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2014年7月29日火曜日

価値の本質⁉

 先週販売員の方たち向けのセミナーをおこない、今後のダイヤモンドの販売方法を含めダイヤモンドの価値についてお話をさせて頂きました。
その中での質問ですが
『先生がもし一般の消費者にお勧めをするとしたらどの部分を強調されますか?』
と問われ
『具体的な消費者像が見えない状態では難しいですが、基本的には大きさをお勧めします。』
と答えました。

 勿論、基本的には美観を損なわないという条件の基においては大きさであることは相当ですが個別の価値感という事もあります。つまり、小さくても品質の良いものをという考えは決して否定するものではありません。

 なぜなら、これは価値感であって価値ではありませんから何とも言えないわけです。価値観とは環境や経験により違いがあっても仕方のないものですが、価値とはそれを超越した絶対的なものを差します。

 価値観というのは変わっていくものですが、価値というのは普遍的なものですから、話していく中で価値観を共有できれば価値を説明するという意味では『大きさ』という事になる訳です。

 極端に言うと溺れそうな人にどんなにすばらしい絵画を差しだしても、一本のロープの価値にはかなわないわけで、これが環境による価値感になる訳ですが、これらの環境が違うものを前提とした価値とダイヤモンドの価値を基本的に違うものであることを理解していただきたいのです。

 暴論に近くなるかもしれませんが、あえて本質という事でいえば『小さくても、品質の良いもの』という事は『人間性は別にしても外見が素敵な方が良い』という考え方に近いわけです。考え方に差はあるかもしれませんが人間の価値は外見ではなく人間性と考える方が本質と私は考えます。

 これがファッションモデルといった特殊環境になれば勿論人間性より外見という事になる訳ですが、あくまでも一般的にと考えた場合です。

 ジュエリーも同じでデザインや造りに価値観を感じる方には素材が小さくても問題はないでしょうが、それらが難しい方達にはやはり、素材の大きさを勧めることが常道かなとも思います。

 ジュエリーのデザインにおいては個々の好みですからあえて言及はしませんが造りに関しては基本的にものですからこれらは価値のアドバイスの前提になると思います。

 つまり、大きな宝石やダイヤモンド以外は意識的に誤解をさせようと思えば出来ることですが、販売側の話し方によっては誤解を招きかねない言い方もある訳です。その為に起きるトラブルも多く耳にします。

 本来の価値が低いものを価値があるように説明をする事と本来の価値を説明することは基本的に違いますから販売側の基本的に姿勢次第という事になるのでしょう。

 言葉を選ばずに言えば、販売側の説明でいかに価値があるかを説明したうえで大きな値引きをすることは価値の低いもの如何に価値があるかのよう見せているだけですから、これも販売する側の姿勢なわけですから、長くは続かないことは理解が出来る事ではないでしょうか。

 過去、一世を風靡し今はあまり耳にしなくなった呉服系の販売は殆どがこのような形態だったような記憶があります。折角創った名声を一挙に失ったようにおもいます。

 それぞれの価値観はどうこう言うものではありませんが、物の実質的価値を説明することはプロとして当たり前のことです。宝飾品には実質的価値と価値観が混在していることを十分に理解し消費者に誤解を与えないようにしなければならないでしょう。

 宝飾品の価値は実質お客様が払った金額であり、元々ついていたプライス上代ではないのですから説明にまやかしがあってはいけないのです。

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