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2013年5月9日木曜日

ダイヤモンドへの投資!?

 昨夜、久しぶりに取引所仲間の友人と食事をしましたが、その際に最近オークションへの大きなダイアモンドの出品が増えてきた事が話題になりました。

 ここのところサザビーやクリスティーにおけるファンシ―カラーダイヤモンドや大きめな石の落札価格が上昇をしているのは確かであり、以前はこれほどの出品数があっただろうか、という事は確かに気になります。

 最近の出品内容を見ても大粒の出品は100~200点に及びます。ここ数年3ct~5ctのところの最上級品に関しては2~3倍の価格上昇(ドルベース)をしておりましたが、10ctアップに関してはあまり動きがありませんでした。それは市場に数も少なく売りに出すものも少なかったので相場が立たなかったという事でもあります。

 しかし、昨今のオークションへの出品数は、今までダイヤモンドに逃げていたお金が他に動くべく、ダイヤモンドの放出が始まったのだろうかとさえ勘繰りたくなるような多さです。しかし、その割には価格の上昇を招いているのでこれもまた理解に苦しみます。

 『今後はこんなに出てくるとダイヤモンドの価格はどうなるんですかねェ。』

 投資を前提として考えるのであれば、答えはイエスであろうという事から話が展開をし、

『以前と違うのはシンジケート等のコントロールの影響が小さくなり、市場の原理がはたらいている。現在では等しての市場がもっと注目を集めるようになるかもしれないね』
と答えると

 『これだけどんどん出てきてもやはりそう考えるべきですかね?』
と質問

『大きな物が目に触れるようになってきてはいるけれど、埋蔵量が枯渇に向かっている事は事実だからね』

 以前とは違う市場が出来つつある事は感じるところでありますがそれがどのような形になるのかはここ一、二年の事だろうと思います。それはもっと一般の人々にオークションや投資の実態が伝わるようになると後は業界の人々がその事に対応が出来るかどうかだと考えます。

 つまり、ジュエリーとしてのダイヤモンドと投資用のダイヤモンドとは明らかに扱いが変わるであろうし、普通の業者が投資用に対応する事はほとんど不可能ですが、それらとの価格差で不都合が出てくることも事実です。そのうえでの商売は極めて難しくなるでしょう。

 現実に私の先輩で我が国のダイヤモンド業界での先駆者である人が投資用にダイヤモンドを専門に始まられた事も、シンジケートの価格コントロールがほぼ壊滅し、GIAのグレーディング能力が進歩したことが大きな要因であると言っておられました。

 飲みながらのダイヤモンド談義はアッというまで久しぶりにダイヤモンドを堪能したような気がしました。まだまだ夢はあります。    ダイヤモンドには・・・・。

2013年5月8日水曜日

ダイヤモンドのそもそも!?

 ダイヤモンドの価値の考え方については今までも色々と述べて来ましたが、販売員の多くがダイヤモンドを進める時に4Cのグレードを使って説明をする事が多くあります。しかし、単純に4Cを理解したとしても、何故に小さくて実用性のない物が何十万も何百万もの価格になるのかという事についての説明はほとんどされる事がありません。

 実は昨日お客様に指摘をされた
『4Cのグレードの説明を何処でも受けてきて、価格に違いについては理解をしたのですが
 だけど、何故にこんなに高いのかという事には理解のできる説明が無かったんですよ』
ということでありました。

 『なるほど、それでは一緒に考えながらご説明しましょう』

とダイヤモンドの採掘状況や流通量、宝石の条件を含めて色々と一問一答の形で話をしました。

 『なるほどそれなら価格が高い事も理解できますね。ただ、何故に価値があるのですか?
 何の利用方法もないのに・・。』

とまともな疑問をぶつけられ、一寸当惑しましたが

『価値というのは各々にとっての価値あるものと、広く一般的に価値のある物がありますが、
 前者は多くの場合価格に置き換えられないものもありますが、後者は換金が前提と
 なっている物という事になると思います。』

『ダイヤモンドはどちらになるのですか?』

『そこがダイヤモンドの理解しにくい部分でもあると思いますが、結論から言うと後者です。しかし
婚約指輪や遺品のように前者の要件も満たす場合があるのです。ゆえに誤解がされやすいのだと思います』

『つまり、換金性がある事が前提になっているので小さくて実用性がないようでも単価は高いのです。但し、価格の違いを述べている訳ではありませんが最低限タダではない再利用が何度でも出来る材料であるという事です。その上で大きなサイズになればより希少性が故の換金性が増します。』

 『なるほど、綺麗でより多くの人が好む物の割には採れる量が少なくてという事で元々が値の高い材料だという事ですね。さらに希少性が高くなればより価値が増し、結果何らかの資産にもなるという事ですね。』

『そうですね。市場原理の申し子のような存在がダイヤモンドなんです。つまり誰もが興味をもたねければ何の価値も価格も上がってきませんが市場が価格をつける以上はその価値があるという事になるんですね。』

 『なるほど。』

『ただ、何故人々がダイヤモンドにそれほどの魅力を感じるのかは、人それぞれだと思います。
 単純に綺麗だから、人に自慢がしたいから、資産の運用に使いたいから、そして自己満足をしたいから・・と過去にも色々いましたが、一番は光の魅力と言っていた人が一番多かったと思います。』

 ダイヤモンドはそもそも何故価値があるのかという事を説明するつもりではなく、何故価値を見出されたのかをお話しするつもりだったのですが、『イセエビはなぜ高いのか?』といったような説明になり、ふと振り返るとそもそも論とは美味しいから綺麗だからといった単純な感覚の世界に市場原理が働くだけなのでしょう。

2013年5月4日土曜日

ユダヤ人のダイヤモンド歴その2!?

 前回はユダヤ人が何故ダイヤモンドに関わったかという事ですが、今回はもっと近代で皆さんが知っているシンジケートを中心に話を進めます。

 18世紀に入り、ポルトガルも財政も底をつく頃になると王族たちはロスチャイルド家などのユダヤ人高利貸しより資金を借り入れする事が多くなり、ユダヤ人高利貸したちはダイヤモンド担保に取り始めます。それが近代のダイヤモンド資産化の始まりではないかと思っています。

 19世紀に入り、ブラジルのダイヤモンドが底をつき始めると、南アフリカでダイヤモンドが発見されます。もともと大英帝国領であった南アフリカにはイギリスから渡った二人のイギリス人バニーバナートとセシルローズなる人物が歴史に現れて来ます。ダイヤモンドを生業にする人間であれば勿論知っている名前だと思いますので詳しくは其々で・・・。

 この二人の争いに幕引きをしたのがロスチャイルド家でした。ロスチャイルドはユダヤ人のバナートではなく、ローズの方につき資金援助をします。これが決定的になって1881年に設立されたデビアス鉱山会社が世に出て来ます。当時のローズは南アフリカ評議会の議員でもあり、英国王室に近い立場にあったと思われます。その為にロスチャイルドは割り切っての決断だと思われます。

 その後運営がおもわしくなくなってきた時にアーネスト・オッペンハイマーなる人物が現れます。金鉱山の中心にアングロアメリカン社を立ち上げたアーネストは1927年ローズ亡きデビアス社を傘下に収めます。そこからは皆さんがご存じのシンジケートの妄想が始まります。

 しかし、ユダヤ人であったアーネスト・オッペンハイマーは改宗しキリスト教徒になっており、実際に皆が思っているシンジケートはユダヤ資本ではなくキリスト教系だといえます。その後はシンジケートの支配が永い間続きますが、この間にも多くのユダヤ人はシンジケートに反目しながらでもダイヤモンドビジネスを続けていきます。

 シンジケートのサイトホルダーの多くはやはりユダヤ人であったし、そのユダヤ人達もいつもシンジケートに属さない原石を模索しておりました。1990年頃になると状況は変わり。シンジケートの時代は終わりを告げることになります。

 状況、システムは変わってもユダヤ人がダイヤモンドのビジネスの中心にいた事は事実で、恵まれない環境の中から扱わざるを得なくなって現代に至るのですが・・・お解りいただけたでしょうか?

 勿論歴史的背景から私自身が想像したことや見聞きしたことを中心に書きましたが、細かくはしょっていますので大体こんなところと理解をしてください。もっと、詳しくとなると歴史学者に任せなければ難しいかなとも思いますので、取り合えずは経験の中から知ったことだけです。

2013年5月1日水曜日

ユダヤ人のダイヤモンド歴!?

 ダイヤモンドを永く取扱い、イスラエルに三十数年通っていると、必ず聞かれるのがダイヤモンドは何故ユダヤ人なのか?・・・という事であります。

 以前にもこの話のきっかけとなったユダヤ人友人の父親からの話をかるく描きましたが、5月に入りGW中という事もあり、時間に余裕のある時に簡単に述べてみたいと思いますが、細かい事を書くと長くなるのでそこそこにしますけど。

 ユダヤ人は皆さんもご存じのとおり2000年前ほどにディアスボラ(離散)という事で国を失い世界中に離散をしていったという大雑把な事はご存じだと思います。それはキリスト教徒からの迫害という形で記憶をしている事が多いのかなと思います。

 しかし、現実にはキリスト誕生以前からその特殊性の上ゆえにユダヤ教徒達は迫害を受けていた歴史もあります。しかし、その特殊性ゆえに、それを利用にしていた権力者たちもおり、カエサルを始め、アウグストゥウス、アレキサンダー大王などもユダヤ教徒達の特性を利用する為に重用しておりました。それゆえディアスボラの前から世界各地にユダヤ人達は根ざしていたといえます。

 勿論その特殊性ゆえに嫌われ、迫害も受けていたのは歴史で繰り返し、それゆえに後のナチスの迫害、人種浄化の理由にもなったのでしょう。

 さてと近年に近づいてですが、世界中に広がっていたユダヤコミュニティーはシルクロードに沿った国々に勿論のこと存在をしており、インドと西欧との貿易にも多く関与をしていたのです。それゆえにインドで紀元前から発見をされていたダイヤモンドにも関わっていた事は想像がつきます。

 しかし、ヴェネチアの商人達が活躍する十二世紀頃になるとキリスト教徒の十字軍などによりユダヤ商人たちは東西貿易からどんどん排除され、迫害を受け始めます。その後当り前の職業につけないユダヤ人達は高利貸しなどの卑しいといわれる職業に就かざるを得なくなっていきます。ここに一つのポイントがあります。

 その後大航海時代(十五世紀頃)の幕開けと共にポルトガルの改宗をしていたユダヤ人達がブラジルに多く渡っていきます。

 その頃はヨーロッパ各地で迫害を受けていたユダヤ人達は比較的差別もなく、当時の商業の中心になっていたアントワープやアムステルダムを目指します。その後インドのダイヤモンドが枯渇する頃になると当時のポルトガル領であったブラジルで大量のダイヤモンドが発見されます。

 当時、ギルドに参加を出来なかったユダヤ人達はそれに所属をしないダイヤモンドの研磨職人という職業に従事する者が多くおりました。十七世紀のこの頃に現代のダイヤモンドの研磨に近い物が存在を始めます。勿論その前から簡単な研磨技術は開発されておりましたが・・・。

 ブラジルで発見されたダイヤモンドは改宗ユダヤ人達により、本来の同胞であるアムステルダムのユダヤ人達にどんどん送り出されるようになると、それまで中心であったアントワープを抜いてアムステルダムがダイヤモンドの研磨の中心となり、ギルドの規制のかからないユダヤ人達の力が増していくようになります。ここがもう一つのポイントです。

 長くなるのでこの続きは次回・・・。近代のダイヤモンドビジネスの目覚めです。

2013年4月26日金曜日

気持ちよい!?

 昨夜知人のジャズピアニストが横浜のライブハウスで今年のグラミー賞のトロンバーン奏者と共演をするので・・という事で行ってきました。

 久々のライブでしたが横浜馬車道の一角にある小さなライブハウスは非常に心地よく音楽を聞かせてくれるところでした。

 閉店後、すぐに横浜へ向かい約30分後にライブハウスへ到着。道すがら初めての行くライブハウスであったので周りを見ながらの散策は非常に心地よく、ちょっと異国観のある馬車道は昼間見る光景とはちょっと異なり、迷う事すら心地よく感じました。

 到着後、軽い食事をとり演奏が始まるとラテン・ジャズを中心とした構成はとても心地よく、大きな音の中で軽い眠気さえ誘われました。

 ダイヤモンドを見ているうちにダイヤモンドの中につい誘われて気分的にさまよう事がある方が時々いらっしゃいますがまさにその気持ちです。一瞬その世界に染まり身を置く事の心地よさは何物にも代えがたい幸福感です。

 特に、ピアニストの彼女は昨年出産をし、ほぼ一年育児に追われる毎日で音楽的に枯渇状態になった時に愛娘の寝顔を見て、突発的に書いたというオリジナル曲は素晴らしかったですね。

 昼寝顔という事で仮のタイトルは『シェスタ』ということでしたが、まさにスペイン語で『昼寝』。私もその音色につい誘われて上下の瞼がコラボレーションしそうになり、気持ちの良い空間に誘われていきました。

 二時間半程のライブが終わり、外に出た時には日付の変わる手前という事もあり、気持ちよく酔った中年サラリーマンや酔っぱらって意見を交わす若者達が馬車道でたむろをしており、その背景となっている昔ながらの建築様式を残したビル群はさらに異国情緒を演出していました。

 久々の気持ちの良い夜でした。

2013年4月23日火曜日

何故にダイヤモンド?

 一昨日、長年のテニス仲間と久しぶりに食事をし、中には始めて席を同じくする仲間もいました。
その仲間から急に

『以前から髙木さんと食事をしたいと思っていたけど、なかなか機会がなかったし、共通の話題もなく、髙木さんはしょっちゅう海外で仕事をしているイメージがあってお誘いしにくかったんですよね。特にダイヤモンドの仕事をなさっていると聞いて、より自分とは縁がないと思っていたんですよ。だからいつか機会があったら何故にダイヤモンドは価値があるのかを聞いてみたかったんですよね』

と唐突に。
 普段ロッカールームなどで軽口をたたいている仲間がそんな風に私も見ていたなんて一寸驚きました。

 『何故にダイヤモンドに価値があるか?はっきり言うと私にもよく解らないですね』
『エッツ!?』

 つまり、美しいだけでは他にも幾らでもあるし、美しいけど他の価値があるものである事が前提なのでしょうから。その価値というのもある条件の元、人間の役に立つ物という事が条件になるでしょう。砂漠で喉が渇いた時に役に立つのはお金ではなくお水でしょうから。

 ある種の条件に対しての汎用性が高いという事が価値の高さを表わすのでしょうから、絵画が何故価値があるのかと言われたら、色々な条件が付加をされ人々が価値を認めるのでしょう。

 ダイヤモンドにどういう条件が付加されて価値が高くなったのかを説明することは出来るのですがそれが何故ダイヤモンドだったのかを説明しろと言われると解らないと答えるしかないのです。

 最初にダイヤモンドを商売にしようとした人は何故にそう考えてのかが解らなければ説明が出来ないのです。その事の説明が出来るとすればダイヤモンドのビジネスに携わっている人間でなくとも出来るのだと思います。

 発見当初のダイヤモンドは必ずしも美しいものではなく、どちらかというと硬さが優先されたものです。そこで研磨技術が開発をされ、初めて美しさが認められたのです。故に何故ダイヤモンドに価値を見出したのかと聞かれると『解らない』と答えるようになるのです。

 勿論、現在何故価値があるのかを説明をする事は難しい事ではありません。人間によって価値を裏付けられるようになってからの事であればという事ですが・・・・。

 ただひとつ言える事は人間にとって本能的に綺麗だと思わせるだけの魅力が原石状態でもダイヤモンドにはあったという事であろうと思います。

 現代においては換金性や投機性が裏付けられており、はっきりとした価値があるのですがその起源を考えると小さな女の子が河原で綺麗な石を探して大事な宝物にするようなことなのでしょう。

 何事もそうでしょうけど一部の人間が発見をした価値を多くに人間が共有し始めて公の価値になっていくのでしょうからダイヤモンドの価値に関しても同じような事が言えるのであって皆が綺麗だと思っている事が一番の価値なのでしょう。

2013年4月22日月曜日

大きなピンクダイヤモンド!?

 先日のサザビーNYのオークションで久しぶりというか、相変わらずというか、目を見張るダイヤモンドが落札されました。

 Princieダイヤモンドと言ってゴルコンダ産のピンクダイヤモンドですが、重量が35.65ctsで落札価格が3932万ドル(日本円39億32100万)という途方もない金額でこの種のオークションは未だに健在というか高騰を続けております。

 金の価格が急落し、お金の移動が始まった感もありますが、ダイヤモンド市場は未だに人気があるといえるのでしょうか。

 ダイヤモンドの市場でも今回の日本の内閣が進める経済政策には興味を示しており、今後の成り行き次第では今だ世界のダイヤモンド市場の10%を占める日本の市場の復活が期待されると評価をしています。

 現在のダイモンド市場にはファンドマネーも参入しており、価格の頭打ちは考えられない状況にあります。但し、いつも書いている様にジュエリー素材の市場に関しては経済状況の影響を受けやすいのでその限りではありません。

 今回のサザビーのオークションに関しては総額で53億円を超える出来高でしたが、その中で前述のピンクダイヤモンドの他に74.79ctsのD VVS TYPEⅡa のペアシェイプが14億円で落札をされましたが、両方でほぼ90%の売上高を占める事を考えると、以前大半の売上を占めていた絵画がなりを潜めて、ダイヤモンドがその主役の立場に入れ替わった事を感じます。

 投資市場ではダイヤモンドがより安全で効率の良い対象である事を認識しているようです。