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2014年8月21日木曜日

セミナーを終えて⁉

  昨日は暑い中、多くの方にお集まりいただき、セミナーを行わせていただきました。業界の方達で経験の豊富な方から、まだ日の浅い方達まで色々な方達でした。

 内容で皆さんの気を引いたものは、やはりダイヤモンドのタイプの問題とHPHT処理についての事で、質問の多くもそれらの事でしたが、それ以外にグレード問題の質問が多くありました。

 皆さんの認識の中には4Cのグレード表示が単なる目安であるという認識が少なかったようです。
目安とは絶対的なものでも恒常的なものでもないというものですから、鑑定会社ごとにグレードに差異があることはいわば当たり前の事なわけですが、少し驚かれていたようです。

 これは教える側にも問題はあって、グレードの仕組みを教えることは良いのですが、多くの場合、必ずしも現物のダイヤモンドとリンクをしないという事や時と場合さらに人によって結果が違う事もあることを但し書きがないという問題点もあるのでしょう。

 以前、同じように私のセミナーを受けた方も参加をしておられて、受講後はグレードを優先して説明をすることはなくなったけれど、販売に支障をきたした覚えもないし、むしろ売りやすくなったと言われた事はうれしく感じました。

 グレードの問題が主ではなかったのですが質問の方向が一時そちらへ流れ、皆さんの興味もそちらが大きかったようなので、少し触れておきましたが特筆すべき点として

①グレードは半永久的なもの・・・・・・・・これは限定的なもので尚且つ何らかの保証がある物では     
                        ない。
②グレードは同じダイヤモンド
  であれば同じ結果が出る・・・・・・・・これは時と場合と人により結果が変わることもある。
 
③グレードで価格が決まる・・・・・・・・・価格が決まるのではなく、価格差が決まるという事になりま 
                       すが、これも状況により変わります。
 
 ①、②、③のような誤解が特に多くありましたが、いくつかの現物の同じダイヤモンドを同じメジャーな鑑定会社に出してグレードに差異があったものをお見せすることにより少しショックを受けられていた方もおりましたが、何度も言いますがグレードは単なる目安であり小売価格を決めるものではないのですから、小売りのセールスポイントに使う事は消費者に誤解を与えまた、裏切ることにもなりかねないのです。
 
 あえてお伝えしたことは値引きとグレードはセールスポイントに使うべきものではないという事と
それらは価値というセールスポイントを伝えた後に補足をする程度のものであるという事です。
 
 
勿論、今回の主題はダイヤモンドのタイプの問題やHPHT処理の問題についてであり、まだまだ議論の余地が起こっている問題でもあることを伝えることです。

 しかし、現実には市場には既にこの種のダイヤモンドが流れ始めている事なので、正しい理解をして頂く必要があります。前述のグレードのように業界側の都合で考えられた理解のし方を広めてはいけないと考えます。

 内容は割愛させていただきますが、

 誤解をして頂きたくないのは、処理石や呼び方を否定しているわけではありません。ジュエリーの素材としての処理石のポジションもあり、品物を伝えるための多少大げさな表現もあると思います、商売ですから・・。

 ただ、正確な情報や内容の開示を務めなくてはならないという事です。ルビーでいえば処理石の『ピジョンブラッド』だったり、真珠でいえば『花玉』表現だったり、以前とは違う使い方をしているならちゃんと消費者に伝えなければなりません。

 宝石はそれ自体に魅力や価値がありますので、必要以上な表現や手法を使う必要がありません。先程来から書いている内容は結果的には宝石そのものの価値を下げ、誤解や疑念を持たれるような表現や手法を業界がとってきたという事になります。

 セミナーの結論も結果的には消費者に対して正直であれという事とプロとしての知識は最低限必要であることに言及する形になってしまったことにご理解を頂くことになり、ありがたく感じました。

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