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2015年3月31日火曜日

ファンシーカラーダイヤモンドの表現⁉

 先日、販売を行ったピンクダイヤモンドのレポートをニューヨークのGIA(米国宝石学会)へ依頼し、返答が戻ってきましたが、理解に苦しむ回答がありました。以前GIAの日本の代理店に依頼をした際にファンシー・ディープ・ピンクと判定をされていたものが、今回はファンシー・オレンジー・ピンクとなったわけです。

 不思議なのはもう一点GIAのレポートの付いたピンクのダイヤモンドがあるのですが、これはファンシー・オレンジー・ピンクとなっており、同じ内容のレポートなので明らかにオレンジの混じったピンクです。比べてみると同じカラーの表現がされているとは思えないほどの色に違いがあります。

 GIAは現在、色の解析について複数であるがグレーダーの主観であるという事ですから、現在多くのオークション等で使用をされているカラー表現は時代によっては違うという事になります。非常に危うい解析方法です。レポートの有効期限に関しては色々な見解はあるのですが、人の主観によっての変化があるとなるとグレーダーが変わった時点で、もしくは時によっては違いが出てくるという事になりますので、その時限りともなる訳です。

 多くのオークションではGIA等のグレードによって取引がされ、価格が決まっているケースがほとんどですが、時としてその評価が違うという事になる訳ですから、物によっての判断をするプロの存在が本当に必要であると考えます。

 4Cのグレードについてもそうですが、『あくまでも目安である』ことが常識としてはなっていませんから、今後のダイヤモンドビジネスにおいては弊害になる場合も出てくるような気がします。あくまでも第三者に責任があるニュアンスでありながら、実はその第三者も責任を負う訳ではないという状況がまだまだ続くという事のになるのでしょうか。

 時代に合わせて、改善はしているのですが、あくまでも第三者機関の都合による改善ですから、いつになったら本当の意味での改善が行われるのでしょうか?現実的にはやむを得ない事は解っています。しかし、それを消費者にもっっとインフォーメーションすることが大事ではないでしょうか?
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2015年3月30日月曜日

違和感⁉

 身近なところで女性が『ハックショーン‼』と大きなくしゃみをするとびっくりすることがあります。勝手にこちらが女性は『クション!』と小さなくしゃみをするものだと思っているからです。

 今朝、電車の中で野太い咳が聞こえていたのでどこかのオッサン(自分もそうであるが)が花粉症か何かでくしゃみと混じったような咳をしているなぁ・・と思って後ろを振り返ると小さな男の子でした。

 人間は自分の経験したことの中でしか想像が出来ないし、見聞きしたとしても実体験がなければ物事を考え思い巡らすことも出来ないでしょう。それ故目の前にしたことがその想像の中や、多くの経験をした人であれば実体験の印象と違ったりするとそこに違和感が生まれます。

 違和感とは第六感であったり、経験値に対する警戒感であったりもします。今までもいろいろな場所や経験の中で違和感により避けてきた災難も随分ありますが、今一番懸念している事は『マイ・ナンバー制度』です。

 マイ・ナンバー制度に関しては多くの富裕層は懸念を隠しませんし、それゆえのダイヤモンドに対するご相談も増えていることも事実です。これは何も富裕層に関してだけの問題ではありません。

 アメリカでは古くからソーシャルナンバーというマイ・ナンバー制度に似たものを行ってきていますが、多くの問題も起きていることも事実です。身に覚えのない手続きが他人によって行われていたり、ソーシャルナンバーがない人間が他人のナンバーを盗もうとしたりと、いろいろ問題も過去にも現在にも起きています。

 国からすると一つの番号で国民を管理でき、公共のサービスがしやすくなるという利便性を訴えていますが、果たしてどうでしょうか。財務省が国民のどこからあと幾ら搾り取れるかという事が明確になることは間違いがありません。

 しかし、以前我らが業種においてはマイ・ナンバー制度の小型版みたいなものがあり、業者は当時の大蔵省の管理の元、業者番号を与えられ、物品税なるものを消費者から預かり、納税していた時代に何が起きていたかという事は十分に知っています。必ず、その制度の裏を突いた闇市場が出来上がります。

 何より、現代の行政のシステムは元時代のIT環境には追いついてはいません。必ずハッキングやなりすましが現れ、場合によっては犯罪を犯し、アリバイ造りをする人間も出てくるでしょう。

 つまり、クレジットカードやETC、保険、会員制のクラブその他のもの殆どのものが一つ位の番号で管理をされるようになると使ってもいないカードの履歴を、他の場所で使った事にすれば、それだ
けでそのアリバイが成立することになります。

 行政(特に財務省、厚労省等)都合だけで、稚拙なシステムしか持っていない行政の能力で完全にこれをコントロールできるとは思えないのです。

 ダイヤモンド業界にとってはある意味、変化をする時代になってきた予兆でもある様な気がします。いずれにしても違和感をものすごく感じる『マイ・ナンバー制度』です。

2015年3月28日土曜日

ライブ⁉

 昨夜は友人の家で今売り出し中の若手ギタリストデュオ『いちむじん』のライブをやるというので聞きに行ってきました。最初は単なるノリで友人、知人で集まって食事をしようという事でしたが、話が大きくなって30人ほどになり、若手のギタリストのデュオがいるという事で呼んでみんなで聞こうという事だったのですが、聞いてみてビックリしました。

 友人の家に友人知人合わせて30人ほどの食事を用意してもらい、飲み物は各自持ち寄りという事で食事をし、その後彼らの演奏を一時間ほど聞くという事になったのですがNHKの大河ドラマ『龍馬伝』のBGMの演奏を行っていると聞き、そうなんだと思いながら、高知県の龍馬空港では彼らの演奏が流れているそうで、話を聞くと高知県出身で高校時代からの友人同士で今に至るという事でした。

 昨年はアメリカデビューを果たし、将来はグラミー賞が狙えるようにと頑張っているそうです。彼らの話を聞くと最初から楽譜も読めたわけでもないし、ギターも弾けたわけではないけれど、やってみたいという思いだけで頑張ってきたという事です。思うところが一緒なのパートナー同士で頑張っていけると考えているとのことでした。

 向かう所が無く、ただ漫然と日々を送っている人々が多い昨今、良い若者たちだと感心するとともに彼らのオリジナル曲である『陽だまり』のメロディーラインに懐かしさを感じ、ホッコリした気分になって、居心地の良い時間と空間を過ごさせてもらいました。思わずCDを2枚買い求め、店内で流そうと思っています。

 30歳の彼らがグラミー賞を目指すという事は大変なことだと思いますが、目標を持つことの大事さを彼らを見ているとつくづくと感じました。これらからも彼らを応援したいと考えています。皆さんももし聞く機会がありましたらじっくりと聞いてみてください。

 機会を作ってくれた友人に感謝するとともに、後片付けもせずに帰ってしまったので申し訳ない気持ちです。

感謝‼               http://ameblo.jp/diamonrow/


 
 

2015年3月26日木曜日

ワイン会⁉

 昨日、恒例になっているイスラエルからのワインを楽しむ会を行いましたが、初めて参加された方やお久しぶりの方、初めて来店をされる方と雰囲気は又いつもと違った感じもあり、新鮮な気持ちで皆様にお会いさせていただきました。

 初めての方も多かったので最初は遠慮がちな雰囲気もありましたが、小生の趣味でもあるおつまみには皆さんも御口に合ったようで(希望ではありますが)お褒めの言葉を頂きました。

 内容的には生地から打ったピザとピクルス、ポークのアイスバインとワインを意識したものばかりを料理し、皆さんに提供をさせてもらいました。特に好評だったのがフルーツピザでしたが、これはナチュラルチーズを引き詰めてその上にドライフルーツと生のキウイをのせ、生地を少しうすめにして焼いたものです。十分にスイーツだと喜んでいただきました。

 今回は輸入したばかりの3ctのハート型のダイヤモンドの話題が集中し、皆さん目をきらめかしていましたが、これは決める際に生地が気に入り、多少気に入らなかった形を少し整形をし、よりダイヤモンドの個性を引き出したものだったので、私自身もうれしく思っていました。

 夕刻からご来店いただき、最終はいつもより少し早い9時頃でしたが色々と話題もあり、後日ご来店の予約を入れて頂いたりと、相変わらず楽しいひと時を過ごさせて頂きました。

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 いらっしゃる予定でご来店を頂けなかった方には非常に残念ではありましたが、近々に花見を兼ねて再度開催する予定ですので、その際には是非ご参加を頂ければと思っています。

 

2015年3月25日水曜日

日本ダイヤモンド市場の凄さ⁉

 かつては米国と日本で世界市場の3分の2を占めて、世界第二位の市場規模を誇っていた日本のダイヤモンドのジュエリー市場ですが現在では世界第三位となっています。

 ここ十数年の不況と言われている時代においても、五年前の2010年まではその地位を維持していたものです。今でこそ中国という新興国に抜かれはしましたが、それでも世界の第三位です。

 中国がすごいといっても、ダイヤモンドのジュエリー市場だけで見れば、まだ1兆2千億円レベルです。かつての日本は1兆5千億円を超えておりました。現在でこそ半減し、7千億円前後という数字ですが、人口比や過去の販売数字をふまえて考えるとやはり日本市場はすごいといわざるを得ません。

 実際のジュエリー産業全体で見ると、中国は6兆円規模で今後3兆円程度は伸びるだろうといわれていますが、はなはだ疑問です。それは習近平の汚職、賄賂撲滅政策によるものが大きいのです。袖の下社会である中国共産主義では、ダイヤモンドやヒスイなどの宝石は大きな役割を果たしてきました。ここ一年で大粒ダイヤモンドの動きが半減していますので今後注目ではあります。

 日本においてもジュエリー産業としてはかつて3兆5千億円と言われた規模から考えると、現在の市場規模は大きく後退をしたといって良いのでしょうが、比率で考えると他の宝石ジュエリーに比べ、ダイヤモンドジュエリー自体はその率ほどは落ち込んではいないのです。

 実際に現在でも、大粒ダイヤモンドやファンシーカラーダイヤモンドの需要はむしろ増える傾向があります。これは一部の富裕層がダイヤモンドの本来の価値に気が付き始めたようにも思えます。
当方が接する消費者においても、卸の引き合いに関しても、大粒とF・カラーの引合いが多く、様子を伺うとやはり資産に対する対策でもあるようです。

 この秋、『マイ・ナンバー制度』がスタートします。これは悪法なのか、良法なのかは結果が出なければ解りませんが、過去行政が考えた制度でまともだったことはあまりなかったことを考えると、先が思いやられます。100年安心の年金制度はは僅か5年、住基台帳制度は有って無いようなもの、なにより財務省が国民からあとどれ位搾り取れるかを把握するための制度ですから、まともに機能するとは思えません。

 国民の財産から動きまでをすべて一元化した番号で管理しようなんて事はおごり以外の何物でもないと思います。以前我々の仕事は当時の大蔵省の管轄にあり、業者番号制度で認可制でありました。これはこれとして役に立っており、今のように誰でもかれでも宝飾業に携わるはできませんでしたから、それなりに役には立っておりました。それが無くなったとたんに業界が乱れたことを考えるとですが・・・・。

 ただし、そのために地下に潜ってしまう数字が多かったのも事実です。B-チャンと呼ばれた闇市場が形成されており、行政がそれを管理する事はほぼ不可能な状態だった訳です。

 断言しても良いですが、今後ダイヤモンドの市場は活発になることは間違いがないです。何故なら日本にはダイヤモンドに替えた方が良い現金が10兆円を超える規模で眠っており、これはマイナンバー制度の想定外に既にあるものです。ただし、違法の事はできませんが遵法の上での動きをするとしたら・・・・・・。

 日本の市場は凄いんですよ。

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2015年3月24日火曜日

風に立つライオン⁉

私はよく映画を見るのですが多くはハリウッドものです。ここ最近で見た邦画は僅かで『永遠のゼロ⁉』と最近封切られた『風に立つライオン』です。

 特に『風に立つライオン』は実在の人物をモチーフしたもので、アフリカの子供たちを救う為に尽力した一人の日本人医師の物語を歌手のさだまさしが本を書き、俳優も大沢たかおの企画により実現をしたものです。

 内容で特に心を打たれたところは、麻薬を打たれ少年兵とされ、傷つき診療所に現れた部分と幼い子供達が手を繋いで地雷原を歩かされる部分でした。映画の世界の様に思われるが実は現実の世界であることを知っている小生にはとてもつらい部分でした。

 今までも色々なところを回っていて、この医師の様に志す機会もあったのかもしれませんが、私にはその勇気がありませんでした。私自身もタイのHIVキャリアの子供達のサポートやアフリカの難民キャンプのお手伝いをしたりもしましたが、自らの力の無さを何時も痛感しておりました。

 特にアフリカの子供たちの被害の大半に関わってくる事でもありますが、以前にも書きましたが『コンフリクト・ダイヤモンド』の問題です。欧米諸国の横暴の犠牲になるようにダイヤモンドという通貨が存在をするためにアフリカの子供たちは幼い命を失ってきました。

 ダイヤモンドが通貨の代替になることは以前にも触れましたが、その結果、平和になった国もあり、その通貨が兵器や弾薬に変わり、多くの人々の命を奪ったことも事実です。誰がどのように使うかによって幸せにも不幸にもなるものがダイヤモンドです。

 ダイヤモンドは『心の幸せの灯火』です。それゆえ、手に入れた人間が幸せに感じ、その幸福感が何らかの形で恵まれない子供たちの手に届くことにより、幸せを感じてほしいのです。

 タイの孤児院のサポートはジュエリーを手に入れた幸せの一部を子供たちにという事で、売り上げに一部を寄付とさせて頂き、サポートを続けさせていただきました。

 ジュエリーを購入した人々は幸せを感じなければ、その意味もありません。購入して後悔や苦しんでは何の意味もありません。それゆえに販売側のモラルは他の業種以上に求められると思っています。何故なら実用品ではなく、地球からの贈り物である宝石の価値は販売側の人格そのものだからです。

 『風に立つライオン』の医師のような清廉な行動はとれなくても、その意思の一部を理解できればと持っています。また、一方では現在もダイヤモンドの利益の一部が世界ダイヤモンドディーラーズクラブを通してアフリカの子供達のサポート回っている事も事実です。

 ダイヤモンドは人類が幸せになるように地球から贈られたプレゼントです。どのような形でも人々の役に立てる事が重要ではないでしょうか。『風に立つライオン』の様に孤高の優美さを、風に向かって志を持ちつづける事がダイヤモンドの価値そのもののような気がします。

 人の心を打つことは映画も宝石もありません。故に感動をする人間の心が大事です。それがある限り、ダイヤモンドには価値があるのです。反面それを忘れたときにはダイヤモンドは輝きを失うのです。
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2015年3月23日月曜日

景色⁉

  3月は1週目、香港、2週目イスラエル、3週目北海道となかなか忙しく過ごさせてもらいました、今週は店頭でのワイン会と期末とはいえ他の業種とは違う過ごし方をしています。

 それぞれの土地柄でいろいろな特徴はあるけれど、地方のお客様は特別な気がします。気を使っての展示会への来場は主催者側も考えなければならないでしょう。決して買う物や欲しいものがないにも拘らず、来場をしていただくことは感謝の念に堪えません。

 中には勘違いをしている販売員もおり、お客様は来なくてもよいところを来ていただいているということを忘れ、その場の売り上げを何とかしたいという物が前面に出て、購買意欲をそそるような演出や接客をしない面も多々あります。売上ということが目の前にあることは理解しないでもないんですけどね。

 ただし、自分から見た景色だけでものを考えると本来の姿も見えなくなります。救助に来てくれている人間の命綱を引っ張るようなことをしていては自らも助かるまいということです。

 社会に出た頃、宝飾業界は高嶺にある景色でした。その業界に身を置き、宝飾業が普段の景色になり、今年を重ね目に映る景色は・・・・・。

 20代、30代と若い頃は自分を主語としてモノを考え、年を重ねるごとに外からモノを見、自分本位のモノの見方から、他人の未満を埋めようという気持ちになってきます。

 高嶺にあった宝飾業は、物が優美であったことは勿論ですが、売り方が美しく、そして何より背伸びをする存在にありました。勿論それは販売側の演出でもあり、誇りでもありました。

 今の景色を見ていると・・・・という言葉は使いたくはありませんが、消費者が憧れる存在でいる努力をし、その努力を見せないようにしているのかどうかということです。

 『宝飾業は白鳥のごとく有れ』という言葉は先人達がよく口にしていた言葉です。水面では優雅に、水面下では一生懸命足を使っていても悟らすようではだめであるということです。努力ともいえない様な裏側をさらけ出していたら、憧れる存在で有る訳がありません。

 宝飾の価格は人間力です。本来地球からの産物に過ぎない物に価値を与えるのですから言葉としてはそのものです。売り方、値引きの仕方、すべてその人間そのものです。

 目に映る景色が決して美しくはないということは宝飾業にとっては致命的のものです。しかし、お客様の思いやりが目に見えてくるようになるとその景色もまた美しい。販売する人間たちに逆に感じてもらいたい、そしてその気持ちに答えてあげてほしいという気持ちにもなります。

 今、新たに景色を創り上げることはとは大層なことです。しかし、あの富士山のゴミを小さな存在の人々が少しづつでも拾い上げ世界遺産にしたように、少しづつでも業界のごみを拾い続け、将来の永続性のあるものにすることが大げさではありますが自身の年代で見えている景色なのです。

2015年3月16日月曜日

出張⁉

 先々週には香港、先週にはイスラエル、そして今週は札幌と忙しい3月になったものです。最も忙しいときには年間イスラエルへの渡航が13回そしてその間にアメリカへ3回、香港へ2回、欧州へ3回と渡ったものですが、その時に比べればとは考えるのですが、如何せん年齢を重ねると実質体にはきついと感じます。

 出張をしていると先々に色々な事が起きたり、出会ったりと様々な思い出もそれぞれにあります。
ロサンゼルス発のフライトで爆破予告があり、急きょサンフランシスコ空港に降りたり、コロンビアからロサンゼルスへのフライトではLAについてタラップには付かないと思っていたら麻薬犬がいきなり入って来て、麻薬捜査を始めてみると、捕まったのは殆どが乗務員だったりと、普段では考えられないようなことにも遭遇してきました。

 出張生活は社会に出た年からですから、もう40年以上にもなります。フライト時間は下手なCAよりは多いかもしれません。特に行く場所が多様化してからは荷物を預けずに、自らが携行するようにしています。何故なら、トランジットをする際に不明になったり、遅延したりと次の渡航地に行く際の不都合があることが多く、仕事にも支障をきたすので、必然的にコンパクト化し携行をするようになったものです。

 今では荷物を持つことさえ面倒になり、国内の出張よりもむしろ軽装で向かう事も多く、時には入国の際に『本当にこの荷物で間に合うのか?』と訊ねられる事も多く、ただでさえ荷物の多い欧米人には信じられないようでした。

 欧州の空港のバゲージダウンで気づくことはロストバゲージのカウンターの大きさです。場所によっては数十メートルもある空港もあり、いかに荷物の紛失が日常的に起きているかを物語っています。ビジネスで動く人間にとっては、気を付けなければいけないことでもあります。

 出張の良いところは色々な人と出会い、又、色々なものを食べる事が出来るという事ですが、特に印象的な出会いは、テルアビブからパリ行のフライトの中で出会ったユダヤ系フランス人の建築デザイナーの方でした。日本に興味があって、今の仕事が終わったら日本に行く予定であることを告げられ、日本で会いたいという事で電話番号の交換をしました。

 数か月後、そのフランス人から連絡があり、実はものすごく気に入った子がいるので通訳をしてほしいとの事でした。約束をした場所に行ってみると若い二十代前半と思える女性が彼の傍らにいて、こちらの方を怪訝そうに見ておりました。

 彼は実はフランスでも著名な建築家(小生は後に知ったのですが)でパリで有名な建築物などを手掛けており、日本でも依頼を受けた仕事のために来日をしていたそうですが、彼女はその依頼主側で働いていたOLだったようです。彼は既に当時60過ぎの年齢ですから、通訳をするといっても彼の気持ちを伝える私自身も複雑な気持ちでしたが、なんと彼女は彼の申し出を受け止めたのです。

 その後はどのような経緯を経たのかはわかりませんが、フライトの中で知り合う人々は数多くいましたが、一番印象の残っている人物であることは間違いがありません。人との出会いはその時に一番印象に残り、自身に不足している物を持っている対象の人に惹かれるものですが、その時の私は彼の何に惹かれたのかは未だに解りません。

 出張というものは自身の経験値や判断値を広げてくれるものですが、それでも人は自分の経験値でしか物を判断できないことを考えると、出張という仕事の延長線上にあるものが実は人生を豊かにしてくれるものでもあるという事を改めて感じるのです。
 

2015年3月14日土曜日

ジンバブエのダイヤモンドその2⁉

 数回前に書いたジンバブエのダイヤモンド事情について質問を頂いたので少し付け加えます。多少時間軸やニュースソースがあくまでもダイヤモンド業界側からのものですから違いがあるかもしれませんが、往々にしてビジネス界の情報がリアルで生々しい事もあるのでニュースで流れるものとは少し違うかもしれません。

 ジンバブエとは以前は南ローデシアと言われ、現在のザンビア(北ローデシア)とともに英連邦に加盟をする国でした。ローデシアとは『ローズの家』という意味でかのセシル・ローズ(デビアス設立者)が殺りくを繰り返しながら統治をした場所でもあり、彼の名前が由来をしていた国名でありました。

 つまりセシル・ローズがそれだけ執着をしたところですからダイヤモンドの埋蔵量の可能性を見出していたのでしょう。現在のムカベ政権は独裁と圧政を繰り返しており、そのため、前回にも書きましたがキンバリープロセス違反により欧米諸国より、ダイヤモンドの輸出を規制され、プロセス加盟国においてもそれらの輸入を禁止されていたのですが、中国がここに目をつけ、後ろだてとなり武器供与や援助を行う事により、ダイヤモンド最大のマランゲ鉱山での採掘権をほぼ手に入れているのです。

 また、この鉱山は数百人の中国軍兵士がおり、ジンバブエ国軍の指導と指揮を執っており、採掘の強制労働者を監視しているとも言われています。それらから採掘をされたダイヤモンドの原石は中国に運び出され、資金源となっている事は前回にも述べました。キンバリープロセス違反による禁輸処置がとられたのは労働者に対する殺りくや強制労働があったからです。現在もその状況は変わないという事は中国軍がそれを行っている可能性もある訳です。

 これらの暴挙を考えると、現在中国が中心に設立準備をしているアジアインフラ投資銀行などはとんでもない話で、先日先進国として初めて英国が参加を表明しましたが、自国の利益だけを考えていると後々しっぺ返しが来るのではと考えます。

 あくまでも覇権主義を貫く中国を抑えなければ世界中の資源を中国が抑えようと本気で画策しているのではと考えます。

 また本題ですが、ジンバブエの原石に関しては高評価をあまり聞いたことがありませんので、宝飾用のダイヤモンドは勿論ですが、工業用のダイヤモンドも多く含まれているのではないだろうかと推察されます。光、つまり照りがない物が多く含まれているという事です。

 いずれにしても、ダイヤモンドの輝きは人々の幸福の上になければなりません。一部の利権のためにくすぶるようなことは歓迎できることではないと考えています。ただこれも、ダイヤモンドの通貨性の高さだと考えると複雑な心境です。

2015年3月12日木曜日

潮目⁉

 前回は時間が無く、途中になりましたがダイヤモンド取引所での潮目の感じを具体的に言うとダイヤモンドの研磨の多くを海外で行うようになったイスラエルの各社は直接の取引を他の国と行う事も多くなり、実質的には以前よりダイヤモンドの集荷状況が少なくなり、ブローカーの存在も必然性が低くなってきたといって良いでしょう。

 以前であれば、研磨上がりもバイヤーもここに集中をしておりましたので、物凄い活気を感じたものです。それから景気も悪くなり品物があってもバイヤーが少なくなり、また、アジアの多くのバイヤーは近くで尚且つ価格も安く感じるインドに足を運ぶことが多くなりました。

 その上でダイヤモンドの研磨も海外でのものが多くなると必然的に品物も少なくなり、其々のブローカーのチャンスも少なくなるわけです。特に熟年のブローカーに関していえば、過去の栄光(一日多い時で200万から300万円の収入)がある訳ですから当然、若いブローカーより、落ち込んでいる姿が痛々しく見えます。多くの買い付け事務所も同じことが言えます。

 特に日本人のバブルを経験していないバイヤーたちは殆どが既にソーティンググレードが付いている物を買っていましたから、実質的にはダイヤモンドを分かって仕事をしていた訳ではないのでほとんどの場合国内での『市』と呼ばれる仲間内のソーティング付ダイヤモンドの売買に携わっており、やはり仲間内に売買しているので大した利益も生まれずにいるでしょう。

 ダイヤモンドは今、通貨化している事は毎度書いている通りですが、研磨代の安いといわれていたインドやアフリカにおいても、もう工賃が下がることはなくなっていますから、ますます、付加価値を含まない実質的価値として流通することになるでしょう。

 特に原石が上がっていてもファンシーカットは価格が抑えられ続けてきましたから今後はファンシーカットの価格に注視すべきでしょう。そしてそれらのところはイスラエルが得意としているところですからそれを踏まえて考えると解りやすいかもしれません。

 また、以前にも書きましたが中国におけるジンバブエの原石の動きにも注目すべき時が来たような気がします。中国国内の汚職対策の締め付けが厳しくなるほど中国国内での大粒ダイヤモンドの動きが悪くなり、それらのダイヤモンドの行き先にも注目をすべきなのでしょう。何にしても悪行善行問わず、中国という国は世界の色々な部分で影響を与えます。

 善行が他の国に影響を与える国は多くありますが、悪行の影響も大きいとはいやはや中国という国の体質を現わしており、日本ではあまり報道をされていない中国の悪行も欧米諸国の報道では最近特に目につきます。日本の報道は何に気を使っているのかと勘繰りたくもなります。

 いずれにしても今後もダイヤモンドの価格には目の離せません。但し、小さいサイズに関しては今後しばらく下落をする可能性があります。これら一般向けのダイヤモンドはブライダルをはじめ需要が減っています。業界の変貌がマイナスに起きていた時期が長く続きました。今後の機会を生かせるところが残っていくのでしょう。

 
 

2015年3月11日水曜日

旅の途中!?

 イスラエルより帰途につき、現在はソウルでトランジットのためにラウンジにて待機中です。機内では十数年前にお会いしたことがあるという方からお声をかけられ、イスラエルには現在はお仕事でこられているということでした。

 機内で荷物を整理していると
『大変失礼ですが髙木さんではないでしょうか?』
『はい、そうですが』
とこちらが怪訝そうな顔をしていると

 『十数年前にテルアビブでお会いしたことがあり、たまたま友人のフェイスブックを見ていたら、髙木さんが本日イスラエルを出発されるということを知っていたのでもしかしらと思い声をかけさせていただきました。』との事で、恥ずかしながら小生は話している途中でも思い出せなくて失礼をしてしまいました。ただ共通の友人がいまだに交流があるということで挨拶をさせてもらいました。

 こ方は以前ダイヤモンドのビジネスを行っていましたが、年齢もあり、現在は他の仕事に付かれているという事で、イスラエルを良く知っているということで現在のお仕事でもイスラエルのほうを担当しているそうです。ダイヤモンドビジネスの厳しさを感じつつ外から眺めているとの事でした。

 今回の仕事でも取引所にすべての日に座っておりましたが、ある意味での潮目を感じました。それは絶対的ダイヤモンド取引所として君臨をしてきたイスラエルダイヤモンド取引所ですが、多くのブローカーが所在なさげに話をしている姿ですが、以前であれば最小限のダイヤモンドは 机上に乗っていたものですが、殆どのテーブルの上には物がのっておりませんでした。

 以前であれば考えられないこの姿はアムステルダムの取引所、ロサンゼルスの取引所と経験をしてきた身にはその姿を消していった取引所と何かかぶるものを感じました。勿論、力も規模も違いますから一概に同じとはいえませんが、以前から書いているようにダイヤモンドビジネスの何かが変わってきました。

 殆どの日本人バイヤーは姿を見せることもなく一部のアジア人を見る程度になったことは寂しい限りです。特に三十代、四十代の日本人バイヤーに至っては殆ど姿を見ることもなく、やはり環境的にバイヤーといってもメッセンジャーボーイに近い仕事しかさせてもらえなかったという環境のためもあるでしょうけれど、今は過去の人々と既になっていきました。

 その要因はまもなくフライトが出るので次にします。

2015年3月10日火曜日

ジンバブエのダイヤモンド!?

 取引所に座っていると色々なものが目に入り、耳に入ってきます。若いブローカー達が(ダイヤモンドをオーナーから預かり世界からのバイヤーとの仲介人)ダイヤも原石をそのままそのまま指輪に埋め込んだり、穴を開け繋げてブレスにしたりといったことが目に入ってくるのもそのひとつです。

 勿論、綺麗なものではなく工業用のダイヤモンドにもならないほどのものが殆どですが、何故か彼らの間ではやっているようです。その殆どの原石はジンバブエ産だといいます。ジンバブエとはあまり日本人にはなじみの無い国ですが、ダイヤモンドの埋蔵量は世界最大とも言われています。

 前回にも書きましたが産出場所によっては品質に差があります。ジンバブエ産はすべてとは言いませんが良質なものは少ないといわれてもいます。ただ、始末の悪い話も実は裏にはあり、決してダイヤモンドを扱っている人間としては触れたくない部分でもあります。

 ジンバブエの採掘権は本来英国の採掘会社に与えられたものですが、現在のジンバブエ政権はそれを無視し、女子供を含め不法労働をさせております。

2002年国連会議によりキンバリープロセスなるものは批准されましたが、これはもともとシェラレオーネなどのコンフリクトダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)やブラッドダイヤものどと呼ばれる不法採掘と、それらの国の国民がどの犠牲になっていることを前提に、以前であれば海外の採掘会社による利益の持ち出しなどで実際にはその国の利益にはならず、癒着した一部の政治家の懐をう潤していただけで、多くの利益は国外に待ちだされておりました。

 毎年、何十万人という人々がこの犠牲になっていたといってよいでしょう。正確に言うと惨殺されていたのです。これを国連の立場で防ぐために出来上がったのがキンバリープロセスという条約です。それぞれの採掘会社はそれぞれの国と企業と最低でも50%の利益のシェアを合いなければならないというものです。

 しかし、ジンバブエに関してはそれらの条約を無視し、勝手にやっているのですが現在の政権はダイヤモンドの採掘権と武器の供与を前提に中国という大国に守られています。中国は無制限の武器の供与の交換条件として、殆どのダイヤモンドを中国に運び出しており、それが研磨され世界の市場に流されております。多くの工業用ダイヤモンドが中国に豊富なのはそんなところにあります。

 それだけではなく、採掘の際に多くのジンバブエ国民がいまだに犠牲になっていることも付け加えて起きます。世界代第二位の経済大国という立場をそろそろ理解を出来るだけの頭と知性をもっても良いのではとも思います。

 いずれにしてもダイヤモンドが通貨化することはうれしいのですが、その影での醜さはダイヤモンドを扱う人間としては許しがたいことでもあります。

2015年3月9日月曜日

テロワール!?

 ワインの用語でテロワールという言葉がありますが、産地の条件によるものの違いを指しています。ワインで言えば日照であり、気温であり、土壌であり水分が同じ品種であっても味やこくなどに影響を与えるわけですが、ダイヤモンドにおいても同じことが言えます。

 昨夜イスラエルの知人と夕食を共にし、こちらでは珍しくポークを主体にしたレストランで豚肉をスモークしたものやグリルにしたものを調理してくれます。勿論、イスラエルはユダヤ人の国(ユダヤ人は宗教上豚は食しない)ですから非常に稀なレストランなわけです。

 私自身はこのワインの発祥の地(ゴラン高原やレバノン)であるイスラエルのワインはとても好きで何の料理にでも合わせるのが好きで、ポークの料理には何が合うのかという話になり、私の選んだカベルネソーヴィニヨンのワインは実にマリアージュとしてはスモークにぴったりのものだと悦に入っておりました。

 そんな中で当然ダイヤモンドの話題でインドの業者が扱うダイヤモンドは何故なぜライフ(照り)が少ないのかという話になり、原産地の違いが影響を及ぼしているのではないかという話になりました。

 長年の経験から産地による原石の違いはわかっておりましたが、彼の発言でなるほどということになり、確かにファンシーピンクでもアフリカ産のものとオーストラリア産のものでは色も違うがライフの差はかなりのものがあります。たしかに現在ではアーガイル(オーストラリア)産のものが市場を占めておりますが、私見ということではなく、やはり、アフリカ産のもののほうが色も含めてすっきりしていることは多くのダイヤモンドビジネスに携わっている人間にとっては承知をしていることでしょう。

 単純に白いものであってもロシア産であれば若干のグリーンが含まれ(勿論すべてではないが)
アフリカのものでも産地によってはくもりではなけれど純白感にかけるものもありますが、往々にして原石の価格が安いということが共通していると考えられます。

 ワインではありませんが、採掘できる産地や生成されてどれくらいの年月が経っているのか(地球創生期なのか活性化していた1億年ほど前のものなのか)によって4Cのグレードには現れない特徴があるものです。むしろ、ファンシーカラーのほうが特徴はわかりやすいのかもしれません。

2015年3月8日日曜日

イスラエルダイヤモンド取引所!?

 初日を終え、あまり良い結果ではなかったけれど、多くの品物が香港から未だ戻っていないことを考えるとやむを得ないのかなとも思います。

 こちらではあまり品物がないこともあり、多くのブローカーが所在無さげに取引所の中でうろうろとしておりました。多くの人々と話をすることになったのですが、最近は経済もあまり良くないという事もあり、日本の景気を聞かれる始末です。

 二十年から三十年前の話になると多くの熟年のブローカーは目を輝かせて話をしていますが、多くの若者はそんな時代が日本にあったのかいなといった視線でこちらを眺めています。

 あの頃といった話が出るようになると潮時なのかなとも思いますが、話にも出てきていたのですが、自分たちと時代が変わっただけでダイヤモンドが変わったわけではないということも付け加えるようにして出てきます。

 以前であれば多くの研磨がイスラエルで行われてきましたが現在は多くの大手の会社がアフリカに研磨の地を移動し、以前ほど汎用性が無くなってきたことがイスラエルでのダイヤモンドビジネスを面白く無くした要因でもあるのでしょう。

 多くの若いブローカーはただダイヤモンドと価格のレポートを持って歩き、リストの何パーセントだよといった答えだけで、幾らかというこちらの質問には殆どのブローカーが答えることが出来ない状況にあります。

 価格のやり取りには当然のように時間が掛かるので何時も短い時間の小生には、無駄な時間に思えてならなのです。プロが減り、仲間が減っていく状況を見ていることは時間の変遷を感じるとともに自身がいつまでこの仕事を行っていることが出来るのだろうと神妙な気持ちになってしまいます。

 日本においてもプロのジュエラーに出会うことは殆ど無くなり、バナナの叩き売りのようなレベル(その手の達人には失礼ですが)の業界人が増え、業界や宝飾品の価値を損なっているように、ダイヤモンドの取引所においても自分が扱っているものが何たるかを知らない輩が増えてきました。

 自らの扱い品をしら知らなければ、扱い品の価値など解るはずもないのですが、多くのサイズの大きなものは世界の通貨になっているように、むしろ下手な知識が無いほうが良いのかもしれません。

 しかし、バナナのたたき売りの価値は叩き売っている人の口上が名人芸なだけでバナナには価値が生まれることは無いでしょう。バナナが病人のお見舞いで高級品の代名詞で価値があった頃が懐かしくなりますが、ダイヤモンドは売っている人の価値が安くなるだけで決してダイヤモンドの価値が損なわれいくことはありません。

 それ以前に価値の無い人が価値のあるダイヤモンドにぶら下がっているように見えないようにすることも大事ですよね。

 

2015年3月5日木曜日

香港ジュエリーショー!?(2)

 香港2日目は香港コンベンションセンターで行われている主会場での初日を過ごしてきたのですが多くの出展業者を訪ねてみても、いかにも世代交代が行われたことを感じました。多くのブースでの挨拶をする相手が子供の頃から知っている若者だったり(若者といってもせいぜい40歳前後だったりしますが)、見慣れた同世代の姿が数少なくなってきたことを感じます。

 さらにいうと殆ど以前であれば名前も知らなかったような会社が大きなブースを出展し、いかにも得意そうにしている姿が目に付きます。一方相変わらずのブースを構えていたのが旧知のDEREHSです。相変わらず10ctアップの最上級品だったり、ファンシーカラーのブルーやピンクが所狭しと鎮座しております。

 久しぶりということもありますが、オーナーでアジアのダイヤモンド王とも言われる、MR, Zionに挨拶をし、今探しているところの内容を要請し、しばしの軽口をたたき退出をしましたが、なぜか昔なじみということもあり安心感を感じたものです。その上でやはりユダヤ人の力を改めて痛感しながら、他のブースを覗いてみました。

 今回は旧知の取引先のスタッフを帯同したのですが、彼が未だ30代と言うこともあり、『息子か?』と尋ねられると我々のビジネスがファミリービジネスであることと、私自身の後継ぎに興味があることをあらためて感じました。

 彼自身も始めての香港ということもあり、色々と驚いていたようで、経験をしなければ想像も出来ないし、目標も立たないことを痛感したようです。そのような意味でも彼にとっては良かったのではないかと感じるとともに、私自身もなぜかうれしく感じました。

 今回はリサイクル市場の隆盛が顕著であり、日本円の為替が弱いということもあり、多くの日本のリサイクルジュエリー業者のブースはにぎわっておりました。勿論殆どは中国人なのですが、日本人がリサイクル商品に関してあまり抵抗がなくなってきたというのとちょっと違うような気がします。なぜなら、選んでいる商品を見ていると大きめの綺麗でとっぴんではないけれど、後々財産になるような貴石を前提にえらんでいるようです。

 いずれにしても多くの環境が変わり始めていることを感じる今回の香港ジュエリーショーでした。

 さてと、本日帰国し、明後日からイスラエルへの出張に出かけるとしますか・・・。

2015年3月4日水曜日

香港ジュエリーショー!?

 
  今回の香港ショーはいつものとおり二ヶ所で行われており、そのれぞれの場所の開催日をずらし、空港近くで行われたダイヤモンド、ジェム、パールといった素材中心の会場に昨日行ってきましたが、勿論自分にとって興味深いところはダイヤモンドが中心になります。

 特に今回目立ったのはまずはサンゴの大量陳列とその場所での客足の姿の少なさでした。というのは、小笠原のサンゴ略奪事件以来中国のサンゴフィーバーはまだまだ続いているものと思っていたので、さぞやの人だかりであろうと思っていたのです。しかし、そんなことは無かったかの様にそれらのブースは静かなものでした。

パールのディビジョンにおいても大量陳列の割には人が少ないなと思ってジャパンパビリオンに近づいてみるそこには大量のバイヤーが集まっておりました。旧知の出展者に聞くと初日はもっと人が多かったとのことで、相変わらずの日本ブランドの強さを感じました。

 同じものを扱っていたとしても日本人の目というフィルターを通したものは贔屓目ではなく、やはり日本の業者のものはクオリティーが高いと感じました。多くの外国客が真珠にかかわらず、仮に中国製であったとしても日本人の目を通したものであれば間違いが無いと思っていることは日本人がもっと誇りを持っていても良いものだと考えます。

 また、さまざまなジェムに関しても、特徴があり、処理石への評価の低さと同時に非処理石の評価の高さは目を見張るものがありました。やはり、昨今の格差を象徴した富裕層へのアプローチが宝石という本来の概念を目覚めさせたのか、ルビーに関しても非加熱のものが多く展示されておりました。過去であれば処理石が平然と並べられており、価格対応が大前提となっているようなものが多く展示をしている気もしておりました。

 パライバトルマリンに関して言えば、一般的な品質のものに関して言えばアフリカのものを中心に大量に陳列をされておりましたが、高品質のものに関してはきわめて微量で殆ど評価をしたいと思うものには出会うことが出来ませんでした。

 さてダイヤモンドですが今回は大きめのものをリサーチしていたのですが、残念ながら目指していたものは何万点と展示されていたものの中でもごくわずかで期待していたほどのものではありませんでした。しかし、大量に展示をされているおかげでF、Gカラーより美しいKカラーとか、E,Fカラーでも輝きの少ないものと、改めて、グレードなるものとダイヤモンドの美しさは違うものである事
を改めて痛感しました。