ページビューの合計

2015年9月30日水曜日

600カラット⁉

 1996年、夏のテルアビブの日差しは強く、取引所のいくつかあるビルディングの窓は紫外線防止のためのフィルムは張られているが、やはり湯型の日差しは強く目に差し込んできます。

 いつものようにダイヤモンドの仕分け作業を行っていると事務所のパートナーがニコニコしながらオフィスの中に入ってきた。彼は南アフリカ出身のユダヤ人で南アフリカ時代は国内最大の研磨工場のファミリーの長男として生まれ、家業でもあるダイヤモンドビジネスを引き継いでいました。

 彼の家族は1970年代初頭、両親と姉は米国ロサンジェルスへ、そして彼は奥さんとともにイスラエルへと移住をしてきました。私自身は米国時代に彼の父親と知り合い、息子の事務所への参加を提案され、彼自身を知りました。

 彼は毎月南アフリカのヨハネスブルグやモスクワの原石のオークションに参加し、なるべく大きめの原石を目指して落札をする事を目的にオークションへの参加をしておりました。彼が参加をしているオークションはいわゆるシンジケートのものではなく、それ以外の鉱山のものとか、ソ連の公営会社の物ですが、時折驚くようなものも出品されてきます。ついその一年前にも150カラットを超えるブラウニッシュな原石を手に入れ大きな利益を上げておりました。

 私自身もこのような環境から原石の取り扱うようになったのですが、原石の存在には時々驚かされることも多々ありました。

 彼自身がこの日ニコニコとしながら入ってきたのは先日のヨハネスブルグのオークションで600カラットの原石を手に入れたということで、それが到着をしたということで手に小箱を持ち入ってきたところだったのです。

 私自身も驚いて
『600cts⁉』
と思わず叫んでしまいました。
600カラットというと歴代の原石の中でも突出をした大きさですから驚いても何ら不思議な事でもありませんが、本当にそんなものを手に入れたのかと何度も彼に聞き返したものです。

 彼の開けた小箱の中にはまぎれもなく手に余るような大きさの原石がのっていたのです。
『それはどうしたの?』
と尋ねると
『オークションで父親と旧知の間柄の友人に出会い、オークションに出すつもりの原石だけど、もし価格が合えば直接の取引きでも良いといわれたんだよ』
とニコニコしながら
『何の躊躇なくマザールだよ』
と話が付いたという事でした。

 その後のストーリーに関してはまだ公開が出来ないので、後日機会があればまた書きたいと思いますが、色々差しさわりがあるのでここまでにしましょう。

 丁度ブログも600回という事で数字にまつわることを思い出していたら、この件が思い出され書きましたが、最後まで書けないのが残念ですが、いずれ公開の機会があると良いなと信じてこの回を締めくくらせてもらいます。http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月29日火曜日

不変の価値⁉

 土地柄もあり通勤姿の外国人をよく見かけますが、今朝の電車の中で私のすぐ横にいた白人女性が広げている新聞を見るとなんと日経新聞でした。昨今では日本人のサラリーマンですらその姿を見る事は少なくなってきたので少しびっくりしました。

 失礼とは思いながら彼女の視線の先を見ると、ガンについての記事でありました。最近もタレントの北斗さんや女優の川島なおみさんのガンでの死亡などの話題が世間を驚かせ、ガンが身近な病気であることは解っていますが、欧米人に比べ日本人は予防検診等を受ける人は少ないと聞きます。

 川島さんといえばワインで有名でしたが、ワインには抗がん性を持つレスヴェラトロールが豊富に含まれているということでも有名ですが、ワインを愛し、ワインエキスパートの資格を持つ彼女がガンで亡くなることは皮肉にも感じます。

 私自身の父もやはりガンで亡くなっていますので、意識をしないわけではありませんが、自治体からくる定期検診の案内に関しても強い意識をもって臨もうという気持ちは希薄ではあります。私の友人にも余命宣告1年を受け6年経った今も健在でいる方もおります、彼は抗がん剤治療に臨み、大変ではありますが、日々戦っている姿は尊敬します。

 不治の病といわれたガンも今では早期発見や予防で何とか治療が出来る病ともなりました。数年前にイギリスのとある研究所でダイヤモンドを応用してガン治療の研究をしているという事を思い出しました。確かダイヤモンドの原子構造の整列性を利用しガンの原子構造から治療をしていくというものだったと思います。

 最近ではイスラエルの医療チームがガン細胞を使い、ガンを治していくという治療法を開発中だと聞いておりますが、なんともユダヤ人的発想だなと相変わらずの彼等の発想方法には関心をさせられます。

 彼等の発想はアインシュタインをはじめ、インテル、グーグル等はじめ現代のあらゆる場面で現代に影響を与えています。彼らの考えを聞いた時にはいつも『それは逆だろう?』と思うような疑問符から始まりますが、結果的にはそれ等の発想が社会の役に立っていきます。

 日本人は常に順法を重んじますが、『逆もまた真なりと‼』いう言葉があるように時間、季節は巡っり、同じように繰り返される中に日本の文化は有りますが、実は同じことの繰り返しは二度起きていないことを感じるべきなんでしょう。

 前回も書きましたが変化は唯一不変の原理なわけで、変わることが当たり前と考えれば解決することも多くあると思うし、それゆえ変わらない事に価値があるという理屈です。そのように考えると不変のダイヤモンドこそが自然の中の頂点に立っているという事になるのでしょうか。

 大げさに書きましたが、伝統を含め、絶対に変わらないという事は無理であっても変わらない価値に対してもっと目を向けても良いのだろうと感じます。

 冒頭にも書きましたが、今の光景は十数年前にはなかった光景ですが、この光景が数十年後にあるかというとやはりなくなっていくのでしょう。変わらないことが唯一無二の価値であることを理解しているユダヤ人だからこそ、創り上げることの出来る物語がダイヤモンドストーリーなのでしょう。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月27日日曜日

ダイヤモンドは長し、人生は短し⁉

 一昨日、お店に入ってこられたお客様が
『以前からこの前をとおていたのだけれど、なかなか敷居が高くて入りずらかったんですよ。』
と云われ、思い切ってお入りになったという事でした。

 要点は、とあるブランドのダイヤモンドリングが欲しいと思っているけれど、中々高くて手に入らないという事で当店の価格を他店と何度か照らし合わせてみて、安いと感じられたという事でした。

 お話をしながらダイヤモンドの裸石を決め、デザインを話している折に
『テレビでよくやっているリサイクルダイヤモンドというもので造るともっとお安くなるんですか?』
というお言葉が出てちょっとびっくりしました。

 最近TV等でもリサイクルダイヤモンドという言葉をよく聞きますが、いわゆるここ十年の間の地金の買取りブームに合わせてダイヤモンドの買取が横行し、そのダイヤモンドを海外のバイヤーが買いに来ており、『日本はダイヤモンドの都市鉱山だ‼』と評されている其れの話です。

 日本国内でも業者間でもリサイクルダイヤモンドという言葉をよく耳にしますが、私自身は少しこの言葉に抵抗を感じます。以前にも書いたことがあるのですが、ダイヤモンドは地球上においても地球誕生前の60億年前のダイヤモンドが発見をされているくらいです。

 勿論60億年前のダイヤモンドは隕石なりで地球にやってきたものでしょうけれど、私自身はダイヤモンドの生成状態を考えても宇宙創成間もないころから存在するのだろうと考えています。この考えがあっているかどうかは別にしても、明らかに人類の歴史、ましてや一人の人生とも比べようのない時間ダイヤモンドは存在をしています。

 リサイクルとは一般に物の使い回しを言う訳ですが。その際に劣化をし、用途として未満の材料となっていくわけですが、ダイヤモンドは人類が発見をする前から存在し、人類が滅びても存在をしていくものです。いわゆるダイヤモンドにとっては人類そのものをリサイクルしている訳です。

 言い方としては大げさではありますが立場を変えればそうなります。不変を前提にした物がどれ位あるかといえば普段人が目にするものにおいてはほとんど皆無といって良いでしょう。逆に言えば『変化するという事自体が不変の要素』なわけです。

 ダイヤモンドを資産として紹介をしている意味はそんなところにもあります。勿論金というものも同じような要素がありますが、扱う人間がどのような運用をするかによっては過去、将来を通してこんなに安定をしている物は例がないでしょう。

 株価も下がりはじめ、アベノミクスの正体もばれ、日本の国債の信用度も下がってきています。
これからは投資コンサルタントの人々には申し訳ないけれど株価の安定は難しくなった来るでしょう。何故なら、物価が下がりはじめ、またデフレ時期に入る時に隆盛を誇ることになる新規参入の安売り店が異常な速さで店舗拡大をさせています。

 昔から不況に強い金といわれますが、ダイヤモンドはもっと強いのです。ただそれを手に入れることが至難の業といっても良いでしょう。いずれにしても人の人生は短いものです。将来の孫子の為にも時代の変化に惑わされないダイヤモンドを一考してもらいたいものです。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月25日金曜日

正当価格⁉

 シルバー期間中にご来店頂いたお客様が陳列をしているファンシーカラーダイヤモンドをご覧になり
『好きな色はこの黄色だけどこの価格の違いが判らないわね。』
とポツリ。

 ファンシカラーダイヤモンドの価格というものは普通の宝石店さんでも理解をしてもらいにくいものです。何故なら何を基準に価格が決まっているのかがほとんどの販売をしている方達には解りにくいものです。多くの場合は一番量の集まっている取引所等で経験値で取引をされ、それが市場にまで影響をしてくるからです。

 つまり、プロのディラー達の取り引きをする金額がそのまま流通の利益を乗せてその時の決められた価格によっては最終価格にはそれなりの差が付く訳です。私自身が長年携わってきた分野でもありますから一定の値ごろ感はあります。しかし、絶対量のあるものではありませんから絵画のごとく環境を考えて値決めをしていきます。

 価格を比べるものがない物の強みでもあり弱みでもあります。それゆえブランド等の取ってはこの上ない材料でもあります。勿論、量のあるものではありませんから高額なものとなる訳ですが,ティファニーやグラフなどもこぞってイエローダイヤモンドを取り扱っています。

 展示会などに出ていますとお客様からよく
『ここの価格は少し高くないですか?』
などという声をよく聞きますが。まさか
『値引きが前提となってる価格が付いていますからね』
とも言えませんから
『業者さんなりの価格が付いていますからね。ご予算があるのならその範囲を選び、欲しいものがあるのであれば価格を比べて見る事ですね。』
とよくお答えをします。

 つまり、多くの人はお金がなければ、その範囲で物を選び、欲しいものがあるのであれば頑張ってお金を払う事を考えるでしょう。その時に欲しいものがあるけれど予算をオーバーしているときに価格交渉をするなり、予算を上げることが良いのですが、宝石の場合多くの業者さんたちが勘違いをしていてお客様は価格が解らないから値引率で物を買うというふうに思っています。

 普通に考えると値引きが最初から前提になっているよりは最初からそれなりの値段を付けておいた方が興味を持つと考えますが・・。中には5割、6割引という業者さんもいますが宝石に関していうと世界的にそんな例は殆どありません。つまり、ついている値段が適正かどうかも含めて価格を理解している業者であれば、そんなリスクが高い事はしません。

 勿論、志向品でありますし、希少性が高い物でもありますから、その説明をしその上で価格を理解して頂けるお客様に購入をして頂くのが一番良い訳です。その業者を信用するのかどうかは消費者の文化度でもあり、その責任は消費者自身が負わなければいけないことです。

 それゆえ値引きに頼る販売をする業者を信用するかどうかも消費者次第ですが、ほとんどの確率で値引きを前提とした販売のリスクは消費者が負う事になります。私自身も品物を決める時には自分の価格と品物に対する」イメージを持ちながら購入品を決めますが、納得をしてかうので公開をする事は殆どありません。

 値引きをしてくれたから購入をするという動機は極めてリスクの高い購入方法だと考えます。業者は購入をしてもらう為に値引きをしますが利益を損ねる訳でもありません。それゆえそれなりの価格を設定します。

 しかし、値引がすべて悪い訳ではありません。本当に気に入ってくれたものを販売者が自らの利益を削ってもお渡ししたいという事もある訳ですが、それは最初から値引きが前提という事ではなく、販売側が出来る範囲でという事と消費者側の物に対する興味の度合いという事だと思います。

 ファンシーカラー・ダイヤモンドに関しては需要と供給のバランス。つまり、双方の兼ね合いだと思います。つまり、オークション等の値決めと同じという事になるでしょう。ダイヤモンドに関わらず、志向性の高いものは絵画にしてもその他芸術品含めて売り手と買い手の都合により決まる訳です。

 勿論、通常の買いものにおいては適正と思われる価格を販売側が示し、購入側が其れが妥当ではないと考えれば購入をしないという事だと思います。それゆえ、最近ではオープン価格なるものが家電販売では主流になってきています。但しこれらは比べるものが豊富にありますので消費者その中から選べばよいのですが、宝石に関しても同じことがいえ、比べることの出来ない物の時は自らの予算合わせることが賢明なのでしょう。

2015年9月24日木曜日

ダイヤモンドと投資⁉

 先日なんとなくネットサーフィンをしていたらある大手金融機関の投資チーフアドバイザーなる方の投資に関する私見がのせられていました。

 内容的には現在の投資環境という事でしたが、その中で金などの投資は良いがダイヤモンドの様なものは数社の鉱山会社が価格コントロールをしているので決して投資向きではないという内容でした。この方がどこまでダイヤモンドを熟知、もしくはしているつもりなのかはわかりませんが、内容を読む限りは投資そのものの意味も理解をしていないのではと疑いたくなるようなものでした。

 つまり、意図的なコントロールをするものであるので暴落も有り得るというものでした。意図的にコントロールをしているのであれば落とすわけがないし、何時の時代の話かと思いたくなる意見であり、コントロールをしているという企業は日本の財閥系の商社をはるかに超える規模の会社ばかりであり、中には国営企業もある訳で、実際にこれ等の鉱山会社はお奨めの金や地金を相当量をまかなっている訳で言っている事自体が本当に理解をしているのかと疑いたくなる内容です。

 そして彼の本業という事でいうなら投資そのものとギャンブルを勘違いしているようで、その場その場での経済状況で一喜一憂し、絶対とは言えない様な銘柄をハイリターンという名の利益を追求する物を投資と思っているフシがあります。現在の金融というものはお金がお金を生むといったシステムの実体のない物がほとんどです。

 本来であれば有名なウォーレン・バフェット氏や日本でいえば武田和平さんの様な将来を長い目で見て企業に投資をするというものが本来の姿ですが、現状は数時間数日間で売り買いをし、当該企業に何らかのメリットがあるのかと思いたくなるようなものです。

 例えば、来年には母豚が5匹の子豚を生むけれど、餌代がないので100万円ほどお金を出してもらえないだろうか?その代わりに子豚が生まれたら2匹を差し上げます。そして2匹の子豚は120万円では売れるはずです。但し、母豚が病死をしたりすると、そのお金は返せません。そのような条件ではありますがお金を投資してもらえないでしょうか?というものが本来の投資です。つまり、そこに実態があります。

 現在の投資は必ずしも実態が無く、証券であったり、保険であったりと起きる可能性もないかもしれない事であったり、帰らないかもしれないリーマンショックの様なクレジットの保証の証券であったり、ハイリターンではあるけれどハイリスクのある意味一部の企業の思惑で動くことが多く、そして一番のリスクは物が存在しないという事です。

 それに反して、ダイヤモンドは過去の歴史から見ればここ30年値下がりをしていない(原石ベースで)という事もありますが必ずしも投資をうたっている訳ではなく現物としての財産保全を前提にしています。結果的には値上がりをしているという事で投資にもなっている訳です。

 もう一つは各鉱山企業がコントロールしているのは原石ベースであり、あとは市場が動かしています。特に大きなダイヤモンドはサザビー、クリスティーなどの世界的オークション会社がその金額の目安として落札をさせています。

 これらはあくまでもジュエリーを主体にした嗜好性の高い物ではなくあくまでも宝石としてのダイヤモンドであることは付け加えておきます。

 つまり本来の投資という事とは違いますが、財産保全という意味での金融価値が現状の国債や有価証券などとは違いはるかな安全性があるという事になります。なによりどこかの国や企業が保証するわけではなく、歴史と地球が保証をするという絶対性があるという事です。

 勿論あらゆる条件があります。どんどん採取が難しくなる原油等と比べても採掘は少なくなりますが掘られたそのものがなくなる訳ではありません。ましてやこれから採掘をしようとするものはコストがどんどんかかっていくようになると、保証はできませんが他の金融証券よりは高い確率で保証が出来ます。

 ただ、金融市場においてもダイヤモンドが話題に上るようになってきたんだということを感じます。
http://ameblo.jp/diamonrow  

2015年9月21日月曜日

変わらない事⁉【ダイヤモンド】

 変わらないことの難しさは多くの人も実感していると思います。なぜなら変化するという事実こそ変わらないのですから。解りにくい言い回しになりましたが、どんどん変化をする世の中で多くの人はその変化についていこうとします。

 しかし、世の中の変化が激しくなっていくととてもじゃないが付いていくことに疲れ、諦めていくという選択をします。変化をするという事は皮肉ですが不変です。常に変化をし、進化、改革が自然界でも行われてきました。

 自身が生まれた頃には、TVもなく電話に至っては柱に取り付いていて横についていたハンドルを回し、交換手を呼び出してから通話をするというものでした。しかし、現在はというとご存知の様な事です。現代ではTVと電話が一体化し、携帯できるのです。もっと言うならそれに音響ラジオが付き、更に手紙までついている訳です。先日、終戦70周年という事で沸き立っておりましたが、それらの進化もわずかに60年間の出来事です。

 私自身の仕事はダイヤモンドビジネスです。仕組基準が変わったといっても扱っているものが変わったわけではありません。40年も経つのにです。しかも、ダイヤモンドの生成から考えるとその期間は感覚的に日本全国の距離を1mmほど動いた距離にもなりません。

 現代はIT産業をはじめ進化変化が前提になっている物がビジネスとして考えられています。しかし、これらの価値は変わらないことの価値に比べると、細菌にもなり得ない細胞程度の寿命もありません。今後は人工頭脳などの進化も進み、それに合わせたビジネスが生まれてくるのでしょう。

 生まれては消えゆく、変化というものは不変な仕組みです。故に変化をしないビジネスが究極のビジネスの様な気がします。ITと言いうものは本来アナログの効率化という事ですが、それ自体がビジネスの主体になることはあり得ない様な気がします。

 どんなITが進んでもそこにのせられる情報や物というアナログが無ければ、無用の長物です。物流が無ければ本来お金というものはいりません。しかし、お金自身がお金を生むような仕組みになってきている社会の仕組みですが、それは妄想です。実際にはその根拠となる物が無ければ意味がありません。

 日本を含め、世界の多くの老舗というものは守るものは変化をしない前提があっての、進化を行ってきました。そこに価値があり、それ故に長い間ビジネスとして成り立ってきています。

 へそ曲がりかもしれませんが、以前は『木を見て森を見ない』という言葉にもあるように、小さなことに拘っていると全体が見えなくなってくるという比喩がありましたが、あえて言うと木をよく見ないと森が成り立っている土壌を見失い、森がなくなることも気が付かなくなるかもしれないと言いたいのです。

 つまり、森というものは木が健康に成長を続け、そこに息づく生物がいて成り立っています。森に見えていたものがいつの日か枯れ木の残骸になっていないように願うのです。ダイヤモンドは変わらなかったし、これからも変わらないでしょう。そこに価値があるのです。そして、それは人類の歩むべき道を示唆しているような気がします。http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月18日金曜日

ダイヤモンドの価格システム⁉

 ダイヤモンドの価格の一般的指標の中ではプライスは110にカテゴライズされています。カラーでいえばDカラーからMカラーまで、クラリティーでいえばIF(インターナリーフローレス)からI-3までの組み合わせにより分かれています。勿論この中に分けることの出来ないものもたくさんあります。しかし、グレードの問題に関しては何時も書いているようにダイヤモンドの一部の表現でしかありません。故に、4Cグレードだけで価格を比較したりすることもできません。

 前述した110の価格の指標はありますが、さらにカットやプロポーションの問題もありますのでその組み合わせは山のようにあります。シンジケートの統計では価格を決めるポイントとして14,000ポイントあるという事ですから、とても110の中に収めることは不可能です。

 以前のように、大きさや品質的に同じようなところな販売しかしていない市場であれば、その中で収まりますが現状の様なダイヤモンドの多様化が始まるととてもではありませんが無理な話です。

 それこそ歴史の名を残しているようなダイヤモンドでグレード評価されている物は殆どないでしょう。強いて言えば重さでしょう。しかし、現在であっても110の中に収めることは不可能で、同じ内容のグレードであっても最低10%から30%の価格差があります。さらに鑑定会社間のグレードの誤差まで考えるととても難しい事です。

 多くのダイヤモンドビジネスに携わっている人々はグレード結果においてビジネスを行いますので価格の違いを知る人はあまりいません。現実にはグレードの付いていないダイヤモンドを見せられて価格が解る人はほんのひと握りの人間でしょう。その延長線上に販売がありますから、同一グレードにおいての価格差があっても致し方がないといっても良いでしょう。特に今流行の買取屋さんにいたっては価格がほとんどわかりませんから損をしないようにできるだけ安く買取をしようと思いますので、消費者がびっくりするような安価になる訳です。

 特に大量にあるサイズやグレードのところであれば、ある程度の価格比較はできますが、大粒や希少石に至っては比較をする価格がありませんから、今後はそのへんの指標となるものも必要となってくるのでしょう。今後のダイヤモンド業界の為にも必要な事だと思います。

 本来であれば100万円での買取が妥当であっても実際には50万円とか30万円になるのですから小売価格から考えると5分の一になったとか10分の一になったとかの声をよく聞きます。其れには幾らの価格で購入したのかという問題もあります。小さなサイズのものであれば、商品そのものよりデザインや加工代、サービス等の価格が反映されますので材料代引き取ることが原則ですからある程度価格が下がってもやむを得ないでしょう。

 しかし、大きなサイズのものはデザインや加工代、サービス等は小さなサイズのものと何ら変わる訳ではないので、率からいうと材料代の方が高いので本来であれば購入価格との差はあまりない筈です。何故なら、本来買取価格というものは材料代と手数料を上乗せした程度で引き取るべきですので大きなサイズほど購入価格との価格差はない筈です。もしあるとしたら購入先の選択が間違っていたのでしょう。

 当然、百貨店やブランドというものはそれ以外の付加価値を売り物にしていますから、材料費と小売価格との価格差が大きくなることはやむを得ません。但し、ダイヤモンドというものはどこで購入してもダイヤモンドですから、よく市場を見て回り選ぶことが良いのだと思います。
 

2015年9月17日木曜日

コロンビア・デビスカップ⁉

 明日からテニスのデビスカップがコロンビアで始まります。私自身にとっては両方ともに切っても切れない間柄です。学生時代の殆どをテニス生活に費やし、社会人になっても、米国時代もいつもテニスが自分の周りにありました。

 学生時代の全国大会や米国時代のロサンゼルスオープン大会などは特に印象に強く残っています。辛かったことも喜んだことも悩んだことも今となっては良い思い出です。一度下火になったテニスブームも錦織圭プロの活躍もあり、現在はテニスブームが再来という感じであります。しかし、我々の頃とはプレースタイルもラケットのレベルもすべてが進化し、誰もが気軽に楽しめるものになりました。変わったものです。

 変わったといえばコロンビアです。私がコロンビアに行った頃は世界で一番危険な国として、渡る時に大学時代の同級生で保険会社の社員であった友人から『コロンビアは保険の対象除外国だから気を付けるように』といわれたほどでした。実際にその頃は米国人が入国をして被害にあう確率が50%を超えているという話でした。

 それまでにも何度か海外では、危険な目にも合っていたこともあり、高をくくっていたのですが、行ってみた現実は想像を超えるものでした。買い付け事務所の入り口はまるで牢獄かと思うような鉄格子に、銃を構えたガードマン。そして、中に入るなり挨拶が終わると銃を持つかどうか質問をされ、自分の身は自分で守ってくれということでした。

 現実に毎日のように街中には銃声がとどろき、一番驚いたのは事務所近くの国立図書館に人質100人を超える籠城事件があり、あとで聞くところによるとマフィアがらみのゲリラという事でしたが、身代金を要求する彼らにとった政府の対応はいきなり戦車で国立図書館に砲撃を開始というものでした。中にまだ人質がいるのにです。

 理由は、いちいち交渉をし要求を聞いていたらまた同じことが起きる。そのような要求に絶対に
応じることはしないという見せしめでもあるという事でした。勿論その頃の状況や世界の環境もありました。米国のマリファナの殆どがコロンビア製でしたし、コロンビア国内の主力企業は殆ど航空会社も含めてマフィアの傘下にありました。とにかく例を上げたらきりがないほどの危険なところでした。

 そのコロンビアで平和を象徴する様なデビスカップ大会が行われるという事は国内の情勢が変わったことを伺う事が出来るし、世界が以前の様ではないことや、不安定の中で暗躍もしていた米国の関与を含めすべてといっても良いくらいにあからさまになっていく世界を感じる思いです。

 いずれにしても明日からのデビスカップ大会、日本の選手には活躍をしてもらいたいという思いです。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月15日火曜日

目に見えない事⁉

 ダイヤモンドもそうですが、あらゆる出来事というものは必ずしも真実が見えている訳ではありません。意図する人間の意図する方向へと導く為にわざわざ真実ではない事実を目の前で展開する事がままあります。

 ダイヤモンドを例に出して言うと、4Cグレードというものはダイヤモンドを販売するために意図的に解りやすくしたように見せて、実はその裏にあるものは資本家たちの永遠の利益を保証するために出来上がったダイヤモンドのシンジケートの意図があります。しかし、目に見えるものは美しく、永遠を象徴するシンボルであり、皆の憧れる宝石です。それをもっと皆に解りやすく説明しようとするものです。勿論これはダイヤモンドに限ったことではありません。

 以前も書きましたが、ルビー、サファイア等の色石に関しても、市場では『現状非処理石は10%くらいしかありません』と販売員がよく口にしているのを聞きます。確かにそうかもしれません。しかし、現状は処理石が業界の都合であまりにも増え過ぎたので、割合からすると10%かもしれませんが、非処理石が消滅したかのような言い方は決して真実ではありません。例え10%というのが事実であったとしても・・・。

 ここで話は180度変わりますが、現在安保法制の問題が国会で騒がれ、沢山の人が反対のデモの為に国会前に集まっている状況があります。仮に安保法制に賛成の人であっても何故か腑に落ちない国会の運び方がります。何故でしょうか?

 目に見えている事自体にさえ矛盾があり、それに反対をしている人たちの論点もちょっと違うような気がします。目に見えていないこととして、米軍の予算の問題です。勿論、軍需予算は中国などが及びもしない世界一の国です。しかし、軍需予算の伸びには限界があります。昔は軍需に大量のお金が流れましたが、現在の金融経済はそれを許してくれません。

 しかし、米軍の殆どは職業軍人です。その人々を雇い続けなければいけない一方、国対国の戦争は終わり、何処にいるかわからない人間たちとの戦いになると、より点としての駐留が必要になります。そこで必要なのが日本の協力です。つまり、日本国民というよりもアメリカの国費の問題が根底にあります。そこには武器ビジネスの維持もあります。つまり、人手不足とともに新たな武器需要としての市場も必要になります。

 以前は武器を売りたければ、無難な南米に行きCIAなるものが内戦、反乱を引き起こして市場を創り出していたことは有名です。しかし、現代はそうはいきません。その上テロリストたちの暗躍はかっこうの理由付けになります。実際に理由にしている近隣諸国との問題ですが本当に戦争になる状況が出てくると考えるでしょうか?

 このような話が今のアメリカで問題になっています、ある米軍基地はドローン専用の基地ですが、ドローンのパイロットたちはサラリーマンよろしく、9時に出社をし、5時には退社という普通の生活をしています。勤務をしている時間はゲームよろしく何千キロと離れた場所での爆撃やテロリストか住民かわからない人に銃撃を加えています。そして時間が来ると家族が待っている家庭へと家路を急ぐわけです。

 これが今の戦争です。しかし、現実にはこれらのパイロットの多くが精神的健康に異常をきたしているそうです。何故ならくつろいでいるリビングで見ているTVには自分に攻撃をされ、泣き、喚き逃げ惑う女、子供のシーンが大きく映し出されるからです。自分が新聞を広げてくつろいでいるところでです。普通の神経では耐えられないでしょう。

 ここでは見えない真実が目に見えるようになってきた現代がある訳です。果たして政府が隠し、本来意図するところはどこなのか。多くの自民党の議員だって本当に今の理屈があっているとは思っていないでしょう。そんなバカばかりであったとしたら国民はそちらの悲劇も背負わなければいけません。

 災害においての自衛隊員の働きや存在に関しては海外からさえ賞賛の声が上がってきています。しかし、現代の戦いはレスキューではありません。体力や奉仕精神だけでは行えません。
もう一度日本はどこへ向かうべきなのかを考え直した方が良いような気がします。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月14日月曜日

ダイヤモンドの自然現象⁉

 ダイヤモンドの自然現象として、蛍光性というものがありますが、蛍光とは簡単に言うと原子核の周りをまわっている電子が紫外線などのある一定の周波数内の照射を受ける事により外へ飛ばされ、その際に発する余分なエネルギーがはこうという現象を起こしたものとなります。

 ダイヤモンドの世界でも蛍光性は色々な意味で自然をを表現している物で、ダイヤモンドの真贋を含め色々な部分で特殊なダイヤモンドの魅力を教えてくれます。

 以前は蛍光性のあるダイヤモンドを好んで扱っていたブランドもありますが、現代では価格を安くするための材料としています。しかし、これはキャリアの少ないダイヤモンドバイヤーが多くなってきた現象だと考えています。

 この考え方も実は日本発のもので、以前は存在のしない考え方でした。バブル時代の頃だったと思いますが、価格が高騰し、それぞれのバイヤーが苦労をしていた時に考え出された買い付け方法でした。つまり、かなり強い蛍光性のものに関しては太陽光線を浴びると青みを帯びた色が現れ、結果シャープさよりも色が目立ち輝きが落ちるように感じます。それ以前はこの変化により『ブルーダイヤ』などと表現をし、多くの商売をしていました。むしろ、自然の変化を利用した長所だったわけです。

 価格が高騰し苦労をしていたバイヤーたちはここに目をつけ、ストロング・ブルーの蛍光は輝きが落ち、使いにくいと交渉材料としたわけです。こんなところから蛍光性があるイコール価格の交渉材料であり、安めの価格になることが多くなりました。

 しかし、実際にはどうだろうかというとよほどの強い蛍光性ではない限り、キャリアの浅いバイヤーたちには解りません。本来ダイヤモンドというものは裸眼で見た美しさの価値でもある訳ですから。その蛍光性が魅力になる場合も多々あります。傾向は青以外にも多様な色があり、オレンジやイエローそしてグリーンやピンク系のものとブルーに比べると数量は少ないのですが、それは其れは魅力的です。

 一番肝心な事は蛍光性があるかどうかではなく、その存在が重要で100ctsのダイヤモンドがその蛍光性で価格交渉の対象になるかというとそれは皆無です。あり得ません。つまり、大量に存在をするサイズや、よほどの強い蛍光性がありダイヤモンドの魅力に弊害があるほどであれば別ですが、そんなものであれば価格を交渉してまで購入をしなければよいだけで、一概に蛍光性が価値を下げるという考え方はダイヤモンドをよく見ないでグレードのみで買い付けをする経験の浅いバイヤーに起因をするのでしょう。勿論その考え方で商売をしている人も少なくはありません。

 蛍光性はダイヤモンドの真贋や処理、非処理を教えてくれ、さらにダイヤモンドのタイプも教えてくれるダイヤモンドになくてはならない物でもあり、自然からのメッセンジャーでもあります。

 最近の自然現象は災害が多く目につきますが、我々は色々な意味で自然の恩恵を受けている訳で、ダイヤモンドもその中の一つであり、人間に対する何かのメッセージが必ず存在します。最近の自然現象である災害は何のメッセージなのだろうと考えてしまいます。

 ダイヤモンドが教えてくれる自然現象は美、欲求、科学、経済そして癒しと沢山ありますがそれに応え、向き合う事が人間に要求をされることなのだろうと思っています。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月11日金曜日

ダイヤモンドの行方⁉

 先日の展示会においてあまりにも目に余る値引きを行っている業者に対して朝礼後、主催の責任者が最後通告を行っていましたが、その日の午後再度同じような売り方をしていることが発覚し、さすがに見逃すことが出来なかったようです。

 別ににその業者に限ったことではないのですが、その場に結果を出すためにその場しのぎを行う例はたくさんあります。実際にはその展示会においても、変える事によりもっとより良い結果が出ることが分かっていても変えることの出来ない、人の心というものがあります。

 しかし、何事においても変われない時の結末はそれぞれが解っていることであり、変えることが出来る人間が結果的には日の目を見る事になることは歴史が物語っています。ただ、それが出来る人間と出来ない人間がいますので、責任者は己がその事を出来る人間なのかどうか位の理解が出来なければいずれ組織も滅びてしまいます。

 最近マイナンバー制度の話題も多くなってきていることもあり、多くの消費者の方から質問があります。
『マイナンバー制度に備えて現物としてダイヤモンドに変えていこうと思っていますが、言い座売る時にはどうしたら良いのでしょうか?』
というものです。

 いろいろの話題からダイヤモンドの威力というものは海外等からにニュース等で耳にしてはいますが。昨今の買取りブームの中、多くの不埒な買取業者が蔓延ったために、ダイヤモンドが買った時より以上に安い金額になるといった悪評や、色石などは買うときに『現状では処理をしていない宝石は殆どないんですよ』と聞かされ、売る時になると『処理をしているので価格を付けることはできませんね』といった無責任な業者も多く、最初から価値のない宝石であることを言って売るのなら別ですが、みんな処理をしていますからそれが普通のような言い方をしながら、実はそうではないという事です。

 このような現状は何時か変えなければいけないと思っていても大半がこのような売り方をしているとなかなか変えることは容易ではありません。ダイヤモンドに関してはさすがに世界の流れがありますから、全てといえませんが、変わりつつあるようです。

 4Cというグレードビジネスが先行をしてしまった手目に多くの販売員理解をせずに戦場へと送られたために、絶対の自信のもって間違いを推し進めてしまったところがあります。初期の太平洋戦争みたいなものです。

 しかし、現実には4Cだけで価格を決めるなどとは世界中どこにも存在はしません。しかし現実に日本は存在し蔓延っています。それゆえ蔓延ってしまった販売方法を変えることはなかなか難しいのですが、一部の消費者の間では裁判での担保物件としてのダイヤモンドで大きな利益を上げたり、おばあさんから受け取った大粒の物をオークションに出して見たら予想以上の価格が付いたとか、前述しましたが海外で大粒ダイヤモンドが高額で落札をされたとかの話題により、目を向けている人々が増えてきたのも事実です。

 実際には大きなサイズのものが多いのですが、米国なのどのオークションではすでに0.5ctくらいのサイズまでの良質なものであれば対象としています。勿論、大粒のものの方が有利であることは事実です。

 それぞれの現実の中、それでは日本では売る時にどうすればよいかという事ですが、一つには現状であれば海外での監禁ということがありますが、近い将来というより近日中には日本でも換金が容易にできる方法が出来るでしょう。シンガポールでは実際に今月からスタートをしております。

 そうすれば、価格に関しても不当な買取金額や販売価格にならない様なガイドラインが出来ますので、安心して高額なものを持つことが出来るでしょう。そんなに遠くはないと思います。

 変わらないといけないのですから・・。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月9日水曜日

ダイヤモンドの啓蒙!?

 昨日、取引先の30代のスタッフが
『ちょっとお聞きしたいんですが、なぜ以前はダイヤモンドが沢山売れたと聞くんですが、今は売れないんでしょうか?』
と素朴に聞いてきました。

 確かにバブル以降に社会に出た層からすると諸先輩から聞くダイヤモンドの過去の話と、現状感じているダイヤモンドの市場との落差は不思議でならないでしょう。

 過去は歴史的背景もあり、ダイヤモンドの文化が遅れていた日本ではまず最初にダイヤモンドへの憧れがあり、次にシンジケートのキャンペーンにより『結婚が決まったら、婚約指輪、そして相場は給料3ヶ月分!?』といったことが背景にあり,小さな頃から頭の中に刷り込まれたいたということが一番大きいいでしょう。

 高度成長、バブル時代と社会の経済が成長すると共に皆の生活も豊かになり、刷り込まれていたダイヤモンドの必然性に誰もが疑いなく、必需品として頭にあったことがダイヤモンドビジネスと言うよりブライダルビジネス、ジュエリービジネスには大きかったのでしょう。それと同時に成功の証としてもしくはひとつの金字塔のシンボルとして大粒のダイヤモンドを求める人々が多くなってきたことはダイヤモンドビジネスには大きかったのです。

 つまり、啓蒙活動が本来に必需品ではないダイヤモンドの市場を作り上げたわけです。そして、その創り上げられた価値を食いちぎるように4Cを利用した安売り合戦が行われ、憧れの価値がある間は少しでも安く求めたいという需要がジュエリービジネスを支えていたのですが、そのキャンペーンが終わり、誰もそれに目を向けなくなってくると色あせて十数年たったその記憶も無いバブル以降の世代にとっては何故ダイヤモンドに価値があるのかわからないし、見出せなくなるのでしょう。

 一方、そのようなヴァーチャルバリューとは別に実質的価値の市場がダイヤモンドビジネスにはあります。現状では何時も書いていますが、資産としての市場に関しては現物が足りないくらいに大粒のダイヤモンドが不足をしています。勿論、一部のお金持ちの世界だといってしまえばそれまでですが、ダイヤモンドのビジネス自体がそんなに大きなマーケットというものではなく、ある意味婚約指輪にしてもファッションジュエリーにしてもその特別な価値の仮想体験みたいなところがあります。

 ただ、現実のサイズや業界そのものを考えるとダイヤモンドの存在は大きく、ダイヤモンドの存在が小さくなるととそれ以外の色石のマーケットもやがてしぼんでいくでしょう。それくらいダイヤモンドの存在は大きいのです。ダイヤモンドがあったから他の色石も売れたといってよいでしょう。その線上でファッションリングも売れたわけです。

 つまり、現在の宝石市場の不況は協会にしても展示会の主催者にしても本来の宝石価値の意味をないがしろにしていることが大きいのでしょう。過去耕していた畑から収穫し、耕してこなかったあおりが今来ているのです。

 これからでも、啓蒙活動は出来ます。しかし、そこにはある意味真摯な姿勢とせいしんが必要でしょう。
 

2015年9月4日金曜日

怪正マイナンバー制度⁉

 昨日色々な事案の中ひっそりとマイナンバー制度改正案が成立をした。参議院で送り返され、衆議院での可決でしたが、本当に首をかしげたくなるような内容です。

 まず施行される前に改正案が出されることも不可思議です。そんなに審議もせずに成立をさせたのかと疑いたくなります。本意は年金制度、税務制度という事で成立をさせたが、実は国民の財産。

 つまり、後どれくらい徴収できるかを計ろうとするものであったという事が明白で、制度そのものは成立に困難であっても改正案は容易に通りやすいという事で、先に制度を成立させ、施行前に改正案をという安直な考え方が見えてきます。

 今回の改正案にしても社会年金機構の不祥事や国民の大きな不安の声が聞こえてきたという事で、とりあえず2018年から預金口座は任意性、どうでも良い予防接種の通りやすい内容で成立という形を整えたようです。

 何処の世界に自分の預貯口座に自らマイナンバーを付けてくださいという人がいるのだろう。つまり、ここから見えてくるものも2018年の施行前に今度は任意を義務化という改正案を後で通そうという安直な企みのようです。

 何の為のマイナンバー制度なのだろうと疑問に思います。そしてこの制度がまたダダ漏れになった時にだれが責任を取るのだろう。いつも思う事ですが、どんな制度が出来ても良いのですが責任の所在をはっきりさせないために、誰も責任をもってそれぞれの制度を守ろうとしない。ただ、法案の提出実績が重要な国会議員や、とりあえず自分らの仕事に都合の良いであろう政策を造り続ける役人の為に国政がある訳ではないとおもいます。

 もし、制度を作るならだれがそれを運用し、その責任はだれが捕るのかも一緒に成立をさせないと、結局犠牲を払うのは国民といういつもの縮図が出来上がってしまいます。国民は自らを守ろうと、節税対策や時には脱税、そして国外への財産移動というふうに考えても仕方がないと思います。

 それを管理するためのマイナンバー制度であるとすれば笑止であり、議員、役人が自らを律すれば国民のそれらの邪まな考えを防ぐこともできるのではないかと思います。

 いずれにしても、今回の東京オリンピック関連の様々な事件にしても、森元総理(誰も認めてないないと思うが)の意向で決まった人事の元お役人たちの不祥事なども典型でありますが、集団自衛権ならぬ『集団無責任体制』は本当に世界に恥じぬ日本を知らしめることが出来るのだろうか?

 以前の五輪は国民皆一体となり、役人も祖国復興として頑張っていたように思います。しかし、今回は見えてくるものすべてが役人の都合や利権的なものです。また誰が今回も森なにがしを委員長にしたのだろうか?国民の殆どが望んではいないし、今回の招致もアスリートたちや民間の協力により達成できたものであり、その神輿に元なんちゃらと元役人が乗っかっているだけで、任せたものに関しては案の定今回のような不祥事です。

 マイナンバー制度本当に大丈夫ですかという疑問にもなりません。どれくらいの犯罪を誘発しているのか、アメリカの例を見ればわかります。いまのIT文化の中では通用しない制度である事を理解するべきです。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月3日木曜日

最近⁉

 以前も自由が丘には外国人が目立ち、フランス語教室の講師が怪しい外国人に間違われたという話を書きましたが、世田谷区には多くの外国人が居住しています。

 先日も耳にした話ですが、バスの中での出来事ですが、込み合った社内へご老人が乗車をしてきた時に、中学生らしき一団も乗っており込み合った車内ではそのご老人が座る場所もなかったらしいのですが、傍らに立っていた白人女性が日本語で座っている中学生に
『お年寄りに席を譲ってもらえない?』
と声を掛けたそうです。そうすると声を掛けられた中学生は不愛想にその席を立ったそうです。その後その白人女性はご老人を席に誘導し、振り向きざま中学生に
『ありがとう。偉いわね。』
と声を掛けたそうです。何気ない営みなのですが、多くの外国人が身近にいることを実感するわけです。

 今朝、二子玉川駅のホームで何気に各駅停車をやり過ごし、急行を待っているとまだ停車中の各駅停車に日経新聞を小脇にはさみ飛び乗るスーツ姿の女性が目に入りました。よく見ると外国人女性であり、最初は黒髪だったので気が付かなかったのと日経新聞というお堅い新聞が先に目に入ったためにふつうにみていたのですが、白人女性と気が付いたときには些かの驚きがありました。

 最近のこの辺では当たり前の出来事が、自分達が思っているより外国人が日本にいるのではなく世界の中に日本が入っていっているだなという事を実感します。最近のTVを見ていても日本語を話し活躍する外国人は珍しくもありません。色々な意味で日本人にはその実感がまだ足りない様な気がします。

 何気なく眺めるのではなく、世界の中に日本が存在し、その影響が決した小さくはないという事を意識しなければならいでしょう。世界が見ている眼は、決して以前の極東の神秘の国ではありません。日本人がちょんまげを結っているなんて思っている外国人は今は殆どいないでしょう。それゆえに昨今のオリンピック関連の不祥事は残念です下手をすると日本以上に海外では取り上げられているかもしれません。

 世界のニュースを見ると、視点が国内とは少し違っていて『あの慎重な日本が?』というような論調を多く見ます。つまり慎重なのは一般企業であって、責任を前提としないお役所仕事ではありません。今までは国内でお茶を濁して逃げ切っていたことが、世界が対象になったことにおいてはお役所仕事が通用をしないことが十分に世界に知らしめてしまう事になったのでしょう。

 最近の日本においても外国人が特別な存在ではなくなったように、日本の事は世界にとっても特別ではなくなりました。日本食もこの二年間で世界に1.6倍のスピードで増えていっています。

 ついでですが、ダイヤモンドやジュエリーにおいても世界レベルになってもらえたらもっとジュエリーやダイヤモンドの価値を知ってもらえるようになるだろうな・・と思っています。
http://ameblo.jp/diamonrow

2015年9月2日水曜日

ダイヤモンドの履歴書⁉

 先日、取引先の販売員さんとの会話で、
『私はダイヤモンドの内包物で好きな形があるんですけど、それを社長(小生)がイルカが飛び跳ねている様と表現をしていたので、成る程と思っていたんですよ。』
というふうに言われました。

 彼女が言っていたのはインクルージョン(内包物)の中のフェザー(羽)といわれるものの事だったんですが、私自身が内包物の形の面白さに気が付いたのはこの職業に就いた間もなくの事でした。

 同じようにダイヤモンドの仕事に携わっても興味のない人にはただの傷のように見えるインクルージョンは見方によって色々な事を教えてくれます。

 人の性格には色々な要素があります。遺伝のDNAによるものや環境によるものなどがありますが、それがあらゆる時点での人生の岐路での判断の基本となってくるわけです。つまり、どのような人生を送るか、送ってきたかにより性格というものが解るものです。つまり、履歴書を振り返ることによりその人となり人生なりが見えてくる場合があります。

 宝石のインクルージョンの事をInternal characteristic(インターナル・キャラクタリスチック)という言い方をしますがこれは単に内部の特徴という事になるのですが、もう一方内面的な特性とも訳せます。決してマイナス面を位置付けている訳ではありません。

 ダイヤモンドの内包物の呼称にクリヴェージ、フェザー、フラクチャ、グレンライン、ニックなどと特徴により呼び方も変わっていますが、これらはダイヤモンドの生成期に周りの環境により発生したもので、中には他の鉱物の結晶を内蔵していたりとどのような環境で出来上がってきたかをしめす特徴が満載です。一方、無キズのものに関してはその特徴としては特に何も得られませんが、もっともよい環境で生成されたことが考えられます。

 人間と同じように何の特徴もない物よりは多少の変わり者の方が面白いという事もあります。いずれにしても履歴書というものは過去の環境や性格を知るうえで一つの材料となるもので取り方一つではその中に沢山の物語を見る事が出来ます。
http://ameblo.jp/diamonrow
 冒頭の販売員さんの話ではありませんが、宝石といったものはそういったところに興味を持てるかどうかで販売員としても、この職業に携わるについてもとても重要な事でこれらがない人々が宝石の価値や文化を壊していくのであろうとさえ感じます。多くの従事している人をされらを理解して仕事をしているとは思いますが。

 ダイヤモンドにしても人間にしても過去は消すことができません。そしてそれらは各々の特徴なわけで、それをポジティブにとるかネガティブにとるかによりその価値や生き方が変わる様な気がします。
 やはり、ダイヤモンドは人間そのものと考えることが多くなってきました。