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2016年1月2日土曜日

ダイヤモンド新年⁉

 ダイヤモンドの価格の決まり方については長い間触れてきました。4Cのグレードで価格が決まる訳ではないという理屈も多くの人には解ってきて頂いたように感じています。最初の頃は、販売員のセミナーで講師を行っていても多くの人々は4Cのグレードで価格が決まると思い込んでいました。

 単純な質問として『もしそうだとするなら、価格は全国一律という事ですね?』という質問をして初めて価格が同グレードであっても場所やブランドによっては違うという事に気が付いていただきました。

 大きな意味で大きさや品質や希少性で価格が違う事は何の品物でも一緒です。しかし、付いているグレードが価格を決定しているような錯覚をどこでしたのでしょうか。これらのシステムが持ち込まれたときには、販売側の人間が付けることにより、取り扱いダイヤモンドの価格の違いを説明するためのもので、いわゆる販売者の取り扱い説明書みたいなものだったわけです。

 それは販売する人々が信用されていた時代であったので、其々がグレードを付けていても疑われる余地はなかったわけです。しかし、ほとんど知識のない一攫千金を狙う販売者が増え、消費者も疑念を抱くようになり、第三者のグレーディングレポートを付け中立性や責任回避を狙ったのですが、これはまた問題があったわけです。

 ここには中立性をうたった鑑定会社があったとしても、ビジネスですから、顧客である販売者の意向に沿ったグレーディングをする事がまま多くなってきた訳です。本来公式なものでも保証のある物でもないことが前提にある訳ですから何の問題もない訳です。しかし、如何にも統一基準のように装って価格競争をする輩が増えてきて多くの消費者が犠牲になってきた訳です。

 本来のグレーディングレポートの意味やその基礎時代に携わってきた立場からすると、それらの販売方法はほぼ詐欺に近いものに見えていたものです。今になってわかることは販売していた人間たちも理屈を分からないで教えられたとおりに販売していただけでした。しかし、これももう過去の話です。

 昨今はダイヤモンドのタイプをはじめ色々な要素が価格を決めているという事も知られるようになり、昨年あたりではダイヤモンドのタイプⅡを前提に販売をするところも出てきて、鑑定会社も多くの間違いを基礎にして科学的に判定をするようになり、明らかに時代が動き始めている予感がするようになりました。

 最近よく触れている事ですが、ダイヤモンドの金融商品としても側面も多く現れるようになってきて、昨今のような格差社会が際立ってくると、さらなるその面が強調されるようになってくる予感がします。

 というよりダイヤモンドの本来の姿が明確になってくることに今年は顕著な傾向が現れてくるでしょう。ダイヤモンド新年というよりは回帰といった方が良いのかもしれません。

 回転ずしが本来のすし屋とは違う訳でもなんでもありません。寿司をより庶民化したものだと思っています。しかし、本来のすし屋がその為に衰退するわけではありません。回転ずしも皆が皆うまくいくわけではありません。寿司を知り寿司屋出身の社長がやっている回転ずしは良好なところが多いように思いますが、すしの基本を知らずして始めた回転ずしは皆退散をしています。

 今まで宝飾業界も展示会を主戦場にしてきた催事屋さん達のような、いわゆる回転ずしのようなところと、ちゃんとした寿司屋が如く宝飾品を扱ってきたお店と両方ありましたが、やはり市場が混乱に陥ってきたことは否めません。

 消費者にはその違いが判りませんから不幸な時代が続いたように思います。本物よりも偽物の方が解りやすいという事もあります。それはプロがちゃんとした知識を持ち説明することをおろそかにしてきたからです。今後は今までのようにはいかないでしょう。まがい物はやはり長続きしません。沢山の良識がある業者が残り、もう一度業界の需要がよみがえる年にしたいものです。
http://ameblo.jp/diamonrow
 

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