ページビューの合計

2019年7月3日水曜日

市場は何処に⁉

 昨今の日本の市場感覚とは裏腹に税収が60兆円越えという増収になり、更にはオークションでは高額落札が相次いでいます。

 5月のニューヨークのオークションではコンテンポラリー・アートのジェフ・クーンズの『ラビット』が100億円で落札され、それまでの高額落札記録を更新し、その後の香港でも3.5ctのパープリッシュピンクダイアモンドリングが約8億円で落札をされました。芸術や宝飾品に関わらず高額な投資を目的としたオークションでの落札が話題になっています。

 しかし、多くの庶民はその世情を遠目で見るような感覚を持っていることは否めません。何故なら実際の前述した内容は事実ではありますが一部の世界で起きていることだからです。つまり、1%の人間の行動の反映なので99%の人間の感覚にはないからです。

 1%の民というのは世界の人口でいえば約7千万人弱という事になります。7千万人というとそれほど小さな人数でもなく感じます。

 世界で最も平均所得の高い国はスイスの1070万円ですが、日本の平均所得は429万円ほどです。更に言えばスイスの平均納税率は21%に対し、日本は32%です。但し、スイスは物価が日本に比べて約1.5倍となっていますが消費者物価指数となると日本の100に対してスイスは99となります。つまり、スイスの方が貧富の差が少なく日本方が貧富の差が大きいとなるわけです。

 内容だけで見ると税金が高いわりに国民の生活水準は決して高くないということにもなります。平たく言うと税金の無駄遣いが多いという事ですかね?

 宝飾品に限って言えば決して悪い状況ではないという事にもなります。ただし、同じ宝飾業界でも業態がどちらに向いているのかという事も大きな問題でもあります。例えば一方で市場が良くないと感じると消費者に合わせた商品構成や販売方法をとることになります。そうなれば一時的には数字が上がりますが、宝飾品の命でもある個性や特殊性が失われていきます。

 一つの例として一時期流行るデザインを多用するとその場では売り上げが上がりますがある時期が過ぎるとそれらは場合によってはデッドストックとなり、さらなる挑戦をしにくくなります。そうなると売れないスパイラルに入っていきますので苦しくなりバーゲンセールの果てに、宝飾の価値というものが結果的には失われ更に売れなくなるという言ことになります。

 これらの売り方は宝飾品の売り方としては決して正解とは言いかねるわけですが99%の人々を相手にしようか?もしくは1%を対象にしたビジネススタイルを確立しようかとした時に答えは明らかです。しかし1%の人に出会うよりは99%の人と出会い方が簡単なわけです。

 そうなると1%の人を目指すビジネスをしながら、99%の人に対応をしていくというのが現実的なのだろうと思いますが、1%を目指さずに行うビジネスはやがて滅びることは歴史が物語っています。

 京都の暖簾はなぜ数百年も守られているのかそれは大衆に迎合をしなかったからだと思うわけです。
https://ameblo.jp/diamonrow

 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿