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2014年6月23日月曜日

ダイヤモンドの視点⁉

 先週末、ご来店を頂いた70代の女性客の一言で
『お宅の社長が,仰った通りにダイヤモンドのお値段が上がっていますね』
のお言葉が耳に入り、何気に店頭をのぞくと久しぶりにご来店を頂いた方がこちらの方を見てご挨拶くださいました。

 『別に予想をしたわけではなく誰でもがわかる事ですよ』
というと
『言って頂いたときに買っておけばよかったと思っても、実際に私たちが買える金額ではねえ・・。』
 
と、お客様は投資を考えての発言でした。

 以前からダイヤモンドの投資についてや考え方に触れてきましたが、このお客様がおっしゃる通りなのです。つまり、幾らのどのようなダイヤモンドを買えば利益になるのか?・・・・という事に関してはダイヤモンドの色々な側面を過去何度も書いてきています。

 ダイヤモンドは贅沢品として、記念品として、観賞用として、収集用として、そして投資用としていろいろな顔をもっっています。それらは売る方の考え方や買う側の考え方にもよるのですが、あくまでも投資用として考えた場合には売り手の立ち位置がとても大事になります。

 一つには本当にダイヤモンドの事を知っているか?、ダイヤモンド市場のメカニズムを理解しているか?本当にダイヤモンドの価格を理解しているか?実際にダイヤモンドの販売に携わっている人間で声を大にして何人の人が手を挙げることが出来るのかを考えると宝石を販売するという事はそこまでの意識は必要のない簡単な仕事なのかもしれません。

 御客様が仰ったように投資として考えて場合にどうなんだろうという事はあります。つまり、大きさなのか、価格なのかをひとつの基準で考えたとして、高額なものはコストから考えて極端には高い価格設定にはならないだろうけれど、安価なものはコストから考えると率として高い設定になることはやむをえません。

 本来は販売側から考えると上代一千万円の商品の利益を100万円で良いと考えるが、100万円の商品の利益を10万円で良いとは考えないのが本来の宝石店の考え方なのですが、日本の多くの宝石店は低い価格のものを、売る為に利益を少なくし、高額のものでも一定の利益を取ろうとします。

 海外のスーパーブランドでも高額品の賭け率は低く、低額品の方が賭け率が高いのが当たり前です。しかし、日本は百貨店が販売をするケースが多いので、販売員にはサラリーマンが多いわけで、売れる事より利益率が下がる方が低評価につながるので、売れなくても高い賭け率を維持しようと考えます。

 横道にそれましたが、百貨店や一般的な宝石店ではないという事を前提にして話を進めますが、
購買するダイヤモンドには流通コストが乗っていることは常識として消費者も理解をしていますが販売側が幾らの利益を考えればよいかという事になります。

 つまり、10%の利益が通常の経費プラス利益になる金額が100万円だとすれば販売価格が1千万円でよいという事になります。ということはコストの10%アップという事になるので、仮に10%の値上がりをするものであれば、一年でコストがクリヤされますので、それ以降は消費者側の利益という事になります。(ものすごく単純な考え方ですが)

 逆に販売価格が低いものであれば利益率を高くし、多くの量を販売することを考えなければなりませんから、人も多く必要になるかもしれません。

 前述のお客様の発言の答えになると思いますが、実際には販売形態にもよりますが、1千万円を目安にしたダイヤモンドを専門店から求めた場合には十分に投資になるかもしれません。

 結果、販売側や購入側がダイヤモンドをどのような視点で価格設定を捉えるかによってダイヤモンドそのものの性質も変わってくるという事になります。

 宝石のビジネスは本来の広い場所がいらなくて、人がいらない。それなのに高金額の取引になるというメリットがあり、始められた商売です。勿論その条件として経験、知識、コネクションが必須という事になりますが、多くの宝石店はその逆をやり、玉砕しているところが多いように見受けられます。

 本来の視点に立ちかえればダイヤモンドのビジネスは販売側、購入側両者に多くの利益をもたらすビジネスなのだと考えますが、簡単なことほど難しいという事になるのかもしれません。

 小さなサイズのダイヤモンドに関していえばやはりジュエリーの素材として考えた方が良いのだと思います。つまり、今のままでよいのだと思いますが時代に沿った変化は必要だとは思いますが・・。

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