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2016年4月5日火曜日

兄弟!?

 先週、アメリカの友人から携帯電話に連絡が入り
『アメリカに来る予定はないか?』
と聞かれ、その声は弱々しく
『とりあえずに予定はないけれど、どうしたの?』
と尋ねると
『KAZに会いたい。数日前にテキサスの病院からロサンゼルスの自宅に帰ってきたばかりなんだ。体に調子があまり思わしくないので、ぜひ会いたいんだ。』
との説明に私は目の前が暗くなる想いをしました。

 彼との出会いはもう30年以上も前になります。彼は南アフリカ出身のユダヤ系の白人で南アフリカのサッカーのナショナルチームのプレイヤーの後、一流ホテルの支配人を経験、その後彼の奥さんのファミリーが行っていたダイヤモンドビジネスを行う為にロサンゼルスに渡りました。

 彼のファミリーの会社は西海岸最大のマニュファクチュアであり、当時の日本御百貨店をはじめ多くの商社と取引をしておりました。以前ブログでも紹介をした100ctオーバーのDカラー、フローレスのペアシェイプ『プレミア・ローズ』を研磨した会社としても有名でした。

 彼と出会ったのは私がロサンゼルス在住の時でしたが、彼が日本に来ることも多かったので自然に親交も深まり、家族ぐるみの付き合いをしておりました。彼には二人の息子がおり、次男はファイナンシャルプランナー、長男はディズニーの版権を得て陶器のキャラクターの販売を行っております。

 勿論、彼らが小さな頃から知っていますので、特に次男関しては流石にユダヤ人の子だなと感じたことがあります。5,6歳の頃だったと思います。車のディラーに電話をして何やら声色を使っているのです。
『私は、今車の購入を考えているブラッドレー・ザグノーというものだが興味のある車があるのでパンフレットを送ってくれないかね?』
といかにも大人を気取ったような口調で好きな車のパンフレットを手に入れようとしているのです。

 自分が昼間、車のディーラーに行ったときに車のパンフレットが欲しいといったら子供だからという事で断られたのだそうです。それで彼なりに考えた方法であったようです。この家族は友人の影響か時々私を驚かせることも多くあります。

 彼とイスラエルに行くために、彼はロサンゼルスから、私は日本からロンドンで待ち合わせをしてテルアビブに向かったのです。彼が手配をしたホテルは国際的ホテルチェーンで自分はメンバーなので割引きはきくので一緒にチェックインしようという事になったのです。しかし、いざフロントに着くとメンバーの家族でなくては割引対象にならないといわれ、我々は思わず眼を合わせた瞬間に同時に
『We are brother‼』
と声を合わせて言っていたのです。

 一方は白人、もう片方は典型的とは言わないが日本人、それを怪訝そうに見ていたフロントマンが
『どう見ても血の繋がりがあるようには見えないのですが・・・。』
と顔を覗き込むような様子。彼はとっさに
『かれの姉貴が僕のワイフなんだよ』
といかにもその場で取り繕った様な言い訳をニコニコしながらするとフロントマンは苦笑いをしながら
『解りました。貴方達の演技に免じて両方ともメンバーという事でお取り扱いをさせて頂きます』と返してきました。そうすると彼は
『演技じゃないんだ。本当に僕らは兄弟なんだ。』
と片目をつぶってこちらを見ていた事。そして、その言葉に偽りが無くその後も兄弟のように接してきました。

 その兄弟が体調を崩し、私の顔を見たいといっている意味は、私自身の心を動揺させている事が解るし、なんとか彼に会いたいという気持ちを高ぶってきました。その彼から昨日連絡があり、再検査をして容態が安定してきたとの事。

 彼も70歳を過ぎて今は5人の孫と遊ぶことが楽しいといっていたのです。告げられた病名はガンという事でしたが、治療の結果すぐにどうなるという事ではないことが分かったという事でした。

 しかし、彼とは2年ほど顔を合わせてはおりませんが、私がアメリカに行くといつも一人でドライブをする私を心配して、夫婦で私の車に同乗をしてついてきてくれます。私にとっては掛替えのない友人であり、いつもお互いの事をお互いに顔を合わさずとも気にかけている兄弟なのです。

 近いうちの彼に会いに行ってこようと考えています。http://ameblo.jp/diamonrow

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