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2019年1月4日金曜日

今後の人造ダイアモンド⁉

 前回に続きCVD(人造ダイアモンド)についてですが、昨年末よりCVDの件がTVで良く報道されているという事でこの年末年始にかけてご質問をいただくことが多く、ちょっと書いてみます。

 人造ダイアモンドの報道に関しては不安をあおるような内容が多いように思いましたが、実際にはどうかというと、人造である以上その看破方法は存在しています。TVではプロでも見分けがつかないという事でしたがどの部分までをプロというかは別にして相当数見てきた人であれば違和感を感じる程度のことはあります。

 一番の違いはCVDに関しては宝石ではないという事を前回にも述べましたが、宝石の前提となる希少性と換金性がないという事ですが、問題はそれ以前の販売方法としてその不安を取り除くことができるかどうかという事だと思います。

 これは現在宝飾品を取り扱っている人々の意識の問題でもありますが、少なくても催事等を行っている人々にはこの不安が常に付きまといます。つまり多くの催事屋さんたちはメーカーからの受託商品が多いのでその中にCVDが混入されていても区別もつきません。

 しかし、宝飾業界としてはこれを水際で防ぐ為には小売店さんが催事屋さんや問屋さんに鑑別済みのみを搬入するように依頼をするしかないのですが、催事屋さんや問屋さんいはコストを含めて時間もかかることなので難しい状況になるのでしょう。

 つまり、現実的にはキタナイ天然のダイアモンドを扱い価格を誤魔化そうとするよりもCVDが入った物のほうが綺麗であり、更にはダイアモンドであることには変わりがないのですから最初から催事の展示商品には美しさを追求するために混じっていることを前提にすれば問題が生じません。そして、それを選ぶかどうかは購入者の考え次第と販売者の説明次第です。

 今後鑑別協会側でCVDを『養殖ダイアモンド』などと呼ぶことを考慮中であるとも聞きます。つまり、真珠にしても養殖という便宜上の名前を与え、色石の処理石に関しても、如何にも殆どが処理石であるかごとく消費者を啓蒙してきたのです。

 勿論当たり前の考え方をしている人間であればこのこと自体が業界の都合であり、鑑定する側の都合であることはすぐにでも気が付きます。しかし、これ以上の誤魔化しは業界自体を衰退させ更には宝石というものに対する不信感を増幅させかねません。

 そこでいっその事はっきりと認めCVDというジュエリーにとって適した素材を使用していることを認め、ただし宝石ではないという事実をきちっと伝えることが業界の誠意ではないでしょうか。それで業界が落ち込むことはないと考えています。なぜなら、今までも催事等で宝石ではない素材を使いながらそれなりの価格で売ってきたのですからそれほど大きな問題とは思えません。

 もし天然のものがご所望であればお金を出すか、質を下げれば良いのです。ただしここには精神的な問題もあります。以前にもありましたがキュービックジルコニア出てきたときには相当数売れましたが、現在ではほとんど売れません、やはり、見た目がダイアモンドでも実際にはフェイクなわけですから、心の問題として身に着けていて惨めになるという意見も多々あり、いつの間にか市場価値を失い始めました。

 人間情緒というものはやはり本物の中にのみ存在するものであり、何事も偽物には本質というものがありません。今後のCVDは取り扱う側の倫理の問題であることは間違いがありません。
https://ameblo.jp/diamonrow/

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