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2016年12月16日金曜日

ダイヤモンドの構造変化⁉

 今回のイスラエルの出張でのことですが、取引所の中で多くの人々が口にしていた言葉が『ダイヤモンドのビジネスモデルの変化』という言葉です。

 以前からの4Cを中心にしたダイヤモンドビジネスの限界が来ているという事です。私自身も感じてはいることですが4Cに対する誤解が作り上げたマーケットがあまりにも大きくなりすぎたことによる4Cビジネスの経年劣化です。

 今、取引所にいてもプロフェッショナルの存在を感じることがありません。グレーディングレポートとダイヤモンドを持って歩き、ただこのグレードでプライスレポートの『何%ビロー(マイナス)だよ』
と持って歩くだけですからプロがいらないわけです。つまり、小学生でもできるビジネスになっているわけです。

 原石の個々の価格は違うわけですから、グレードで一律に価格を決められたら供給側はたまったものではありませんが、そうしなければ今のバイヤーたちもダイヤモンドの価格が解るわけではないので商売にはなりません。多くの人々がビジネスから立ち去るわけです。

 以前であれば、ある程度の経験が必要であったビジネスですが、そのを一律にしてしまったことによりビジネスの醍醐味はなくなり、又『ダイアモンド・ドリーム』も起こりにくくなったわけです。

 一方景気の低迷も手伝い小粒のダイヤモンドのマーケットは縮小し、ブライダルやファッションの世界で需要の多かったサイズは今はそれほどの需要がありません。しかし、一方では世界の富裕層の変化により大粒やファンシーカラーの高騰は止まりません。今年だけでもニュースになったファンシーカラーのオークションにおける落札額は驚異のペースです。

 最終マーケットからの影響による川上のダイヤモンドビジネスにおける影響や変化そして流通の変化は近年まれにみる変化でダイヤモンドインフォメーションサービスが行っていたキャンペーン以来の変化といってよいでしょう。つまり40年から50年ぶりの変化です。

 もちろんマーケットの影響を受けることは常ですが、ダイヤモンドの場合は本来供給側が作り上げる情緒により価値を上げてきたビジネスですから、ここまで最終マーケット(消費者というより末端の販売員)の影響を受けたスタイルになると今後は新たなビジネスモデルにならなければダイヤモンドのビジネスの存在そのものが危うくなるでしょう。

 これらは末端の販売員の教育までもが4Cという安易な方法で行われてきたしっぱ返しともいえるでしょう。川上から川下までが素人で出来るビジネスであればそこにビジネスとしての存在価値はありませんから今後は変化をしていかざるを得ないのでしょう。
http://diamond-exchange.jp
http://ameblo.jp/diamonrow

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