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2016年6月14日火曜日

ダイヤモンド、高いか?安いか?

 今月も香港のジュエリーショーが近づいてきましたが,今ではすっかり世界でも有数の展示会になりましたが中国の景気も手伝って世界中から出展者が集まってきた結果でもあるでしょう。

 しかし、ここ一年ほど特に日本の業者さんの間では結果が出ないところも多く、中国の景気の後退もささやかれています。その結果以前に比べ日本からの出展者は増えていますが欧米諸国からの出展者に陰りが見えるように感じます。

 実際に今回は別会場もなく同一会場での開催という事です。更には以前結構増えていたイスラエエル等からのダイヤモンド業者の減少も目につきます。数年前の中国の絶頂期には大勢のユダヤ人が押し寄せていました。

 当時の彼らの狙いは中国人の好きな大粒サイズのダイヤモンドの販売でしたが、最近では香港当地でビジネスをしているユダヤ人の会社の出展だけが目につきます。実際にロシアからの出展減少はここ数回は顕著に感じます。

 ところで昨年の同じ展示会でのことですが、旧知のアントワープからの出展者が通路を歩いている私に声を掛けてきました。
『カズ、元気かい?』
 久しぶりに見る彼の顔はやはり押し寄せる年波にはかなわないなと感じさせるものでしたが、目は相変わらずらんらんとしていました。
『久しぶりだね。』
と愛想笑いを浮かべる私にユダヤ人らしく余分な話をせずに
『中国狙いで大粒のダイヤモンドを持ってきたんだけれど見込みが無さそうなんだ。日本でビジネスのチャンスはないかな?』

 彼はおもむろに私の腕をとりブースの奥に簡易的に造られた応接セットに招き入れ、これまた簡易的な金庫からボックスをとり出しその中のセーム皮に包まれたものをおもむろに私の前に突き出しました。

 40cts、Kカラー、VS1、ヴェリーグッド。
                         

 迫力のある面構えをしたラウンドブリリアントのライフのとよい見事なものでした。その時にふと思い出したのが、以前テルアビブの取引所であった時に見せられた原石でした記憶は定かではありませんが80カラット弱だったように記憶しています。

 彼は1.6ミリオンで手放したいという事でしたが当時のレートで2億円ほどでした。心当たりの人はいたのですが色甘という事が引っ掛かり、更にはこの原石の価格を知っていたのでその価格が妥当かどうかを考えていました。

 確かに大きさという点と黒のレザーの上に置かれた存在感は圧巻でした。相場の無いこのサイズのこの価格は流石に紹介するにしても妥当かどうかを考えてしまいました。40ctsあるので安いといえば安い、しかし、原石の価格から換算するとちょっとなあ・・・という感じでした。

 勿論比べるものが無いので、手に入れたいかどうかという事になるのですが紹介するとなるとその後の相場のことも考えなければいけませんので迷ってしまいました。

 香港の展示会に陰りが見えないかと言うとそれを否定することはできないでしょう。香港のような日本に近く、多くの材料が集まる場所としては都合が良いのですが、だんだん大粒のダイヤモンドを展示するところが少なくなり、今回のショウを控え昨年のダイヤモンドに唾を付けておくべきだったと少し後悔をしています。
http://ameblo.jp/diamonrow
 
http://diamond-exchange.jp/ ダイヤモンドの実勢価格

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