジケートが現れたり、G.I.A(米国宝石学会)が現れたりとダイヤモンドそのものをマニュアル化していく動きと相場化していく動きがめまぐるしく展開されてきました。

 目まぐるしくと言ってもダイヤモンドの歴史や地球の歴史から考えるとチョンの間という事であって実際に人間社会の歴史から考えると結構な時間を費やしているとも言えます。

 ロスチャイルドがダイヤモンドをポルトガルから担保として受け融資をして以来、ダイヤモンドと言えばロスチャイルドの名前が挙がっていたことは皆さんもご存知の事と思います。セシル・ローズの作ったシンジケートを引き継いだオッペンハイマーの名が出てきたのはそれからのことです。

 オッペンハイマー自身も元々は金などの取引にしていたブローカーでもありましたが、シンジケートの倒産により、因縁のあったシンジケートに乗り込んで、ダイヤモンドのシンジケートの礎を作ったわけです。

 しかし、1990年代にはシンジケートであるデビアス社も凋落の兆候が表れます。ダイヤモンドの値下がり等を抑えるべく支出が大きくなりすぎることによって土台が崩れ始め、上場廃止をはじめ起死回生を狙ったのですが、やはり上手くはいかずその座を譲らざるを得なくなったわけです。

 当時のソ連をはじめ採掘技術の進歩した各国の鉱山からの原石を買い続けられなくなったデビアス社はあらゆる手段をもって対応をしたのですが、多くの手段は失敗に終わりました。LVMHグループと行ったブティックのデビアスもその一つです。そしてミレニアムダイヤモンド、ダイヤモンドのアワーグラスこれらは全て生き残る為にシンジケートが打った手段の一部であり決してプロモーシャンなどではなかったのです。(詳しい内容はいずれ)

 現在のシステムは勿論デビアスをはじめロシアのアルロッサ、リオティント社、NWT(カナダ北部の鉱山公社)等をはじめとする多彩なダイヤモンド採掘業者の供給による市場化がされてきました。これはダイヤモンドには良い事ではあります。

 シンジケート一社で行われてきた価格調整は危ういものがありましたが、市場原理で動く現在の価格はある意味では健康的なものですが、一方では価格の急激な変化を特に大きなサイズでは起こす可能性があるのです。

 多くの原石が供給をされてきたことにより、以前であれば一つの目標であった1ctサイズはポピュラーなサイズとなってきたので今後は経済の動き次第では本年のように値下がり傾向を示し、小さなサイズのように需要が増すと価格が上がるという現象が顕著になる訳です。

 ただし、絶対的な希少性である大きなサイズここでは5cts以上とか特殊なファンシーカラーに関してですが、今後ともに市場原理が働くほどの量はないので下がる可能性は低いと言っても良いのですがイコール値が下がるという事ではありません。ただ、大きな値上りはあり得ますので気を付けなければなりません。

 金融商品として300年余りたちますが我が国日本では未だにその認識が低いのはシンジケートの行ったプロモーションがこの国ほどはまったケースはないのでしょう。その後遺症が現在の市場ではまだくすぶっており、その変化に対応すべく努力は関係者が尽力をする以外にはないのではないでしょうか。

 小売りのマーケットの混乱や不調はそんなところにもあるのではと考えております。

 下流編に関しては次回にでも述べたいと思います。

 

2014年10月9日木曜日

人それぞれではあるけれど⁉

 ダイヤモンドのルース(裸石)の商売をしていると人間の感性の違いを知らされることがあります。

先日での展示会においても出来上がりのリングをお渡しする際に

『社長のところのダイヤモンドは本当によく光りますね』
とお渡ししたピンクゴールドに留まったダイヤモンドを見ながらポツリとつぶやきました。

 このお客様は白いダイヤモンドより若干色がある物が魅了を感じるという事でTTB(Top Top Brown)の物を使用したものでテリの強いものです。

 多くの人々は白いダイヤモンドが好きというケースが多いのですが、実はそれは思いこみでもあり、販売側も白いダイヤモンドが良いという風に教育を受けているので説明がその様になりがちです。

 しかし、小売りの場面に立ってみて感じたことは多くの場合、輝きと煌めきが一番のポイントで色に関しても、何も言わなければブラウンであったり、イエローであったり、勿論白色であったりと様々なカラーに反応をします。

 つまり、多くの場合は販売する人々の先入観が消費者の指向を左右させており、其れが販売の妨げになっている場合が多いことを感じます。

 また、色々と奇異な場面に遭遇することも多いのですが今回もダイヤモンドの鑑別書の件でお客様が必要ないと言っているにも拘らず販売員が
『ダイヤモンドが本物かどうかを示すものなので付けておいた方が良いのでは…。』
と理解に苦しむ言葉が出てきたのです。

 自分が販売している物に自信がないのか自分の会社が販売している物を疑っているのか・・・。
もしそうだとするなら最初からダイヤモンドを販売することをやめた方が良いのではと感じる次第です。

 これが色石であるとか、対面販売ではない通販やネット販売であれば販売側に信用の根拠や
実際に呼び名が違ったりする色石もありますから理解もできますが、鑑別書の本来の意味を理解していないように感じます。これは過去の体験から業者が持ち寄る意味不明な半貴石等で痛い目にあったという事なのかもしれない。

 これらを繰り返していると会社の経費という事も考えると馬鹿にならない問題で、自分の腹が痛まないから取りあえず付けておこうという事だろうと思います。しかし、意味が分かれば自身の販売方法や確認だけで済むことであり。お店の保証書だけで済むことであり、お客様もお店の保証と購入代金の証明があれば良い事であります。

 総じてですが、最近の人たちは会社のリスクにより仕事をしているように感じることが良くあります。仕事というのは自らのリスクも取るつもりがなければただのぶら下がりになりますから、会社にとってもどちらでもよい存在という事にあるでしょう。

 何をすべきかを理解していても自分の負担や評価を前提に動くようではすでに仕事ではなく、作業の域です。そんな社員だったり、中間管理職だあったりしたら会社は悲劇であります。

 前述したようにお客様の指向は様々です。自らのリスクとも言えないようなことまでも他力本願になるようではお客様の選択値を狭めてしまいますし、販売に支障をきたします。自らを守ろうとすることがお客様に誤解を与えたり、会社の利益の妨げになったりという事になります。

 勿論リスクを回避することは必要です。しかし、リスクではない事をリスクと勘違いし、本来のリスクを見失うことは大きな損失を生みます。

 仕事の本来の意味を知ることは全てにおいて結果だったり、目的をはっきりします。そして同時に明快な行動をとらせます。その為に心掛けることは

・会社のリスクで仕事をしている限りは結果は出ない。自らのリスクを土俵にのせることが仕事の 
基本である。

・ガソリンの入っていない車は安全であるけれど、ガソリンを入れなければ何の役にも立ちません。

難しい表現だったかもしれませんが、要は仕事は責任を持ってやりなさいという事でしょうね。

 責任回避のために自分のマニュアルの中にお客様を当てはめて売ろうとすることは、お客様が持っている常識とかけ離れることが多いのでお客様からの信頼を得ることにはならないという事だと思います。

 例えば見積もりですが、
『本来は100万円になりますが、お値引きをして50万円という事にします。』
これはたまに耳にする言葉ですが、常識的に考えれば見積もりとはその言葉通り工賃や材料費などを積み重ねていって出てくるお値段です、それがいきなり金額出てきて、それを値引きしますと言ってしまう無神経さにはあきれ果てることがあります。

 これは世の中の常識、ましてや自分が他の職種でそのような見積もりを出せれて、それを信用できるかどうかを考えればわかります。当たり前の人間であれば二度とそこには現れないでしょう。

 自分の身に置き替えて仕事をする事を心がけてほしいものです。

2014年10月5日日曜日

美しく!?

  昨日、20年来の知人から連絡があり、彼も同業ということで、普段のビジネスの話しになりました。
 
  
 彼自身も私のブログを読んでいて、
『高木さんの言われることも解るんですけれど、如何せん回りの売り方が売り方ですからね。』
という言い回し・・・。

 彼自身も経験が30年を超えるものがあり、過去の業界のことも良く知っているわけです。しかし、小売の経験が殆どですから言わんとしていることもわかります。

 同意をしていることは以前より業界の信用が間違いなく落ちていることと、消費者にとってジュエリーが身近なものになっていないということです。悪い意味では身近になっているともいえます。つまり、憧れという意味ではなくアクセサリーとしてですが。

 『良い品を安く』という幻のような言葉が出て久しいのですが、それはこの言葉を実践しようと努力をした時代は正義に聞こえたものです。しかし、現実はその言葉で粗製乱造し、ファストファッションのような消費文化を助長してしまいました。結果から言えば『良いものはそれなりの価格』ということが、反面として証明されています。

 悩ましい問題もあることは理解をしているつもりです。目の前の結果を求めるあまりということがあることも事実でしょうけれど、長い目で見ればそれがその後を難しくすることは皆が知っていることです。つまり、目先は所詮目先でしかありません。

 彼が
『髙木さんは今後どういう風にしていくつもりですか?』
と訊ねたので

『過去、日本や米国、欧州の有力宝石店を回っての経験から学んだことを実践したいと思っていますよ』と答えました。

 過去色々と有力宝石店を回って感じたことは
1.宝石店としての立ち姿が凛々しい
2.販売方法が美しい
3.専門知識の豊富さ
4.顧客に対する正直さ
5.仕入れ努力とその所作のスマートさ

 特に当方は卸していた立場でしたから、その姿は感心をさせられたものです。決して価格だけを追求せず、検品とその製造法への関心を示し、その事への敬意を払う姿はまことにスマートで、ここへの納品をすべてにおいて優先しようという気持ちを持たされたものです。

 結論から言いますと、扱っているものを考えると、仕入れ、企画、販売、知識、すべてにおいて美しく、綺麗な所作になるように心がけるということです。

 努力をし、自信を持った商品は間単には値引き販売をできません。それは素人である消費者にも理解ができることだと思っています。バーゲン会場や今はやりのディスカウントショップ。乱雑に陳列された商品を見て美しいと思えるでしょうか。スーパーマーケットにはそんな時代もありました。しかし、消えていったところはいくらでもあります。

 少なくても宝飾品に似合う形態だとは思っていません。

 
久しぶりに宝石店談義をした後に彼が
『積み重ねですね。どの高級ブランドもそれが重ねられてきたんですね。』

 品物に努力をすることは当たり前ですが、姿勢を守ることは顧客に対する最低限のアフターケアで、それが顧客がその宝石店の宝飾品を持つプライドにもなってくれることだと信じています。

 出来ないかもしれませんが『総てにおいて美しく』、これを目指す努力が宝飾業界には必要なことなのだと思います。



 

2014年10月4日土曜日

ダイヤモンドの事実⁉

 先日、イスラエルからパレスチナ人とのコラボによる合唱団が来日していました。多くの人が疑問い思った事でしょう。何故にイスラエル人とパレスチナ人が一緒に?

 これは多くの場合に起きる側面でメディアによるコントロールもあるでしょうし、各国の政府によるアナンスメントコントロールもあるでしょう。

 現状の日本での認識と私が長年イスラエルに渡っていて感じた認識は相当のずれがあると思っています。イスラエル人とパレスチナ人の交流はNPOという形を整えて長年行われていますし、アラファト議長がいた時代の停戦条約締結後には私の知っている限りでも多くのパレスチナ人がテルアビブ市内で働いていたし、イスラエル国内の飲料品メーカーの工場もガザ地区内あったりもしていました。

 ただし、ノーベル平和賞をもらった後のアラファトが資産の独り占めや自爆テロに奨励金を払っていたことはあまり、報道されてはいません。また、イスラエルから数十億の援助金がパレスチナに支払われていたこともあまり知られてはいません。

 国内でいえば消費税が上がって半年が経ち、そのほとんどが海外援助や公務員の給料アップ、国会議員の歳費アップに90%が使われている事、社会保障に費やされるものはほとんど無く、今後、値上げをされるであろう2%に関しても、使い方が不鮮明です。

 数年前、公明党の坂口なる厚労相が100年安心の年金と国会で声高らかにし、わずか数年後に崩壊というみすぼらしい結果になったことは記憶に新しい事です。役所な出す資料は常に税金を集めるための数字であり、節約するためのものではありません。つまり、根拠の無い、いい加減なものが多い訳です。それは誰も責任取らず、国民がツケを払えばよいという仕組みになっているからです。

 考えてみてください。現在の日本人の65歳以上の人口の割合は50%を超えますが、このうち何%が20年後に生きているのでしょうか?厚労省の試算はほとんどの人が生き残っていることを前提に崩壊という結論を出してます。

 このようにメディアなりある種の権力機構によって多くの場合の情報がコントロールされています。ダイヤモンドに関しても各国の事情が違うにしても多かれ少なかれ情報はコントロールされています。

 ダイヤモンドの大粒や特殊な物の価格高騰に関しては以前より書いておりますが、1ct以下のところの価格の低迷も同じように書いてきました。2010年の10月をピークに1ct以下のところは値下がりをはじめ、今年に入ってからは0.3~0.5ct中心に値を戻しておりました。しかし、データーだけでは何とも言えないのがダイヤモンドです。

 なぜなら、目安であるグレードを前提の価格の動きですから、グレードにイコールといった連動をしないファンシーカットやローカラーのところは決して価格は弱くはないのです。なぜなら、需要が増えてきているからです。

 以前から書いていますが、グレードが全く関係ないとは言いませんがダイヤモンドのメジャーな一部のジャンルに関してはグレード・イコール価格というのは確かにリンクはしています。しかし、現在の日本のようにダイヤモンドが全てグレードによるものというのは全くの間違いです。

 これらもやはり、元のシンジケートや業界のインフォメーションのコントロールによるものであって実際にはカット評価にしてもすべてのカラーのダイヤモンドに適用するわけではなく白い一部のダイヤモンドの関してもののであることはプロであれば誰もが知っている事でもあるでしょう。

 その結果、本来の価値の無いものを手にしている消費者も多くいるのだと思います。イエロー・イコール低品質だと思っている人や小さくてもDカラーIFが価値があると思っている人が多くいることもそのコントロールによるものです。

 大きくざっくりと目安を付けることはあらゆる基準を考える面では必要なことだと思いますが、一方の面だけを捉えてアナンスメントすることは時間を経過する分だけ大きな誤解を与えます。

 ダイヤモンドの場合グレード万能主義をとってきたためにどれくらいの信用を業界は失ってきただろう。其れにまだ気が付いてもいない業者がまだ沢山いることも悲劇の要因であります。我々が導入時期に携わった時には想像もしていなかった売り方がメジャーになっていることが問題なのです。

 難しかった宝石の販売方法をフェアな解りやすい売り方にしようと考えていたことが、逆に異業種が入りやすく、また、正解ではないインフォメーションを使用し始めたこともあります。それを商売上とはいえ、後押しをするような鑑定会社が現れたこと、そしてまだそれが是正されていない事と問題はまだ山積みですが、消費者は明朗であることを忘れてはいけません。

 消費者は明確な理由がなくても不明朗なことからは距離を置き始めます。それが今の業界の低迷の一要因にもなっているのでしょう。虚偽な情報を平気で流す業者も後を絶ちません。そろそろプロフェッショナルが育っても良いころだと思っています。

 そのコツはあくまでも消費者に対する忠誠心だと思っています。値引きが悪い訳でも多少の誇張が悪い訳でもありません。しかし、根拠のない値引きや、虚偽は必ずしっぺ返しが来ます。それは業界人かどうか関わらず国民が国に不信感を持っているようにです。

 何を正確な情報とするかは受け取る側に寄っての判断もありますが、情報はコントロールではなく全てをディスクローズするべきなのです。今の日本の政府(というより行政)が信用されないのは一方的現象だけの情報を流し税金を集めようとするからです。

 それと同じように業界の信用がないのも同じようなことが言えます。自分達の都合だけで物事を運ぼうとすることが消費者の信用を失う原因になっています。

 ダイヤモンドは永遠ですがその周りの環境は常に変わります。現在ある情報を根底から考え直し新たなコンセンサス創りが必要な時代が、全ての分野において必要なのではないでしょうか。

 そろそろ事実を学び、消費者に対して態度だけではなく知識としても誠意を尽くすべきだと考えますが、如何でしょうか?  

 勿論、どれが事実かは時代が決めるのかもしれませんが・・・。

2014年10月3日金曜日

取るに足らない存在⁉

 人間は世界にとってはとるに足らない存在であっても、あるコミニュティーにとってはなくてはならない存在であるわけですが、それはコミュニティーにとって価値があるという事を差しているわけです。

 つまりどれくらいの規模のコミュニティーにとってか、そして、誰にとってかという基準がある訳ですが、それはその価値の多くは誠意によって決まると考えています。

 宝飾業界は社会にとってはとるに足らない、業界です。つまり、あってもなくても良い業界なわけです。しかし、何百年も何千年も続いています。多くの業界は時代ととも社会の役に立っていたとしても消えていく運命にあるのにも拘らずです。銀行なども現状は本来の形とは違っているわけです。

 以前述べたことがありますが、日本においても宝石店は町の名士であり、歴史の上でも多くの有名宝石店はやはり信用を前提としている行動をとり現在に至っています。1800年代後半にアメリカのオープンハートで有名な某宝石店がアメリカ全体を巻き込む詐欺行為をしたことがあります。
ダイヤモンドの鉱山を発見したという事で社債を発行し、多くのお金を集め、それが嘘であったという事があります。

 その後まもなくその宝石店は低迷をするどころかアメリカ宝石業界の信用を失墜させたわけです。その後をの不調は言うまでもありません。もともとあってもなくても良いような業界です。信用そのものが価値でそれを高める努力が唯一すべき努力なわけです。

 宝石、特にダイヤモンドに関してはもともと物理的信用と価値がありますが、それを曇らすのも輝かせるのもそれを扱う人々の努力です。またその努力をしている人々の邪魔もしてはならないのです。

 自分をとるに足らない存在にするのも、あるコミニュティーにとって価値ある存在にするのも自分次第です。会社のリスクによる仕事ばかりしていると結果が出ないばかりか信用を失います。自分の価値は自分のリスクを取れるかどうかで決まります。

 慎重に事を進めるという事は結果が出なければ、ただの『ウドの大木』に他人からは見えます。また根拠のない行動は信用を失うばかりか自分の存在するコミュニティーの存在を危うくします。

 宝飾業界の運命は大げさに言えば、販売方法や存在の仕方によって未来が来るかどうかが決まります。過去とは違い、真実を追う方法はいくらでもありますから、嘘や虚偽があると必ずしっぺ返しが来ます。それは自分だけではなく業界に来るのだと考えるべきです。

 簡単に言うと取るに足らない存在になるか価値ある存在になるかは自身の誠意次第だという事です。本当にお客様の事を考えての販売方法かどうか?

 多くの人は『でも、現実には売れなければなりませんからね』という言葉をよく聞きますが、売れなくしてしまっている現実の原因はその考え方にあるという事と、現実に売れている方法が実は売れなくなる前兆であることに気が付いていないからです。

 不調の現在、売れている現象の売り方を肯定する節があります。誠意ある売り方をしているのであれば問題はありません。しかし、展示会などでの多くの売り方は線香花火の萌落ちる前の減少に似ています。麻薬を打っての売り方はその時を通り過ごすにすぎません。それは決して誠意のある行動とは言えません。

 本来の価値を見出す売り方をすることが、今問われているような気がします。

 社会にとって存在価値があるのかどうか?

 存在価値がなければ消え行くのみです。

 誰も取るに足らない存在であるわけはないのです。