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2015年7月11日土曜日

価値の本質⁉

 絵画の価値とジュエリーの価値を比べる時に根本的に違う事は材料の価値です。ソフトの部分ではデザインや造りといった部分のあるジュエリーに対して絵画は、勿論技術的なものはあるのですが、その芸術性であったり、認知度であったりとやはりソフト部分が大きく価値の根本となる訳です。

 しかし、根本的に違うのはジュエリーは素材である宝石や地金のの価値といったものが優先し、絵画は素材であるキャンパスであったり絵の具の価値を考える人はいません。つまり、売り方の問題が一番多きいのですが、絵画は画商がいかにこの作品は優れているのかを前提にビジネスをするのに対し、最近のジュエリーを売っている人間はいかにジュエリーに価値が無いかといわんばかりに値引きを前提に商売をします。それが商売と言えるのかどうかは疑問ですが・・・。

 消費者も値引きを前提に話をされるので、本来ついている値札の価値はないと考えていますので少しでも安く購入しようと思います。しかし、以前にも書きましたが購入者はジュエリーがやはり誇りだったり、見栄だったり、権威だったり、権力の象徴的な部分があるのは理解をしていますので、宝石や素材である地金の価値だけで販売が可能になっています。

 売っている人間性の前にジュエリーの本質的価値があるこそ、未だに売れているといって良いでしょう。もし、今のような一部の業者や販売員がいなければもっとジュエリーも売れ、価値のあるものとして足を引っ張られずに優雅にビジネスも行えるでしょう。

 本質的な価値はやはり概念的なものが大きく左右をしますが、絵画と違い、販売側がどんどん価値を下げていくのですから、商品内容もその中身になっていくのは当然で、そこには消費者が望むような価値はありませんから売る事が難しくなっていって当然ともいえるでしょう。

 消費者の中には材料が高いのは解っているからこそ少しでも安く買った方が良いといった、本来の価値とは違う方向でジュエリーを見ている人もいます。しかし、それもみな販売側の姿勢の問題でしょう。

 確かに一部の高額ダイヤモンドのように実質的価値だけでのビジネスもあります。しかし、多くのジュエリーの場合はデザイン性であったり、職人技術の粋を集めた物をビジネスとしていましたが、現在では値引きを前提とした商品作りが行われますので、それにはほど遠い商品も多く見かけます。

 勿論、一部の販売員は素人に毛の生えたようなものといっては失礼かもしれませんが、知識が無くても行えるビジネスでもありますから、どうしてもそうなってしまい、善良な業者はむしろ頑なに融通が利かない業者という見方がされます。

 本質的な事を言えば綺麗事ではなく、購入者の立場を前提にしたビジネスですから、販売側の都合を前提にするとビジネスとしては成り立たなくなります。現状の不振の殆どはそこに原因があるのですが、この事を説明しても多分理解が出来る人は一握りなのだろと思います。

 暴論に聞こえるかもしれませんが、育ちだったり、人格だったりといった根本的な事が違うとジュエリーの販売は単なるお金に換えるその場限りの行動であり、決して未来の明るい仕事ではないのだといえます。

 本来は画商のように誰彼が行うのではなく、その価値や才能を理解できる人が、その価値を上手く表現する事により行う事が良いのですが、材料や素材に価値がある為に誰かれが行う事が出来る商売に成り下がってしまったのでしょう。

 しかし、宝飾品に価値があることは神代の昔から歴史が物語っています。まだまだ捨てたものではないことは欧米諸国でも理解がされています。いずれ本物だけが残ることを願ってやみません。
http://ameblo.jp/diamonrow

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