Gem(宝石)とJewerly(宝飾品)の根本的な違いは自と他であると考えています。
ジュリーとは本来実用品の延長にあり、その素材として贅沢品を使用しているのです。
つまり、ジュエリーとは階級や所有を示す実用的な装飾品だったり、ボタンやピンのような実用品であったものをある時代から材料に宝石や貴金属を使用するようになって、それがファッションを伴って進化してきたものです。
一方、Gemはその名の通り英語の蕾を表す言葉を語源としており、小さくて硬く、愛らしいものに比喩されるように自身の感受性を刺激するものとして当初は存在していたものです。
ジュエリーは他人の目や価値観をベースにしたものですが、宝石はやはり自身の感性を刺激するものです。つまりは根本的に両方の成り立ちは違うものですが、両方が出会うことにより現代の宝飾品が成り立ってきたものです。
宝石の美しさや耐久性、希少性そして携帯性がより一層ジュエリーの役割のステージを押し上げたといってよいでしょう。そのことにより一つ一つのジュエリーが持つ意味が出来上がり、王冠だったり、勲章、モーニング(喪)ジュエリーのような特別な意味を持つものとして成立をしてきたわけです。
宝石と装飾品が紡ぐ家族や国家の歴史と物語をつなぐ役割は単なる貨幣で表す価値ではないと考えています。歴史や思い出が貨幣で測ることができないように一流のジュエリーの価値は単なる価格ではないのです。
美しくて、希少性があり耐久性に優れているからこそ成しえる役割をもっと評価をしてもよいのではないかと考えます。世の中のすべてのものが何らかのもので紡がれているのではないでしょうか。
人と人、物と人、物と物あらゆるものが『紡ぐ!?』を意識する時代が来ているような気がします。もっと、それぞれの価値や意味を正当に評価するだけの意識を持っていたいものです。
それが出来たときにジュエリーは完成するのです。ジュエリーとは人生の成熟度を表すもので、
それを理解する人がそれを扱う権利があるのでしょう。
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