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2014年7月11日金曜日

ダイヤモンドと工芸品⁉

 最近では工芸品的なものに貴金属をあしらい、ジュエリーとして販売をしているものも多い、デザイナーブランドとして展示会等に出店している物とはと違い、メインとなる素材自体は価値がないがその技を生かしているものです。

 一時はカメオや琥珀のように素材も自然界のものを使い、さらに匠の技を施しているものもありましたが、最近では漆や象嵌を施しているものも少なくない。その技が素晴らしくても認める人々がどれくらいいるかにより芸術性も変わってくるものです。

 これらは販売する人々の適性や品性にもよってくると思いますが、価格はそれこそあってないようなものになります。ゆえに、商品の説明や素材の価値をどれくらい説明できるのかという事が大きな要素になります。安い価格を設定しても売れるものでもないし、又、高額に設定したら売れなくなってしまうものでもありません。

 もっともまずい方法は設定上代からの値引きです。勿論、駆け引きの中の値引きを言っているわけではなく、創り上げた職人の技を愚弄するような物を差しているわけですが、それは職人や消費者を否定するようなことになる訳です。つまり、あってないような値段と言われ、信用を落とす序曲と言ってよいでしょう。

 一方、ダイヤモンドはどうかというと、一時のような4Cグレードを使ったのまやかし商法は別にして素材そのものの価値が存在するものでも、販売方法によっては同じことが言えます。ダイヤモンドの価値を決まるものは確かに4Cではありますが、4Cのグレードが価格を決まる訳ではありません。4Cグレードとは車でいえばカタログみたいのものでレポートが取扱説明書になる訳で、決して本体そのもの乗り心地や運転のしやすさのような本体自体を表しているものでもありません。

 つまり、根拠のない価格というものは宝物にもなる工芸品や宝石をまやかしの道具としてしまいます。それは、扱っている人間の品性であることは前述のとおりですが、文化や芸術といったものをその時にお金になればよいという発想のもとに虐げたり、販売する側の将来を危うくしかねない行動なのです。

 まして販売者というものは消費者に忠誠を尽くすべくき立場にいるもので、決してメーカーに忠誠を尽くすべき立場いないという事です。でなければ業界そのものが終わってしまいます。

 売上が良いだけなら詐欺師に敵うものはいませんが売上をげつつ価格の維持をする者こそ本懐であり、真のプロと言えるでしょう。以前にも書きましたが、さる会場での部長の発言である『価格ではなく、価値の説明を・・・。』という言葉がむなしく、思えることがあります。その部長の意図に反して、それは価格の説明においても『何故貴女のために価格を下げるのか』という説明を延々としている業者の姿を見ているとむなしくさえなります。

 消費者への忠誠のための値引きは何度も言いますが、否定はしません。しかし、値引きを前提としているのにその責任を消費者に擦り付けるような言動は決して許せません。そのような業者に限り、『ここの販売員やお客さんは値引きがきついんですよね』といって自己弁護を平気でします。

 工芸品やダイヤモンドのような宝石は取り扱う人間によって価値が決まるものでもあります。勿論価値を感じる方がいくら払ってもかまいません。つまり、ある意味では人間性そのものが宝飾業界の価値を表しています。人間性の良さで販売している方も多くいます。その人々の足はいつまでも引っ張れるものではなりません。

 あえて、書きます。
どの業界であれ消費者を欺くことになった者はそれなりの報いを受けています。
『メーカーに忠誠を尽くすのではなく、消費者に忠誠を尽くすべき』なのです。
 

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