30年ほど前に話になるのですが、都内の百貨店を通してとあるジュエリーを鑑定してほしいという依頼を受けました。百貨店に伺うと白髪のご婦人が担当のマネージャーと応接のソファーに腰をおろしており、ドアを開けて入っていた私に品の良い笑顔を向けてくれました。
『実はわたくしの父がロシアに赴任をしていたころに、ロマノフ一族の方から頂いたり、帰国の際に持ち出しを依頼されたものがございまして、詳細は解らないのですが是非見て頂きたいとおもっています。』とご婦人が話し始めるとマネージャーが
『当店のお客様ですがひょんなことからお話を聞いて、ぜひ当店で展示を出来ないかと思っているんですが、詳細がわからないという事で高木さんに見てもらおうという事になったのです』
と言いながら一部商品を私の前にお出しになりました。
一部ではありましたが、造りは勿論の事、使っている道具、ロウ材と明らかにその時代のものだろうと推察できる宝飾品が目の前に並べられました。
『当時のロマノフ王朝のお抱え宝飾業者としてファヴェルジェなどが有名です。その他にもいくつかの宝飾業者が出入りをしていたといわれていますが、職人の多くはオランダから来ていたといわれています。彼らは体が大きく使っていた工具に特徴があり、その特徴がありますね。』
と私が言うとご婦人が
『お安く見えるものからお高く見えるものまでいろいろなんですけど…。』
ロマノフ最後のニコライ二世は家族が多く、王族の殆どが処刑されたといわれていますが、一部の王族が逃避行し、黒海で財宝ごと沈んでいるとか、逃げ延びて北欧にいるとかいろいろな説があります。滅亡前にいくつかの予兆があったという事なので、その一部が日本に運び込まれたとしても何ら不思議はないのです。
時代を超えた物を見る事はその時代の文化や技術を垣間見ることが出来、又それを所有していた人々の思いが感じられ、それが一族となると自分とかぶる部分を感じたりと一族のルーツに思いを馳せたりとジュエリーというものは単なる装飾品ではないということを感じる訳です。
最近よく色々なところでリサイクルジュエリーなるものや買取商品を目にすることがあります。それらの商品を見ているとやはり時代背景が解り、なかなか面白い物です。バブル後のTVショッピングをはじめその頃の企画商品のような低品質、低レベルのものもあれば、高度成長からバブルの時期に制作されたものは素材も良質で造りにもこだわりがありなかなかのものが多くあります。
良質なものがいとも簡単に手放されていたり、潰されたいたりすると胸も痛みます。時代を超えて文化やルーツを伝えていくこともできるメモリカードのような役割もしています。ジュエリーは単なる装飾品ではありません。本来の価値を伝え、販売する努力が業界にな必要な事なのでしょう。
http://ameblo.jp/diamonrow
『実はわたくしの父がロシアに赴任をしていたころに、ロマノフ一族の方から頂いたり、帰国の際に持ち出しを依頼されたものがございまして、詳細は解らないのですが是非見て頂きたいとおもっています。』とご婦人が話し始めるとマネージャーが
『当店のお客様ですがひょんなことからお話を聞いて、ぜひ当店で展示を出来ないかと思っているんですが、詳細がわからないという事で高木さんに見てもらおうという事になったのです』
と言いながら一部商品を私の前にお出しになりました。
一部ではありましたが、造りは勿論の事、使っている道具、ロウ材と明らかにその時代のものだろうと推察できる宝飾品が目の前に並べられました。
『当時のロマノフ王朝のお抱え宝飾業者としてファヴェルジェなどが有名です。その他にもいくつかの宝飾業者が出入りをしていたといわれていますが、職人の多くはオランダから来ていたといわれています。彼らは体が大きく使っていた工具に特徴があり、その特徴がありますね。』
と私が言うとご婦人が
『お安く見えるものからお高く見えるものまでいろいろなんですけど…。』
ロマノフ最後のニコライ二世は家族が多く、王族の殆どが処刑されたといわれていますが、一部の王族が逃避行し、黒海で財宝ごと沈んでいるとか、逃げ延びて北欧にいるとかいろいろな説があります。滅亡前にいくつかの予兆があったという事なので、その一部が日本に運び込まれたとしても何ら不思議はないのです。
時代を超えた物を見る事はその時代の文化や技術を垣間見ることが出来、又それを所有していた人々の思いが感じられ、それが一族となると自分とかぶる部分を感じたりと一族のルーツに思いを馳せたりとジュエリーというものは単なる装飾品ではないということを感じる訳です。
最近よく色々なところでリサイクルジュエリーなるものや買取商品を目にすることがあります。それらの商品を見ているとやはり時代背景が解り、なかなか面白い物です。バブル後のTVショッピングをはじめその頃の企画商品のような低品質、低レベルのものもあれば、高度成長からバブルの時期に制作されたものは素材も良質で造りにもこだわりがありなかなかのものが多くあります。
良質なものがいとも簡単に手放されていたり、潰されたいたりすると胸も痛みます。時代を超えて文化やルーツを伝えていくこともできるメモリカードのような役割もしています。ジュエリーは単なる装飾品ではありません。本来の価値を伝え、販売する努力が業界にな必要な事なのでしょう。
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