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2016年2月27日土曜日

ヴィンテージ・ジュエリー⁉

 以前にも書きましたが、最近アンティークをはじめヴィンテージジュエリーの鑑定の御依頼を頂くことが多くなりました。特に展示会場でのことですが、多くの場合買取屋さんに持ちこむべきかどうかという事からですが、これも現在の買取りブームのあおりなのでしょうか。

 多くの人々の勘違いはアンティークジュエリーとヴィンテージジュエリーの違いです。これは残念ながら宝飾品のプロではないアンティークの業者さんも勘違いをしている様なのでやむをえあない部分もあります。

 アンティークとヴィンテージの決定的違いとは物の良しあしです。アンティークとは米国の法律ではありますが100年以上経った希少性の高い物という前提がありますが、物が良いかどうかには言及をしておりません。ただ近年修理で手が入ったり、サイズ等の変更をしているとその限りではなくなります。

 一方ヴィンテージ(Vintage)は元々ワイン用語でVINがブドウであり、栽培から醸造迄を指す言葉ですが、現在では特定の年、つまりブドウの当たり年で最高の環境で最高の技術で醸造をされた高級ワインを指す用語となっています。

 ジュエリーでいうヴィンテージとは特定のジュエリーが華やかりし時代に創られた最高の技術と最高の材料を使って製造をされた一点ものを指すと考えて良いでしょう。日本でいえば高度成長からバブル期にかけてといえるでしょう。世界中から最高の宝石やジュエリーが日本に集まり、皆がお金を出しても良いから良い物が欲しいと思っていた時代です。職人さんも技術の高い人たちが沢山いました。工賃が高いので多くの才能ある若者がこの世界に飛び込んでいました。

 今のように衣料にしてもファーストファッションのような経済的な洋服などは殆どなく、物が良く長持ちをするものが多くありました。勿論流行に関しては少し変わりますが良い物は時代を超えます。今のように安いから1~2年着ることが出来れば良いということではありませんでした。

 結果、私なども20年以上着ているコートがいまだにあります。結果的に言えば現在は消費文化の結末に我々はいるような気がします。あまり良い事ではありませんがげんざいの経済は其れで回っている部分も多くあるのでしょう。しかし、見直す時期にあるかもしれません。

 ヴィンテージはその点時代を超え受け継がれていくものとしての資格を十分に持ち、本来のそれぞれの役割を果たしていくものです。ジュエリーなどもその時代の技術を伝え、その時代を彷彿させるには十分な要素を持っています。最近、感心をしているものにペンダントにもなるリングでカラクリ物があります。現在では創る人が仮にいても造りたがらないだろうし、造っても工賃が合わないだろうと思うようなものを手に入れました。


後ろの造りが素晴らしく手作りとは思えない様な正確なパーツの作り方をしています。指輪部分が外れるのですが、セットしているときにピクリとも動きません。まるで一体化しているようで、とても外れるようには思えません。http://ameblo.jp/diamonrow
 

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