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2014年10月13日月曜日

ダイヤモンドの変遷⁉(下流編)

 ノーベル平和賞を受賞した17歳の少女マララ・ユスフザイさんのスピーチは衝撃的でメッセージ性の高いものであったなあと感心をしました。世界中の多くの子供が教育を受けることが出来ていない。その事が暴力を生み、戦いにもなっていくという内容でしたが、まさにその通りで内容が違いはすれど教育の不十分さが偽りを生み、そして互いの信用を失っていくという事でもあるでしょう。

 ここでは多くの述べることが出来ませんが、結果的には利害を前提とした洗脳や真理を理解しない知識が広がっていったりもするのでしょう。

 ダイヤモンドそのものが変化をしなくても扱っている人々の情報だったり知識により市場は変化をしていきます。特に消費者と接している販売員たちはある種の被害者でもあるのかもしれませんが販売員の説明により消費者はダイヤモンド理解し、また迷走へと向かうのです。

 過去にはダイヤモンドを扱う多くのメーカーが独自のグレーディングレポートを発行し、無印のダイヤモンドに関してはと特にグレードが付くこともなく、単純にいえば大きさだけで売っていた部分もありましたが、小売店自体が信用をされていた時代だったので何の問題もなく商売は行われていました。

 しかし、メーカーブランドのダイヤモンドがシェアを占め始めるとグレードが付いていないという事が売りにくさをともない、そこで登場してきたのが鑑定会社です。当初は圧倒的にメーカーオリジナル(GIAベース)のグレーディングが強かったのです。メーカー各社は自社グレードを他からの批判を避けるために多少厳しく判定をしておりました。

 
 日本の国民性のせいでしょうか、第三者鑑定が中立で市場はそうあるべき、という空気が広がってくるとともにオリジナルグレードを行ってきていたメーカーも第3者に委託をするようになってきたのです。どちらかというとその方がメリットがあったのです。つまり、無理に厳しくジャッジをする必要がなくなり更に社内的な事務量を削減が出来るということになったのです。

 つまり、グレードは目安ですから、大体を見てくれればよい訳ですし、何かあっても鑑定会社に責任を押し付けようという魂胆もあったのでしょう。しかし、鑑定会社は鑑定会社でグレードは絶対的なものではないのですから責任も保証も何ら必要のある物ではないので、シェアを取る意味でもある程度は依頼者の意向に沿ったグレーディングをするようになってきたのです。

 知らない間に誰も責任を取らないような体質が業界には蔓延ってきたのでしょうが、下流である小売等の販売員にはそのような情報や知識は流れませんからグレードは絶対的なものと信じ、消費者に告げていたわけです。今ではそのように考える人は少なくなってきているといえ、まだまだセミナーを行っているとそれを前提とした質問も多くあります。

 
 過去の経験から多くの色石が希少石と言われ、その数年後に多量に出回るという事を繰り返す歴史であったことを知っています。シトリン(黄水晶)をトパーズと呼び、本当のインぺリアトパーズが出てくると間違って販売をしていましたと百貨店が新聞を使って謝罪をし、ブルートーパーズは希少石であるという事で5CTS位のものがダイヤを取り巻いて40年ほど前には100万円を超える価格で販売をされておりましたが今では・・・。

 アクアマリンの自然の青は限りなく美しいと謳っていたものが10年後には色が薄れ、黄ばんできたとか処理石であれば仕方のない事ですが、小売りの販売員の方達は上流からの情報を信じるしかありませんからそんなことはつい知らずという事で、やむを得ないと言えばやむを得ないのですが・・・・。

 以前このブログでの紹介をしたことがありますが、宝飾品のハイブランドは決して処理石を扱いませんでした。それは歴史のあるブランドとして歴史の浅い処理技術で変色をしたり、劣化することになると顧客に対する背信行為になるからです。しかし、ファンドが背景につくようになると信用より売り上げという事になりますから、さすがに貴石は取り扱ってはいないでしょうが、半貴石はかなり取り扱っているようです。

 前述のマララさんが言ったように教育がないと一方的な情報や知識に支配をされてしまいます。それは戦争や人を殺すことに疑問を抱かなくなったり、人を意図的にではないにしろだます結果になったりもします。

 処理石等では決して価格が上がるとか品物が無くなってくるといったような根拠のないことは言ってはいけないというのが業界の常識でもあったのですが現在では、小売りでよく用いられているようです。確かに、消費者を不安がらせて販売をする方法もあります。

 実験で何千匹のダニが捕れましたと言って布団専用の掃除機を売る方法もあります。しかし、これには根拠なりもありますが、不安がらせて売る壺は根拠がありません。不安がらせる占いや宗教には必ず物販が伴います。この場合ほとんどが根拠がありませんが、根拠ないという証明もありませんからお好きなようにという事になります。

 しかし、正しい情報や知識を持つと、宝石に関しては言ってはいけない事もあります。ダイヤモンドですら100%の確率で価格が上がりますとは言えません。それでも、一定の条件を根拠としての確率は70~80%近くはあるでしょう。しかし、処理石である半貴石が長期的に価格が上がる確率は10%あるかないかではないでしょうか。また、宝石にそのような販売が向いているかどうかという事もありますが、それを口に出せるのはほんの一握りのプロだけです。

 今人気のパライバトルマリンもそうです。

 処理加工のできるものは生産が出来るという事ですから過去とは違う事を理解し、言葉を選ぶことの大切さを学んでほしいと思います。知識と情報という教育はトラブルを回避する意味でも必要なことではないでしょうか。

 何度も言いますが現在は過去とは違います。1社や2社の会社をつぶすだけの破壊力は言葉の真偽の中にあります。エビ業界の二の舞になった場合、実用品ではないジュエリー業界はひとたまりもありません。だからこそ教育が必要なのです。
 

2014年10月11日土曜日

ダイヤモンドの変遷⁉(中流)

 前回の一部が解りにくかったという事でしたので解説がてら流通の中流について触れてみます。

 シンジケートがヨハネスブルグ(南ア)の株式市場から上場廃止にしようと思ったのは、自らの株価が正当に評価をされていないと考えたからですが、その背景は勿論他の鉱山からの原石買付資金が足りなくなったこともあります。シンジケートの試算では少なくとも市場株価の倍以上の価値があっても当然と考えていたのです。

 しかし、投資家たちの考えでは、在庫であるダイヤモンドの原石の評価は自分たちで行っている評価であって市場の評価額ではないという思惑がありましたので、当時の株価は正当なものと思っておりました。

 そこで、シンジケートは市場が評価をした価格が必要だった訳です。その市場が評価した価格とは小売価格の実態から追いかけたものですから、その状況を作り出す必要がありました。その為にはいったん上場を廃止し、小売り環境を作りその上で再度上場をすることを考えたわけです。

 それがLVMHとのジョイントでした。それは小売そのものですから、そこで販売実績を付けることは市場価格を立証することになる訳です。しかし、シンジケートのシステムを構成をしているのは株主でもあり、当時のサイトホルダーであるカッターたちです。当然、立場を飛び越えての小売りへの進出ですから反対が出ることは解っておりましたから内密に進められました。

 しかし、それらを実行するためには株をすべて買い戻す必要があったのです。大株主のL,G社や
S,N社等にはミレニアムダイヤモンドの規格の優先権やダイヤモンドのアワーグラスの販売権と低価格にて原石を供給し、株式を買い戻す条件ともしました。

 結果2000年を迎える前の数年はミレニアムダイヤモンドやダイヤモンドのアワーグラスが日本をはじめ各国で販売が行われたわけです。しかし、多くの部分は日本での販売でしたから、我が国はいい面の皮なわけでした。シンジケートの思惑はその後結果的には実ることはありませんでした。

 多くの海外取引所からダイヤモンドが買い付けられるのですが、現状は殆どがグレーディングレポートが付いておりますので素人でも買い付けが可能になってきました。嘆かわしい事ですが、多くの場合は日本の悪しき販売習慣が発端になっており、それが悪い意味で影響を与えております。

 以前はプロのバイヤーたちが自らの判断でジャッジをし、価格のオファーを行ってきたのですが国内事情であるグレードが優先されるようになると日本の鑑定会社の支店が取引所にできたりもし、日本に輸入前であるにも拘らず日本のグレードが付いていますからバイヤーは計算機があれば買い付けが出来る訳です。

 当然売り手である人々は少しでも良いグレードにしてもらおうと鑑定会社に働きがけをします。多少グレードが甘くてもグレードが出ているからOKという事になる訳です。

 また国内においてもグレーディングがビジネスの鑑定会社からすると大量にダイヤモンドのグレーディング依頼が来る会社には俗に甘くなりますから当然後日取り直した時には違う結果も出る訳です。これはグレードというのは同条件での差異ですから一社からの依頼の中で行う分には問題がないという建前はありますが・・。

 このようにグレーディングはあくまでも目安なので、卸屋さんたちは鑑定会社によってグレードの結果が変わることは知っていますので、そこら中の鑑定会社を巡り、自らが欲しい結果を探して歩くわけです。ひどいときには同じ鑑定会社でも支店によって結果が変わりますのでわざわざ地方の支店の方にグレーディング依頼をする輩も多く出てくるわけです。

 結果的にはスキャンダルに紛れた鑑定会社が現れ、まじめにやっている人々を貶めるという事を繰り返してきたのです。しかし、このことは卸屋さんたちの常識であり、現在でも行われているわけです。

 勿論、鑑定会社にも良識はありますのでそれらをフェアな方向にもっていこうとの努力はありますが、根本であるグレードは単なる目安であって、時と場合によっては結果が違う事があるということを消費者に示さなければ何も解決をしないのだと思います。

 これらが実体と言っても良いのですが、下流である小売店さんや販売員の方達がこの現実を知らない人が多いのも事実でしょう。

2014年10月10日金曜日

ダイヤモンドの変遷(上流)

 ダイヤモンドが金融商品として登場してからも300年余りになります。その間にシンジケートが現れたり、G.I.A(米国宝石学会)が現れたりとダイヤモンドそのものをマニュアル化していく動きと相場化していく動きがめまぐるしく展開されてきました。

 目まぐるしくと言ってもダイヤモンドの歴史や地球の歴史から考えるとチョンの間という事であって実際に人間社会の歴史から考えると結構な時間を費やしているとも言えます。

 ロスチャイルドがダイヤモンドをポルトガルから担保として受け融資をして以来、ダイヤモンドと言えばロスチャイルドの名前が挙がっていたことは皆さんもご存知の事と思います。セシル・ローズの作ったシンジケートを引き継いだオッペンハイマーの名が出てきたのはそれからのことです。

 オッペンハイマー自身も元々は金などの取引にしていたブローカーでもありましたが、シンジケートの倒産により、因縁のあったシンジケートに乗り込んで、ダイヤモンドのシンジケートの礎を作ったわけです。

 しかし、1990年代にはシンジケートであるデビアス社も凋落の兆候が表れます。ダイヤモンドの値下がり等を抑えるべく支出が大きくなりすぎることによって土台が崩れ始め、上場廃止をはじめ起死回生を狙ったのですが、やはり上手くはいかずその座を譲らざるを得なくなったわけです。

 当時のソ連をはじめ採掘技術の進歩した各国の鉱山からの原石を買い続けられなくなったデビアス社はあらゆる手段をもって対応をしたのですが、多くの手段は失敗に終わりました。LVMHグループと行ったブティックのデビアスもその一つです。そしてミレニアムダイヤモンド、ダイヤモンドのアワーグラスこれらは全て生き残る為にシンジケートが打った手段の一部であり決してプロモーシャンなどではなかったのです。(詳しい内容はいずれ)

 現在のシステムは勿論デビアスをはじめロシアのアルロッサ、リオティント社、NWT(カナダ北部の鉱山公社)等をはじめとする多彩なダイヤモンド採掘業者の供給による市場化がされてきました。これはダイヤモンドには良い事ではあります。

 シンジケート一社で行われてきた価格調整は危ういものがありましたが、市場原理で動く現在の価格はある意味では健康的なものですが、一方では価格の急激な変化を特に大きなサイズでは起こす可能性があるのです。

 多くの原石が供給をされてきたことにより、以前であれば一つの目標であった1ctサイズはポピュラーなサイズとなってきたので今後は経済の動き次第では本年のように値下がり傾向を示し、小さなサイズのように需要が増すと価格が上がるという現象が顕著になる訳です。

 ただし、絶対的な希少性である大きなサイズここでは5cts以上とか特殊なファンシーカラーに関してですが、今後ともに市場原理が働くほどの量はないので下がる可能性は低いと言っても良いのですがイコール値が下がるという事ではありません。ただ、大きな値上りはあり得ますので気を付けなければなりません。

 金融商品として300年余りたちますが我が国日本では未だにその認識が低いのはシンジケートの行ったプロモーションがこの国ほどはまったケースはないのでしょう。その後遺症が現在の市場ではまだくすぶっており、その変化に対応すべく努力は関係者が尽力をする以外にはないのではないでしょうか。

 小売りのマーケットの混乱や不調はそんなところにもあるのではと考えております。

 下流編に関しては次回にでも述べたいと思います。

 

2014年10月9日木曜日

人それぞれではあるけれど⁉

 ダイヤモンドのルース(裸石)の商売をしていると人間の感性の違いを知らされることがあります。

先日での展示会においても出来上がりのリングをお渡しする際に

『社長のところのダイヤモンドは本当によく光りますね』
とお渡ししたピンクゴールドに留まったダイヤモンドを見ながらポツリとつぶやきました。

 このお客様は白いダイヤモンドより若干色がある物が魅了を感じるという事でTTB(Top Top Brown)の物を使用したものでテリの強いものです。

 多くの人々は白いダイヤモンドが好きというケースが多いのですが、実はそれは思いこみでもあり、販売側も白いダイヤモンドが良いという風に教育を受けているので説明がその様になりがちです。

 しかし、小売りの場面に立ってみて感じたことは多くの場合、輝きと煌めきが一番のポイントで色に関しても、何も言わなければブラウンであったり、イエローであったり、勿論白色であったりと様々なカラーに反応をします。

 つまり、多くの場合は販売する人々の先入観が消費者の指向を左右させており、其れが販売の妨げになっている場合が多いことを感じます。

 また、色々と奇異な場面に遭遇することも多いのですが今回もダイヤモンドの鑑別書の件でお客様が必要ないと言っているにも拘らず販売員が
『ダイヤモンドが本物かどうかを示すものなので付けておいた方が良いのでは…。』
と理解に苦しむ言葉が出てきたのです。

 自分が販売している物に自信がないのか自分の会社が販売している物を疑っているのか・・・。
もしそうだとするなら最初からダイヤモンドを販売することをやめた方が良いのではと感じる次第です。

 これが色石であるとか、対面販売ではない通販やネット販売であれば販売側に信用の根拠や
実際に呼び名が違ったりする色石もありますから理解もできますが、鑑別書の本来の意味を理解していないように感じます。これは過去の体験から業者が持ち寄る意味不明な半貴石等で痛い目にあったという事なのかもしれない。

 これらを繰り返していると会社の経費という事も考えると馬鹿にならない問題で、自分の腹が痛まないから取りあえず付けておこうという事だろうと思います。しかし、意味が分かれば自身の販売方法や確認だけで済むことであり。お店の保証書だけで済むことであり、お客様もお店の保証と購入代金の証明があれば良い事であります。

 総じてですが、最近の人たちは会社のリスクにより仕事をしているように感じることが良くあります。仕事というのは自らのリスクも取るつもりがなければただのぶら下がりになりますから、会社にとってもどちらでもよい存在という事にあるでしょう。

 何をすべきかを理解していても自分の負担や評価を前提に動くようではすでに仕事ではなく、作業の域です。そんな社員だったり、中間管理職だあったりしたら会社は悲劇であります。

 前述したようにお客様の指向は様々です。自らのリスクとも言えないようなことまでも他力本願になるようではお客様の選択値を狭めてしまいますし、販売に支障をきたします。自らを守ろうとすることがお客様に誤解を与えたり、会社の利益の妨げになったりという事になります。

 勿論リスクを回避することは必要です。しかし、リスクではない事をリスクと勘違いし、本来のリスクを見失うことは大きな損失を生みます。

 仕事の本来の意味を知ることは全てにおいて結果だったり、目的をはっきりします。そして同時に明快な行動をとらせます。その為に心掛けることは

・会社のリスクで仕事をしている限りは結果は出ない。自らのリスクを土俵にのせることが仕事の 
基本である。

・ガソリンの入っていない車は安全であるけれど、ガソリンを入れなければ何の役にも立ちません。

難しい表現だったかもしれませんが、要は仕事は責任を持ってやりなさいという事でしょうね。

 責任回避のために自分のマニュアルの中にお客様を当てはめて売ろうとすることは、お客様が持っている常識とかけ離れることが多いのでお客様からの信頼を得ることにはならないという事だと思います。

 例えば見積もりですが、
『本来は100万円になりますが、お値引きをして50万円という事にします。』
これはたまに耳にする言葉ですが、常識的に考えれば見積もりとはその言葉通り工賃や材料費などを積み重ねていって出てくるお値段です、それがいきなり金額出てきて、それを値引きしますと言ってしまう無神経さにはあきれ果てることがあります。

 これは世の中の常識、ましてや自分が他の職種でそのような見積もりを出せれて、それを信用できるかどうかを考えればわかります。当たり前の人間であれば二度とそこには現れないでしょう。

 自分の身に置き替えて仕事をする事を心がけてほしいものです。

2014年10月5日日曜日

美しく!?

  昨日、20年来の知人から連絡があり、彼も同業ということで、普段のビジネスの話しになりました。
 
  
 彼自身も私のブログを読んでいて、
『高木さんの言われることも解るんですけれど、如何せん回りの売り方が売り方ですからね。』
という言い回し・・・。

 彼自身も経験が30年を超えるものがあり、過去の業界のことも良く知っているわけです。しかし、小売の経験が殆どですから言わんとしていることもわかります。

 同意をしていることは以前より業界の信用が間違いなく落ちていることと、消費者にとってジュエリーが身近なものになっていないということです。悪い意味では身近になっているともいえます。つまり、憧れという意味ではなくアクセサリーとしてですが。

 『良い品を安く』という幻のような言葉が出て久しいのですが、それはこの言葉を実践しようと努力をした時代は正義に聞こえたものです。しかし、現実はその言葉で粗製乱造し、ファストファッションのような消費文化を助長してしまいました。結果から言えば『良いものはそれなりの価格』ということが、反面として証明されています。

 悩ましい問題もあることは理解をしているつもりです。目の前の結果を求めるあまりということがあることも事実でしょうけれど、長い目で見ればそれがその後を難しくすることは皆が知っていることです。つまり、目先は所詮目先でしかありません。

 彼が
『髙木さんは今後どういう風にしていくつもりですか?』
と訊ねたので

『過去、日本や米国、欧州の有力宝石店を回っての経験から学んだことを実践したいと思っていますよ』と答えました。

 過去色々と有力宝石店を回って感じたことは
1.宝石店としての立ち姿が凛々しい
2.販売方法が美しい
3.専門知識の豊富さ
4.顧客に対する正直さ
5.仕入れ努力とその所作のスマートさ

 特に当方は卸していた立場でしたから、その姿は感心をさせられたものです。決して価格だけを追求せず、検品とその製造法への関心を示し、その事への敬意を払う姿はまことにスマートで、ここへの納品をすべてにおいて優先しようという気持ちを持たされたものです。

 結論から言いますと、扱っているものを考えると、仕入れ、企画、販売、知識、すべてにおいて美しく、綺麗な所作になるように心がけるということです。

 努力をし、自信を持った商品は間単には値引き販売をできません。それは素人である消費者にも理解ができることだと思っています。バーゲン会場や今はやりのディスカウントショップ。乱雑に陳列された商品を見て美しいと思えるでしょうか。スーパーマーケットにはそんな時代もありました。しかし、消えていったところはいくらでもあります。

 少なくても宝飾品に似合う形態だとは思っていません。

 
久しぶりに宝石店談義をした後に彼が
『積み重ねですね。どの高級ブランドもそれが重ねられてきたんですね。』

 品物に努力をすることは当たり前ですが、姿勢を守ることは顧客に対する最低限のアフターケアで、それが顧客がその宝石店の宝飾品を持つプライドにもなってくれることだと信じています。

 出来ないかもしれませんが『総てにおいて美しく』、これを目指す努力が宝飾業界には必要なことなのだと思います。



 

2014年10月4日土曜日

ダイヤモンドの事実⁉

 先日、イスラエルからパレスチナ人とのコラボによる合唱団が来日していました。多くの人が疑問い思った事でしょう。何故にイスラエル人とパレスチナ人が一緒に?

 これは多くの場合に起きる側面でメディアによるコントロールもあるでしょうし、各国の政府によるアナンスメントコントロールもあるでしょう。

 現状の日本での認識と私が長年イスラエルに渡っていて感じた認識は相当のずれがあると思っています。イスラエル人とパレスチナ人の交流はNPOという形を整えて長年行われていますし、アラファト議長がいた時代の停戦条約締結後には私の知っている限りでも多くのパレスチナ人がテルアビブ市内で働いていたし、イスラエル国内の飲料品メーカーの工場もガザ地区内あったりもしていました。

 ただし、ノーベル平和賞をもらった後のアラファトが資産の独り占めや自爆テロに奨励金を払っていたことはあまり、報道されてはいません。また、イスラエルから数十億の援助金がパレスチナに支払われていたこともあまり知られてはいません。

 国内でいえば消費税が上がって半年が経ち、そのほとんどが海外援助や公務員の給料アップ、国会議員の歳費アップに90%が使われている事、社会保障に費やされるものはほとんど無く、今後、値上げをされるであろう2%に関しても、使い方が不鮮明です。

 数年前、公明党の坂口なる厚労相が100年安心の年金と国会で声高らかにし、わずか数年後に崩壊というみすぼらしい結果になったことは記憶に新しい事です。役所な出す資料は常に税金を集めるための数字であり、節約するためのものではありません。つまり、根拠の無い、いい加減なものが多い訳です。それは誰も責任取らず、国民がツケを払えばよいという仕組みになっているからです。

 考えてみてください。現在の日本人の65歳以上の人口の割合は50%を超えますが、このうち何%が20年後に生きているのでしょうか?厚労省の試算はほとんどの人が生き残っていることを前提に崩壊という結論を出してます。

 このようにメディアなりある種の権力機構によって多くの場合の情報がコントロールされています。ダイヤモンドに関しても各国の事情が違うにしても多かれ少なかれ情報はコントロールされています。

 ダイヤモンドの大粒や特殊な物の価格高騰に関しては以前より書いておりますが、1ct以下のところの価格の低迷も同じように書いてきました。2010年の10月をピークに1ct以下のところは値下がりをはじめ、今年に入ってからは0.3~0.5ct中心に値を戻しておりました。しかし、データーだけでは何とも言えないのがダイヤモンドです。

 なぜなら、目安であるグレードを前提の価格の動きですから、グレードにイコールといった連動をしないファンシーカットやローカラーのところは決して価格は弱くはないのです。なぜなら、需要が増えてきているからです。

 以前から書いていますが、グレードが全く関係ないとは言いませんがダイヤモンドのメジャーな一部のジャンルに関してはグレード・イコール価格というのは確かにリンクはしています。しかし、現在の日本のようにダイヤモンドが全てグレードによるものというのは全くの間違いです。

 これらもやはり、元のシンジケートや業界のインフォメーションのコントロールによるものであって実際にはカット評価にしてもすべてのカラーのダイヤモンドに適用するわけではなく白い一部のダイヤモンドの関してもののであることはプロであれば誰もが知っている事でもあるでしょう。

 その結果、本来の価値の無いものを手にしている消費者も多くいるのだと思います。イエロー・イコール低品質だと思っている人や小さくてもDカラーIFが価値があると思っている人が多くいることもそのコントロールによるものです。

 大きくざっくりと目安を付けることはあらゆる基準を考える面では必要なことだと思いますが、一方の面だけを捉えてアナンスメントすることは時間を経過する分だけ大きな誤解を与えます。

 ダイヤモンドの場合グレード万能主義をとってきたためにどれくらいの信用を業界は失ってきただろう。其れにまだ気が付いてもいない業者がまだ沢山いることも悲劇の要因であります。我々が導入時期に携わった時には想像もしていなかった売り方がメジャーになっていることが問題なのです。

 難しかった宝石の販売方法をフェアな解りやすい売り方にしようと考えていたことが、逆に異業種が入りやすく、また、正解ではないインフォメーションを使用し始めたこともあります。それを商売上とはいえ、後押しをするような鑑定会社が現れたこと、そしてまだそれが是正されていない事と問題はまだ山積みですが、消費者は明朗であることを忘れてはいけません。

 消費者は明確な理由がなくても不明朗なことからは距離を置き始めます。それが今の業界の低迷の一要因にもなっているのでしょう。虚偽な情報を平気で流す業者も後を絶ちません。そろそろプロフェッショナルが育っても良いころだと思っています。

 そのコツはあくまでも消費者に対する忠誠心だと思っています。値引きが悪い訳でも多少の誇張が悪い訳でもありません。しかし、根拠のない値引きや、虚偽は必ずしっぺ返しが来ます。それは業界人かどうか関わらず国民が国に不信感を持っているようにです。

 何を正確な情報とするかは受け取る側に寄っての判断もありますが、情報はコントロールではなく全てをディスクローズするべきなのです。今の日本の政府(というより行政)が信用されないのは一方的現象だけの情報を流し税金を集めようとするからです。

 それと同じように業界の信用がないのも同じようなことが言えます。自分達の都合だけで物事を運ぼうとすることが消費者の信用を失う原因になっています。

 ダイヤモンドは永遠ですがその周りの環境は常に変わります。現在ある情報を根底から考え直し新たなコンセンサス創りが必要な時代が、全ての分野において必要なのではないでしょうか。

 そろそろ事実を学び、消費者に対して態度だけではなく知識としても誠意を尽くすべきだと考えますが、如何でしょうか?  

 勿論、どれが事実かは時代が決めるのかもしれませんが・・・。

2014年10月3日金曜日

取るに足らない存在⁉

 人間は世界にとってはとるに足らない存在であっても、あるコミニュティーにとってはなくてはならない存在であるわけですが、それはコミュニティーにとって価値があるという事を差しているわけです。

 つまりどれくらいの規模のコミュニティーにとってか、そして、誰にとってかという基準がある訳ですが、それはその価値の多くは誠意によって決まると考えています。

 宝飾業界は社会にとってはとるに足らない、業界です。つまり、あってもなくても良い業界なわけです。しかし、何百年も何千年も続いています。多くの業界は時代ととも社会の役に立っていたとしても消えていく運命にあるのにも拘らずです。銀行なども現状は本来の形とは違っているわけです。

 以前述べたことがありますが、日本においても宝石店は町の名士であり、歴史の上でも多くの有名宝石店はやはり信用を前提としている行動をとり現在に至っています。1800年代後半にアメリカのオープンハートで有名な某宝石店がアメリカ全体を巻き込む詐欺行為をしたことがあります。
ダイヤモンドの鉱山を発見したという事で社債を発行し、多くのお金を集め、それが嘘であったという事があります。

 その後まもなくその宝石店は低迷をするどころかアメリカ宝石業界の信用を失墜させたわけです。その後をの不調は言うまでもありません。もともとあってもなくても良いような業界です。信用そのものが価値でそれを高める努力が唯一すべき努力なわけです。

 宝石、特にダイヤモンドに関してはもともと物理的信用と価値がありますが、それを曇らすのも輝かせるのもそれを扱う人々の努力です。またその努力をしている人々の邪魔もしてはならないのです。

 自分をとるに足らない存在にするのも、あるコミニュティーにとって価値ある存在にするのも自分次第です。会社のリスクによる仕事ばかりしていると結果が出ないばかりか信用を失います。自分の価値は自分のリスクを取れるかどうかで決まります。

 慎重に事を進めるという事は結果が出なければ、ただの『ウドの大木』に他人からは見えます。また根拠のない行動は信用を失うばかりか自分の存在するコミュニティーの存在を危うくします。

 宝飾業界の運命は大げさに言えば、販売方法や存在の仕方によって未来が来るかどうかが決まります。過去とは違い、真実を追う方法はいくらでもありますから、嘘や虚偽があると必ずしっぺ返しが来ます。それは自分だけではなく業界に来るのだと考えるべきです。

 簡単に言うと取るに足らない存在になるか価値ある存在になるかは自身の誠意次第だという事です。本当にお客様の事を考えての販売方法かどうか?

 多くの人は『でも、現実には売れなければなりませんからね』という言葉をよく聞きますが、売れなくしてしまっている現実の原因はその考え方にあるという事と、現実に売れている方法が実は売れなくなる前兆であることに気が付いていないからです。

 不調の現在、売れている現象の売り方を肯定する節があります。誠意ある売り方をしているのであれば問題はありません。しかし、展示会などでの多くの売り方は線香花火の萌落ちる前の減少に似ています。麻薬を打っての売り方はその時を通り過ごすにすぎません。それは決して誠意のある行動とは言えません。

 本来の価値を見出す売り方をすることが、今問われているような気がします。

 社会にとって存在価値があるのかどうか?

 存在価値がなければ消え行くのみです。

 誰も取るに足らない存在であるわけはないのです。