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2014年6月14日土曜日

付加価値⁉

 よく出る話ではありますが、先日もお客様に

『買う時と売る時の価格差は大分ありますけど、どういうのを買うのが良いのでしょうかね?』
という質問をされたあのですが

 『勿論、売価には流通のコストものっていますが、工賃やデザイン料の付加価値の率が高いものに関してはやはり売る時には何の価値もありませんから材料費のみの価格になることは致し方のないことですね。』
と答えると

 『売るつもりで買っているわけではないですけれど、買うならその価格差が少ないものが良いですからね。』

 素材代がコストの多くを占めるものをハイ・ジュエリーといった言い方をしますがハリーウインストンやグラフを代表するような素材のダイヤモンドや非処理石がメインになっているジュエリーはブランド品ではなくとも、やはり買取時にはそれなりの価格がつくものです。

 勿論、それ以外のジュエリーであってもヨーロッパ等の有名ブランド品であれば名前という付加価値が付きますのでそれなりの価格で買い取りをしてくれると思います。

 ダイヤモンドや非処理宝石に関してもやはり付加価値がありますのでそれなりの価格にはなると思います。

 それではどんなものが安くなってしまうのでしょう。付加価値の考え方にもよりますが世界的に知られている名前や屋号であれば問題はありませんが、日本の一部の人が知っている程度のものでは付加価値はないに等しくなってしまいます。

 本来の付加価値とは素材に加えた技術なりアイディアそのものを差すわけですが、現実にはその価値を世界が認めるかどうかが現実です。日本でもデザイナーブランドやハウスブランド等がありますが、現実には名前を付けたり、自己演出した程度のものが多く、なかなか皆が認める価値というのはそれなりの非凡な才能が要求されます。

 そういった意味では本物のジュエリーとはやはり、素材をベースにしたものやデザインした人が世界的に有名な作家等でなければ難しいものがあります。世界的に認められた歴史や技術を持っていなければ本物と呼ぶには難しいものがあります。

 販売側からすれば最初に本物を勧める誠意がなければお客さまは続かない部分もあります。デザインやトレンドを優先したジュエリーはいずれ飽きが来、それを繰り返すと消費者は無駄遣いをしている感覚になります。しかし、素材をベースに選んだジュエリーは素材がメインですから飽きが簡単には来ません。

 つまり、付加価値とは皆が認める素材の持つ意味やその背景という事になります。それらを重要視して買い求めたものは決して買い叩かれる事もないであろうし、飽きることもないだと思います。

 先日、あるお客様がお持ちになった宝石はお母さまが30年ほど前に買い求めていたものだという事ですが内容はすごく良く、今でもそれなりの価格が付くものでした。
『母は価格は解らないけど品質の良いものを買っておけば間違いがないといって当時、家が一軒買えるくらいの金額を払ったそうです』
と言って3cっと5ctのダイヤモンド、13ctsのスターサファイア(非処理石)をお持ちになり、リフォームをご要望されました。

 確かに当時にしては高額でお求めになったとは思いますが、内容が良いので現代においても同等の価値を付けることのできるものでした。

 販売側としては売りやすいものではなく消費者が後で後悔をしないものの販売を心掛けたいものです。それによりお客様との関係は長続きするのだと思います。小手先の値引き等や首をかしげたくなるような付加価値の販売方法は結局、消費者を遠ざけることになるのだと思います。

 付加価値とは販売側がお客様に提供するおもてなしやサービスが入っていることは勿論ですが、内容としてお客様が望み、皆が認めるものでなくてはいけません。

忘れがちですが・・・・。

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