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2018年1月20日土曜日

ダイヤモンドと紛い物⁉

 以前から話題でもあるCVD(人造ダイヤモンド)を最近検品をする機会があり、0.3ct程度のサイズのピンクとイエローのものをクラリティーはVSupでカットはヴェリーグッドup程度のものでした。

 これらを扱う事の良し悪しは別にして、販売方法というものを宝飾業界の人間は苦労をするにしてもアクセサリー業界の人間は絶好のチャンスが訪れたと考えるのであろうと思います。

 何故なら本物のダイヤモンドであることには変わりなく、ただ天然ではないというだけのことです。価格も天然に比べると20分の1以下の価格になるだろうし、美しいという利点と今までキュービックジルコニアや人造クリスタルを扱ってきた業界にとってはむしろアップグレードをすることになるのでしょう。

 つまり、アクセサリーの会社が見栄えを気にしてアクセサリー協会ではなく、日本ジュエリー協会に所属し、いかにも宝飾業を装うように、人造物とはいえダイヤモンドを扱うことはむしろ見栄えの良いことでしかないのです。

 本来は天然の宝石と金のみの重量表示であるはずの『カラット』表示を模造石にまで使用することを黙認してきたことによりどれだけのデメリットを業界に与えたのか。また、不信感を消費者に与えることになったのかを考えてほしいのです。

 これらを踏まえ人造ダイヤモンドを扱う事は誰にメリットがあり、誰が迷惑をこうむるのかというとアクセサリー業界にとってはメリットがあり、更に一時的には消費者にもメリットがあるということでしょう。

 そして、宝飾業界にとっては大きなデメリットであり、長期的には消費者にとってもデメリットであると考えます。

 それは、現在の呉服屋等の展示会をはじめ、宝飾業界の礎の類の販売方法を行っているところの例を見るまでもなく、本来の宝飾の価値を無視した販売方法が現在の宝飾業の凋落の様相になっているわけです。

 つまり、紛い物商法は短期的には一定の利益を残しますが、長期的には栄えることもなく、更にその業態自体に大きなダメージを与えるだけではなく、消費者からの期待を失うことになるのです。

 宝飾業界の発展を願い、長年にわたり努力をする人々がいる反面その努力をいとも簡単に水泡に帰してしまう人々もいます。消費者の立場に立つという事はイコール自らの立場と利益を守ることにもなります。そしてその場の自らの利益を追うという事は結局自らの衰退を招くことにもなるのです。

 多く販売員は大きな視野で販売を行うというより会社の要求により販売を行っているのだとは思いますが、それは決して消費者の為にも自分の為にもなりません。自らの信用を失い、そして自らの利益を失う事となるのです。

 昨今の安売り商法は旅行代理店しかり、晴れ着商法しかり、結局は本来の消費者の利益を守るべく方向性がなければ自らも退出することになるのです。

 文明の進化は時に正に見える負を生み出します。そして、それは短視眼的にはお金を生み出す打出の小槌に勘違いを起こします。それが紛い物なのです。
http://diamond-exchange.jp/
https://ameblo.jp/diamonrow

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