やがて、大きくそびえたつビルの前に来るとビル風と師走の厳しい寒さでとてもじゃないけれどビルの大きさに感心している余裕もなく回転扉を勢いよく押し、中へと駆け込んでいきました。
エントランスの正面には高くそびえたつ、クリスマスツリーがあり、周りには沢山の宝飾店のショーケースを覗き込んでいる人々が笑い声や驚嘆の声をあげており、並べられているジュエリーの豪華さを想像できる華やかさがそこにはありました。
『さあ、お兄ちゃんはお仕事をしてくれるけど、一人では迷子になっちゃうから一寸待っててくれる?』
と私が少女に告げると少女は自分が想像いしていた場所と違ったのか
『私もお兄ちゃんと一緒に行く』
と不安げに私の顔を見上げていました。
『じゃあ一緒に行こうか?』
『うん。』
気を取り直した少女はニコッと笑いながらついてきました。
会社のギャラリーの前で
『ここがお仕事の場所だから、一緒に中に入って大人しく待っててね。』
『うん。』
『こんにちは!!』
中に入るとギャラリーの販売スタッフが忙しそうにしながらこちらの方に笑顔を返してくれました。
『どうしたのその子?』
店長の男性が私の訪ねてきたので事のいきさつを説明したところ
『でも、そんなことだけでお母さんに会えるの?この子をガッカリさせるんじゃない。』
と心配そうに少女の方を見ながら私に呟くと同時でした。
『アッ!!お母さん。』
少女が思わず大きな声を発したので私の方もその方向を見ると、オープンと同時にギャラリーで働き始めた女性が入口から休憩を終えて入ってくるところでした。
『あらっ、どうしたの高子ちゃん!?』
入ってきた女性は驚きの顔をしながら少女の顔を見ておりました。
『エッツ!!お母さんてこの人なの?』
私は驚いて少女に尋ねると同時にそのスタッフの女性の顔を見ました。
『うん。』
事情を聴くと離婚をした母親は実家に少女を預けて、東京で働くことを決めてギャラリーで務める事になったとのこと。
『そうなんだ、奇遇だね』
と店長。
実は数日前に電話で
『今、お母さんの働いているところには、大きなダイヤモンドのクリスマスツリーがあるんだよって話していたんです』
『そうか、それでTVで流れていたこのクリスマスツリーの事を見てお母さんに会いたくなったんだね』
と店長がいうと
『うん。』
少女は嬉しそうに皆の顔を見渡していた
その後、皆で偶然の出来事の話をしながら
『良いクリスマスプレゼントになったね』
と店長が言うと皆の顔がほころんでいた事を思い出します。
その後何年かしてと言うより何十年かして、たまたまその少女と再会する機会があり、今同じこの業界に努めている事を知りました。
彼女の言ったこの一言が胸に残ります。
『あの時に見たダイヤモンドの輝きが眼に残っています。忘れられずに今のお仕事をさせてもらっています。』
当時の三角ビルに飾られていたクリスマスツリーの一番上には10カラットのダイヤモンドが燦然と輝き、何種類もの宝石がそのダイヤモンドを引き立てておりました。(総額が数億円だったと思います)
当時の日本のエネルギーと賑わいをこの季節になるといつも思い出すとともに、少女とのその縁を今でも不思議に感じ、思わず顔が綻んでしまします。
エントランスの正面には高くそびえたつ、クリスマスツリーがあり、周りには沢山の宝飾店のショーケースを覗き込んでいる人々が笑い声や驚嘆の声をあげており、並べられているジュエリーの豪華さを想像できる華やかさがそこにはありました。
『さあ、お兄ちゃんはお仕事をしてくれるけど、一人では迷子になっちゃうから一寸待っててくれる?』
と私が少女に告げると少女は自分が想像いしていた場所と違ったのか
『私もお兄ちゃんと一緒に行く』
と不安げに私の顔を見上げていました。
『じゃあ一緒に行こうか?』
『うん。』
気を取り直した少女はニコッと笑いながらついてきました。
会社のギャラリーの前で
『ここがお仕事の場所だから、一緒に中に入って大人しく待っててね。』
『うん。』
『こんにちは!!』
中に入るとギャラリーの販売スタッフが忙しそうにしながらこちらの方に笑顔を返してくれました。
『どうしたのその子?』
店長の男性が私の訪ねてきたので事のいきさつを説明したところ
『でも、そんなことだけでお母さんに会えるの?この子をガッカリさせるんじゃない。』
と心配そうに少女の方を見ながら私に呟くと同時でした。
『アッ!!お母さん。』
少女が思わず大きな声を発したので私の方もその方向を見ると、オープンと同時にギャラリーで働き始めた女性が入口から休憩を終えて入ってくるところでした。
『あらっ、どうしたの高子ちゃん!?』
入ってきた女性は驚きの顔をしながら少女の顔を見ておりました。
『エッツ!!お母さんてこの人なの?』
私は驚いて少女に尋ねると同時にそのスタッフの女性の顔を見ました。
『うん。』
事情を聴くと離婚をした母親は実家に少女を預けて、東京で働くことを決めてギャラリーで務める事になったとのこと。
『そうなんだ、奇遇だね』
と店長。
実は数日前に電話で
『今、お母さんの働いているところには、大きなダイヤモンドのクリスマスツリーがあるんだよって話していたんです』
『そうか、それでTVで流れていたこのクリスマスツリーの事を見てお母さんに会いたくなったんだね』
と店長がいうと
『うん。』
少女は嬉しそうに皆の顔を見渡していた
その後、皆で偶然の出来事の話をしながら
『良いクリスマスプレゼントになったね』
と店長が言うと皆の顔がほころんでいた事を思い出します。
その後何年かしてと言うより何十年かして、たまたまその少女と再会する機会があり、今同じこの業界に努めている事を知りました。
彼女の言ったこの一言が胸に残ります。
『あの時に見たダイヤモンドの輝きが眼に残っています。忘れられずに今のお仕事をさせてもらっています。』
当時の三角ビルに飾られていたクリスマスツリーの一番上には10カラットのダイヤモンドが燦然と輝き、何種類もの宝石がそのダイヤモンドを引き立てておりました。(総額が数億円だったと思います)
当時の日本のエネルギーと賑わいをこの季節になるといつも思い出すとともに、少女とのその縁を今でも不思議に感じ、思わず顔が綻んでしまします。
0 件のコメント:
コメントを投稿