昨今、相撲の件で八百長という言葉が話題になっております。
八百長とは江戸時代の八百屋の長兵衛なる人物が囲碁仲間である相撲部屋の
力士に食材の納入を沢山してもらう為にわざと負けていて、それがのちの囲碁大会で
長兵衛がとってつもない強さを見せ、わざと負けていたことがバレて、それ以降わざと
負ける事を八百長と言うようになったとか・・・。
さて八百長ですが、わざと負ける事は別として勝てる可能性があったのにあえてそうしなかった
事はどうなんでしょう。
例えば、7勝7敗で千秋楽を迎え一方がもう負け越しが決まっており、相手はこれに負けると
引退しなければならないとういう時に仮に情けが出て全力を出さなかったとすると・・・。
でも、そういう事は日本人の中では暗黙の了解というか、その中に美徳も感じていたり
するのかもしれませんね。
思い出すのは1984年のロサンゼルスのオリンピック決勝で柔道の山下康裕選手と
エジプトのラシュワン選手の一戦です。二回戦の当時の西ドイツの選手との試合でケガを
して右足を引きづっていた山下選手にラシュワン選手は右足への攻撃を封印して、結果的
には山下選手の勝利となりました。これなどもラシュワン選手が勝とうと思えば、勝てたので
はないかと思います。
八百長とは何を前提としているかによって見方が分かれるような気がします。
つまり、受け手が何かを前提とした許容範囲内であれば、それを裏切るような行為でなければ、
必ずしも良い事とは取られないにしても・・・というような気がします。
だまされる方がそれに嫌悪感を持たなければセーフなのでしょう。しかし、これも受け手次第
ですから難しいですよね。
宝石に関しても同じようなことが言える場面が多々あるような気がします。例えば最近
話題になっているキュービックジルコニアという人造石があります。ダイアモンドに非常
に酷似しているところから、ダイアモンドの代用品として販売される事も多くあります。
最近、心配している事はキュービックジルコニアにダイアモンドと同じようなグレードが
あり(品質はありますが)、18金に入れて如何にも知らない方がダイアモンドと勘違い
するような売り方をしている業者が見受けられます。
私が見たコピーは『K18,1カラット Dカラー VVSクラス (ダイアモンド)相当 ペンダント』
なる物でした。なかなかキュービックジルコニアの文字が出てこぬまま最後にQZとキュービック
ジルコニアを現わす文字が書いてありました。
これなどは嘘は書いていないのかもしれませんがグレードがダイアモンドの物という前提を
うまく(?)利用したまやかしのような気がします。受け手が前提のない条件を提示して、
如何にも受け手の知っている前提の物のような提示をする。これは何なのでしょうか?
また、某クリスタルメーカーのように如何にもダイアモンドより美しいガラスであるかのような
戦略が功を奏しているところもありますが、これは美しさの許容範囲は人それぞれですし、
クリスタルである事は明示している訳ですから問題はないと思います。あとは受け手がクリス
タルはダイアモンドよりすごいんだと思うのは受け手の勝手というところもあります。
これらをイコール八百長というのは言いすぎかもしれませんが、八百長という言葉にあたる
ものは多分日本の文化の中にしかないかもしれません。今回の相撲の八百長とは裏切り
行為であって個人的には八百長と呼んではほしくないような気がします。
八百長を肯定する訳ではありませんが最低限、後で皆が理解をする・・・と思う訳です。
勿論、人の其々のとり方にもよりますが『嘘も方便』の範囲であってほしいような・・・。
八百長とは『嘘以上で詐欺未満』かな・・・?
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