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2018年2月26日月曜日

ダイヤモンドの役割⁉

 私自身は長年ダイヤモンドに携わってきたといっても海外やディラーとしての仕事が多く、ダイヤモンドに特別な役割や価値というものを特には考えずにビジネスを行ってきたのかもしれません。ここ5、6年で小売りにも参加をするようになりダイヤモンドの実態を見ることになってきました。

 私自身がダイヤモンドに最初に携わった時には『給料の3ヶ月分』という有名なフレーズがありましたので、婚約指輪としての位置がまずあり、それから一つの成功した人々の象徴的な部分もあってダイヤモンドは皆のある意味目標でもあり、売れることに何の疑問も持ってはいなかったのです。

 しかし、現状の市場にはその部分の多くは消え去り、ダイヤモンドに何らかの憧れや象徴的な意味合いも薄れ、婚約指輪にいたっては最高時の1/10以下ともいわれています。

 ここ数年小売りに参加をするようになり感じた事はいつも言っていることでもありますが『4Cグレード』の弊害でした。それは単純に価格競争の対象とされ、グレードの曖昧さを顕著にし、市場をつぶしていくという現象でした。

 もう一つ感じた事はダイヤモンドの見せ方や表現の仕方により消費者がまだまだダイヤモンドに魅力を感じてくれるということでした。前述の売り方にヘキヘキし、ダイヤモンドに関心が薄れていた人々が実際に手にふれ、じっくり見ることにより、ダイヤモンドの本当の魅力に関心を持ち始めるという事です。

 近代ダイヤモンドにおいて当初は単なる象徴であったものが金融商品となり、それがやがて宝飾品をはじめ多くの部分で贅沢品となり、それが誇りでもあった時代を経て前述の婚約指輪や目標となり、そして現在の関心の外に置かれてしまった状況にあるわけです。

 それでも何らかの役割をダイヤモンドは人間の為に果たしてきたわけですが、それは今後も続くんだという実感がここ数年で持てるようになりました。それはお客様のダイヤモンドを見る時の反応です。実際にダイヤモンドのお話をさせて頂いてからダイヤモンドを見ていただくと殆どの方がダイヤモンドに対する考え方や見方を変えてくださいます。

 ダイヤモンドの本当の役割は『人生に豊かさ』与えてくれるという事で、それは精神的な物であれ実質的な物であれ間違いがないという実感です。それをただ人間が金子に置き換えただけなのです。根本的なダイヤモンドの人間に対する役割は何ら変わってはいないのです。取り扱った人間の未熟さにより表面が変わってきたように見えただけなのです。
http://diamond-exchange.jp/
https://ameblo.jp/diamonrow

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