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2019年7月16日火曜日

上っ面⁉

 先日、TVを見ているとハラスメントの話題の時に落語家の立川志らくが『落語家の修業は正にハラスメント。弟子が訴えたら大変だ』というと社会学者の古市が『なんで修行なんか必要なんですかね?YOU TUBEで十分練習が出来る時代に』といって他の出演者をあんぐりさせていたました。

 どこかで聞いたコメントだなと思ったら以前ホリエモンが『寿司屋の修業ほどわからないものはない。YOU TUBEで動画を見ればいくらでも握れるようになる。』といった発言をしていたことがあったことを思い出しました。

 しかし、どちらも年長者が首をかしげながらも明確な意見を述べずに『それはそうだけれど、目に見えない身に付くものが有る』といった理解しにくい説明があるだけでした。これは単なる例ですが現代の若者に共通する価値観なのだろうと思います。

 勿論そんな論理のままにしていたら日本の文化や文明が死滅してしまいます。『百聞は一見に如かず』という言葉がありますが、現代においては動画などを見るといっても体験ではありませんから聞く事と同意語でしょう。

 つまり、真似は出来るかもしれませんが、寿司でいえば季節や天気によって調理に仕方やシャリの握り方、炊き方が微妙に変わるわけですからそれは時間を掛けた体験でなければ身に付きません。所詮取扱説明書で出来る完成品は簡単な深みのないものでしかありません。

 我々のダイアモンドのグレーディングにおいても常に一定の場所や環境であるとは限りません。それ故ルーペを構えれればプロであるわけではありません。ダイアモンドの一つ一つの特徴や個性により見る場所も変わります。色だまりの出来るダイアモンドもあればそれが出来ないダイアモンドもあります。それは鑑定の勉強をしたから出来る物ではありません。やはり長年の経験や知識の積み重ねにより出来る物であり、通り一遍の事が出来るからと言ってプロとは言えません。

 鑑定機関のグレーダーにしても与えられた環境で与えられた道具があってのことですが、我々ディーラーの仕事は必ずしも恵まれた環境でソーティングをするわけではありません。しかし、間違ったジャッジをすると大きく損をすることさえあります。

 表面上が整えばといった発想の現代には少し疑問もありますが、そんな時代でもあることも間違いがありません。しかし、将来を考えることも必要だとつくづくと感じる次第です。

 それは基礎を学ぶ重要性です。
https://ameblo.jp/diamonrow

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