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2014年4月9日水曜日

ダイヤモンドから見えるもの!?

 ルーペを通してダイヤモンドを見始めて数十年になりますが、一つとして同じダイヤモンドに出会った事がありません。同じようにカットをされていても何処か表情が違うものです。

 先日、何時ものようにルーペを覗いていると「あれ、このダイヤモンド何処かで見た覚えがあるなぁ!」と思いつつ、その事をなぞり始めました。手に持っていたのは2ctsのマーキースカットでした。

 私が社会に出て間もない頃、勤務先の所属部署であった宝石部においてはまだまだ下っ端だった私は日々ダイヤモンドを覗くことを義務付けられておりました。

 その中で、私がダイヤモンドに興味を持ち始めた6.12ctsのPINKでフローレスの物と同時期に5ctsのPINKでたしかVSクラスだったと思いますがマーキースカットの物がありました。

 この時期はその会社も昇り盛りで日本国内でその社名を知らない人はいないのではないかというぐらいに盛況を極めておりました。そんな忙しいさなかで、私は日々ダイヤモンドを見る事を続けていた訳ですが、ある日上司から

 『このピンクの5ctsのマーキースはどれくらいのクラリティーだと思う?』

と問いかけられ、その石を覗き始めました。

 『VSの一番だともいますが・・・。』
 
『そうか、よく出来た。来週から私の出張に連れていくからその準備をしろ。』

 訳も解らず返事をしましたが、それが私の業界デビューの瞬間でした。その後この上司には色々なことを教わり、今はリタイアをしておられますが現在でも尊敬をしております。

 小生がのぞいていた2ctsのマーキースはその時の5ctsのものと極似しており、除いているうちに当時の事を思い出していたものでした。

 私自身GIAの理想的な形より若干細めな物が好きという事もあります、正にこの二つの石は私の好きな形であり、大きさこそ違いますが同じ表情をしていたのです。

 ダイヤモンドを覗いていると色々な過去が見えて来ます。改めて感じた瞬間でした。

 

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