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2011年2月20日日曜日

今ダイアモンドに異変が・・・。

 ダイモンドというものは実質の値下がりをした事がない。

1872年、シンジケートの基礎となる鉱山会社南アフリカにできて以来シンジケートが価格のコントロ
ールを続けてきました。それは原石の時点での価格のコントロールではありますが実質的な値下げをした事はありません。

1950年代以降、オーストラリアや当時のソ連、そしてカナダとあらゆるところで鉱山が発見され
開発が進んでもシンジケートは豊富な資金をバックにそれら新興の鉱山から原石を買い続けて
きました。

1980年以降になると崩壊したソ連をはじめとした新興勢力がどんどん原石を掘りはじめ、シンジ
ケートは原石の全てを買い支える事は難しくなり、半ば強制的に原石のある部分を買取、それ以外
は直接マーケットに売る事を認め始めましたが価格に関しては一応の強制力をもっておりました。

1980年代後半になると米国や欧州の独禁法のターゲットとなり、実質独占的価格コントロール
の時代に終止符を打つことになります。

各新興鉱山会社はそれを機会にあらゆるプロモーションを始めますが必ずしもうまくはいって
いませんでした。シンジケートも消費者マーケットにダイレクトに働きかけ始め、LVMHなどと組み
独自の路線を歩み始めます。

シンジケートにしても各鉱山会社にしても原石が値下がりすることは望んではおりませんので、
実質的な自由競争に入る事もなく、次々と新たな組織が出来上がり始め、原石の取り合いも始
まり必ずしも消費者に良いイメージを与える事ばかりではなくなりました。

レオナルド・ディカプリオ主演の『ブラッドダイアモンド』(紛争ダイアモンド)など2000年
に入ってからは原石の取り合いが表に出て来るようになり、 《キンバリープロセス》なる国際法
が国連により採択され日本も2003年より批准適用をしております。

《キンバリープロセス》というのは紛争に絡んだダイアモンドはそれぞれの国が扱わないように
しようというものですが、日本でも小売店の店頭に「当店では紛争ダイアモンドは取り扱っては
おりません」という張り紙が一時張られておりましたが、法律上輸入することが出来ませんので
扱いようがないのでちょっと滑稽ではありました。

さて、リーマンショック以降日本では不況に拍車がかかり、宝飾業界も大打撃を受けております
が、海外ではすでに新興国をはじめ米国なども上昇気流が見え始めるようになりました。先日も
米国のビジネス仲間が 『昨年は何とかリーマンのリカバーが出来た』 といっておりダイアモンド
ビジネス忙しくなり始めたと言っておりました。

現在でもダイアモンドは値上がりを続けております。日本では為替の状況もありますので過去
値下がりを経験したことがありますが、実質ダイアモンドは希少性の物ですから世界的に景気の
良い場所があれば常に品物は足りなくなります。売行きが落ちれば供給が絞られますので人為的にも量的にも事足りる事はまずないのです。

今の日本では市場原理が働いておりますので一見色々な物が安くなって見えますがダイアモンドに関してはその例外です。日本で売れなければ海外で売れますので、現在では海外のバイヤーが
日本の流通在庫を買いにきて、一時の不動産の日本買い状況になっています。

勘違いしてはいけない事はダイアモンドにはデフレスパイラルは世界規模で見ればまず起きないのです。其々の国内事情によって一時的に値下がりをしているように見えますが世界市場では
値下がりするほどの量はないのです。(一定の条件下では)

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