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2012年11月24日土曜日

特等席のダイヤモンド!?

 長い間ダイヤモンドのディーラーとして大きめなダイヤモンドとか量を扱ってきて、それらの仕事をリタイアしてから小売等も始めるようになって思う事があります。

 当初、ダイヤモンドを裸石で販売は難しいし、時間もかかり、リスクもあるといわれておりましたが決してそのように考える事もありません。

 最近ではご依頼を受け、展示会等も出させて頂いておりますが、あくまでも裸石の販売に拘っている訳ではありませんが、裸石の方が販売もスムースですし、お客様にも喜んで頂いております。

 ましてや、4Cをうたう事もほとんどなく販売をしておりますが、何の問題も今のところ起きておりません。勿論聞かれた時にはお答えをしておりますが、その事により価格が変わる訳ではありませんので、お客様も『アッ、そうですか』といった程度です。

 4Cというのは本来経験不足の販売員が消費者に販売するときに目安として必要なものでありますから、多くのプロの方もあまり拘ってはいないと最近よく耳にします。ダイヤモンドの価格は内容で決まるものですが、4Cでダイヤモンドの全てを説明できるほどダイヤモンドは甘いものではありません。もっと奥深く理解をする才能も必要なものです。

 展示会に出ているとその才能を持っておられるお客様がよくいらっしゃる事が解ります。じっとダイヤモンドも見ていて

『綺麗なダイヤモンドですね。でもお色が少しついているのですか?』

といった調子です。

今までも何度かお求めになった方が如何に喜ばれて感動をしていたかというお話はさせていただきましたが、これが川上でダイヤモンドを扱っていた時には知り得なかった事です。

 つまり、お客さまの感動に買い物の御案内をしているだけで実際にはお客様の感性や美しさを理解する才能によりダイヤモンドは決まっていきます。ダイヤモンドの見方をお教えするだけで決して文字をひけらかして、実際には目に見えないレベルの話に重点をおく事はあまりよいやり方とは思えません。

 グレードを説明しながら、他店と価格を比べ値引きをしていくほど、消費者に疑念を抱かせる事はありません。グレードがある一定以内で統一はされているとはいえ、決して同一のものが存在している訳ではなく、その事は本来は我々のビジネスにとっては一番有利なものであるはずなのに、残念ながらダイヤモンドを理解していない販売者によって市場が壊されてきたのも事実であります。

 あまりきつい憎まれ口をたたくつもりはありませんが、本当のダイヤモンドの販売者の喜びを理解してもらいたいと思ってあえて言わせてまらいました。

 前述したようにお客様の感動をして、喜んだお顔を見る事は新たにダイヤモンドを扱う喜びともなる事に残念ながら最近気がついたという事なのです。川上でのビジネスは必ずしもダイヤモンドビジネスの本質ではないのです。

 ある部分ではダイヤモンドを扱う事は実利的ではない感性のみの喜び、つまり、本質的な幸福感を感じている場面に遭遇するという事ですから『特等席』に座って芝居を見ているようなものです。

 そして、特等席に座るにはそれなりの経験や知識も必要であることは当然なことですが、その経験がダイヤモンドは決して価格を追ったただの商品ではなく、物語を創り得る存在である事を教えてくれます。

 そういう意味では物語の始まるその瞬間に立ち会える場所にいる我々は特等席に座っているようなものです。もし、それが立ち席にしか思えないのであれば、潮時か向いていないのかもしれませんね。

 お客様の満面の笑みには、してやったりという気持ちと、人の幸せに関与した充実感がたまりません。

 

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