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2016年2月19日金曜日

桜咲くころ⁉

 通勤途中にチラホラと桜の花がほころび始めているのが眼に入ってくるようになりました。花には疎い私です。それが何桜なのかはわかりませんが春の到来を感じさせます。

 1970年代半ばにはじめてアメリカの西海岸に渡り生活を始める事になり、着いてびっくりしたのは一年中温かいと思っていたロサンゼルスの寒さでした。勿論東京よりは温かいのですが映画で見たりポスターで見る西海岸は常夏でいつもTシャツに短パンのイメージでした。

 寒さはやがて峠を越し春がやってこようとする時に何となく物足りなさを感じ、それは桜が無い事でした。北海道で生まれ育った私には桜こそが春を告げ夏が間もなく来るという嬉しい知らせだったのです。

 西海岸では短い春が終わり長い夏に突入するときは突然にやって来て、いきなり暑さが襲ってきました。しかし、通学中にいつも考えていた事はこんな環境で仕事が出来るものなのかという事でした。

 やたらに人懐っこい人々、物凄く怪しげな人、如何にも危ない人、当時のロサンゼルスは世界で一番殺人事件の多い年でした。そんな中徐々に西海岸の生活にも慣れ、夏休みにバイトでもしようかと思っていた矢先にホームステイをしていたところの父から連絡が入り、サンディエゴで宝石店でバイトをしないかという事でした。

 日本ではその仕事に従事をしていたとはいえ、アメリカに来てまでと思っていたので、最初は
『今はもうロサンゼルスの生活になれたのでここを離れるつもりはない』と言い訳として言ったのですが後日、
 『実はお前のいた会社の事を知っているというロサンゼルスの会社が働いてみないかと言っているけど…。』という連絡でした。

 これ等の行動は父がいたく私を気に入っており、日本に帰らないように画策をしているという事を後でホームステイ先の母から聞いたものでした。ホームステイ先の息子達とあまり上手くいっていなかった父は私を息子の様に接してくれた気持ちから出たものでした。

 しかし、結果的には私はロサンゼルスでダイヤモンドの仕事に携わることとなり現在に至っている訳ですが、この季節になり桜の花を目にする頃、何時もこの流れを思い出してしまいます。桜があって当たり前、無いことから始まったストーリーは記憶にも強烈にインプットされているものです。

 桜は私にとって過去へのタイムトラベルのスイッチなのでしょうね。あの日の戻れるわけではないのですが、何時もこの時期は40年ほど前にタイムスリップする事があるのです。若いうちに沢山の経験をしているとタイムスリップする場所が幾重にも重なってくるもので、その度に物語を思い浮かべることは楽しいひと時です。http://ameblo.jp/diamonrow

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