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2016年10月7日金曜日

時代の流れ⁉

 出張先でモバイルが鳴りなにげに先方の声を聴くと
『高木さんH社が倒産をしました。』

 何気に感じていたこととはいえやはりショックではありました。
自身も在籍をし、現代の宝飾業界の礎でもあった会社でしたので動揺はありませんでしたが感じるものはありました。

 華やかの時代でした。

 今でいうジュエリーという世界を本格的に日本に広げた会社でもあり、今日本中で行われている宝飾品の展示会の基を作った会社でもありました。また、世界で最初にダイヤモンドにブランドを付けた会社でもありました。

 創業者でもある初代の社長は私の師でもある方で当時は『今太閤』とも業界では呼ばれておりました。おかげ様でも社名を名乗っただけでいずれの場所でも特別扱いをいただけるような会社でした。

 代が変わり息子さんが社長になるようになると流れは変わり、初代の哲学とは違う方向に向かい、内輪もめが出て、その姉が会社を継ぎ運営をするようになるとみるみると社員の質も落ち営業の中身も落ちてきました。

 初代が掲げた宝石商としての哲学は間違いなく日本の宝石業界を発展させてきました。しかし、そのまねをする会社が次から次と出てくるようになると似て非なるものが出来上がってきたのです。それが今の宝石業界です。

 考え方が古いといわれたこともありますが、宝飾業界は『温故知新』。古きを訪ね新しきを知る業界ですから祖となる部分がなくなるとエンジンのない車のようなもので止まっている分には問題はないがということになります。

 エレガントさを失い、マナーを失い、そして哲学を失った宝飾業界はただの流通業と変わりはありません。

 H社は日本の宝飾の夜明けそのものでした。哲学をあくまで追求し、身に着けやすいジュエリーを追い求めた半面優雅さや、場所を提供し続け、最盛期にはかのパリのバンドーム広場に世界のブランドと肩を並べ店舗を構えておりました。

 この広場にお店を持つことはオリンピックに出て金を三つ取るよりすごいことなのです。現在日本からはミキモトだけであとはカルティエ、ティファニー、ブルガリ等わずか十件足らずしかありません。

 いずれにいしても業績の悪くなっている現在においてはいたしかたがないとはいえ、哲学を失った会社のなれの果てということになるのでしょうか。ジュエリーは実用的価値ではありませんから哲学が唯一の価値といってもよいでしょう。多くの会社が現状これを持ち合わせてはおりませんから苦境はやむを得ないということなのでしょうか。

 いずれにしてもこれが時代の流れ何でしょうか?又は今後の業界を示唆しているのでしょうか?
http://diamond-exchange.jp
http://ameblo.jp/diamonrow

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