ラボグロン(人工)ダイアモンドが現れて30年がたとうとしています。現実に市場に現れてという意味ですが、実際には1980年代には当時のソビエト連邦製のものが出回っていてということです。
そのソ連崩壊によりそのマシンが米国に渡り、1990年台半ばには市場で目にするようになりましたが、品質や大きさがさほどではなく大きな市場になることがありませんでした。
2010年代になると中国での生産が多くなり、世の中の知られるところとなりましたが、価格はそれほど大きく天然のダイアモンドとの差もなく(天然の約40%程度)、大きさもさほどのものではありませんでした。しかし、その後インドでの天然ダイアモンドの研磨が少なくなると、インドの研磨工場の多くがラボグロンの研磨を開始し、更にラボグロンの大量生産まで自前で始めるようになると瞬く間に価格が下がりました。
現在のラボグロンの価格は天然の約3%を目安とされるまでに下落をしました。つまり大量生産をすることが可能なものですから当然といえば当然の結果ともいえます。
およそ45年ほど前にも経験がありますが、当時はキュービックジルコニアが現れて、天然のダイアモンドと見分けがつかないという触れ込みで販売をされ、1ctがプラチナ枠で100,000円で売られていました。しかし、3年後にはシルバー枠で5,000円という価格になっていたことを思い出します。
ただ、現代のラボグロンに関してはダイアモンドであることには違いがありません。勿論、看破方法は確立されてはいますが、見た目も輝きも天然とは違いが殆どありません。
ここで天然との違いはどこにあるのかというと天然に関して言うと唯一無二であること、そこに歴史上の物語が付与され、さらに言えば換金性が高いということです。一方、ラボグロンに関して言えば大量生産であるという意味で言えば背景的な物語はありません。また、換金性という意味で言えば殆ど皆無といえるでしょう。つまり、天然品と工業製品の違いです。
それではラボグロンの長所は何なのか? 昨年の夏に米国へ行った際にビバリーヒルズで2軒ほどの豪華な宝石店が開業をしていました。はてと思い覗いてみましたがきれいなパーティー用のジュエリーが陳列されており、数千万から数億円するようなハイジュエリーが並んでおりました。
しかし、実際には数十万から数百万円程度の価格帯であり、驚いていたところラボグロンの専門店でした。なるほど売り方だなと思い、そこの社長と少し話したところ、まだお店を立ち上げてか2年程であるということでした。
話の内容から、米国に限らず欧米諸国にある文化がその需要を支えており、例えばアカデミー賞に関わらず、それを身に着ける場所が多々あり、数億円出さなければならないような場面でさえ、数百万円で済むとなれば如何な富裕層でもありがたいのではと考えます。以前はアカデミー賞の受賞者は某ハイブランドからのレンタルで参加をしていたものです。
日本では残念ながらなかなかそのような場所は少なく、ラボグロンを扱っている業者もプチペンダントや立て爪といったシンプルなものにすることが多く、意味合いから言えばキュービックジルコニアの二の舞になるのではと懸念をしています。
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