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2015年5月18日月曜日

処理石その2⁉

 前回に続いてなのですが、誤解をして頂きたくないのは処理石を否定しているのではなく、正しい表現を使う事が大切だという事です。

 宝石の1丁目一番地は宝石の条件です。美観、希少性、耐久性、携帯性、換金性とある条件をどれ位のレベルで満たしているかという事です。美観はあくまでも其々の主観がある訳ですが誰もが認める美しさが無論大事ですが、希少石であってもアレキサンドライトなどは好みが分かれます。

 また、希少石であったとしても耐久性に問題があるアウイナイトなどもあります。また、ほとんどの色石に関しては昨今の買取りブームの中でも評価はほとんどありません。勿論買取屋さんの殆どが素人ですから評価が出来ないという事もありますが・・・。

 そんな中での処理石は換金性という意味ではほとんど意味を成しません。しかし、販売時には
あたかも、最高級品のごとくというか、本来であれば天然石としての評価を処理石にまで転用しているという事実は消費者からの疑念を招きかねないという事です。

 前回書いたように本来であれば非処理である天然石に関されている『ピジョン・ブラッド』という最高色に冠する言葉を処理石にまで広げたら宝石の意味がなくなる訳です。他にも真珠の『花玉』なる表現も同じことが言えます。本来であれば競り市での最高級品質でその年の価格を決めるための基準珠の呼称であって、手を加えている物に使用する言葉ではなかったはずなのにいつの間にか加工品の評価に使用をされるようになってきました。

 何事においても業界寄りで物事を決まることはやむを得ないと考えますが、本質的な価値を揺るがすような対処をする事には疑問があるという事です。勿論、原則を守るとほとんどの人がビジネスを行えなくなるわけですが、解釈を広げる事により本来であれば宝石を扱うのはどうかなと思う人たちまでが業界で幅を利かせている事は憂慮すべきことでもあります。

 なにより本来の価値を無視するような表現は慎むべきであり、本質的な価値は大事にしなければなりません。結果的には産地偽称や誇大表記と同じ事になりますから、決して良い事ではありません。

 常々、言っておりますがダイヤのグレードのしても絶対的なものではありません。しかし、基準として1メートルが100センチぴったりではなくても95センチ~105センチの範囲内であれば目安としてセーフだと思いますが、85センチから115センチもしくはそれ以上を1メートルという表記の中に収めるには違和感や疑念がありすぎます。これらから距離を置いた方が無難というふうに消費者が考える事は自然な事です。

 大事なことは大切にしなければなりません。そして、大切なことは大事にしなければありません。
つまり、運転免許は確かに車より後にできたものです。しかし、それは安全に必要なもので秩序を守るためであり、車の発展のためであります。それぞれの表記やレポートも本来の宝石に誤解を招かないようにするためであり、宝石の発展のためにあるべきです。

 処理石から少し話がずれましたが、処理石は色々な意味で誤解を招く要因でもありますのでしっかりとした表記とレポートが必要なのです。
http://ameblo.jp/diamonrow

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