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2015年5月28日木曜日

宝飾業界の常識⁉

 先日、香港のショーでの売上金はどのように運んだらよいかという質問が取引先からあり、本来であれば海外との取引なので、銀行間の決済にするか送金を受ける方法が一般的なのですが宝飾業界の常識は少し違うようです。

 本来であれば展示会での現金のやり取りは厳禁という宝飾展が世界の常識なのですが、安全な日本で起きてしまった非常識の常識化がややこしさを引き起こしてる気がします。

 本来セキュリティーと保険の問題は絡むために会場での現金のやり取りはできないようになっており、それが世界の常識です。しかし、日本での主催者は出展社確保のために黙認をしてきました。それどころか一般客を集客までして、来場数を上げようというよこしまな考えがありますから、そのことには言及しておりません。勿論主催者は其れが非常識であることは解っています。

 つまり、主催者からすると、業界の発展よりはお金という事なのだとは思います。他国での開催の場合はセキュリティーのために来場者の事前登録がありますが。ビジネスのインボイスや店舗を借りている場合にはその契約書の提出も求められます。つまり、特定多数にして保険の対称とする為です。つまり、簡単に出入りされたり、不特定多数が出入りできると保険が掛かりませんから展示会のレベルとしてはあまり高くないという事にもなります。

 実際の日本最大のジュエリーショーでも盗難や紛失が後を絶ちません。一般客や実際に登録をしていない人が自由に出入りしているのですから当たり前です。億単位のものが無くなったこともありました。本来あってはいけないことですが実情は展示会というより即売会、バーゲン会場です。

 実際には出展社のレベルもどんどん下がり、土産物みたいなアクセサリー屋さんも多く目立ちます。海外からの出展業者もどんどん減り、出展費を下げたり、助成金を出したりしながらやっとの思いで欧州からの出展社を募っています。この習慣が香港のショーにも飛び火をしたのでしょう、というより中国人の性にはあっているのでしょう。瞬く間に当たり前化してしまいました。

 現在、香港ではジュエリー業界に銀行口座を新たに作ることは難しく、マネーロンダリングの温床化を防ぐために殆どつくる事は不可能と言っても良いでしょう。結果、売上金をどのようにするかという事になるのですが、多くの場合は現地の取引先にお願いをして口座を借りて日本に送金をするという手段をとっています。しかし、銀行口座はおいそれとは貸してくれませんから、よほど旧知でなければこれも難しいという事になります。

 現金の国内持ち込みはやはりそれなりに問題が発生する事です。書類等全てが整っていれば問題が無いとは言えますが、数千万円の現金をセキュリティーなしで運ぶというのは如何なものかと考えます。しかし、これには手を打つことが出来ません。その工程は間違っていなくても、本来香港のショーも現金のやり取りを禁止しており、主催者としてはそこいら中でやっているという事で黙認をせざるを得ないし、何かあっても当方は一切の責任を持たないという事で欧米とは違ってセキュリティーに関しては形だけになっているという事です。

 アジア人の気性なのでしょうか。やはり日本から広がった常識、世界の非常識というより、日本であっても非常識な事だと考えますがいかがでしょうか?

 前述の取引先の相談も問題を起こしたくないという事が前提でしたが、現金売りすることが既に問題なのであって、ある程度のリスクはしょうがないというしかありません。人命やリスクよりその場の現金という考えが根底にはあるのでしょうが自分たちが何を扱っているのかをもう少し考えた方が良いかもしれません。

 皆でやれば怖くない式が誰かに必ずリスクが来ることは過去が物語っています。盗みをするつもりが無くても盗んでくださいという状況があれば出来心も起きるでしょうし、ましてや狙っている輩にしてみればカモネギ状態だという事でしょう。毎年に日本の国際宝飾展でも盗難が後を絶ちません。しかし、余程でなければ警察沙汰にもできずにいる状況を何時まで続けるのだろうかと首をかしげざるを得ません。
http://ameblo.jp/diamonrow
 

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