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2016年7月26日火曜日

天然の宝石⁉

 前回に述べている事の続きになりますが、ドーピングは技術が進み今後は薬物ではなく遺伝子ドーピングなるものも出てくる可能性があるそうです。今回もIOCがあいまいな基準を設けロシアのオリンピック参加を認めるような裁定をしていますが、本来オリンピックに出場かどうかはIOCではなく各競技団体が決めることではありますが、実際に運営しているIOCの裁定の基準はあまりにも漠然としています。

 ドーピングの再検査も条件に入れているようですが、検査結果には長時間かかるそうで、結果が出る頃にはオリンピックが既に終わっているそうです。その後の判定でメダルを取り上げるという事になるのであれば何のためのという事になります。

 つまりは、オリンピックの商業化を考えたときに大きな市場であるロシアの参加は是是非であるということが背景にあるようです。ましてや平和の祭典としている物をボイコット合戦をやっているとその意味も失われるという事になります。その建前をかざして大手を振ってプーチンロシアは参加を表明しているのでしょう。

 宝石業界においても同じような事が言える訳で、本来宝石とは国際認識ではモース硬度7以上の天然鉱物を前提に美観、希少性をうたっている訳です。しかし、国内基準になると更にジュエリーの材料となり得るもの。更には天然の基準もベースを前提にトリートメントしたものも含むというようになっています。

 なんと曖昧な事でしょうか。つまり天然の解釈と、宝石の解釈の範囲を広げるという事になります。この流れは世界の一部においても先日のGIAの基準ではありませんが行われています。

 勿論、これは業者の都合に合わせている訳ですから本来の姿からは離れていっている訳です。つまり、商業ベースにおいて根本を流動的にしておくという勝手な理屈にも聞こえます。

 オリンピックにしても宝石にしても最低限の手を加えることは有り得るし、考えられる事です。宝石でいえば最低限の手の入れ方として研磨であり、運動であれば運動効率の良いマシンを使用するとか効率の良い食料を研究するとかは当然ありだと思います。

 結果としていえることは、例えば宝石を売ることになる段階で買う側は処理石であることを理由に安価を提示します。また、オリンピックにおいてもメダルのはく奪と記録消滅さらには不名誉だけが残ります。

 それでは何のための処理であり、ドーピングだったのかという事になります。但し、完全否定をする訳ではありません。美しいジュエリーの素材としての価値もあれば、より遠くに、より早く、より高くといったオリンピックのうたい文句ではありますが、そのスリリングさを見る事は楽しい物です。

 ただオリンピックの場合この後により美しく人間らしくという文言が付け加えられている事も事実です。これは何を意味するのかというとドーピングにより色々な傷害が後日現れています。全く男性のようになってしまった女性や筋肉だけが衰えずに体力が年老いていったみじめな選手もいました。これらの懸念をもとに付け加えられた文言だと聞いています。

 今後は宝石にしてもドーピングにしても法律ではなく基準となっていますのでこれからも拡大解釈は考えられます。本来の価値を損なっていくことになるなら全くカテゴリーを分けることも必要でしょう。

 もう一度、本来の価値という事を考えても良いのではと思います。協会も現状の救済策といった小手先ではなく本来の価値という事を考えなければ協会そのものの存在価値もなくなるのではと懸念しています。
http://diamond-exchange.jp
http://ameblo.jp/diamonrow

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