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2011年2月17日木曜日

内胞物!?

  ダイアモンドの4Cグレードの中にClarity(清澄度)をあらわすものがありますが、
これは俗に言う瑕の度合いです。

しかし、正確に言うと内胞物は俗に言う《キズ》ではありません。表面にある瑕は《キズ》
であることは一部を除いて間違いではありませんが・・・・。

内胞物はダイアモンドの生成過程で閉じ込められたもので、場合によっては数億年前の
物語を運んできたとも言えるのが内胞物です。

ダイアモンドの中にガーネットやぺリドットまたは他の結晶が内包されているものもたまに見かけます。 と言っても我々のような沢山のダイアモンドを見ているプロにとってという意味なので一般の方たちは意識しなければ見る事まずはありません。

中央部にある赤い結晶が
ルビーと思われるものです
クラリティーグレードで言えば品質が落ちるという事になりますが、果たしてそうなのでしょうか?

宝石の条件には以前にも述べましたが希少性という条件もあります。美観を損なわない事を前提としたときに、内胞物が特殊であった場合には希少性という価値がそこには
あります。

4Cグレードを中心に考えると色が白くてキズがなくてカットの上質の物、これが最良であるとされますが、宝石という事を考えるとイコールではありません。

なぜなら、カットは人為的なもので小さいサイズであれば白くてきれいなものはそれなりに
存在します。簡単に言うと4Cというのは宝石としての価値をイコールとするものではありません。
一部のダイアモンドを評価する材料ではあります。

内胞物は時として太古の歴史を感じさせることもあります。欧米では人によってはそちら
の方をむしろ価値として考える人もいるくらいです。

ダイアモンドの内胞物は基本的には後天的なものではありません。つまり、宝石本来の
魅力を何かということにもなりますが・・・。

以前にも何度か述べましたが、宝石を手にして興奮したり、落ち着いたりとかする方たち
もいらっしゃいますが、共通して『自分に合ったダイアモンド』という言い方をされます。

実は色も正確に言うと内胞物ですが、粒子が細かいかどうかという事になります。つまり、
総合的に言うとダイアモンドはそれ自体を楽しんだり、感じたりすることが本来の価値で
あると考えた方が説明がつく事が多いように思います。

例えば婚約指輪とかのダイアモンドは小さくても条件の良い方がよいというのも考え方です。
つまり、ダイアモンドというより婚約という特殊な条件で使うものとしては是だと考えます。

ダイアモンドの個性は人間に色々な接し方をしてきます。以前『ホープダイアモンド』について
述べましたが、4Cグレードで評価したらアウトです。しかし、その範疇ではない事は皆さんにも
お解り頂けると思います。

ダイアモンドには個性があります。その個性と自分の感性が合うかどうか。また、それに
出会えるかどうかを楽しむ事も悪くはないと思います

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