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2015年3月10日火曜日

ジンバブエのダイヤモンド!?

 取引所に座っていると色々なものが目に入り、耳に入ってきます。若いブローカー達が(ダイヤモンドをオーナーから預かり世界からのバイヤーとの仲介人)ダイヤも原石をそのままそのまま指輪に埋め込んだり、穴を開け繋げてブレスにしたりといったことが目に入ってくるのもそのひとつです。

 勿論、綺麗なものではなく工業用のダイヤモンドにもならないほどのものが殆どですが、何故か彼らの間ではやっているようです。その殆どの原石はジンバブエ産だといいます。ジンバブエとはあまり日本人にはなじみの無い国ですが、ダイヤモンドの埋蔵量は世界最大とも言われています。

 前回にも書きましたが産出場所によっては品質に差があります。ジンバブエ産はすべてとは言いませんが良質なものは少ないといわれてもいます。ただ、始末の悪い話も実は裏にはあり、決してダイヤモンドを扱っている人間としては触れたくない部分でもあります。

 ジンバブエの採掘権は本来英国の採掘会社に与えられたものですが、現在のジンバブエ政権はそれを無視し、女子供を含め不法労働をさせております。

2002年国連会議によりキンバリープロセスなるものは批准されましたが、これはもともとシェラレオーネなどのコンフリクトダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)やブラッドダイヤものどと呼ばれる不法採掘と、それらの国の国民がどの犠牲になっていることを前提に、以前であれば海外の採掘会社による利益の持ち出しなどで実際にはその国の利益にはならず、癒着した一部の政治家の懐をう潤していただけで、多くの利益は国外に待ちだされておりました。

 毎年、何十万人という人々がこの犠牲になっていたといってよいでしょう。正確に言うと惨殺されていたのです。これを国連の立場で防ぐために出来上がったのがキンバリープロセスという条約です。それぞれの採掘会社はそれぞれの国と企業と最低でも50%の利益のシェアを合いなければならないというものです。

 しかし、ジンバブエに関してはそれらの条約を無視し、勝手にやっているのですが現在の政権はダイヤモンドの採掘権と武器の供与を前提に中国という大国に守られています。中国は無制限の武器の供与の交換条件として、殆どのダイヤモンドを中国に運び出しており、それが研磨され世界の市場に流されております。多くの工業用ダイヤモンドが中国に豊富なのはそんなところにあります。

 それだけではなく、採掘の際に多くのジンバブエ国民がいまだに犠牲になっていることも付け加えて起きます。世界代第二位の経済大国という立場をそろそろ理解を出来るだけの頭と知性をもっても良いのではとも思います。

 いずれにしてもダイヤモンドが通貨化することはうれしいのですが、その影での醜さはダイヤモンドを扱う人間としては許しがたいことでもあります。

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